BY ORDER OF THE O5 COUNCIL
This Documentation is Sealed
Level 5 Access Only
O5指令4002-29に従い、当文書はレベル5クリアランスを持つ職員にのみ公開されます。また、レベル5職員はO5-1からの命令がない限り当文書にアクセスしないことが推奨されます。
あなたの現在のアクセス資格情報は#ID O5-1です。
警告: 監督官権限の偽装及び当文書への許可なきアクセスは双方ともに深刻な影響をもたらす違反となり、即時抹殺につながります。
アイテム番号: SCP-4002
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-4002についての直接的なあらゆる情報はO5評議員のみアクセスできる機密ファイルを唯一の例外とし、一般データベースから削除されます。許可なき個人がSCP-4002に関する情報を手に入れた場合、それが意図的か否かにかかわらず、例外なく終了されます。
シュメール王名表に記載のあるものが新たに出土した場合機動部隊アルファ-1("レッド・ライト・ハンド")により速やかに回収、検査が行われます。生誕の草、エタナ王、黒き月、あるいはそれに関するいかなる情報も改竄、または抹消されます。
Kholoud-ミーマチックトリガーが全現生人類に埋め込まれています。これは生殖、修辞、記憶処理により伝染します。ガニメデ・プロトコルの実行により生まれた全ての人類はあらかじめトリガーが埋め込まれています。ガニメデ・プロトコルを実行し、トリガーが起動した者は自身に影響を及ぼしているアノマリーの性質にまつわる発語を行います。このとき一人でも肯定文で応じたならばSCP-4002は未収容であるとみなされます。現在は財団中枢部の再評価およびプロトコルの実行が必要になるとされています。
説明: SCP-4002はキシュのシュメール王エタナ(紀元前3000年以前に治世を行った)と、不明な敵対的神格実体の間で結ばれた非永続的な協定です。協定が無効となる正確な日付は現時点では不明です。
sumer.jpg回収されたシュメール王名表の断片、着色済み。
1907年10月12日拝啓 管理者殿
キシュはついに我々にその秘密を明かしました、同封したシュメール王名表がそれです。我々の尽力に最もふさわしいものです。私はサッカラでの失敗以降古代のアノマリーを発見することの可能性について懐疑的であったことを認めます。いまではあなたが正しかったのだとわかります。王名表の断片が翼長30フィートを超える鷲の木乃伊と共に埋められていたのです!
洪水以前の部分も以降の部分も王名表は名前と在位期間を記したシンプルなフォーマットに従っています―ただ一つを除いて。そしてその一つこそ、まさに生誕の草に関する記述なのです。エタナ王こそ我らを知識の泉へと導く道塗なのです。ブライト、ザーション、ロイドには褒賞が与えられるでしょう。
私は彼の名が記された物品を捜索した地域に於いて全人員を指揮しました。我々はまぎれもなく発見の最前線にいるのだということが明らかになりました。私は真実をつかむまでは労苦を惜しまぬ所存です。
敬具
ハワード・カーター
超考古学部門
洪水が襲ったのち王権が天より降りきたった。王権はキシュにあった。
キシュにて、ジュシュルが王となった; 彼の者は1200年に亘り治世を敷いた。
クルラッシナ・ベルは960年に亘り治世を敷いた。
エンタラフアンナは820年に亘り治世を敷いた。
ブアヌムは840年に亘り治世を敷いた。
カリブムは960年に亘り治世を敷いた。
ガルムムは840年に亘り治世を敷いた。
ズカキブは900年に亘り治世を敷いた。
アタブは800年に亘り治世を敷いた。
アタブの子マシュダは840年に亘り治世を敷いた。
マシュダの子アルリムは720年に亘り治世を敷いた。
エタナ、牧人、鷲の翼をもちて天に昇りし者、国土を固めし者、生誕の草を賜りし者が王となった; 彼の者は1560年に亘り治世を敷いた。
エタナの子バリフは400年に亘り治世を敷いた。
彼の者らは町を設計した。
神々は礎を築いた。
イギギどもは煉瓦で街を作った。
「羊飼いのなすがまま、
エタナをば指導者に」
運命の裁定者、偉大なるアヌンナキ
地上について語らった。
四つに分かたれた世界の創造者、形あるものすべての設計者
彼の者ら全ての命を受け、イギギども
民草らのため祭りを催す。
夥しき民どもに王はなく
髪飾りも冠も作られず
笏にも珠は存在せず。
総べて王座も作られず。
イシュタル羊飼いを求め天より降りきたり
あらゆる場所に王を探した。
イナンナ羊飼いを求め天より降りきたり
あらゆる場所に王を探した。
エンリルはエタナの王座を試した。
「地上に王位を、
キシュの真中に歓びを」
王位、威光を放つ王冠、そして王座
彼の者は秩序と知識をもたらした。
神々は喜びにあふれ
若き同志を誇った。
エタナは日ごとシャマシュに願った。
「私めは夢を見ました、キシュは泣いておりました」
「人々は喪に服しております」
「人々は挽歌を歌っております」
「ああキシュよ、命を与えしものよ! エタナめには後継ぎがおりません!」
「シャマシュよ、汝は最も太った羊を私めから奪った!」
「冥府よ、汝は贄の子羊の血を飲み干してしまった!」
「私めは神々を尊び、崇高な魂を崇めております」
「夢占い師は私めの香を使い切ってしまいました」
「神々は私めの子羊たちを殺してしまった」
「主よ、私めに導きを!」
「私めに生誕の草を与えたまえ!」
「命の苗木を示したまえ!」
「私めの重荷を下ろし、後を継ぐ者を与えたまえ!」
シャマシュはエタナに語った:
「穴を見つけよ、中を見つめよ」
「一匹の鷲が投ぜられている」
「彼の者はお前を最も高き天空へ、お前がアヌンナキに希う場所へ導くだろう」
エタナは道を進んだ。
彼の者は穴を見つけ、中を覗き込んだ。
そこには一匹の鷲が投ぜられていた。
それはエタナを導くためにいたのだ!
1919年2月3日
フリッツウィリス管理者殿
プロジェクトラザルスは完了へ近づいていますが、しかしまだ成功への鍵をそろえる必要があります。カーターとその上官の進捗はこの10年間、戦争による遅れを加味しても容認できぬほど遅々たるものでございます。
エタナの歴史についての回収された断片は生誕の草の在処について新たな知見を与えるものではありませんでした。古代人類のアノマリーとの交流についての情報が重要である、というカーターの脅迫的なほどの主張は、控えめに言っても根拠薄弱といったところです。我々はすでに、人類の歴史とは数万年にわたる異常と混沌ののちのわずかな時間にすぎないことを知っています。あなた自身我々の下らぬ声明文でそうおっしゃっていました。
我々は異常性への最終勝利の手前まで来ているのです。取るに足らない神も、妖精の災厄も、もはや我々を暗闇へ押しとどめないという保証が。毎年アノマリーは増加し続けています; もしプロジェクトラザルスが執り行われなければ我々のなしたことは全て無意味となるでしょう。
人類の栄光のために、
ロイド指揮官
1919年2月17日
管理者殿
ロイドには全貌が見えておりません。生誕の草は我らの学びえたものとは無関係であります。我々は人類とアノマリーの関係性について正確な説明を築こうとしています。エリドゥでの粘土板の発見が全てを変えました。それは我々がすでにつかんでいたものをはるかに凌駕するものであり、我々が目にするとは夢にも思わなかったものです。
あなたはこの人類と異常性にまつわる組織について考えていなさったが、しかしもし我々が間違っているとしたら? そしてもし我々があなたには答えられない問いに答えられるとしたら? なぜアノマリーの数は人類文明が始まるや減少したのか? そしてなぜそれが今になって増加し始めたのか? あらゆる試みが汚泥に沈んでいく中、いかにして人類文明は発展し、近代化を迎えたのか?
私はアッカドで新たに見つかった遺跡を調査しており、そこにこそサルゴンの秘密が眠っていると信じております。もし最初の王たちの内一人の物語を解き明かせれば、その者こそが最初の帝王です。今少しの時間をお与えください。
いったん計画が進行したら探索の成果を郵送いたします。
カーター
サルゴン、力強き王、アッカドの支配者、それが私である。
私の母は取り換え子であり、父については何も知らぬ。
ユーフラテス沿いのアズピラヌこそ私の生地である。
私の母は私を妊娠し、ひそかに出産した。
母は私を藺草の籠に入れ、瀝青で私の瞼を閉じた。
母は私を川へ投げ入れたが、水位は私より低かった。
川は私をキシュの王ウル・ザババのもとへ導いた。
私は彼の下で育ち、私の父と故郷へ犯した罪によって処刑した。
また彼の祖先、エタナの犯した罪にもよるものである。彼の者のなしたことも滅さねばならない。
私は彼の者の真実を堕天した神の祭壇に埋めた。
私は失われたものを取り戻すため四つに分かたれた世界を一つにする。
私の血は1000年に亘って治世を敷くであろう。
人々は黒き月の吠えるのを聞くだろう。
1920年8月4日
わが友へ
彼はしゃべったりしゃべらなかったりだが、真実を知っている。祭壇というのは寺院の町、ニップルのことだ。私はそこを見つけ出す。我々がすべきことは神殿をタマネギのようにひん剥いていくことだ、そして我々は一体何が代償にされたのかを知るだろう。
彼は計画の五分の一しか続かなかった後継ぎたちに失望していた。しかし今に比べれば長いものだ。今日は黒き月は吠えているか?
ハワード
ロイド、
君の懸念は記録された、そして評議会の数人に共有される。君はニップルへの調査にはカーターを連れていきたまえ。彼を補助し、しかしプロジェクトを成功させるためなすべきことをなすのだ。カーターの目指すものはもはや我々の目指すものではない。
もし彼の終了が必要になったならば、あのまがい物の造反者が責めを負うであろう。
O5-1
1921年3月3日、ロイド指揮官がエージェント・カーターを含む数人に傷害を負わせたのち、発掘サイトからの脱走を試みました。反乱分子に偽装して送り込んだRRH部隊は施設から4キロメートル離れた地点からロイドの電波を傍受、ロイドは機動部隊に発砲しましたが終了されました。
彼の所有物は新たに発見された石碑と、絶滅したユダヤナツメヤシの種でした。後者は力強くはあるがありふれた、生体操作・複製能力があるとすぐに判明しました。当該物品はAnomalous アイテム-001に分類され、プロジェクトラザルスの進展を補助するためクリストファー・ザーション博士に与えられました。石碑には以下のように記されていました。
鷲はエタナを三分の一リーグ上方へ運び
鷲は彼の者、エタナに言った。
「見よやわが友よ、地上がどんなに見えるか!」
「海はもはや庭師の掘った溝である」
彼らはアヌの天界へたどり着き
シンの扉にて
鷲とエタナはともに頭を垂れた。
しかし母なるものは彼らに生誕の草を与えなかった。
彼らはアヌの、エンリルの、エアの扉をくぐり抜け
鷲とエタナはともに頭を垂れた。
しかし生誕の草を与える者はなかった。
彼の者は窓のついた扉を見た、そこに鍵はなく
彼の者らは中へと進んだ。
そこには驚くほどに若い女が座っていた。
威厳あふれた美しい容姿であった。
王座が飾られ、大地は足踏まれ
そこに獅子はうずくまった。
彼の者、シャマシュに、鷲とエタナはともに頭を垂れた。
エタナは再びシャマシュに希った。
「シャマシュよ、なぜアヌンナキは私めを拒むのですか?」
女神は吼えた。
「キシュの王よ、その力はお前のものではない!」
「お前は長く生きる、そして別の血が世を治めるのが定めである」
エタナは門から追放された。
天界にキシュを救う神はいないであろう。
鷲の翼をもちて、彼のものは天界のさらに上へ上った。
空の果てに黒き月があった。
鷲とエタナはともに頭を垂れた。
そこは膿の王座であった。
時を超越せし王はエタナにささやいた。
「私はお前が何を求めているか知っている、そしてそれを与えてやろう」
「しかしお前も渡すべきものがある」
「お前はそれをお前のためでなく民草のために願うのだ」
「それがお前のかわりに私への代償となるのだ」
「王位はキシュに、秩序は人に」
「しかし来るべき時お前はお前自身を私にささげるのだ」
「獣たちは沈黙し、アヌンナキは消え去る」
「時の呼び声が聞こえるだろう、そして不死なる者どもは死に絶える」
「上り詰めたお前も失墜し、そして私の声がこだまする」
「そのときお前の購った命は消え失せる」
「そしてお前が犠牲にした魂は舞い戻る」
「黒き月の吠えるとき、お前は時の満ちたことを知る」
エタナは地上へと戻り、鷲ももはや言葉を交わすことはなかった。
種を手に、バリフはキシュに生まれた。しかし彼の者の人生は父よりはるかに短かった。
キシュはエタナの思ったように泣くことはなかったが
しかしキシュは泣いた。
評議会緊急会議29より抜粋:
O5-1: 説明は聞いただろう。我々はどうするべきか?
O5-3: これを信じろと? こんなものは下らん作り話だ。
O5-2: 疑いの余地はない。これは我々が夜闇の子らから回収した人類文明の空位期間についてのまばらな説明と一致しすぎている。今までは意味をなしていなかった。
O5-8: 我々は我々自身の本性の真相を知らないからな。
O5-2: その通り。
O5-6: 我らのなしたことは無意味だったのか? 結局我らは偽善者だったのか?
O5-1: 我々は常に偽善者だった、今は単に規模が大きくなっただけだ。しかし我らのすべきことに変わりはない。
O5-11: それが我々がずっと「正常な」人々だけを閉じ込めていたのだということを意味するとしても?
O5-5: 良かれ悪しかれ、我々は後戻りはできない。もしそうすれば死んでいった者たちは無意味に散ったことになる。それに耐えられるものはいるか?
しばしの沈黙
O5-12: 実際のところアノマリーがなんなのかはどうでもいい。それは我らの社会にとって異常であり、それで十分だ。
O5-7: 全くその通り。我らが何者であったかは我らが何者であるかには関係ない。
O5-4: そして黒き月が吼えるとき何が起こるのだ、もうすぐであることを暗示しているように思えるが?
O5-1: 十中八九、我らは敗北するのだろう。しかしこれほど長いスケールの話ならば、「比較的近い」と言っても数世紀ほどあるのやもしれぬ。数多のアノマリーがいつ世界を滅ぼしてもおかしくないのだから、ことさらに絶望する必要もなかろう。時が来たら、我らは予防措置を取り警報システムの構築を試みる。それが我らにできるすべてだ。
O5-13: 成功する保証はないが、この脅威に歯向かう方法が一つあるかもしれん。
O5-1: どういったものだろうか?
O5-13: 我らは今や生誕の草を持っている、そしてこれを使えばプロジェクトラザルスを完遂できる可能性がある。プロジェクトタウミエルとその構成要素はフェイルセーフのため隔離されていたが、しかし事前に起動することでイベントを遅延、もしくは防止できるかもしれん。
O5-10: …同意する。枯れた稲穂は挿し穂に取り換えよう、必要ある限り何度でも。