アイテム番号: SCP-3980-JP
オブジェクトクラス: Pending
特別収容プロトコル: 手窪市を対象とした広域記憶処理、周辺情報の改竄は完了しました。
説明: SCP-3980-JPは長野県手窪市にて2024年5月12日~2024年6月28日に発生していた現象です。SCP-3980-JP発生以前、手窪市について異常な点は確認されていませんでした。
SCP-3980-JP発生中、手窪市内に存在する全ての人間はイエネコ(Felis silvestris catus)をビニール袋と認識していました。この際に発生する副次的事象の違和感は、手窪市内に存在するかに関わらず認知抵抗値が一定の値を超えない人間には認知が不可能であったと推測されています。
以上の影響により、手窪市にて様々な影響が発生していました。以下はその抜粋です。
- 手窪市及びその周辺地域にて、飼い猫の行方不明の増加。事後調査により、行方不明となった多くのイエネコはゴミ集積場にて発見された。飼い主に対してはカバーストーリー「事故による死亡」及び「不良により殺害」が適用された。
- 手窪市内の複数の小売店にて店員および客がイエネコをビニール袋として使用していた。店員および客はイエネコの胃に商品を詰め込んでいた。客はイエネコの血液が付着した食品を摂食したことにより体調不良となっていたが、「汚れた手で料理をしたから」等の要因と決定づけていた。また、商品を詰め込む際にイエネコの抵抗により受けた傷については「袋の端で手を切った」といった説明を行った。商品を詰め込まれたイエネコは、肺を圧迫されたことによる窒息により死亡していた。
- 手窪市の一部の住民はイエネコ内部に生ゴミを詰め込み、廃棄していた。上記の事例同様、イエネコは肺を圧迫されたことによる窒息により死亡していた。イエネコが腐敗したことにより、ゴム捨て場周辺では異臭が確認されたが、周辺住民は異臭の要因を「生ゴミが腐敗したものである」と決定づけていた。
2024年6月28日、手窪市の住民が撮影した写真がSNS上に投稿されました。写真にはイエネコの死骸が写っており、「猫かと思ったらビニール袋だったw」という文章と共にアップロードされていました。SCP-3980-JPの影響により投稿を見た多くの人は違和感を覚えていませんでしたが、財団の認知抵抗訓練を受けたエージェントにより異常が発覚しました。調査の結果、当該写真の撮影者は平均と比べ高い認知抵抗値を持っており、一時的にSCP-3980-JPの影響を受けず、イエネコをイエネコとして認識可能であったと推測されます。
その後、財団のエージェントが手窪市の住民の一人に対してイエネコをビニール袋として扱う違和感を指摘した際、手窪市全域にてSCP-3980-JP影響が消失、全ての住民の認識が元に戻る事態が発生しました。一時期、手窪市内は混乱に陥りましたが、財団が広域記憶処理を行い、事態は鎮静化されました。
事後調査において、SNS上に複数の類似の投稿が確認されています。投稿の行われた市町村に対する調査は、単なる見間違えの可能性があることや、違和感の指摘による手窪市と同様の混乱を防ぐ為に慎重に行われます。