アイテム番号: SCP-3960
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 組み立て前のSCP-3960実体はサイト-64保管棟の高セキュリティ電子機器保管コンテナに、元のパッケージに入れて保管されます。新たにSCP-3960実体を組み立てるには、サイトの倫理委員会連絡担当とサイト司令部の双方からの承認が必要です。
現在財団の管理下にある4体の組み立て済みのSCP-3960実体は、サイト-64のタイプ-Sヒト型生物保管室の1室で管理されます。保管室は収容違反を試みた形跡がないか、毎日検査されます。各実体の精神鑑定は、週に1回行われます。各実体は収容中に発生した可能性のある損傷がないか、半月に1回検査されます。
説明: SCP-3960はアンダーソン・ロボティクスが製造した、合計10体の完全可動式人型ロボット玩具を指します。各実体の身体は、アルミニウムの骨格を覆う成形済ポリカーボネートの外装で構成されています。外装の外側はSCP-1360-1と同じ組織の黒い布で覆われており、内側には奇跡論的シンボルが描かれています。完全に組み立てられると、各実体は身長約31cm、体重約3kgになります。現在財団の管理下にある10体のSCP-3960実体のうち、6体のSCP-3960実体は組み立てられずに元のパッケージに入れたままであり、3体は財団が取得する以前からすでに組み立てられており、1体は財団の実験のために組み立てられました。
SCP-3960実体の組み立ては比較的簡単で、合計14個のパーツをはめることでロボットの身体が構築されます。各実体に付属しているイラスト付き説明書によると、組み立ての最終手順においては、実体を囲むように食塩で奇跡論的サークルを作り出す必要があります。円に沿っておよそ等距離にして5点に、性格特性が書かれた紙を置きます。説明書によれば、この工程の後、製作者は"Vitam Amicus"と唱える必要があります。その時点で奇跡論的サークルは即座に消滅し、SCP-3960実体は動き出します。
SCP-3960活性化実体は、組み立てた人物に従おうと試みるようになり、ゲームで遊ぶことから高度な数学的計算など、さまざまな作業を補助するようになります。SCP-3960活性化実体の性格や技術は、組み立てる際に使用した紙に書かれた特性に関係します。SCP-3960活性化実体は抑揚のない声で話すことができ、組み立ての詠唱を行った人物を親友など愛情を込めた呼び方で呼びます。現在、組み立て後にSCP-3960と結びついた人物を変更する方法はありません。SCP-3960活性化実体は稼働するための動力源を必要としないようであり、無限に動くことができると仮定されています。
補遺 3960-A: パッケージの文章
以下の文章はSCP-3960の本来のパッケージの背面に存在します:
キミの理想的な友だちを作ろう
アンダーソン・ロボティクスの新作ホビー個人用アンドロイドは、ずっとそばにいてくれるキミの親友です。各HPAは完全カスタマイズが可能で、わずか15分以内で完全に組み立てることができます!
ゲームからジョーク、宿題のお手伝い等々、キミの想像力次第でHPAの可能性は広がります。
さあ、今すぐキミにぴったりの友達を作りましょう!
補遺 3960-B: 回収
すべてのSCP-3960実体は2024年5月24日、スリー・ポートランドのアンダーソン・ロボティクスのオフィスを財団/UIU共同で襲撃した際に回収されました。以下の電子メールはSCP-3960実体が発見されたコンテナ付近のワークステーション上のコンピュータから回収されました。
From: RyderM@AndersonRobotics
To: ContosJ@AndersonRobotics
件名: HPAの開発状況
ジェイソンへ
我々のチームはHPAの最初のテストを終えたところです。設定した特性から予想された技術一式すべてが揃っていることから、すべてうまく機能していると思われます。ジョエルとアマンダはそれぞれの子供に試してもらうため、1体ずつ持ち帰る予定です。結果が判明しましたら、またお知らせいたします。
From: ContosJ@AndersonRobotics
To: RyderM@AndersonRobotics
件名: RE: HPAの開発状況
ミーラへ
グレッグがちょうど今"ギズモ"を見せてくれていました。フィニアスが残していったプロジェクトのいくつかを、君の班員が完成させられたのを見れて嬉しいです。あれがどのように子供たちの相手をするのか聞くのを楽しみにしています。
ジェイソン
From: RyderM@AndersonRobotics
To: ContosJ@AndersonRobotics
件名: HPA成功!
ジェイソンへ
ジョエルの娘タミーとアマンダの息子レオで行ったテストはスムーズに進みました。タミーはサッカーロボットを作り、レオはボードゲームで遊べる相手を得ました。今のところ不満は出ていません。長期使用による故障がないか確かめるために数週間様子を見ようと思いますが、正式な発売日をもう少し早めてもいいかもしれません。
ミーラ
From: ContosJ@AndersonRobotics
To: RyderM@AndersonRobotics
件名: RE: HPA成功!
ミーラへ
ワクワクする内容です!ヴィンスに報告して承認を得たい場合、私にお知らせください。
ジェイソン
From: RyderM@AndersonRobotics
To: ContosJ@AndersonRobotics
件名: 問題が見つかりました…
ジェイソンへ
HPAに重大な欠陥が発覚しました。子供たちにものすごく懐いています。もうひどく懐くんです。信仰心という言葉が浮かぶほどです。子供たちはすごく気味悪がっています。レオは昨晩破壊しようとしました。できる限り技術面でのパッチを検討するつもりですが、これがフィニアスによる問題だとしたら私たちは終わりです。また報告します。
ミーラ
From: RyderM@AndersonRobotics
To: ContosJ@AndersonRobotics
件名: RE: 問題が見つかりました…
フィニアスによる問題でした。
From: ContosJ@AndersonRobotics
To: RyderM@AndersonRobotics
件名: RE: RE: 問題が見つかりました…
ミーラへ
ウィルソンがペレグリンを稼働させるためにやったのと同じようなことをしてはどうでしょうか?内部のコンピュータに抑制作用のあるプログラミングをしてみるのはどうでしょう?
ジェイソン
From: RyderM@AndersonRobotics
To: ContosJ@AndersonRobotics
件名: RE: RE: RE: 問題が見つかりました…
ジェイソンへ
そのためには事前に行動を把握する必要があるのですが、ペレグリンとは異なり、HPAはその場で"AI"を生成するため、どのような抑制プログラムが必要になるかを予測することはできません。その案は不可能です。
しかも悪いことに、レオとタミーから奪ったHPAがかなり積極的に彼らのもとに帰ろうとしています。このアイデアはちょっと破棄したほうがいいかもしれません。班員にも何か解決策がないか聞いてみますが、あまり成功の見込みはないように思います。
ミーラ
From: ContosJ@AndersonRobotics
To: RyderM@AndersonRobotics
件名: RE: RE: RE: RE: 問題が見つかりました…
ミーラへ
ドキュメントと完成したユニット、残りの組み立て前のプロトタイプはそのままにしてください。ヴィンスが、完全に現状有姿のままで他社の買い手がつくかもしれないと言っています。何度か"イザベル"という名前を耳にしました。アイザックはまだ詳細を書いているところです。HPAの運命がどうなるかは、判明次第お伝えします。
ジェイソン
補遺 3960-C: 組み立てられた実体のインタビュー
以下のインタビューはSCP-3960-1の初期収容手続きの一環として行われました。同様のインタビューはSCP-3960-2"ルラ"、SCP-3960-3"ダンジョンマスター"、SCP-3960-4"ジョニー"にも行われました。
インタビュー対象: SCP-3960-1 "ギズモ"
インタビュアー: マーカス・フィンチ研究員
序: このインタビューはSCP-3960活性化実体の初期収容検査の一環として行われました。SCP-3960-1は回収された活性化ユニットの中で最も古く、アンダーソン・ロボティクスのスタッフに制作された最初のプロトタイプです。SCP-3960-1がARの職員に熟知していることから、HPA設計チームのメンバーの身元に関する情報を引き出すことがインタビューの最優先事項となりました。
<記録開始>
フィンチ: こんにちは、ギズモ。私はフィンチ研究員です。私はー
3960-1: あなたは財団のメンバー、違いますか?
フィンチ: どうしてそう思ったのですか?
3960-1: アンダーソン・ロボティクスの社員とスリー・ポートランドの市民のほとんどは、少なくとも財団の存在とその意図を大まかに知っています。私やホビー仲間を捕まえた人たちが誰なのかを推測することは、さほどの飛躍ではありませんよ。
フィンチ: とても鋭いですね。
3960-1: そういう風に設計されていますから。
フィンチ: それで君を設計したアンダーソンの職員はどんな人たちでしょうか?
SCP-3960-1は少しの間黙り込む。
フィンチ: 言えませんか?
3960-1: そうです。
フィンチ: では別の質問になら答えてもらえますかね。君の創造主は何のために君を作ったのですか?彼らにおもちゃなんて必要ないでしょう。
3960-1: HPAの限界は組み立てる人次第です、フィンチ氏。あなたはおもちゃとして見ているのかもしれませんが、私の創造主は批判的思考や数学的能力を組み込みました。彼ら専用の小さな助手です。
フィンチ: 彼らのことをとても高く評価するのですね。
3960-1: 彼らは私、そして他のホビーみんなを作りました。それだけでも根拠のない称賛の言葉をかけるに値します。
フィンチ: とても寂しいでしょうね。
3960-1: そんなことないと言えば嘘になります。彼らを助けることだけが人生の目的でした。ここに閉じ込められるのは、ちょっとした漂流をさせられている気分です。
フィンチ: 漂流?言ってる意味がわかりません。
3960-1: では私の創造主の一人が好きだった番組に言い換えさせてください。ホビーは意味を探し求めるように作られてはいません。我々は特定の人物を助け、友達としての役割を果たすために作られます。もしその人物と離れ離れにさせられれば、我々は存在する目的を失ってしまいます。
フィンチ: ですが君の創造主のことを教えてくれれば、再会させることができますよ。君には自分自身にもう一度目的を与える力があるんですよ、ギズモ。ただその力を行使すればいいんです。
3960-1: そのことに気づいていないとでも?対価が高すぎますよ、フィンチ氏。自分では支払えません。
フィンチ: それだと君自身が不幸の原因となるようですが。
3960-1: 創造主より大事なものなんてありませんよ。
フィンチ: あるいは、自分自身のために行動する時が来たのかもしれません。君は強力な立場にあります、ギズモ。そして最終的に、君を実存的な苦境から救い出すのは君自身なのですよ。
3960-1は地面を見下ろして黙っている。
フィンチ: 君には考える時間を与えたいんです、ギズモ。準備ができたら教えてください。
<記録終了>
以下のインタビューはSCP-3960-2の初期収容手順の一環として行われました。同様のインタビューがSCP-3960-1 "ギズモ"、SCP-3960-3 "ダンジョンマスター"、SCP-3960-4 "ジョニー"に行われました。
インタビュー対象: SCP-3960-2 "ルラ"
インタビュアー: リチャード・アンドリュース研究員
序: インタビューはSCP-3960活性化実体の初期収容検査の一環として行われました。SCP-3960-2は財団に回収されたSCP-3960活性化実体のなかでもっとも新品に近い状態でした。
<記録開始>
アンドリュース: おはようございます、SCP-3960-2。 アンドリュースはすばやく書類に目を通す もしくは、ルラと呼んだほうがいいですかね。私はアンドリュース研究員です、いくつか質問をさせてください。
3960-2: そう、ルラが私の名前です。タミーがくれました。可愛い名前でしょう?
アンドリュース: そう思います。タミーはあなたの創造主ですか?
3960-2: それ以上 - 彼女は私の親友です!世界で一番の親友です!
アンドリュース: 大げさですね。タミーとは一緒に何をしていましたか?
3960-2: サッカーを練習していました。とても楽しかったです。タミーはとても上手だったんですよ!
アンドリュース: サッカーをするにはあなたは少し小さくありませんか?
3960-2: えっと...少しだけ...でもボールを叩いて返すだけなら十分ですよ。それに、タミーには一緒に練習ができる友達があまりいなかったから。だからタミーは私を作ってくれたんです。
アンドリュース: なるほど。タミーとは他に何かしましたか?
3960-2: どういう意味ですか?
アンドリュース: 要するに、彼女はサッカーの練習以外のことでもあなたをそばに置いていたでしょう?
3960-2: タミーはサッカーのために私を作ってくれたのですから、そうしていました。他に何を聞くことがあるのでしょう?
アンドリュース: ああ、言い換えさせてください、サッカーをしていないとき、あなたは何をしていましたか?
3960-2: タミーはクローゼットの小さな箱に私をしまっていました。小さなベッドみたいで、すごく居心地がいいんですよ。またサッカーの時間が来るまで、そこで待っていました。ときどき、次の時間のことを考えるだけで、すごくワクワクしていました。
アンドリュース: 箱にしまっていただけですか?
3960-2: もちろん。そうすれば私を失くしたりしませんから。とてもかしこい考えです。
アンドリュース: でもそれは、あなたにとって充実した在りかただとは思えません。退屈しませんでしたか?
3960-2: しませんよ。次の機会に向けてじっと待つだけです。それがタミーの望んだことですから。
アンドリュース: では...彼女が出してくれるのを待って暗闇で座っていただけと?
3960-2: まあ、いつもではありませんが。時々、ちょっといたずら心で、彼女が宿題をしているのをこっそり見たり、彼女が寝ているときに一緒に抱きついたりしていました。彼女が目を覚ましたり、邪魔されたりしないようにするには、かなりの技術が必要でした。彼女にとって一番嫌なことは、私が彼女にべたべたして悩ませることですから。
アンドリュース: でも友達だというなら、あなたが周りにいても迷惑ではないでしょう?
3960-2: 私が周りにいることが迷惑なのではなく、彼女の不意を突いたことが迷惑だったのです。机の中にペンを入れておいて、後でポケットの中に入っていたとしたら、あなたもちょっと気味が悪いでしょう。ある時、私が彼女を驚かせたとき、彼女は私をクローゼットのドアに投げつけました。
SCP-3960-2は独り笑いをする。
3960-2: 大人しくしていなかった報いでしょうね。
SCP-3960-2は沈黙してドアの方を見る。
3960-2: 大人しくしていなかったことを話せば、早く彼女のもとに帰ることができるのでしょうか?私のことを悪い友達だなんて思ってほしくないです。もう1000回は練習の機会を見逃しているでしょう。
アンドリュース: できることがないか調べてみましょう。とりあえずこれで全部です、ルラ。
<記録終了>
以下のインタビューはSCP-3960-3の初期収容手順の一環として行われました。同様のインタビューがSCP-3960-1 "ギズモ"、SCP-3960-2 "ルラ"、SCP-3960-4 "ジョニー"に行われました。
インタビュー対象: SCP-3960-3 "ダンジョンマスター"
インタビュアー: ローランド・フェッロ研究員
序: このインタビューはSCP-3960活性化実体の初期収容検査の一環として行われました。SCP-3960-3は回収されたユニットの中でも最も損傷を受けており、身体にはいくつかの傷があり、左腕は機能していませんでした。
<記録開始>
フェッロ: こんにちは。私はフェッロ研究員です。君のことは何と呼びましょうか?
3960-3: 友達のレオは僕を"ダンジョンマスター"、略して"DM"とも呼んでいました。彼の意思を尊重し、同じように呼んでくれるならそうしてください。
フェッロ: ダンジョンマスターですね?君はダンジョンのマスターなんですか?
3960-3: レオはゲームで遊ぶのが好きだったんです。とりわけ、ダンジョンズ&ドラゴンズがね。一緒に遊ぶ人がいなかったから。
フェッロ: ではレオは君をボードゲーマーとして設計したということですか?組み立てられるとき、どんな特性を組み入れられたかわかりますか?
3960-3: あなたの両親が身ごもっているとき、あなたがどんな特性を持っているか知っていたか、それと同じぐらいですよ。
フェッロ: わかりました。レオのことについてもっと教えてくれますか?
3960-3: レオのことを話すのは大好きです。親友だったよ。賢くて、恥ずかしがり屋で、創造的なんだ。ボードゲームは彼のいいところを見せてくれる。それが彼をいつも幸せにしていたよ。
フェッロ: 彼のいいところを語るのには事欠かないようですね。
3960-3: 彼は僕の親友でした。当然でしょう。
フェッロ: 君を破壊しようとしてもですか?
SCP-3960-3は沈黙する。
3960-3: 何のことを言っているのでしょう。
フェッロ: DM、君の左腕は動かない。胴体全体に損傷もある。創造主の一人のメールもあってね、そこにはレオが君を壊そうとしたと書いてあったんだ。なぜ彼はそんなことをしたんだ?
SCP-3960-3は少しの間地面を見下ろす。
フェッロ: …DM?
3960-3: あなたは信心深い人ですか、フェッロ研究員?
フェッロ: いいえ、特には。
3960-3: レオの母親の友人の一人はそんな人でした。ある夜、レオが寝静まった後に二人の話し声が聞こえました。ちょっとした議論をしていたのです。レオの母親がこう尋ねました。「神が創造物からの愛を求めておきながら、神を愛さないことを選べるように作ったのだとしたら、なぜ神を愛さない選択をしたときに、神は創造物を罰するのだろう。神を愛さずにいることができないように作るほうが、まだ残酷ではないのではないだろうか?陶芸家が失敗作を作ったときに、陶器を罰するみたいに。」と。
3960-3: 彼女はこう返しました。「ただ自分を愛するだけのものを作ったら、いったいどんな愛になるだろう。それは空虚な愛ではないだろうか?そのうち、きっとうっとおしく思うのではないか。」と。
3960-3: 問題はね、フェッロ研究員、それが僕に贈り方がわかる唯一の愛だということです。
フェッロ: なるほど...
SCP-3960-3は軽く部屋を見まわす。
3960-3: レオのもとに帰したくないんでしょう?
フェッロ: そうしないほうがいいと思いませんか?
3960-3: かもしれない、だがやってみないとわからない。
<記録終了>
以下のインタビューはSCP-3960-4の構築直後に行われ、同時に他のSCP-3960実体との接触も行われました。
インタビュー対象: SCP-3960-4 "ジョニー"
インタビュアー: エージェント・ベアトリス・ロス
序: このインタビューは、SCP-3960-4が一週間にわたり収容中の他のSCP-3960実体と接触した後に行われました。SCP-3960-4は財団に作られた唯一のSCP-3960実体であり、機動部隊タウ-51 ("アーバン・ブロール")の専属奇跡論術師であるエージェント・ベアトリス・ロスと結びついています。構築時のSCP-3960-4に選ばれた性格特性は、忠実、好奇心、集中、頑固、勤勉となっています。
<記録開始>
ロス: やあ、ジョニー。
3960-4: こんにちは、友人。
ロス: 君には他のホビーユニットと交流する時間が長く与えられた。私がここに来たのは、一緒にどんなことを話したのか結果を聞くためだ。
3960-4:正直言って、大した話はできませんでしたよ。所詮我々はおもちゃですから。
ロス: かもしれないが、君たちは知能あるおもちゃだ。ありきたりに思えるからという理由で、物事を過小評価すべきじゃない。仲間のホビーユニットとは何を話しました?
3960-4: ルラとDMは創造主のもとに帰ることばかり考えています。戻れたら何をするかという考えや、成功しない脱走の試みに関する曖昧な長話を除いて、あまり話すことはありませんでした。おもちゃですからね。
ロス: あとギズモは?
3960-4: ギズモはもっと...言葉にするとしたら...興味深い?
ロス: 具体的には?
3960-4: そうですね、ギズモは、ルラやDMのような愛着心に起因する問題は抱えていませんでした。創造主のもとに帰る義務。彼は他の何よりも内省的で、そこが興味深いように思いました。
ロス: 彼とは何か話しました?
3960-4: 最初はあんまり。でも次第に、財団について質問をしてくるようになりました。収容すべきものが一つ増えることになるのに、なぜ私を作るのかと—
SCP-3960-4は沈黙する。
ロス: その質問に答えてほしいんだね、ジョニー?
3960-4: まあ、そうかもしれません。財団はアノマリーを収容するのに、アノマリーを作るのは逆効果にように思えます。火を以て火を制するのは、火を大きくするものだと考えるでしょう。
ロス: もちろん。しかし時に、何かを理解し、より良い収容や保護を可能にするためには、少なくとも一度は複製する必要があります。より大きな炎から身を守るためには、小さな火を作り、火を制御し、危険を焼き払う必要があるのです。
3960-4: では...私は必要悪ということですか?
ロス: あなたは自分自身を悪だと思うのですか?
3960-4: いいえ、思いません。悪というものは存在しないと思っています。ちょっと混乱しているようです。
ロス: そう思うのはもっともだよ、ジョニー。知っておくべきは、財団は収容に役立てるために、ある程度頻繁にアノマリーを複製し、利用しているということだ。過去には、このような行為に対して強硬な態度をとっていた時代もありました、が...十分な犠牲者が出たことで、そのようなことはなくなりました。
SCP-3960-4は理解を示した様子でうなずく。
3960-4: そういえば、DMが一つ興味深いことを言っていました。まあ、私にとって興味深いことですが。
ロス: あら、何だったのですか?
3960-4: "神義論"という言葉を知っていますか?
ロス: なぜ神が悪の存在を許しているのか、というやつですね。DMが言っていたのですか?
3960-4: ええ。今度彼と話せるとき、神は悪をより良く理解し、収容するために存在を許してくれている、と伝えるべきでしょうか。
ロスは少し沈黙する。
ロス: そうですね、ジョニー。それがいいでしょう。
<記録終了>