SCP-3550-JP
評価: +92

クレジット

タイトル: SCP-3550-JP - 戦術求解部門と五十音の脱出劇
著者: wavekey wavekey
作成年: 2024

評価: +92
評価: +92

アイテム番号: SCP-3550-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全てのSCP-3550-JPは、それぞれ異なる袋に入れた上で、サイト-81PGの低脅威度物品収容ロッカーに収容されます。SCP-3550-JPの異常性が影響を及ぼす範囲が不確定なことから、SCP-3550-JPを用いて単語を作成する実験は禁止されています。

mojia.png

「あ」が彫られたSCP-3550-JP

説明: SCP-3550-JPは8c×ばつ8c×ばつ0.7cmの板です。未知の素材で構成されており、「あ」〜「わ」および「ん」の平仮名が1文字ずつ彫られています。

SCP-3550-JPを縦または横方向に並べ3文字3文字または4文字の単語を作成した場合、使用されたSCP-3550-JPは一瞬強く発光しその後消失します。同時に、その単語が表す有形の事物を出現させます。この事物の内容は言葉を組んだ者のイメージや意識へ依存していることが推測されています。このような特性はSCP-549-JPのような言語系アノマリーにしばしばみられるものです。現在、戦術求解部門によるSCP-3550-JPについての研究・調査が行われています。

SCP-3550-JPは、埼玉県██市の幼稚園より「突如として物体や生物が出現した」旨の通報を受け発見されました。当該幼稚園ではSCP-3550-JPが玩具として使われており、防犯カメラの映像より園児らが単語を作成したことで異常性が発現したことが確認されました。当幼稚園からは、児童用ハサミの複製1本、ホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)1体、保育室の壁に「したく」として掲示されていた物品の複製1組、保育室の壁に「よてい」として掲示されていた表の複製1枚が発見されました。園児らは「はさみ」「きつね」「支度したく」「予定よてい」の4単語を作成していたと考えられます。なお、2文字の単語も作られていたことが確認されていますが、その単語が表す事象は発生せず、SCP-3550-JPも消失していません。また、「鋏」が児童用であることや、「支度」が園において「したく」として指定された物品を出現させたことが、言葉を組んだ者のイメージや意識へ依存して異常性を発現させているという推測の根拠となっています。

現在、以下に示す文字が彫られたSCP-3550-JPが存在しています。

補遺: 当該オブジェクトが発現させる事象は言葉に由来するため、その範囲や詳細なイメージなどに関して自由度が高い事象を発生させられるといえます。この特性から、一部職員によりSCP-3550-JPを有効に利用すべきだという提言がなされています。しかし、当該異常性の不確定的な影響というリスクがリターンに見合っていない点、使用されたSCP-3550-JPは消失するという点から、SCP-3550-JPの積極的な利用は認可しないと議決されています。

インシデント: 20██/██/██、サイト-81PGへのカオス・インサージェンシー(CI)の襲撃が発生しました。その目的は、財団の管理下から離れることによりK-クラスシナリオを発生させ得るオブジェクトであるSCP-TRNU-JPの奪取でした。CIの有していた兵器の性能は非常に高く、他サイトより応援が必要な程に及びました。

以下は当該インシデントにおけるタイムラインの抜粋です。

[02:13] CIによる襲撃が判明。常駐の機動部隊が臨戦態勢を整える。研究員らはオブジェクトと共に避難を進める。SCP-3550-JPも担当の戦術求解部門職員によって運び出される。

[02:15] 機動部隊い-68("quick brown fox")によってSCP-TRNU-JPの搬出が行われる。サイトの6階にてSCP-3550-JPを運搬する職員らと合流する。

[02:16] CIがサイト全体を覆うような壁を展開していることが判明、サイト内外の職員に通達される。

[02:16] CIにより、緊急用のものを含む出入口が完全に包囲され、脱出が不可能となる。

[02:16] SCP-3550-JP担当職員よりサイト-81PG管理官へ、SCP-TRNU-JP保護のためにSCP-3550-JPの使用の許可が申請される。

[02:17] 申請が許可される。戦術求解部門職員の難波博士より「脱出の長期化が予想されるため、後のために、使いにくい文字から使用していく方が良い」と提案される。

[02:17] CIがSCP-TRNU-JPへ挟み撃ちを仕掛ける。機動部隊が応戦する。戦術求解部門職員の金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「広間ひろま」を作成し、SCP-TRNU-JPと共にそこへ避難する。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:19] CIが機動部隊を突破し「広間」へ侵入する。金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「御部屋おへや」を作成し、そこへ避難する。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:21] ややCIと距離をとることに成功。金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「穴」を作ろうとするも、2文字のため成立しない。ここで、4文字の単語において異常性が発現される可能性について議論がなされる。その際、「洞穴ほらあな」の作成に成功、そこへ避難する。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:22] CIが「御部屋」まで侵入。金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「底抜けそこぬけ」を作成し、襲撃してきたCIの内2名を落下させる。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:22] CIが「底抜け」を突破。金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「古巣ふるす」を作成し、そこへ避難する。「古巣」は、金尾研究員が財団に雇用される前に勤務していた企業の6階建てオフィスであり、その内部構造について把握できていた。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:23] 機動部隊および職員がほとんどの武器を消費。強力な自爆式の武器が残存していたが、SCP-TRNU-JPの損傷が危惧され使用できない。難波博士がSCP-3550-JPを用い、SCP-TRNU-JPの「偽物にせもの」を作成し囮となる提案がなされ、承認される。「古巣」の内部構造を把握している金尾研究員は、本物のSCP-TRNU-JPを所持した機動部隊員とともに奥の方へ避難する。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:25] CIが難波博士らを襲撃。難波博士は自爆し、襲撃してきたCIの内5名を殺害、11名に重軽傷を負わせる。また、「古巣」の一部が崩壊し足止めとして機能する。

[02:26] 金尾研究員らが「古巣」の1階まで降り、外へ脱出しCIにより設置された壁へ到達する。この壁は人間による打撃では破壊不可能であった。金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「割れ目われめ」を作成するも、人間が通れる程の隙間はない。さらに「ゆとりゆとり」を作成し、人が十分通れる程度の隙間ができる。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:28] CIに追いつかれる。機動部隊い-68が無力化されたほか、金尾研究員が脚を狙撃された。金尾研究員がSCP-3550-JPを用い「迎えむかえ」を作成し、出現した人型実体にSCP-TRNU-JPを手渡す。残りのSCP-3550-JPは以下の通り。

[02:28] 人型実体が最寄りのサイトへ移動を始める。サイト外部で待機していたCIにより銃撃され、人型実体は軽傷を負う。

[02:28] 金尾研究員がCIに銃撃されながらも、残されたSCP-3550-JPを組み合わせて単語を作成しようとする。

[02:28] 外部で待機していたCIの元へ、茶褐色で巨大なスパイラル状の物体が出現、落下。狙撃が止む。

[02:35] 人型実体が、サイト-81██から応援に来ていた機動部隊へSCP-TRNU-JPを手渡す。

[02:38] 外部で待機していたCI全員の圧死ないし窒息死が確認される。

[02:44] 応援に来た機動部隊によって、襲撃を行ったCI全員の無力化に成功。インシデント終了が宣言される。

当該インシデントにより、全てのSCP-3550-JPが消費されたため、SCP-3550-JPはNeutralizedに指定されました。なお、当該オブジェクトの無力化に関与した職員らには、SCP-TRNU-JPの保護に成功したという功績を考慮し、懲罰は与えられません。

SCP-3550-JPによって出現した建造物およびスパイラルは解体・処分されました。

脚注
. アナグラムにされた言葉に関連する異常性を発現させるオブジェクト
. 財団の活動において、パズルを解くことやパズル的な発想を要する事物に対応する部門
. 後にSCP-3550-JP-Aと指定され、収容されている
ページリビジョン: 6, 最終更新: 15 Sep 2025 08:12
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