SCP-022-IT
評価: +7

クレジット

タイトル: SCP-022-IT - レギオン
著者: DrGraph DrGraph
作成年: 2018

原題: SCP-022-IT - Legione
翻訳者: oplax-counterpoint oplax-counterpoint
翻訳年: 2025

参照版: rev. 17 (2022年04月16日)
ソース: http://fondazionescp.wikidot.com/scp-022-it

評価: +7
SCP-022-IT.jpg

SCP-022-IT

アイテム番号: SCP-022-IT

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-022-ITの全ての試料はサイト-アスクレーピオの研究室25で保管されています。SCP-022-ITを使用した実験は、必ずレベル3以下のクリアランスしか持たない職員によって実行され、かつ財団の知識を持たない人物のみを対象としなければなりません。レベル4以上のクリアランスを持つ職員は決してSCP-022-ITおよびその影響下にある対象と関わってはなりません。

SCP-022-ITの拡散を可能な限り抑制するために、保安プロトコル・ガンマ-2が制定されています。感染の症候が確認された対象は機動部隊-VI ("病の母")Mater Morbi の部隊員によって除去されます。機動部隊は残留物の収容と安全な破壊、作戦区域の除染、影響が疑われる人物の監視も実行します。

説明: SCP-022-ITはレトロウイルス科 (Retroviridae) に属するRNAウイルスです。SCP-022-ITはヒトにのみ感染し、感染者の体液交換を通じて拡散します。特徴として、並外れて大きなカプシド (直径およそ400 nm) と非常に広範な遺伝子構成が挙げられます。SCP-022-ITに感染した患者は、以下のプロセスに沿ってその症状を進行させます。

  • フェーズ1: 血中に侵入した後、SCP-022-ITは宿主の免疫反応を抑制するタンパク質を放出します。この時点での回復率は85%ほどですが、日和見感染を起こした場合は50%まで低下します。
  • フェーズ2: この段階はSCP-022-ITが宿主の脳に到達すると現れます。これは感染後3〜7日で起こります。SCP-022-ITは、宿主の人格と記憶を制御するために、それらを統括する領域の脳細胞に感染します。レトロウイルス属のウイルスが持つ酵素は、遺伝子を感染した細胞に挿入することを可能にします。この段階の早期に治療を受けた場合の回復率は15%ですが、ここから数日の間に回復率は急速に低下します。
  • フェーズ3: 第2段階の発症から4日後に、次の段階が開始されます。ウイルスのゲノムは正常な脳組織の機能を変化させて[編集済]を引き起こし、事例の30%は死に至ります。この段階の症状は脳炎に似ており、また気分変動、緊張症状、人格変化などが見られます。この段階の患者は、他のフェーズ3あるいはフェーズ4に到達した患者の行動、記憶、感覚についての "ビジョン" を報告しています。
  • フェーズ4: 第4の段階はフェーズ3から2週間経過した後に開始されます。症状が完全に消えて、患者は臨床的に回復したように見えますが、実際は宿主の人格がSCP-022-ITに同化しており、この段階でSCP-022-ITの意志を発現させます。
  • フェーズ5: 第5の段階はフェーズ4から4か月経過した後に開始されます。患者の神経組織が変性し、まず四肢の震え、痙攣、感覚の喪失といった症状が現れます。その後数週間かけて症状は悪化し、最終的には完全な麻痺症状に至ります。通常、患者は肺の機能低下による呼吸不全により死亡します。

SCP-022-ITは感染の第4フェーズに到達した対象を操る能力を持ち、その知能は感染者の数に比例して良くなります。加えて、それら感染者の記憶や思い出に任意にアクセスし、感染の拡散、自身の隠蔽、自身の存在に対する脅威を特定することを、その感染者が生きている限り可能にします。事前にロボトミー手術を受けて感染の試験体となったモルモットへのインタビューによると、SCP-022-ITの唯一の目的は宿主のゲノムの一部を同化させ、自身を「完成」させてさらなる感染を行うことである判明しました。特に、SCP-022-ITはフェーズ5における致死的な症状を消去し、人類の免疫システムに対する抵抗性を増すことを目標としています。

SCP-022-ITの目標の達成、および財団の知識の獲得を防止するため、保安プロトコル・ガンマ-2が制定されています。これによって、新規の患者数は83%減少し、またSCP-022-ITによるものが疑われる死者は77%減少しました。

発見: SCP-022-ITは2017年に発見されました。アンコーナ県█████地域における脳炎症例の異常な増加を受けて、数名の潜入捜査官が地元の病院に派遣され、対象者の分析の結果、脳組織内からSCP-022-ITが特定されました。発見の報告を聞いたサイト-アスクレーピオの管理官は、潜入を継続し、状況を監視するよう要請しました。この期間に、患者の1人がフェーズ3に進行し、他のSCP-022-IT患者の行動を「見た」という鮮明な幻覚を報告し始めました。対象はサイト-アスクレーピオに移送されて調査と尋問が行われ、集めた情報を基に財団は初期の研究と収容プロトコルを作成しました。

S5-5の書付: 保安プロトコル・ガンマ-2は現在、SCP-022-ITが財団に侵入することを防ぐ唯一の手段であり、拡散を防止する最良の方法でもある。だがその代償はどうか?新しい症例を見つけるたびにSSM-VI ("病の母")Mater Morbiからタスクフォースを派遣し、対象の消去、他の感染者の調査、それらを行わなければならない。彼らが誰かに発見される、あるいは、彼らがSCP-022-ITに感染する可能性は極めて高い。

これらの理由から、私は心理学・ミーム学研究部門のメンバーと共にプロジェクト「デルタ-2」を立ち上げた。このプロジェクトは感染者、あるいは最善の場合、SCP-022-ITの集合意識にのみ直接影響する致死的ミームエージェントの開発を目的としている。1年以内にこれは利用可能となるだろう。他方、評議会はSSM-VIの隊員がプロトコル・ガンマ-2の適用を伴うあらゆる任務の完了後に、心理カウンセリングとクラスA記憶処理を受けさせることを決定した。


本ページを引用する際の表記:

SCP-022-IT」著作権者: DrGraph 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/scp-022-it ライセンス: CC BY-SA 3.0

このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。

ファイルページ: 麻疹ウイルス (022-IT)
ファイル名: SCP-022-IT.jpg

著作権者: Cynthia S. Goldsmith, William Bellini, Ph.D, USCDCP
ソース: https://pixnio.com/science/microscopy-images/he-measles-virus-is-a-paramyxovirus-of-the-genus-morbillivirus
ライセンス: パブリックドメイン/CC0
公開年: 2015

補足:
以下の画像の加工 (左右反転)

画像ID: PHIL 8429
提供者: CDC/ Cynthia S. Goldsmith; William Bellini, Ph.D.
Photo Credit: Cynthia Goldsmith

公開年: 2006 (at latest)
ライセンス: PD
ソース: https://phil.cdc.gov/details.aspx?pid=8429
補足: この画像はアメリカ疾病予防管理センターの著作物であり、職員の公務の一環として撮影されたものです。このため画像はパブリックドメインとして公開されています。

ページリビジョン: 6, 最終更新: 15 Sep 2025 15:33
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