アイテム番号: SCP-014-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-014-JPはサイト8181の収容ロッカーに保管されています。SCP-014-JPの取り扱いにはレベル3以上職員の許可が必要となります。SCP-014-JPにて生成されたSCP-014-JP-1は全て研究用として保管、あるいは焼却処分を行ってください。SCP-014-JPの持ち出しは原則禁止されています。
説明: SCP-014-JPは横30cm、縦25cm、高さ20cmの鍵のかからない開閉式の箱で、SCP-014-JPの上蓋の外側中心部にはボタンが付いています。SCP-014-JP内に食物の名前を書いた紙を入れて箱を閉じ、箱の頭のボタンを押すと箱内に紙に書いた食物が生成されます。生成された食物をSCP-014-JP-1と指定します。投入された紙はその時点で消失します。
SCP-014-JP-1を摂食すると、被食者は生成されたSCP-014-JP-1と同じ種類(調理物なら同等の調理を施したもの)の食物以外を摂食すると、ただちに激しい嘔吐感に襲われ摂食物を全て吐き戻すことになります。この効果は永続的に継続し、被験者は最終的に栄養失調または脱水症状で死亡するまでSCP-014-JPで生成したものと同等の食物以外を摂食できなくなります。食物の場合どんなに小さなものでも嘔吐を催し、飲料に関しても水を含む全ての飲料について同様に嘔吐の原因となります。SCP-014-JPの特性はSCP-014-JP-1の摂食者全てに対して同様に効果を顕わします。またSCP-014-JP-1の一部を摂食した時点で特性は発揮され、SCP-014-JP-1を摂食途中で廃棄した場合、その時点まで摂食した材料が特性の対象となります。またSCP-014-JP-1を摂食中に嘔吐した場合、その時点で胃に残った材料までが特性の対象とされます。ただしSCP-014-JP-1摂食以降、被験者が対象となった料理および材料を摂食する場合、以前までより数段味わい深く美味なものと認識されるようになります。
生成されるSCP-014-JP-1に関しては、食物であること以外の制限はないようです。逆に食物以外のものは現在まで生成することは出来ていません。詳細は実験記録を参照してください。SCP-014-JP-1は多くの場合、容器に入った状態で出現します。調査の結果、容器自体に特殊な性質は認められませんでした。またSCP-014-JPを構成する材料は一般的なプラスチック材で、損傷に対して従来通りの耐久性しか持っていません。SCP-014-JP-1はボタンを押した瞬間に出現しているようで、押した瞬間にSCP-014-JP-1分の重量が発生していることが確認されています。SCP-014-JP-1を摂食した後、別のものを新たにSCP-014-JP-1として出力し摂食した場合も他の食物と同様に嘔吐を誘引することになり、効果の重複や上書き等は認められません。
19██/09/██、██県██市の█████付属小学校の5年生に対して行われた夏休みの工作の作品展示場にて、SCP-014-JPは発見されました。発見当時、SCP-014-JPは小学校に在籍していた児童████の作品として展示されていました。SCP-014-JPの説明として「あなたの好物を紙に書いて箱に入れてください。その後ボタンを押してください」というメモ書きがあり、その手順に従って操作した在校生児童および、その両親の一部が生成されたSCP-014-JP-1を摂食し、異常な状態を発露するに至りました。SCP-014-JPの現象に関わった対象にはその後記憶処置を施し、SCP-014-JP-1を摂食した対象は財団に保護され、精密検査を受けると共に生成されたSCP-014-JP-1と同等の食物を提供される生活を4ヶ月送りました。4ヶ月後、SCP-014-JP-1を摂食した人物は全員終了しました。後の調査で、SCP-014-JPを製作したと思われる████は当時不登校になっており、学校に作品を提出した記録も残っておらず、本人にもその記憶はありませんでした。発見当時、SCP-014-JPがどのように作品展示場に置かれたのかは不明です。
SCP-014-JPで出力した食物の記録と、Dクラス職員に摂食させた場合の反応結果をまとめた記録です。
実験記録SCP-014-JP-03 - 日付19██/██/██
対象: D-1411
目的: 箱の許容量を超えるものに対しての反応研究。
操作: 紙に「スイカ」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 箱内に三角の食べやすい大きさに切り揃えられたスイカが皿に盛りつけられて出力される。
分析: 箱に収まるように、調整されているようです。
実験記録SCP-014-JP-06 - 日付19██/██/██
対象: D-1411
目的: 昆虫でも出力されるかの研究。
操作: 紙に「イナゴの唐揚げ」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: イナゴの唐揚げが出力される。
分析: 昆虫でもイケます。
実験記録SCP-014-JP-07 - 日付19██/██/██
対象: D-1411
目的: 生きているものでも出力されるかの研究。
操作: 紙に「シラスの踊り食い」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 紙はそのままで変化はなかった。
分析: 生きたままはダメみたいです。
実験記録SCP-014-JP-10 - 日付19██/██/██
対象: D-1421
目的: 複数の料理を含むメニューへの反応研究。
操作: 紙に「唐揚げ定食」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 通常唐揚げ定食に付帯するであろう、ご飯・鳥の唐揚げキャベツ盛り・味噌汁・漬物が一式揃って出力されました。
分析: 複数料理のメニューについても正常に出力されました。
実験記録SCP-014-JP-11 - 日付19██/██/██
対象: D-1421
目的: 多数の料理を含むメニューへの反応研究。
操作: 紙に「フレンチのコース料理」と記入し、箱に投入してボタンを押す。出力された食物を摂食させる。
結果: 大きめの皿に、様々な食物の混合物と思しき液状の物体が出力されました。分析の結果、フレンチコースで出される料理に使用される材料を含んだものと確認されました。食物を摂食したところD-1421は激しく嘔吐し、これ以上の摂食を頑なに拒絶しました。D-1421によると「腹の底から吐き気がこみ上げてくるような味」だったとのことです。D-1421はその後終了しました。
分析: 明らかに箱に収まりきらない量のメニューに対しては、全部纏めてミキサーされるようです。また極めて難度の高い味であると思われます。
実験記録SCP-014-JP-14 - 日付19██/██/██
対象: D-1427
目的: 料理のバリエーションが豊富なものへの反応研究。
操作: 紙に「カレーライス」と記入し、箱に投入してボタンを押す。
結果: 外見上、一般的なカレーライスが出力されました。カレーライスには林檎の切り身が入っており、D-1427に確認したところ「実家では林檎を入れるのが普通だった」と語りました。
分析:SCP-014-JPには対象の記憶や認識を読み取り出力する能力があるようです。今後、SCP-014-JPの知性についての研究も視野に入れます。
実験記録SCP-014-JP-28 - 日付19██/██/██
対象: D-1454
目的: 通常、数種の材料を組みあわせて作る料理の出力と、摂食時の反応研究。
操作: 紙に「ハンバーガー」と記入し、箱に投入してボタンを押す。出力された食物をまとまった状態のまま摂食させる。
結果: ハンバーガーがまとまった状態では問題はないが、ハンバーガーを崩して材料を個別に摂食すると嘔吐を起こした。
分析:「ハンバーガー」はまとまった状態のものを指しているのか、あるいはD-1454にとってバラした状態のものは最早「ハンバーガー」では無かったということでしょうか。
実験記録SCP-014-JP-29 - 日付19██/██/██
対象: D-1458
目的: 実験SCP-014-JP-28を受けて、摂食時の反応研究。
操作: 紙に「ハンバーガー」と記入し、箱に投入してボタンを押す。出力された食物を材料ごとに分解して個々に摂食させる。
結果: ハンバーガー用に調整されたものであれば、個々の材料を個別に摂食しても反応は起こりませんでした。またD-1458について普段からこのような手法で摂食するかと聞くと「たまにある」とのことでした。
分析: 最初からバラしていればある程度の応用は利くようです。ただ、それを料理と認識できるのかは疑問が残ります。
実験記録SCP-014-JP-36 - 日付19██/██/██
対象: D-1472
目的: 同じ材料と同じ調理法を用いた料理による、規模の差異による反応研究。
操作: SCP-014-JPで出力された「ビーフステーキ」を摂食したD-1472に、1cm・0.5cm・0.1cmそれぞれの同様に調理された料理を摂食させる。
結果: 0.1cmの肉を摂食した場合のみ、嘔吐反応が起こりました。
分析: D-1472について調査したところ「こんな薄いもん(0.1cm)がステーキなわけねえだろ」と語ったことから、SCP-014-JPの特性は被食者の認識によってその料理と認識されるものについて発揮されるものであるようです。SCP-014-JPが対象の意識を読み取っている可能性が高いです。
実験記録SCP-014-JP-40 - 日付19██/██/██
対象: D-1476
目的: 暗示による認識改変による反応研究。
操作: SCP-014-JP-1を摂食した被験者に暗示をかけ、SCP-014-JP-1と異なる種類の食物を同種と思い込ませて摂食させる。
結果: 嘔吐反応は起こらなかった。
分析: ここまでの研究により、SCP-014-JPが対象の認識によって反応を決定していることがほぼ確定したと思われます。