財団記録・情報保安管理局より通達
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— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ
SCP-4568-1もしくはSCP-4568-2に起因する海洋異常により引き起こされた地殻変動を自然現象と正当化する虚偽情報拡散作戦が進行中です。同作戦は3枚の構造プレートと一致するSCP-4568の主要活動域近辺で実施されます。
SCP-4568の影響下にある国々(主にチリ内陸部、アルゼンチン西部、ペルー、ボリビア)における建築基準は改正メルカリ震度階級でクラスXの地震への耐久能力を保証される、設計が施される必要があります。影響を受ける国々では保安及び緊急サービスを担う財団職員はSCP-4568の被害を抑制し、壊された虚構シナリオを防ぐために必要な場合は何時でも、避難と救助活動の指示が義務付けられています。
SCP-4568-1の活動に対する不干渉の継続が推奨されます。収容提言は軽減プロトコルと虚偽情報拡散に重点が置かれます。いかなるSCP-4568の構成要素であっても、無力化提言は既にO5評議会により否決されています。
SCP-4568-1もしくはSCP-4568-2との意思疎通の試みは記録され、現在進行中もしくは潜在的なאK-クラス神格敵対シナリオに関する既知の情報と相互参照が行われなければなりません。
説明: SCP-4568-1は南アメリカのアンデス山脈一帯の地下に棲息する、巨大地下棲蛇型実体です。現在の推定値は少なくとも全長500km、幅20kmとされます。同実体は自律した生命活動を見せ、溶岩、圧縮堆積物、多様な金属、そして氷から構成されます。ソナー分析によって、同実体に沿って、ぜんまい仕掛け、歯車、原始的な集積回路に類似する人工構造物と見られる存在が発見されました。これら構造物の開発目的は不明であり、SCP-4568-1の自立活動を司る機械機構である様には見えません。
SCP-4568-1は大部分の時間は動かないままです。しかしながら、特定の時期には同実体はアンデス山脈圏内沿いで身体を動かします。その巨体さにより、この活動は大抵、活動規模に比例するマグニチュードの大規模地殻変動を引き起こします。パターン分析によれば前述の行動は詳細不明の要因SCP-4568-2の休眠期間からの覚醒に反応した結果であり、地殻変動は偶然の副産物ではなく、SCP-4568-2を制止するためにSCP-4568-1により意図的に引き起こされたもの と示唆されますです。開発目的がもしあるとしても、分かっていません。SCP-4568により引き起こされた膨大な死傷者の存在を踏まえるならば、同実体は敵対的と推測されます。SCP-4568が知性体か否かは分かっていません。 SCP-4568-1は人間を上回る知性と強度なミーム耐性を備えた知性体です。積極的に敵意を見せるわけではないものの、地殻変動による死傷者を認識しており、SCP-4568を抑えるための"痛ましくも不可欠なもの"と考えています。
SCP-4568-2は水、砂、藻類、湯気を含む同等の大きさを備える海棲蛇型知性体です。現生海洋生物を頻繁に肉体に取り込んでいます。対象は影響を受けた後(大抵は有利な)突然変異の度合いを示すものの、過程によって害を受けているようには見えません。海洋生物はSCP-4568-2の肉体から自力で脱出及び身体再生が可能であると証明されています。
SCP-4568-2は人間に対して極めて敵対的であり、人類滅亡を引き起こす意志を繰り返し明かしてきました。SCP-4568-2は最終目標が自然破壊とその後の地球上の全生命の死滅を引き起こすとされる"大災厄"の阻止であると主張しています。当初は自然災害の類いを指すものだと考えられていましたが、SCP-4568-2の更なる発言から未確定の起源を持つMK-クラス"人類意識消失"シナリオの殆ど無関係の余波を指すものだと示唆されています。(更なる詳細は下記を参照。)
SCP-4568-2は水や他の流体を強制的に特定の状態へと変化させるための、共鳴効果と震動を発生させられる能力を行使可能です。これは活動中の肉体の維持及び大津波や異常海洋活動を発生させる目的で使われています。SCP-4568-1により阻止された地殻変動はこれら能力が原因で発生したものであり、SCP-4568-2は海洋外で一定の形態の維持が不可能となり、休眠期への移行を余儀なくされました。
補遺4568-1: 収容/無力化提言
[変更なし。情報破損]
注記: 同種の更なる提案は承認されません。
補遺4568-2: 4568-1と-2による会話記録
2010年2月のSCP-4568-2の発見後、両実体は互いに意思疎通を行っており、前述のインシデントの間に財団職員は類似の手法をSCP-4568-1に用いました。これらメッセージから主にK-クラスシナリオ関連の複数の要注意団体及び要注意実体を認識していると判明しました。注目すべき意思疎通の記録は以下のとおりです。
SCP-4568-1: 財団よ。貴方たちが私を信じられないのは分かっている。まして今でも死者を悼んでいる最中ならば。同朋を守るためなら極端な手段を貴方たちが選ぶのを躊躇わないということだけでなく、私は犯してしまった行いを分かっている。決して同一にはならないが、だが共通の目標を有しているのは分かってほしい。
[数秒の間]
知ってもいるように、私と同等のものは防衛という役目を信じている。理解不可能にして防ぎようがない、死にゆく星々の背後には脅威がある。人間の精神は無明の海原にて輝く灯台だ。灯りを消してしまえば、この脅威の注意を逸らせるのだろうか?最終的に、その価値はあるのだろうか?
2011年3月12日
SCP-4568-2: お前らが知っているのは分かっている。お前らの世界が滅びていく規模はどれ程ちっぽけなのだろう。大半はお前ら自身のせいだからな。海原の毒、河川の汚濁、天空の黒墨どもめ。世界を滅ぼすのに死の天使など不要だ。分かっているとも、お前らの眼の奥底の中をな。忘れられざるもの。狂気とあり得ざる色彩に身を包んだ受け入れがたきアイデアの数々を。
お前たちが世界を滅ぼすのを野放しにしておくと思っているのか?五のうちにこの世界、俺の世界を滅ぼされるのを許すとでも?
2011年3月14日
SCP-4568-2: 戸口がどこにも無ければ侵入なぞ出来るはずがない。何人も思い浮かばねば、アイデアは存在など出来ねえ。俺たちは新しく始める。きらいきらい星が 説教 してこないこの世界で。
2014年5月30日
SCP-4568-1: カイカイよ。お前は本気で無益な死が全てを解決してくれると思っているのか。私だって脅威を知っている。彼のものは考えれば傷付けてくる。だが私は深海、無酸素下の至る所で奴を目にした。五どもだ。降臨した際に何が起きるかは分かっている。だというのに、お前は誤った方向に導いている。
アイデアが存在するのは考えるから、それ以外に何もない。お前は斯様な恐るべき概念が形作られるに違いないと考えた事さえあるのか?どのような邪悪な精神が思い付くまでに至るというのか?人間は色彩なき緑に納得できない。お前が怪物の手に弄ばれているとしたらどうするのだ?
2014年6月25日
SCP-4568-1: カイカイよ、答えろ。
SCP-4568-2: トレントレン、どうしてお前を信じるべきだと?そんな薄っぺらい腰抜けっぷりに由来する言葉を信じる道理がどこにあると?お前は俺達の義務を知っているよな。お前は大地を、俺は海原を守り、その上で俺達がどちらも敵は何なのか分かっている。肉の神はピンクの光を躱し、この世界を再生する力を備えている。汚れなき、自由な世界だ。
SCP-4568-1: お前が言っているあの神は虚無の殻でしかない共に知っているではないか。悪意を備えていない。それでも鋼鉄と歯車の女神は奴を抑えるために自壊した。何故なのか全く理解していないのではないか?お前は本気で自分が虚無を満たし、肉をお前自身の意志で抑制できると思っているのか?この世の怪物の内であの広大な空漠を満たせるものなどいない。
だがもし五が精神を掌握したら?色彩なき緑の精神が斯様な神に反旗を翻したら?これが世界に侵入する上で必要なのだとしたら?お前はこの絵図において駒の1つに過ぎないのだ。鋼鉄の女神が肉の神を抑えるように、私がお前を抑えてやる。
SCP-4568-2: 鋼鉄の女神は従えている自称配下と同じく臆病者だ。今になっても、憎悪の赤よりも虚無の幽霊を恐れている。広大な無において、俺は女神が五に貪り喰われるか、狂気の欲に囚われた世界の数々を夢見た。太陽の愛が歪み、堕落した世界の数々だ。お前の言う女神は弱く、第五は余りにも強大だ。
2016年5月2日
SCP-4568-1: 財団よ、そこにいるか?私の恐れる声が今でも聞こえているか?信じられないかもしれないが、聞いてくれる者がいると安心するよ。
何故私が君たちを守っているか知りたいかね、人間よ?結局のところ、事は単純ではないだろうが、やってみるかね?カイカイを野放しにしておいて、彼の思い通りにさせたなら間違いなくこの世界に迫り来る脅威を止められるだろう。単純な帰結さ。
だがそれこそ私が気に入っている所だ。財団よ。人類についてだ。最も容易な道である諦めるだけの道を選択するだけなら楽なものだが、いつの時代でもこの道を拒絶し、正義を果たそうとする者らが人類の中にはいた。君たち全員がこの強さを備えているわけではないかもしれないが、君たちの手法である所謂「収容プロトコル」にこの強さを私は見出だせた。例え勝利を勝ち取るのに10億年かかるにしても、闇に立ち向かう者はいつの時代でもいるだろう。
君たちは第五を止められるだろう。結局のところ、アイデアは優れたアイデアで殺害可能だ。
[2時間の間]
君たちを守るのは私の仕事かもしれないが、それだけじゃない。自分が何者だったかを忘れるなんて、私には無理なんだ。
2017年7月17日
SCP-4568-1: フウインキャスをこれ以上理解するのは無理だ。
[数分の間]
SCP-4568-2: 時間切れだぜ、トレントレン。
2018年1月28日
SCP-4568-2: 俺はこの世界を救ってやる。人間どもめ。お前らに俺を止めるのは不可能だ。他に打てる手は無いぜ。