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Info
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タイトル: 生き物プロフィール: スパーキー!
翻訳責任者: C-Dives C-Dives
翻訳年: 2025
著作権者: Ralliston Ralliston 、Uncle Nicolini Uncle Nicolini
原題: Critter Profile: Sparky!
作成年: 2020
初訳時参照リビジョン: 41
元記事リンク: ソース
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重要: この生き物プロフィールは旧版です
最近の事件を受けて、私たちの可愛いスパーキーの生き物プロフィールはもはや最新版ではなくなった。今後数日以内に、スパーキーと私たちのゲストに関する関連情報を、私自身が個人的にアップデートしようと思っている。ただ、しばらく事態を受け止める時間をもらいたい。どうか宜しく頼む。
— ティム・ウィルソン
生き物プロフィール: スパーキー!
概要!
名前: スパーキー
種族: Canis lupus familiaris (イエイヌ、厳密にはバーニーズ・マウンテン・ドッグ!)
主要世話役: 陸生チーム、ジェレミー・ハドソン と ダニエル
食事: ドッグフード (スパーキーはなんでも食べるけど、牛肉と豚肉が大好物だぞ!)
居住区: ウィルソンズ・エスターバーグ・センター、2号イヌ科囲い場
生物の特徴!
スパーキーとは、この素晴らしいバーニーズ・マウンテン・ドッグの名前だ! スパーキーは他の犬たちがあまり好きではなくて、一匹きりで生活したり遊んだりするのを好んでいるけれども、ウィルソンズの職員との交流には強い関心を示してくれている。そして何より、彼は飼い主のダニエルを愛している。詳細は後ほど!
スパーキーは普段からとても眠そうで ("活発な"スパーキーという名前を考えると皮肉な話だね) 、一日の大半を心地良い犬小屋の中でうたた寝して過ごすのを好む。時々、ドアから顔を覗かせてこちらに尻尾を振ってくれる。世話役にはとてもフレンドリーな子だよ! 上手くいけば、いずれはセラピー動物たちの助けを借りて、全ての生き物が悪い奴ではないというのをスパーキーに教えてあげられるかもしれない!
さてさて、スパーキーはとても風変わりな犬だ。もし彼の後ろ足やお腹の一部をじっくりと観察したら - ほら、所々で骨や肉が突き出しているのが分かるだろう。それどころか、胸腔には大穴が空いているのに、彼は全く気にしていないようだ! スパーキーが初めてセンターにやって来た時、獣医たちは大いに心配して、何度も繰り返し診察したほどだったが、スパーキーはどこ吹く風だ - 骨と肉が飛び出した身体に満足しきっているんだね! 彼の身体の下半分は、ボランティアたちがどれだけ懸命にお腹を洗ってあげても、いつでも少々汚れている。それと、スパーキーの目と筋肉の動きが時々おかしくなるのは特筆に値する - 何かにつけて自分を制御できなくなり、おバカさんみたいに地面に倒れ込んでしまう。可哀想に! それでも、リハビリチームと私が、少しでも身体を上手くコントロールできるように一生懸命教えているよ。
ただ、気掛かりなのは、スパーキーの部位が頻繁に... もげることだ。小屋に行ったら尻尾や足が綺麗に取れていることはざらにある! 毎回、ベストを尽くして縫い合わせているけれどね。
経歴!
ある日のセラピーセッション中のスパーキー。
私たちがスパーキーと知り合ったのは、飼い主のダニエルが彼を腕に抱えてフリーポート・センターを訪れた時だった。ダニエルがスパーキーの状態を気に病んでいるのははっきり分かった。当時のスパーキーはとても悲惨な姿で、肉は裂け、痩せ細り、骨が飛び出ている有様だった。ダニエルは泣きながら、いったい何がいけなかったのかと訊いてきたから、私たちはとりあえず基本的な犬のお世話のアドバイスをした。残念ながら彼はあまり好意的に受け止めてくれなくて、いっそう激しく泣き始めたけれど、私たちはスパーキーを見捨てるつもりはなかった。彼の傷付いた足に包帯を巻き、露出した肉と骨を縫合し (少なくともできる範囲でね!) 、贅沢なお風呂に入らせてあげた。
正直に言おう。しばらくの間、見通しはかなり暗かった。獣医たちはスパーキーの心音を聞き取ることができなかったし、スパーキー自身も身動きしたがらなかった。でも、試行錯誤を数時間重ねた末に、彼をもう一度歩かせることができた。リハビリ部門にはまだまだ仕事が山積みだけれど、この点に関しては非常に大きな進展を遂げている。それと、古い聴診器は明らかに不良品らしいから、新しいのを買わなければね!
センターに初めて顔を出して以来、ダニエルは毎日スパーキーの様子を見に来ている。彼は間違いなくスパーキーに心からの愛情を注いでいるけれど、私たちには何が起こったのかさっぱり分からない。スパーキーの状態の原因について訊ねると、彼は「全部俺のせいだ」とか「何がダメだったんだ」と呟くばかりだ。嫌な思い出なのは明らかだから、敢えてこちらも突っ込んだ質問はしなかった。それに、ウィルソンズの仕事は誰かを裁くことではない。看板にあるように、ここでは"あらゆる生き物は大歓迎"なんだ!
特殊要件と居住空間!
スパーキーは現在、他の生き物たちと仲が良くないので、単独でイヌ科囲い場に住まわせている。他の犬たちと一緒に暮らすのはとても楽しいことだと理解してもらおうと努めているけれど、なかなか分かってもらえなくてね。
小屋の中にはふかふかの草が敷き詰められていて、スパーキーが問題なく眠れる枕付きの部分もある。時々、自主隔離生活を送る彼を元気づけるために新しい玩具を買っているが、とても喜んでくれているようだ。ただし、動物の形をした玩具を与えてはいけない。スパーキーの部位が取れてしまった場合に備えて、縫い針とたっぷりの糸を用意しておくのを忘れずに!
スパーキーには1日2回給餌して、飲み水は大体1時間おきに交換する必要がある。彼はかなり大量に水を飲むし、その水はすぐに身体を通り抜けてしまう! 文字通りにだよ! たまにお尻の近くに空いた穴から、水が地面にこぼれるのを見ることができる。獣医たちはまだ原因を特定できていない。
スパーキーはウィルソンズの中庭を自由に散歩できるようにして、ダニエルはどちらかが望むならいつでもスパーキーの傍にいられるように取り計らうべきだ - ダニエルがいると、スパーキーの幸福感は大いに高まることが分かっているよ。
スパーキーについての注意!
どうもスパーキーはまだまだ秘密を隠し持っているようだ - というのも、とても勤勉な担当世話役の1人であるジェレミーが近くにいた時、実に奇妙な出来事が彼の傍で発生したからだ - 私たちの基準から見ても、スパーキーはかなり凄腕の手品師らしい。ジェレミーによると、ある遊び時間に、うっかりしてスパーキーのお気に入りの玩具を、中庭に生えた木の上に引っ掛けてしまったことがあったらしい。スパーキーは木の上に登るには背が低すぎるのに、ジェレミーがはしごを取って戻って来ると、もう既に前脚にその玩具を抱えていた! 本当に驚くべきワンちゃんだ - 困った状況から抜け出す彼なりの手段を知っているらしいね! 残念ながら、その日スパーキーが"救出"した玩具はもう無い - 2日前に紛失して、どこにも見当たらなかったんだ。幸い、ジェレミーがほぼ同じ見た目でピカピカの新品を買い与えた - スパーキーはとても幸せそうだったよ。
体型や生理学にやや問題を抱えているにも拘らず、スパーキーはかなりの大食漢だ。私たちは最良の餌を十分に与えるように努めているけれども、彼は時々、我を忘れたようになって中庭の芝草や土を食べてしまう - イヌにしては随分と奇妙な食性だし、体格を考えれば尚更だが、スパーキー自身は楽しんでいるようなので、あまり強く制限してはいない。
送信者: ティム・ウィルソン
受信者: ジェレミー・ハドソン
日付: 11/02
やあ、ジェレミー。
これを書いているのは、私がスパーキーのお世話をしていた時、彼が他の生き物、とりわけお隣のネコちゃんたちに対してかなり攻撃的に振る舞い始めたことを伝えておきたいからだ。ネコを嫌うのはイヌの行動としてごく普通だと分かってはいるが、私は心配でならない。一番小さなネコを見た時でさえ、スパーキーは片耳が取れてしまうほど激しく震え始めた。こんなことは今までなかったんだ。
このメッセージはスパーキーのリハビリチームにも転送してほしい。
— ティム
送信者: ティム・ウィルソン
受信者: ジェレミー・ハドソン
日付: 11/04
やあ、ジェレミー。
多忙な週末にまた面倒をかけて申し訳ないが、ファーボールの居場所を知らないか? ほら、2号囲い場のネコだよ。クリップボードには、最後に餌やりをしたのが君だと書いてある。あちこち探してみたが、どうしても見当たらないんだ。彼女の居場所について何か知っていたら連絡してくれ。
— ティム
送信者: ティム・ウィルソン
受信者: スタッフ、ボランティア、全員
日付: 11/05
大変悲しい知らせとなるが、ファーボールが亡くなったことを報告しなければならない。
彼女を襲ったものの正体は、私には全く見当もつかない。全身が原形を留めないほどねじれていて、顔全体の毛皮が失われていた。何より残酷なのは、ファーボールをこのような目に遭わせた犯人が、彼女の両目までも抉り出していったことだ。しかし、どうか安心してほしい。私たちはこれから過去数日間の監視映像を全て見直し、可愛いファーボールに誰が、あるいは何がこんなことをしたかを特定するつもりだ。何か思い当たる節があれば、どうか遠慮なく私のオフィスまで来てもらいたい。
— ティム
送信者: ティム・ウィルソン
受信者: ジェレミー・ハドソン
日付: 11/06
ジェレミー、
アンナと私は不安になってきている。もう3日も出勤していないね。私が泊まり込みで仕事をさせるような人間じゃないのは知っているだろうが、今は本当に君の助けが必要なんだ。スパーキーがバラバラになる頻度が増えていて、縫い直しに使う糸も底を突きかけているから、ここに立ち寄る時に少し買い足してくれるとありがたい。乱文で申し訳ないが、今日はパンチーも行方不明になってしまって、みんな大いに動揺している。ファーボールの二の舞にはなってほしくないんだ。
— ティム
送信者: ティム・ウィルソン
受信者: ジェレミー・ハドソン
日付: 11/07
ジェレミー、
どうかすぐ出勤してほしい。とても深刻な緊急事態が起きている。全ての動物たちを小屋に閉じ込めたが、どんどん姿を消している。ダニエルからも返答が無い。最後に私が見かけた時、彼は破り取った本のページのようなおかしなものを呼んでいた。アンナによると"竒㑊論"とかなんとか、そういう薄気味悪いタイトルだったそうだ。
君はダニエルとよく一緒だったが、これについて何か知らないか?
— ティム
送信者: ティム・ウィルソン
受信者: スタッフ、ボランティア、全員
日付: 11/08
悪い知らせを伝えるのは心苦しいが、この件は全員と共有しなければならない。
昨夜、スパーキーは大暴れした。アンナと私で制止しようとしたが、スパーキーから奇妙な影のような触手が出てきて、私たちを横に払いのけた。彼は囲い場を抜け出し、隣のネコ科囲い場に入り込んで、ミネルヴァの仔猫を全て食べた。1匹残らずだ。
止めようとしたが無理だった。ダニエルがスパーキーに向かって叫びながら突然現れなかったら、被害はもっと大きかっただろう。スパーキーはそれで少々落ち着いたようだったが、やがて激しく震え始め、爆発した。肉片や黒いベトベトがそこら中に飛び散り、直前までスパーキーがいた場所には、私が今まで目にしたどんなものにも似ていない、半透明の不気味な何かがいた。それとダニエルは最後に長い間見つめ合った。スパーキーは短く弱々しい鳴き声を上げ、それから耳をつんざくような遠吠えと共に壁をすり抜けて消えた。
起こったことを整理するため、今日は1日休むことにした。もし監督者たちが私に会いたいという場合は、フェイが責任者だと伝えてくれ。どうか宜しく頼む。
— ティム
送信者: ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ自動Eメール返信Bot
受信者: ティム・ウィルソン
日付: 11/08
システム通知 — ユーザー ティム・ウィルソン 様、あなたが過去7日間メッセージを送信していたユーザー ジェレミー・ハドソン のアカウントは一定期間使用されていません。このため、あなたが送信したメッセージは受信されておらず、誰にも閲覧されませんでした。ユーザー ジェレミー・ハドソン の最後のログイン日時は次の通りです:
11/01、15:23、端末3、ウィルソンズ・ワイルドライフ・センター、イヌ科ケアセンター、2号囲い場: スパーキー。
送信者: ダニエル
受信者: ティム・ウィルソン
日付: 11/08
すまなかった。本当に、本当にすまなかった。生き返らせるべきじゃなかったんだ。すまなかった。すまなかった。
本ページを引用する際の表記:
「生き物プロフィール: スパーキー!」著作権者: Ralliston, Uncle Nicolini, C-Dives 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/critter-profile-sparky ライセンス: CC BY-SA 3.0
このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。
ファイルページ: WWS(現行版/クマシルエット)
ファイル名: WWS_Logo_2.2_abrv.png
タイトル: WWS_Logo_2.2_abrv.png
著作権者: Jade Skylar Jade Skylar
ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/theme:wilsons
ライセンス: CC BY-SA 3.0
公開年: 2018
ファイルページ: 生き物プロフィール: スパーキー!/ 1枚目
ファイル名: sparky1.jpg
タイトル: bernese-mountain-dog-258580_1280
著作権者: localpups
ソース: https://www.flickr.com/photos/133374862@N02/19885454323/
ライセンス: CC BY 2.0
公開年: August 12, 2015
ファイルページ: 生き物プロフィール: スパーキー!/ 2枚目
ファイル名: sparky2.jpg
タイトル: Bernese Mountain Dog
著作権者: StooMathiesen
ソース: https://www.flickr.com/photos/stoo57/5768115659/
ライセンス: CC BY 2.0
公開年: May 28, 2011