SCP-636-JP
評価: +75

アイテム番号: SCP-636-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-636-JPのサンプルは標準的なバイオハザード封じ込め手法に従い生物サイト-8102の収容室に収容されています。SCP-636-JPに関する研究は原則として同サイトで行うものとします。

現在、特別対策チームが結成され、厚生労働省及び農林水産省と連携してSCP-636-JPの監視・防疫を実施しています。詳細については資料636-JP-Aを参照して下さい。同資料は担当職員にのみ開示され、担当外の職員による閲覧には特別対策チームリーダーまたはBクラス以上の職員の許可が必要です。現在のチームリーダーは水無月博士です。

財団の管理外でSCP-636-JP-1の発生が確認された場合、標準的カバーストーリー「日本脳炎」に従いSCP-636-JP-1を収容し、治療を施した後、記憶処理を施した上で解放します。治療中はSCP-636-JP-2の発生を防止する為、アイマスクを用いてSCP-636-JP-1の視覚を遮断して下さい。収容の過程で発見されたSCP-636-JP-2は破壊または除去し、関係者・目撃者に対しては記憶処理を施した上で、状況に応じたカバーストーリーを適用するものとします。

説明: SCP-636-JPはフラビウイルス科フラビウイルス属に分類されるウイルス及びそのウイルスによって引き起こされる脳炎です。感染経路についてはコガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)による媒介のみが確認されており、それ以外の感染経路は確認されていません。潜伏期は7〜14日程で、発症後、感染者(SCP-636-JP-1に指定)は高熱と意識障害に陥ります。治療方法は対症療法のみで、致死率はおよそ5%です。SCP-636-JPは感染力が非常に弱く、これまでに確認されたSCP-636-JP-1の██%が免疫力の低い児童及び老人であり、成人の発症例は█%程でしかありません。

SCP-636-JPの異常な特性はSCP-636-JP-1にパレイドリア効果を始めとする錯覚が起きた際に発生します。錯覚の対象となった物体(SCP-636-JP-2に指定)は3〜10分程の時間をかけてSCP-636-JP-1の錯覚に基づく形へと変形します。変形は対象物周辺の物質を利用し、その物性や構造・機能を無視して行われる為、発生箇所によっては人体・機械装置に対して致命的な事象を引き起こします。この現象はSCP-636-JP-1がSCP-636-JPを発症している間のみ発生し、治癒した後は起こらない事が確認されています。

636-JP-2-019 - 195█年██月█日

感染者: 636-JP-1-020 / 5歳女児

発生時の状況: 自宅にて療養中に天井の木目をヒトの顔と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 天井の木目が抽象的なヒトの顔の形へと変形。検査により周辺の木材の密度が低下している事が判明。

処置内容: 天井板を交換し除去。関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。カバーストーリー「天井板の腐食」を適用。

636-JP-2-030 - 196█年█月██日

感染者: 636-JP-1-034 / 8歳男児

発生時の状況: 医療施設に入院中、治療に当たっていた医師の掌の縫合痕をヒトの口と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 縫合痕がヒトの口唇と歯に変形。検査により周囲の皮膚及び中手骨を利用して形成されたものである事が判明。中手骨については骨密度の低下が見られた。

処置内容: 外科手術により除去。関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施した。男児についてはSCP-636-JPの発見を避ける為に財団医療施設へと移送し治療を行った。

636-JP-2-051 - 197█年█月██日

感染者: 636-JP-1-060 / 12歳女児

発生時の状況: 修学旅行中、栃木県██市の██の滝の岩壁にヒトの顔があると認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 岩壁の一部がヒトの顔の形へと変形。

処置内容: 爆破処理を行い除去。関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。カバーストーリー「侵食による崩壊」を適用し、現地の観光案内にもその旨を記載した。

636-JP-2-073 - 198█年██月█日

感染者: 636-JP-1-082 / 78歳女性

発生時の状況: 自宅の庭に植えられている複数のロサ・キネンシス(Rosa chinensis)の中心部から目が覗いていると認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 複数のロサ・キネンシスの花弁の中心部がヒトの眼球に変形。強膜から瞳孔にかけては模様の形をとっていた。

処置内容: 関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。カバーストーリー「病害虫による異常」、「防疫の為の伐採」を適用し、影響を受けた株を除去した。

636-JP-2-105 - 198█年█月█日

感染者: 636-JP-1-130 / 26歳男性

発生時の状況: 勤務中、ワープロのディスプレイに表示された数列を顔文字と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 当該部分の液晶が浮き上がる形で変形。

処置内容: 関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。カバーストーリー「液晶の不良」、「熱による変形」を適用し、メーカー担当者を装った職員がワープロの交換時に回収した。

636-JP-2-149 - 198█年██月█日

感染者: 636-JP-1-175 / 6歳男児

発生時の状況: 自宅にて療養中、家の前に停車していた宅配業者の車両の左後輪を歯車と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 車両の左後輪が歯車の形へと変形。走行に支障を来したが、ドライバーが異常に気付き即座に停車した為、事故等は発生せず。

処置内容: 不良品の交換を名目として除去。関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。

636-JP-2-170 - 198█年█月██日

感染者: 636-JP-1-200 / 5歳男児

発生時の状況: 父親と共に入浴中、父親の左胸にあった心臓手術の縫合痕をファスナーと認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 縫合痕がファスナーへと変形。父親がパニック状態に陥った拍子にファスナーが開き、心臓が体外へ露出した。除去後の検査により、ファスナーは肋骨の成分を使用し形成されたものである事が判明。

処置内容: 手術中に除去。関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。男児については露出した心臓を目視した事による精神的ショックが大きかった為、クラスCの記憶処理を行った。

636-JP-2-197 - 199█年█月█日

感染者: 636-JP-1-228 / 30歳男性

発生時の状況: 化学工場での作業中、工場設備の一部をヒトの顔と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 設備の一部がヒトの目・鼻・口の形へと変形。この変形により設備の配管が破損し、爆発事故が発生。17名の死者、29名の負傷者を出した。

処置内容: 爆発により自己終了した。関係者・目撃者にクラスBの記憶処理を実施。現場検証の最中、地元警察及び消防に潜入した職員が変形した設備の破片を回収。

636-JP-2-282 - 199█年█月██日

感染者: 636-JP-1-318 / 10歳男児, 636-JP-1-319 / 11歳男児

発生時の状況: 移動教室で訪れた群馬県██村の宿泊施設にて療養中、部屋を訪れた女性教諭をそれぞれ自分の母親と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 女性教諭の顔面が骨格を含めて著しく変形した。左右の差異が大きく、部分的にではあるがそれぞれの男児の母親との類似点が見られた。

処置内容: 整形手術、再生治療により回復。関係者・目撃者にはクラスBの、男児2名と女性教諭にはクラスCの記憶処理を実施。カバーストーリー「悪性腫瘍」を適用。

備考: 複数のSCP-636-JP-1によって1つのSCP-636-JP-2が発生した初の例。

SCP-636-JPは194█年█月█日に██県██市在住の主婦が「脳炎で倒れた息子の看病をしている最中、腕に突然人の顔のようなできものが現れた」として病院に受診に来た事をきっかけとして財団に収容されました。以降、夏季を中心として1年に█件の割合で発症が確認され、201█年時点で███体のSCP-636-JP-1、███例のSCP-636-JP-2が確認されています。

媒介者となるコガタアカイエカが日本国内に広く分布し、SCP-636-JPへの感染を完全に予防するのが困難である事から、196█年にコガタアカイエカの絶滅によるSCP-636-JPの根絶が提案されましたが、絶滅と隠蔽に必要となるコストを理由にO5により却下されました。また198█年にはSCP-636-JPのワクチンの製造及び接種による予防計画が立案されましたが、ワクチンの接種によりSCP-636-JP-1が発生するリスクが増大するとしてO5により却下されています。

補遺: 198█年以降、SCP-636-JP-1の発生例が増加傾向にあり、世界的な気温上昇に伴う蚊の個体数増加との関連が指摘されています。

636-JP-2-478 - 20██年█月█日

感染者: 636-JP-1-603 / オスのニホンザル(Macaca fuscata)、3歳

発生時の状況: 東京都恩賜██動物園にて、来園者の女性が抱きかかえていた1歳男児を群れの仲間と認識した事で発生したものと推定。

変形の詳細: 男児の全身がニホンザルへと変形。骨格も変形していたが器官についてはそのままであった。

処置内容: 頭蓋骨の変形を原因とする脳出血により自己終了した。関係者・目撃者にはクラスBの、男児の母親である来園者の女性にはクラスCの記憶処理を実施した。本事例を受けて同園で飼育されていた全ての動物に対し検査を行った結果、636-JP-1-603以外に6体のSCP-636-JP-1が発見された為、生物サイト-8102に収容した。発見されたSCP-636-JP-1はいずれも哺乳動物であった。

備考: ヒト以外での初めての感染例となる。これを受けて監視・防疫体制が強化された。

Footnotes
. 錯覚の一種。雲の形や壁のしみ等が顔や動物に見えるといった、不定形の対象物が別のものに見える現象。
ページリビジョン: 14, 最終更新: 29 Aug 2021 16:41
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