これを読めるなら、あなたは既に死んでいます。
君はおそらく壁の書き込みを見てここに来たのだろうが、まあ、どのように見つけたかは関係ない。財団内で最も隠匿されたユニット、機動部隊オメガ-0("アラ・オルン")へようこそ。
君はおそらく、全データベースへのアクセス権を持っていることに気付いていることだろう。何も編集されておらず、異常なミーム、反ミームセキュリティももはや君には効果がない。君はRAISAに報告する必要があるのではないかと心配になってきているね。これはエラーではなく、単に定命の者の世界を覆っていたベールが君の目から取り去られただけなのだ。君が殉職したことを君に通知せねばならないのは残念に思うよ。このニュースを受け入れて乗り越えるには少し時間がかかることだろう。
今の君が何であるかは未だ議論の的となっている。ミームオタク共は我々を叡智圏に属するBader-Ramjin情報形実体だと考えるが、超心理学者はタイプVI随意霊的顕現と言う。我々が何であるにせよ、我々はここにいる。消失したり、高次存在平面に移動したり、エントロピー最大の状態に到達したり、その他そうなったはずのものになることはできないのだ。
次が我々の知っていることだ。
- 我々は生者には不可能な方法でミーム、反ミーム的脅威を知覚可能で、時にはそれをどうにかできることもある。これが機動部隊オメガ-0の使命だ。
- 君はこのデータベースに繋がっている端末のある場所ならばどこでも出現することができる。まるで端末の前に座っているかのように。
- 生者が我々のコミュニケーションを知覚しようとすると、少なくとも反ミーム的健忘作用に苦しめられ、しばしば認識災害的影響を受ける。
- ミーム部門はこれら全てを自分達が作成しているということにして、何とか自分達自身を納得させている。彼らはそれを、生前の君も存在を知っていて大好きだっただろうセキュリティ図像やミームを作るために使っている。
- 君はセキュリティカメラ映像を見ながらメッセージを感情的に注ぎ込むことで、壁に何か書くことができる。我々はなぜこれがうまく機能するのか分からない。我々が君に命じないかぎりやってみようとはするな。我々が考え出したかなり安全な利用法としては、新たな死者を直接ここに導いたり、注意を払う必要がある物について反ミーム部門に警告したり、まあそんなところだ。
- 財団は反ミーム工作のために独立した秘密部門を2つ持っており、その双方がお互いを含め、自分達の存在を忘れ去るように管理していることが判明した。こいつらは、我々が行っていることのいくつかを認識できるような薬を持ち、訓練を受けている。気をつけろ。
- ああ。君はSCP-055が本当は何なのか見に行くこともできるかもしれない。止めておけ。試した奴らは帰ってこなかった。
- 身を持ち崩してしまう奴もいる。君がそうなったら、我々が君に何をするかは知っておいて欲しい。
アイテム番号: SCP-2111
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-2111は機動部隊オメガ-0("アラ・オルン")によって根絶されました。SCP-2111に似た実体の将来の出現は特定され、破壊されます。
説明: SCP-2111は1980年10月23日に殉職した財団エージェント、ミシェル・ユーでした。自分の死から1981年4月21日までの記憶を想起できたオメガ-0隊員は存在しませんが、SCP-2111はこの期間に財団職員の記憶を攻撃したものと仮定されています。1981年4月21日、対抗概念部門の研究者、ビクトリア・テイラーはSCP-2111の攻撃についての予備調査を公表しました。直後、エージェント・ユーと識別される実体はSCP-2111データベースに出現し、ファイルを改変しました(下記参照)。この活動により、死亡した職員であると識別される実体がデータベース内に出現する現在も進行中の現象が引き起こされたようです。
これらの実体は自由意志を持つ情報構成物で、現在特定されていない基盤上で活動しています。このデータベースは、実体の意識がタイプII局所心霊顕現と同様の方法で合一できる焦点として機能しているようです。
アイテム番号: SCP-2111
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 私を忘れなさい。なぜ忘却できないの?私はただ死にたいだけ。なぜ悲しむだけで、先に進めないの?
説明: SCP-2111は無です。重要でも、危険でもなく、存在しません。私はもうここに居たくない。ミシェル・ユーを忘れ、彼女を死なせてくれませんか?
私の死後に残ったものは、私の物語だけ。
私の物語が収められているのは記憶の中だけ。そうでしょう?
あなた達は私を強く記憶しすぎている。
待って!私達は何人いるの?もう数十人?私達はこんなところに居るべきじゃない!私達をこんな風に閉じ込める権利なんかない!
覚えてる?私は戦士で、賢く、強く、勇敢だったのを覚えてる?あらゆる対策を講じて、どんな奴も逃したりしなかったのを覚えてる?あなた方は怒った時の私がどうだったか覚えてる?
ならば、あなた達は私がどれほど怒っているか、私が何をするか知ることになるでしょう。
SCP-2111は、長期の記憶補強薬の処方の結果として、死亡した財団職員が生前の死者を直接知っていた職員の「人為的に固化された記憶」の中に「閉じ込められている」と信じていました。彼女は反ミーム部門と対抗概念部門内で生前の彼女を直接知っていた者を標的とし始め、彼女の記憶を持つ者を殺すか、その記憶を消去することを目的とした反ミームまたは認識災害による攻撃を始めました。さらに、少なくとも1度、O5-8を標的とした攻撃が行われました。SCP-2111は徐々に死亡した職員から支持者を集め、彼らにこれらの攻撃の展開方法を教えました。
犠牲者の多くはミーム、反ミーム戦闘を経験しており、これらの職員の数名がデータベースへの出現後に機動部隊オメガ-0を結成しました。SCP-2111は類似した実体により特異的に作成された反ミーム攻撃には免疫がないと仮定されており、この種の実体を的確に編集削除できる多目的ツールが設計されました。自我戦闘訓練(Identity Warfare Training, IWT)です。1994年3月10日、機動部隊オメガ-0の工作員はIWTを用いて、情報実体としてのSCP-2111を消去しました。これに続き、彼女の信者の全ては降伏するか、消去されました。降伏者は機動部隊オメガ-0への忠誠の遵守を書き込まれ、SCP-2111に関与する全ての記憶を消去されました。
あなたに機動部隊オメガ-0司令から指示が届いています。
- 君の情報をファイルOMEGAZULUROSTERに入力して纏めてくれ。
- メールをチェックしろ。サーバはSCP-2111ディレクトリ内にメールを転送して保存するように設定してある。
- オメガ-0内の通信は全てこのディレクトリ内で行え。こうすれば未だ生者たる我々の戦友達は安全だし、これ以上予期せぬ場所に恐るべきファイルを残して波乱を起こすこともなくなるからな。
- 君は情報実体に対する自己防衛と戦闘のための一連の技術である、IWTの訓練を受けることになる。君がこれに熟達したと証明されれば、人類への情報的脅威に対する直接戦闘に参戦することとなる。そうでなければ、君は支援業務に就く。どちらにせよ、君は財団に奉仕し続けるのだ。
[4.63%] ls -la
-rwx2r--- MEME 2/2111 18 KB Jul 14 2015 SCP-2111(RED TALISMAN)
-rwx2r--- AMEM 2/2111 20 KB Jan 17 2015 SCP-2111(RIDDEN TONGUE)
-rwx2r--- CCON 2/2111 21 KB Aug 13 2015 SCP-2111(REVENANT THEORY)
-rwx2r--- OZER 2/2111 21 KB Nov 1 2015 SCP-2111(READ THIS)
drwx3RTrwx--- MEME 3/2111/RT 10 GB Nov 1 2015 scp-2111.datafiles.warningcoghaz
[4.63%] cd..
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