2022年1月3日月曜日
2021アカデミック・レビュー: ゲーム学における最大の論争(上)
アカデミック・ブログ主筆の山根です.あけましておめでとうございます.
本サイトはゲーム研究・ゲーム教育について情報発信を続けてきましたが,2021年の更新は停滞していました.これはコロナ禍によってIGDA日本の勉強会(および懇親会)が開けなくなったことも大きいですが,本アカデミックSIGにとっては,執筆以外の活動が増えた1年でした.具体的には,「gaming disorder」(ゲーム症,ゲーム障害,ゲーミング障害,執筆時点で公式日本語訳は未定です)についてウェブでの情報発信よりも直接的な社会的活動に終始した1年でした.2021年を振り返るこの機会に,ゲーム研究で最も問題となった概念の一つであるこの議論の経緯をまとめてみます.
2021年,IGDA日本アカデミックSIGの名前を出しての著述活動は以下の通りです.
2020年12月22日火曜日
書評『ゲームエンジンアーキテクチャ 第3版』
幹事の山根がIGDA日本のウェブサイトに「書評『ゲームエンジンアーキテクチャ 第3版』: 待望の日本語訳がひらく次世代ゲーム開発」を掲載しました.ベテラン開発者が実務家教員として大学で教えることで作られた本書は,実務家教員の役割と意義がわかる一冊です.
2020年7月13日月曜日
Games for Change FestivalプレビューとG4Cの歩み
個性的なニューヨークのゲームシーン
2020年6月1日月曜日
パンデミック下の不安に応えるゲーム専門家
2020年5月25日月曜日
GGJ20以後のゲームジャムシーン
2020年1月30日木曜日
ゲーミング障害の政治とゲーム開発者ができること
本記事では,WHOでのゲーミング障害の扱いに対するゲーム学界の対応を説明し,ゲーム開発者が(パブリックコメント以外に)できることを考え,Global Game Jam瀬戸内会場in香川について説明します.
さて香川といえば県の#ネット・ゲーム依存症対策条例が話題だが,その出しにつかわれたのが「ゲーム障害(ゲーミング障害)」という概念である.世界保健機構(WHO)のICD-11(追記: 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems) 第11版)で,「ゲーミング障害(gaming disorder)」の分類が追加されることが決定され,有効になる前から政治的関心を集めている.本記事ではゲーミング障害に関するゲーム研究・ゲーム分野での議論をまとめてみたい.