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2013年6月23日日曜日

国際学会 FDG2013 参加報告 (上)

この5月にゲーム研究の国際会議のひとつである「Foundation of Digital Games」(以下,FDG)に参加してきた.ゲーム産学連携の上で大きな役割を果たしてた同会議の歴史をひもときながら,ゲーム研究の国際会議について紹介したい.

はじめに: 国際会議の目的

学校ごとにそれぞれ異なる目標があるように,学会にはそれぞれ独自の目標があり,ひとつの学会ですべての目標を実現することはできない.たとえば巨大な会議場に数千人・数万人規模の参加者を集める巨大な大会もあれば,100人程度が一つの建物で議論する会議もある.投稿された論文を出版することで成功したと言える学会もあれば,論文にまとまる前の現在進行中の最新動向を集めることを目指す学会もある.産学連携に熱心な学会もあれば、あえて産業化に向かわない学会もある。 今回報告するFDGは,デジタルゲームにおける産学の連携をテーマにしてはじまったという点でユニークな国際会議である.

2013年5月30日木曜日

Global Game Jam 2013: 4ヶ月後の振り返り (前編)

 IGDAの年中行事,Global Game Jam が今年も1月末の週末に開催された.本ブログでのふりかえりが遅れてしまったが,その間にもサウンドゲームジャム(4月20, 21日),郡山ゲームジャム「FUSE」(毎月),宮城ゲームジャム「CORONA」(6月16日),福島ゲームジャム(8月3, 4日)と日本国内でのゲームジャムが立て続けに開催され、いまも参加者を募集している. 次のゲームジャムに備えるためにも,駆け足でGGJ2013を振り返りたい.

2013年3月25日月曜日

GDC2013アカデミック・プレビュー

 今年もサンフランシスコでGDC(ゲームデベロッパーズカンファレンス)が開催される.これまでIGDA日本では毎年学生向けのスカラシップやサイト日本語訳を通じてGDC情報を提供してきたが,本記事では翻訳では伝えられない背景も含めてアカデミック関連のプレビューをお届けする.

研究・教育機関とGDC

もともとGDCはゲーム開発者の集まりだったが,現在では研究者や教育者といったアカデミックなコミュニティからGDCに参加する人も多い.もっともわかりやすいのは,業界に就職したい学生や,社会で活躍する人材を送り出したい学校の参加である.その中にはGDCの有料ブースに出展する専門学校もある。それらの展示もGDCの一部ではあるが,本稿では範囲を限定して、プロの開発者向けの研究機関・教育機関からの発表に注目介したい.

歴史的な発展

2013年1月31日木曜日

Global Game Jam 2013: 終了後のふりかえりアンケート

 第5回 Global Game Jam が終了した.週末にアップロードされたゲームはすべて自由にダウンロードして遊び,コメントをつけることができる.はやくも海外メディアでとりあげられたゲームもあるし,北海道新聞などでも報道されたようだ.ゲームの新バージョンの追加も許可されているので(it is okay to upload a new version),さらに手を加えているチームもある.また今年は都内でゲームパーティーが開かれるこのことで,GGJ終了後もまだ熱気は続いている.
 さて,そのGlobal Game Jam終了と同時に,GGJ研究委員会(GGJ Research Committee )から事後アンケートの依頼が行われている.ゲーム開発に参加した人なら,先日の事前アンケートに回答していなくても事後アンケートだけの回答もできる.また,英語が苦手な方は自由記述の質問は空欄のままで,選択式の質問だけ回答しても構わないのでぜひ回答してほしい.
以下にアンケート質問の日本語訳を掲載する.

2013年1月25日金曜日

Global Game Jam 2013: 世界最大のゲーム開発者調査もはじまる

昨年末にお知らせしたように,今年のGlobal Game Jamがまもなくはじまる(いまはニュージーランド会場がオープンしたところだ).今年の開発テーマはハワイ会場がスタートする明日までネットで公表できないが,すでにチャレンジのための課題として「GGJ Diversifier system」が発表されている.ゲーム開発者の人材育成の世界的なリーダーも関わっているだけに,学生からベテランまでチャレンジしがいのある課題になっている.
 今回は,スポンサーからの特典も増え,国内企業の参加も増えて,本物の開発ツールをつかったゲーム開発体験ができるようになっている. すでに参加者に向けて,オンラインの事前アンケートがはじまっているので紹介しよう.これはGGJに参加する世界中のゲーム開発者を対象とした調査で,世界各地のゲーム研究者がチームを組んで進めている.ゲーム開発がはじまるまえから製品リリースまで追跡するゲーム研究者はまだ少ないので,GGJを機にゲーム開発現場に注目する研究者が増えることが期待される. ただしこのオンラインアンケートは英語なので,以下に質問項目を日本語に訳してみた.参加者の方は会場準備の時にでも記入してほしい.

2012年11月25日日曜日

海外学術誌の日本のゲーム特集と国際ワークショップ

海外の学術誌が日本のゲームについての論文を募集しているので紹介します.
CEDEC2010キーノートスピーカーである石井裕は雑誌記事で「日本で大変素晴らしい研究をして、日本国内の学会に日本語で報告したとしよう。しかしそれだけでは、日本以外の「世界」から見るとその研究は存在していないに等しい。世界にインパクトを与えるチャンスもない。」と書いています.これはゲーム研究の場合でも同様で,たとえば学術論文を検索するGoogle Scholarで世界の人が日本のゲームを調べようとすると,英語圏のゲームに比べて件数が少ないし短い文英語献ばかりヒットする.つまり,日本のゲームは国境を越えてきましたが,日本のゲームについての学術的な評価や研究は国境を越えていないのが現状です.そこで,世界の誰にでも見つけやすいところで日本のゲーム研究を発信することが研究者に求められますが,日本のゲームについての研究情報を世界に発信する場所はまだ存在しません.
今回,日本のゲームについて研究論文を募集しているのはカナダのケベック州モントリオール周辺を拠点とするKinephanosというオンライン論文誌 (ISSN 1916-985X)の特集号で,英語またはフランス語で書かれた論文をオンラインで出版しています.
ケベックは州政府によるゲーム産業の誘致政策が有名ですが,それ以前から映画研究をはじめとする文化研究の拠点があり,たとえば2008年のホラーゲーム研究の国際会議(2009年に論集出版)はゲーム研究者の層の厚さを示すものとして日本でも話題になりました.
以下に,投稿募集の非公式日本語訳を掲載します.(最新情報は公式サイトで確認できます.) 日本のゲームに関する学術情報がほとんどないという現状を変えようという意欲が伝わってきます.なお,この日本ゲーム特集号の編集委員をつとめるMartin PicardとJérémie Pelletier-Gagnonの両博士は現在日本に長期滞在中で,来月12月7日夜に都内にて国際ワークショップ「Thinking Video Games in Japan: Towards Collaboration in Game Research」(「日本でビデオゲームを考える: ゲーム研究のコラボレーションに向けて」)にて発表する予定です.国際的なゲーム研究シーンに関心のある方はぜひご参加ください,(ワークショップには本SIGからも筆者が発表参加する予定です).


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