2013年1月31日木曜日
Global Game Jam 2013: 終了後のふりかえりアンケート
さて,そのGlobal Game Jam終了と同時に,GGJ研究委員会(GGJ Research Committee )から事後アンケートの依頼が行われている.ゲーム開発に参加した人なら,先日の事前アンケートに回答していなくても事後アンケートだけの回答もできる.また,英語が苦手な方は自由記述の質問は空欄のままで,選択式の質問だけ回答しても構わないのでぜひ回答してほしい.
以下にアンケート質問の日本語訳を掲載する.
2013年1月25日金曜日
Global Game Jam 2013: 世界最大のゲーム開発者調査もはじまる
今回は,スポンサーからの特典も増え,国内企業の参加も増えて,本物の開発ツールをつかったゲーム開発体験ができるようになっている. すでに参加者に向けて,オンラインの事前アンケートがはじまっているので紹介しよう.これはGGJに参加する世界中のゲーム開発者を対象とした調査で,世界各地のゲーム研究者がチームを組んで進めている.ゲーム開発がはじまるまえから製品リリースまで追跡するゲーム研究者はまだ少ないので,GGJを機にゲーム開発現場に注目する研究者が増えることが期待される. ただしこのオンラインアンケートは英語なので,以下に質問項目を日本語に訳してみた.参加者の方は会場準備の時にでも記入してほしい.
2012年11月25日日曜日
海外学術誌の日本のゲーム特集と国際ワークショップ
CEDEC2010キーノートスピーカーである石井裕は雑誌記事で「日本で大変素晴らしい研究をして、日本国内の学会に日本語で報告したとしよう。しかしそれだけでは、日本以外の「世界」から見るとその研究は存在していないに等しい。世界にインパクトを与えるチャンスもない。」と書いています.これはゲーム研究の場合でも同様で,たとえば学術論文を検索するGoogle Scholarで世界の人が日本のゲームを調べようとすると,英語圏のゲームに比べて件数が少ないし短い文英語献ばかりヒットする.つまり,日本のゲームは国境を越えてきましたが,日本のゲームについての学術的な評価や研究は国境を越えていないのが現状です.そこで,世界の誰にでも見つけやすいところで日本のゲーム研究を発信することが研究者に求められますが,日本のゲームについての研究情報を世界に発信する場所はまだ存在しません.
今回,日本のゲームについて研究論文を募集しているのはカナダのケベック州モントリオール周辺を拠点とするKinephanosというオンライン論文誌 (ISSN 1916-985X)の特集号で,英語またはフランス語で書かれた論文をオンラインで出版しています.
ケベックは州政府によるゲーム産業の誘致政策が有名ですが,それ以前から映画研究をはじめとする文化研究の拠点があり,たとえば2008年のホラーゲーム研究の国際会議(2009年に論集出版)はゲーム研究者の層の厚さを示すものとして日本でも話題になりました.
以下に,投稿募集の非公式日本語訳を掲載します.(最新情報は公式サイトで確認できます.) 日本のゲームに関する学術情報がほとんどないという現状を変えようという意欲が伝わってきます.なお,この日本ゲーム特集号の編集委員をつとめるMartin PicardとJérémie Pelletier-Gagnonの両博士は現在日本に長期滞在中で,来月12月7日夜に都内にて国際ワークショップ「Thinking Video Games in Japan: Towards Collaboration in Game Research」(「日本でビデオゲームを考える: ゲーム研究のコラボレーションに向けて」)にて発表する予定です.国際的なゲーム研究シーンに関心のある方はぜひご参加ください,(ワークショップには本SIGからも筆者が発表参加する予定です).
2012年10月5日金曜日
[速報] Global Game Jam 2013 (1月25-27日) 会場募集はじまる
IGDAが毎年1月最後の週末に開催するGlobal Game Jamが近づいてきた.今回もすでに参加者募集に先立って,ゲームジャム会場の登録がはじまっている.ゲームジャム会場を確保して登録するまでのやり方は昨年までと同じで,過去のGlobal Game Jamで参加者登録した人は同じIDでログインできるし,初めての人もユーザ登録してゲームジャム会場を登録できる.
ゲームジャム会場に必要な用意は過去のWiki(一部日本語あり)や新しいサイトのWikiにもまとめられているが,学校でも深夜営業のレストランでも民家でも登録して参加者を募集することができる.
今年も早速,沖縄でGlobal Game Jam Okinawa 2013 開催を目指す会や福島の有志が名乗りをあげており,北は北海道から南は沖縄までの同時多発ゲーム開発イベントが期待される.
申請した会場は定期的に公式サイトの会場一覧に公開されていく予定だが,前々回のGGJ11の報告でも触れたトルコ・ブラジル・タイといった新興国がさっそく加わっており,その一方で,カリフォルニア大学サンタクルーズ校,前回GGJ11で日本からの参加もあったシカゴのDe Paul大学といったゲーム教育拠点も引き続き参加している.
IGDA日本では毎年Global Game Jamについての日本語情報を発信してきたが,今年も多くの方々にGlobal Game Jam会場に参加し,あるいは開発現場からのネット中継を視聴して,新たなゲームがつくられる現場に触れてほしいと期待している.
付記: Global Game Jam をモデルにしてIGDA日本が開催した福島ゲームジャムについての報告を,来る10月13日(土)午前中に福島市にて行います.発表後にはGlobal Game Jam関連のご質問にもお答えできますので,福島周辺の方はぜひご来場ください.
2012年7月3日火曜日
国のゲーム関連研究予算の新たな展開
研究スポンサーとしての科研費
科学研究費助成事業(通称「科研費」)は,研究者に対して国が(正確には文部科学省及び日本学術振興会が)研究資金を配分する仕組みである.簡単に言えば,日本の研究予算の巨大スポンサーだ.これまで日本の研究予算ではゲームに関する研究予算枠は皆無だったのだが,今年の科研費改正によって日本のゲーム研究予算に変化がもたらされる可能性がある.この変化について考えてみたい.