工業ものづくりデザインコースの実学スキル紹介1 <クレイモデリング >

投稿者 design_staff 日時 2022年2月18日 (金) | 固定リンク

実学に基づいている本学では、ビジネスの現場でも使われているオンライン会議システムや情報共有ツールなどを授業で活用し演習を行っています。そのため大学のキャンパス内だけでなく自宅やデザイン調査などの現場から授業に参加することも可能となりました。


しかし、デザインを進めていく中では、大学でしか作業できないことも存在します。その一つがクレイモデリングです。クレイモデリングは、熱すると柔らかくなる特殊な粘土(クレイ)を使います。クレイオーブンと呼ばれる粘土を温める専用の機械を使い、温めた粘土を想定する形状に粗く盛り付けて、室温で固まった状態から削って造形します。ここが普通の粘土との違いになり、「盛る」ではなく「削り」ながら造形することが特徴です。

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このクレイを削るための道具もいろいろあります。掘り出すような道具から、固まって硬くなったクレイをカンナで削るように、クレイの表面の数ミリにも満たない部分を削るプレートなど、道具の特性を利用して造形していきます。まさに、この作業が彫刻のように作品を作る瞬間になります。
実際の自動車デザインの現場では、デザイナーのアイデアをカタチにするクレイモデラーと呼ばれる職人的な技術を持つメンバーがおり、デザイナーとクレイモデラーとの共創で制作していきます。彫刻家のような仕事を分業し、絵で表現する、図面的に検討する、CADなどのデジタルデータも活用する、などというプロセスを経て原寸大のクレイモデリングを制作します。このプロセスのカタチをイメージする時に、デザイナー自身がスケッチだけでなく、クレイモデリングを行うこともあります。今回の授業ではこの部分を授業内で実践しています。

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実際の現場と同じように、学生がクレイモデリング後にデジタルデータに展開したり、スケッチで再検討したりとデザイナーの思考に合わせて様々なデザインツールを使って制作をします。学生は自身の手を使って削って、そこからアイデアが展開される実学的な体験をしています。

(工業ものづくりコース 相野谷威雄)

(C)2012 Tokyo University of Technology, School of Design.

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