2018年7月
ポルトガルの国際学会ICS2018に参加してきました!
2018年07月27日 | 固定リンク
応用生物学部 医薬品コースの中村です。7月15日から19日までポルトガルの国際糖質シンポジウム(ICS2018)に参加しました。下の写真は、会場のリスボン大学(写真1)と口頭発表(写真2)の様子です。シンポジウムでは、12部屋に分かれて、16の研究分野の口頭発表とポスター発表がありました。アメリカ、ドイツ、スペイン、オランダ、カナダ、ブラジル、中国、インド、オーストリアなど世界30カ国以上から研究者と学生の参加がありました。日本では猛暑日が続いていますが、リスボンは長袖でもいいほど過ごしやすい気候でした。
国際学会では、ラクトフェリンの抗がん活性を調節する糖鎖(糖が鎖状につながった化合物)に関する研究成果を発表しました。昨年のブログで少し紹介しましたが、この研究は2年前に応用生物学部の学部生とバイオニクス専攻の大学院生が協力して立ち上げ、現在も発展しています。「ラクトフェリンと共存させる糖鎖の化学構造の違いにより、ラクトフェリンの抗がん活性の強さが変わること」を世界で初めて確認しており、今回の発表でも注目されました。
宇宙の学校第2弾
2018年07月26日 | 固定リンク
先端食品コースの阿部です。東京はあっという間に梅雨が明け、蒸し暑い日々が続いております。と、思いきや西日本では大雨による大災害。被害に遭われた方の救出と一刻も早い復旧を願っております。
さて、今回は前回のように長い前置きをせず、すぐ本題に入ります。7月8日(日)に第2回の宇宙の学校(八王子市教育委員会、東京八王子プロバスクラブ主催)が開催されました。宇宙の学校とは、前回も簡単には説明しましたが、実際の宇宙に関することだけでなく、日常で起きている現象を実験や工作を通じて、近隣の子供たちに理解してもらうプログラムです。そして、応用生物学部の1年生はサービスラーニングの体験ということで、このイベントのお手伝いをし、また、2年生から4年生までの学生数名も本プログラムのお手伝いをしてくれています。今回の宇宙の学校は、「かさ袋ロケットを飛ばそう」、「風見鶏の効果を調べよう」、「熱気球を作って打ち上げよう」の3本立てでした。今回は教員の参加もいつもより多く、学生が作ったかさ袋ロケットで楽しむ先生も・・・(笑)(写真1)
内容盛りだくさんの1日でしたが、学生全員が協力して、無事に終えることができました。(写真2)特に最後に行った「熱気球を作って打ち上げよう」では、熱気球が打ち上がる度に、参加者や学生から大歓声をあがり(写真3)、とてもよい1日になったと思います。
高尾山ハイキングに行ってきました
2018年07月23日 | 固定リンク
みなさん、こんにちは。
水環境工学研究室の筒井です。
先週末、七夕の日に何名かの一年生と一緒に高尾山ハイキングに行ってきました。大学からでも一時間もかからないところにあるにもかかわらず、なかなか行く機会がなかったので、若い一年生に負けないくらい楽しんでしまいました。
登山も楽しかったのですが、個人的に面白かったのが、自生している様々な花です。身の回りではすでに枯れてしまっているものが多い紫陽花も、写真のようにまだつぼみの状態だったりして、低いとはいえ山はやっぱり涼しいんだな、と感じました。
また、紫陽花以外にも下の写真のような、かわいい花も咲いていました。雨上がりで水滴がのこる、とても綺麗なこの花は、オオバギボウシという植物の花で、若葉は天ぷらやおひたしなどにして食べられる「うるい」という山菜として有名です。
さらに、ヤマユリももうすぐ咲き始めになるかな、という状態でした。ヤマユリの花は非常に大きく、香りも強いため、満開になったら見ごたえがありそうです。ちなみに、ヤマユリの球根はユリ根として食べることが出来ます。ちょうど翌日に某アイドルグループがユリ根を使って春雨を作っていましたね。なんだか少し前の阿部先生のブログのように食べ物の話ばかりになってきましたので(ちなみに一部の紫陽花には毒があるのでご注意を)、それ以外の話題もしておきましょう。
高尾山の中腹や山頂では東京都を望む景色が見えるのですが、本校はそのどちらからもはっきりと見ることが出来て(写真の丸印の部分)、学生たちと一緒に盛り上がりました。
中腹にある薬王院では、とある悩み事について、これでもかとお願いをしてきましたので近いうちに良いことがあるはずです!!このように、登っている間はずっと楽しむことが出来ましたし、日頃の運動不足も解消できて、充実した週末を過ごすことが出来ました。高尾山に登ったことのない方は、この機会にいかがでしょうか?
富山の薬売り
2018年07月09日 | 固定リンク
6月のある週末、仕事で長野に行ったついでに、富山で観光してきました。長野から富山への移動は、北陸新幹線が開通したおかげでとても楽でした。
富山市の街並みは、路面電車が走っていてなかなかいい雰囲気でした(写真には残念ながら路面電車が写ってませんが・・)。
また、市内のあちらこちらで、ジェネリック医薬品で有名な日医工など製薬会社の看板や建物を見かけました。そうそう、富山は「富山の薬売り」といって、昔から製薬関連の企業が多いのです。
富山に行った2日後、「富山で食べた魚介類はうまかったな〜」と思い出していたら、就活中の4年生から「第1志望の富山県の製薬会社から内々定をいただきました!」という、うれしい連絡がありました。その4年生は富山が地元ではないのですが、富山の製薬関連の企業に絞って就活をしていました。地元に戻って就職することをUターン(ユーターン)就職といいますが、この4年生のように地元ではない地方都市で就職することをIターン(アイターン)就職といいます。これまで自分の研究室の4年生がIターン就職したことがなかったので、こういう就活のやり方もあるんだ、と改めて気づかされた出来事でした。
○しろまる○しろまるさん、おめでとう!!
有効数字とAI
2018年07月02日 | 固定リンク
溶液の密度の計算をしましょう。
「3.55 (g) / 5.00 (mL)」はいくつでしょうか。「0.71 (g/mL)」と答えた、そこのあなた! ひょっとして電卓(スマホ?)で計算しましたか。有効数字を考慮すると、正解は「0.710 (g/mL)」となります。
有効数字とは、測定値や計算値として意味をもつ桁だけを表示したもののことで、数値の精度と密接に関係しています。上記の計算の場合は、3桁÷3桁なので、結果も3桁で表すのが科学のルールです。しかし上記の数字だとちょうど割り切れてしまい、計算機上は「0.71」と2桁で表示されてしまいます。せっかく3桁の精度があるのに、2桁で表示すると精度の観点からは損することになります。「0.710」と「0.71」は科学的には雲泥の差です。計算機がはじき出した数字をむやみに信用してはいけないのです。最後は人が判断しないといけません。
実は同じような計算を、現在1年生の必修実験「化学基礎実験」で行っています。計算機で表示される数値(桁)をそのまま信じて答えとして書く学生さんがわりといますので、上記のような解説をしています。
翻って、世の中はなんだかAIブームです。コンピュータが膨大な情報をもとに学習して、人に最適な環境や情報を提供してくれるようで、10年後の私たちの暮らしは大きく快適に変わりそうです。
そこでふと頭の中でリンクしたのが、計算機がはじき出す「有効数字」です。コンピュータが提供する情報は、本当に確かなのでしょうか。「間違っているわけがない」と鵜呑みにしていいのでしょうか。AIは膨大な数の可能性を瞬時に考慮して最適解を提示してくれるので、人間が下手に考えるよりはよっぽど頼れるのかもしれません。しかしその最終判断は人間が下すことが大事ではないでしょうか。もちろんこれをいちいち行うことは現実離れしていますが、少なくとも、ごくたまにでも人間の頭で「それでいいのかな」と吟味してみることが、人間(の尊厳?)として必要ではないでしょうか。
急いで結論を出さず、「ちょっと待てよ」と立ち止まって考えてみる習慣は、いつどんな世の中になっても大事にしたいと思います。