2015年2月
個性のある皮膚の細胞
2015年02月24日 | 固定リンク
皮膚は人間の体の最も外側にある器官です。そして、体の組織の中では少し変わった構造を持っています。皮膚は体の外側から表皮と真皮に分けられます。表皮は表皮細胞と云われる細胞で構成されています。表皮細胞の中でも一番下に存在する細胞層だけが細胞分裂をすることができます。分裂した表皮細胞は、細胞の性質を変化させながら、体の外側に向かって上がっていきます。そして、体の最も外側にある角層となり最後は垢となって剥がれ落ちていきます。角層になると表皮細胞は生命活動を停止し、死んでしまいます。つまり、表現はあまり良くありませんが、私達は表皮細胞の死骸に体全体を覆われていることになります。しかし、この死骸はと単なる死骸ではなくしっかりとした機能を持っている死骸です。表皮細胞が死に行くプロセスは、分化とか角化と呼ばれて非常に大切なプロセスです。このプロセスが正しく行われないと皮膚が乾燥したり、外からの刺激に対して敏感になったりします。アトピー性皮膚炎もこのプロセスが正しく行われないことが一つの原因とかんがえられています。さて、この表皮細胞の死骸は角層細胞と呼ばれますが、角層細胞はセロハンテープを使って簡単に採取することができます。皮膚にセロハンテープを貼り付けてはがすと、接着面が白く濁ります。これは、角層細胞がセロハンテープに接着して白く見えています。この角層細胞を顕微鏡で観察すると敷石[画像:Masaki2015_2]のようにきれいに一枚の層で剥がれている部分とそのすぐ横に何層も積み重なって剥がれている部分が混在しています。皮膚にはこの角層細胞を剥がして垢として排出する機能が備わっていますが、どうも表皮細胞には個性があるようで、同じ人の同じ部位の皮膚をみても剥がれかたに違いがあります。何層も積み重なって剥がれている状態は皮膚の状態が悪いとか乾燥しているときによく見られます。しかし、なぜ、このような表皮細胞に個性が出るのでしょうか。理由ははっきりとはわかりません。すべての表皮細胞の状態がシンクロナイズしていることが理想的な状態であるなら、なぜ、同じ人の同じ部位の皮膚で個性が出るのか非常に興味があります。解明したいと思いませんか。
正木 仁
2014年度のバイオニクス専攻修士課程の優秀研究
2015年02月16日 | 固定リンク
バイオ・情報メディア研究科バイオニクス専攻の修士課程の優秀研究が決まりました。今日の優秀研究審査会において、以下の2件の修士研究が選ばれました。おめでとうございます。
1位の藤本さんは、バイオニクス専攻の代表として卒業式で修了証書を受け取ります。また、優秀者は卒業記念パーティーで専攻長から賞状と記念品が授与されます。
1位:藤本和宏さん「ペプチドアプタマーを用いたステント材生体機能化表面の構築」
2位:永瀬 翠さん「病態における酸化ストレスの評価:ALSあるいは心肺停止患者に対するエダラボンあるいは低体温療法の効果」
2014年度の応用生物学部優秀卒業研究が決定しました
2015年02月10日 | 固定リンク
応用生物学部では、毎年、卒業研究の中から特に優秀な研究を行なった学生を表彰しています。今年度は、各コースごとの審査会で選ばれた8名がさらに優秀研究審査会で発表して、全教員の投票により3件の優秀研究が選ばれました。おめでとうございます。この3名については、卒業式の後の懇親会で学部長から賞状と記念品が授与されます。
1位:吉岡仁美(軽部・吉田研究室)次世代シークエンサーを用いたグアニン四重鎖形成配列のゲノムワイドな同定法とメチル化DNA検出法の開発
2位:柳澤結花(杉山研究室)ヒト結腸ガン細胞株HCT116における分裂抑制評価系を用いた新規shRNAの探索
3位:山崎隼(前田・中川研究室)毛髪損傷メカニズムの解明と毛髪保護成分の開発
海外での広報活動
2015年02月09日 | 固定リンク
こんにちは。応用生物学部の矢野です。
今回は海外のお話しをしたいと思います。
東京工科大学は現在世界中から240名の留学生を受け入れており、すべての学部で国際的な交流が進んでいます。応用生物学部では、中国、サウジアラビア、ドイツ、インドネシアなどからの留学生が、日夜授業や研究に励んでいます。つい先日もサウジアラビアから留学している博士課程の女性が、iPS細胞を使った認知症に関わる研究について最終発表を行い、3月にはめでたく博士号が授与される見通しです。
私は本学の国際委員会のメンバーとしてさらなる国際交流をはかるために、昨年9月にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに行ってきました。これは日本政府の支援を受けた日本国際協力センター(JICE)が企画したもので、早稲田大学と芝浦工業大学の方々とともにUAEの政府機関や大学、高校を訪問し、日本の大学の良さを伝え、もっと日本に留学してもらう、という広報活動でした。特に本学コンピュータサイエンス学部にはすでに11名のUAE留学生がいますので、今回の広報活動では彼らのがんばりを中心に話をしてきました。
UAE高等教育省でのプレゼンテーション(左から3人目が矢野)
Applied Technology High Schoolでのセミナー
中東を訪れたのは初めてであり、また9月は気温が40度近くにもなるなど、いろんな意味でかなり大変でしたが、大変いい経験になりました。UAEの大学や高校はすべて英語で授業があり、学生はアラビア語以外に英語も普通に話せます。日本のアニメやゲームに興味がある学生が日本語クラブを作って活動している大学もあり、日本に対してとても好印象を持ってくれていました。また街ではスターバックスやマクドナルドなどの見慣れた店もたくさんあり、さらにホテル近くの巨大モールではサンリオのお店がありキティちゃんなどのキャラクターグッズが販売されているなど、ほとんど違和感を感じることなく過ごすことができました。
街の様子
アブダビ郊外にある巨大で豪華なモスク(礼拝所)。内部も豪華で、床には精緻な文様の世界最大のペルシャ絨毯が一面に敷き詰められていました。
豪華七つ星ホテルにあった「金」の自動販売機!1つ15,000円ぐらいで売っていました。残念ながら私はここに泊まりませんでしたし、金も買いませんでした(笑)。
郊外で見つけたおもしろい建物。ここには投資会社が入っているそうです。表面のブツブツに見えるのはすべて窓で写真の状態では閉じており、左の建物の下のほうに1個だけ黒く小さく見える逆三角形が開いている窓だそうです。日中は日差しが強いのですべての窓がこのブツブツのように閉まり、暗くなると全部開くのだそうです。
留学生と同世代の工科大生との交流はお互いに大きな刺激になるはずです。これからもUAEから、そして世界中から東京工科大学に興味を持ってくれる人が増えてくれることを願っています。
(矢野和義)
卒業論文
2015年02月06日 | 固定リンク
今年も4年生が1月下旬に卒業論文(卒論)を提出しました。
卒論は就職活動や大学院入試の準備と並行しながら行った1年間の卒業研究をまとめたものです。
写真は卒論の提出締切日に並んで待っている4年生たちの様子です。
ここで、ちゃんと卒論の形式を守っているか、などなどの最終チェックを受けて、OKなら卒論が受領されます。
提出期限の午後3時ギリギリに卒論が完成して、大慌てで走ってくる4年生も、毎年のようにいますが(苦笑)、
多くの4年生は締め切りの前日までに提出して、翌週に控えた最後の試練=卒研審査会(卒業研究をプレゼンテーションし、審査を受ける)に向けて準備をしています。
このブログがアップされる頃には、その審査会も無事に(?)終わっているはずです。
1年間お疲れ様でした。
加藤