2014年11月
ツガルさんが逝ってから半年が過ぎました
2014年11月24日 | 固定リンク
2014年5月23日に横浜野毛山動物園から突然の電話がありました.前日まで元気であったツガルさんが急に何も食べなくなって戸惑っているとのことでした.こちらにも動物園のとても不安な気持ちが伝わりました.点滴をしたり,いろいろ手を尽くしましたが,夜10時に静かに息を引き取ったとの知らせが翌日ありました.世界最長記録の38歳でしたから,いつこの日が来ても仕方がないと覚悟だけは決めていました.それ故に静かに受け止めることができましたが,もう少し長生きして欲しかったことも確かです.
しかし,人間に直せば120歳のおばあちゃんラクダが前日まで元気で,すっと旅立って行った.文字通りの大往生です.なんとも素晴らしい幕引きで,羨ましくもなりました.
6月8日のお別れ会に呼んでいただき,献花をしてきました.500人もの参列者があったそうですが,子どもからお年寄りまであらゆる世代に人気のあったツガルさんならではのことと思います.櫻堂さんらが心を込めて作ってくれたツガルさんのミニチュアボトルを頂戴しました(写真).ツガルさんがいた場所の砂や,毎日食べていたコエンザイムQ10のカプセル入りニンジンの模型も入っています.研究室の机にツガルさんの人形とともに置いていますが,時々ながめてはツガルさんの優しい目を思い出しています.
現在,分かりやすいコエンザイムQ10に関する学術書の執筆・編集に追われています.来年の春に完成したら動物園を訪ねて,いつも元気をくれるツガルさんに感謝の気持ちをあらわしたいと考えています.
山本順寛
日本ラクトフェリン学会、第6回学術集会で学会賞を受賞いたしました
2014年11月10日 | 固定リンク
応用生物学部・生物創薬研究室の佐藤 淳です。11/8(土)につくば国際会議場で日本ラクトフェリン学会、第6回学術集会が開催されました (http://lactoferrin.jp/2014/gaiyo.html)
5件の発表タイトル、および発表者は以下の通りです。
1)発表者:大学院M1、野北 武秀、タイトル:ヒトラクトフェリン/ヒト顆粒球コロニー刺激因子融合蛋白質のヒト小腸上皮様細胞Caco2への取り込みと放出(口頭発表)
2)発表者:大学院M1、片岡 尚希、タイトル:マウス前駆脂肪細胞株(3T3-L1)に対するウシ・ヒトラクトフェリンの脂肪蓄積阻害作用(口頭発表)
3)発表者:大学院M1、村田 大輔、タイトル:IgG Fc融合技術を応用したヒトラクトフェリンの医薬品展開(ポスター発表)
4)発表者:実験講師、大島 裕太先生、タイトル:小腸上皮細胞に発現するラクトフェリン受容体(LFR)の機能解析(ポスター発表)
5)発表者:教授、佐藤 淳、タイトル:医薬品展開を目指した修飾ラクトフェリンの開発(シンポジウム口頭発表)
学会前は準備が大変で、発表者全員ちょっとお疲れモードでしたが、いざ本番になるとエンジン全開!!特に村田氏の発表は学会賞を受賞し、本当にうれしい一日となりました。
改めて学会賞受賞の発表タイトル、および発表者を記します。なお本研究は国立医薬品食品衛生研究所の多田 稔先生と石井 明子先生、および鳥取大学農学部の竹内 崇先生との共同研究による成果です。
タイトル:IgG Fc融合技術を応用したヒトラクトフェリンの医薬品展開
発表者:村田 大輔1)、志賀 有貴1)、大島 裕太1)、小島 由載1)、杉本 晃規1)、
多田 稔2)、石井 明子2)、竹内 崇3)、佐藤 淳1)
1)東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科、2)国立医薬品食品衛生研究所 3)鳥取大学農学部獣臨床検査学分野
現在本研究の成果に基づいて、(株)NRLファーマと共同で、ヒトラクトフェリンFc融合タンパク質を医薬品として開発しております。共同開発に参加いただける製薬企業を探しています。ご興味ある製薬企業の方は佐藤 淳 (atsato@stf.teu.ac.jp) までご連絡ください。
今後、応用生物学部には医薬品コースを設立する予定です。創薬や医薬品開発全般に興味のある高校生は是非チェックください。生物創薬研究室では大学発の医薬品開発を目指して、企業と共同で日夜研究に励んでいます。来れ希望にあふれた高校生たち!!
以上
先端化粧品科学シンポジウム開催報告
2014年11月04日 | 固定リンク
すっかり秋も深まり、キャンパスの銀杏並木も綺麗に色づいています。美しい晩
秋の景色を研究室の窓から見ながら「さて、このブログで何か報告しようとずー
と思っていたことがあったはずで・・・。はるか前のことになってしまった何か
が・・・」思い出しました。
8月25日に蒲田キャンパスで開催された、応用生物学部化粧品コース主催のシン
ポジウム「先端化粧品科学シンポジウム–皮膚・毛髪科学の新展開–」のご報告で
した。
なんと2ヶ月以上の遅れで、関係者の皆様、誠に申し訳ございません。時間を巻
き戻して、残暑厳しい8月の末の報告でございます。
化粧品コースでは、化粧品の最新技術トピックスや基礎技術を紹介する「セミ
ナー」を、企業の方々をお招きして毎年開催しております。規模も年々拡大して
きたので、今年からはシンポジウムという位置づけで開催されることになりまし
た。今年のメインテーマは「毛髪科学」です。
毛髪に関する化粧品技術としては、シャンプーなどの洗浄・美髪、スタイリング
やカラーリングなどのメイクアップ、そして抜け毛・薄毛が3大テーマです。
抜け毛・薄毛は、このブログを見ている高校生の皆さんには直近の問題ではない
かもしれませんが、「お父さん、お爺さんを見ると・・・」と暗い気持ちになる男
子もいることでしょう。また、女性の薄毛も年齢を重ねると悩みになってきます。
私の祖母も薄毛を悩んでいたのか、カツラを首だけのマネキンに載せて部屋の隅
に保管していました。幼かった私はうっかりそれを見つけて、恐怖のあまり泣き
わめいて失禁したそうです。
さて、本シンポジウムでは、今年から赴任された、今村亨教授と岩渕徳郎教授と
が、それぞれ毛の成長の遺伝子レベルでの解説と、女性男性の薄毛の違いと育毛
剤開発についての技術説明をおこないました。
また、外部講師としてして、花王(株)ヘアケア研究所の香原武史先生に、髪の
ダメージ実態とケア技術の最新のトピックスを紹介していただきました。
招待講演をお願いした元資生堂の中村淳先生には化粧品市場の成長が著しい
ASEAN・東南アジア諸国の化粧品規制に関する実情を解説していただきました。
充実した内容だったことで、会場が満員になるほどの約160名の方々に参加いた
だきました。
シンポジウムの後半は、応用生物学部化粧品コースの研究室の大学院生・学部生
による、研究のポスター発表をおこないました。日々おこなっている研究を、自
分の言葉で詳しく説明できますので、学生もハッスルして時間いっぱいまで企業
の方との熱いディスカッションが繰り広げられました。
化粧品科学シンポジウムは来年も同時期に開催いたします。参加はどなたでも歓
迎なので、ぜひホームページをチェックして下さい。
柴田