2010年10月
最近の出張講義(9月〜10月)
2010年10月27日 | 固定リンク
最近の出張講義
みなさん、こんにちは。最近の出張講義の報告です。
応用生物学部では、教員が高校に出張するか、あるいは高校生の皆さんに大学を訪問していただいた際にバイオ・理学分野の講義を無料で行なっています。大学の講義や研究を知ることができるよい機会ですよ。
ご依頼は少人数でもお気軽に、大学広報課(メール:pr@so.teu.ac.jp または、0120-444-903(フリーダイヤル))までご相談ください。
クラブ活動やクラス単位でも構いません。興味ある講義を見つけた高校生の皆さんは学校の先生に頼んでみてください!
9/25(土)茨城私立高校
テーマ:細胞ネットワーク活動におけるルールとは?
-脳神経ネットワークを中心にー
概要:生命の中で、細胞と臓器の間のネットワークの機能を人工的に再現して、そこに見られる生命現象を調べたり、医学・薬学へ応用する研究について解説します。
10/2(土)東京私立
テーマ:植物バイオテクノロジーは地球を救う
概要:地球温暖化や砂漠化などの環境問題、世界的な食糧問題、石油の枯渇問題などを解決する植物バイオテクノロジーの力を紹介します。
10/15(金)東京都立
テーマ:DNAってどんなもの?
概要:遺伝子の本体であるDNAについて講義します。ヒトの遺伝子配列は約30億文字の情報を持っていますが、1000文字に1文字くらいの割合で、その配列に個人差があらわれます。この個人差を解読し、医療に役立てるための研究が進んでいます。
10/25(月)東京都立
テーマ:酸素の科学(生物との係わり)
概要:酸素にまつわるトピックスを中心に、活性酸素種と酸化ストレスの関係をお話します。
イチョウ
2010年10月26日 | 固定リンク
秋の気配が濃くなってきました。大学の正門にあるイチョウの木が実を落とし始め、葉も黄色く色づいてきました。
イチョウの実は茶碗蒸しに入れたり、煎ってそのまま食べたりすると少しほろ苦くて美味しいですよね。私はお酒がほとんど飲めないので、あまり食べることはないのですが・・・。
昨秋、散歩中にイチョウの実を拾いました。独特の臭いがし、素手で触れるとカブレるためビニル袋の中で果肉部分を揉み落とした後、水洗いして植木鉢に植えてみました。今春、芽が出てイチョウの葉が現れました! まだ、扇形のイチョウの葉らしくないのですが、葉の切れ込みは見ることができます。このイチョウの葉もそろそろ色づくのでしょうか。これらの木もいつか実をつけるのかな? 楽しみです。
大学の正門のイチョウの木は毎年クリスマスが近づくと電飾されます。今年もすでに電球が取り付けられました。いつから灯されるのか楽しみですが、それと同時に今年ももう終わりに近づいたのかというさみしい思いもします。
ぜひ一度、訪れてみてください。
(M.N.)
学会シーズン
2010年10月18日 | 固定リンク
バイオナノテクノロジー研究室の村松です。
春と秋は、学期の合間で授業がない期間となるため、この時期を使って多くの学会
が開催されています。先日は、応用物理学会に行ってきました。応用物理学会といっ
ても、バイオ系のセッションも開催されています。内容は、やや融合領域的といえる
でしょうか。
今回は、長崎での開催ということで、やや移動時間が長くかかりました。そのせい
か、学会参加者もいつもより少ないような気がしました。不況のせいで、企業からの
参加者も減っているのかもしれません。ともかく、普段はなかなか行く機会のない長
崎に行って、教科書にも出てくるあの出島の跡も見ることができたのは、よかったと
思います。
ところで、今回は、当研究室の3名の大学院生が発表を行いました。学会発表の形
式は、ポスター発表と口頭発表の2種類あり、ポスター発表では、ポスターの前で訪
れた人ごとに研究内容を説明しますので、個別に詳しいディスカッションができると
いうメリットがありますが、口頭発表では、短時間に多くの人に研究内容を紹介でき
るというメリットがあります。通常、学生の場合は、初めはポスター発表というケー
スが多いと思いますが、今回は、2人は、初めてではないということもあって、全員
口頭発表に挑戦することになりました(実は、ポスター発表は長時間で疲れるという
のが本音のようです)。発表本番では、質疑応答にはまだ慣れていないところが感じ
られましたが、発表は、まあまあうまくできたと思います。
学会に参加することは、学生にとっても、世間の研究の動向を知り、研究の視野を
広げるよい機会です。本学でも、学生の学会発表の旅費は研究費で支出できるので、
研究に精を出して、発表したくなるようなよい結果を出して、これからも積極的に学
会発表をしてもらいたいと思っています。
〜マイケル・サンデル先生と「日本での授業」〜
2010年10月04日 | 固定リンク
偶然だった。注文していた本(『これからの「正義」の話をしよう』)が届いたその日の夜、明日の天気が気になってテレビをつけると、眼に飛び込んできたのは著者マイケル・サンデル先生の映像。ああ、東大の授業ってこれか。まだ、開いていない本は全米ベストセラーであり、日本での翻訳書もこのところずっと書籍売上の上位から動かない。ベストセラーの著書というよりもハーバード大学でその学部科目「Justice(正義)」の受講生があまりにも多いので、建学以来初めて、講義をテレビで一般公開したというサンデル先生のエピソードはあまりに有名であった。遅まきながら、その本を手にしたその日に、東大で行われたサンデル先生の講義を聴くとはラッキーであった。サンデル先生が問題を提起し、それに学生たちが答えていく。学生のある考えに対して、それとは異なる考え方を学生間から呼び起こし、異なる考え方、受け止め方について、ときには思想史に触れながら、丁寧に補足していく。サンデル先生は異なる意見を導き出しそれに対して解説するだけで、どちらが正しいとか妥当だといった価値判断は差し挟まないようだ。
ベストセラーとなると、書評だったり記事だったり、本を読む前にすでに多くの情報が与えられているので、テレビを観ているだけで本を読む前から「そうそう」などと納得しているから困ったものである。サンデル先生は身近な事柄を引き合いに出しながら、公平性や自由、平等、美徳といったことを論じていく(考えさせていく)。たとえば、自分が生まれる前の国家の行いに対して、自分は責任があるのか、ないのか?あるいは、自分の親が行った過失的行為に対して、子どもは責任があるのか、ないのか?たとえば、親が隣の家を全焼させてしまったら、子どもに道徳的責任はあるのか、ないのか?(悩みますよね、こんな状況を想像すると。)サンデル先生はどんどん同時通訳のイヤホンを耳につけた学生たちに質問を投げかける。
あなたの兄弟が殺人を犯したとき、あなたはどうしますか?逃がす?警察に通報する? 学生が手を挙げ、「通報します。」/「あなたの兄弟ですよ、いいのですか?」/「罪を犯したのだから仕方ないし、警察に通報するのが義務です。」/「家族への忠誠心は?」/「社会に対する義務が家族の忠誠心より勝ります。」そんなやりとりを聞いているうちに「忠誠心」という日本語に引っかかった。同時通訳の日本語だけれど、英語の一部が聞こえてくる。"family royalty", たしかに「家族への忠誠心」と訳していいのだろうけれど、「家族への忠誠心」という日本語がイヤホンから流れてきたら、すぐに反応できるだろうか?でも学生たちはちゃんと反応しているからエライ!と妙な感心をしていたら、イヤホンをつけて日本語を話しいていた学生たちが途中から次から次へとイヤホンを外し、英語で直接サンデル先生と話し始めた。しかもほとんどネイティブと変わらない発音で。ああそうか、この学生たちは「家族への忠誠心」などという聞きなれない日本語にたじろがないはずだ、最初から英語で理解しているのだから。それにしても東大といえどもバイリンガルの学生ばかりじゃないはず。だいたい、兄弟が殺人を犯したとき、警察にすんなり通報するだろうか?辛くて情けなくて、兄弟が可哀そうで親が可哀そうで、ついでに自分も可哀そうで、「通報」という結論に至るだろうか?
次の日、イギリス人の同僚W先生にサンデル先生と学生たちの対話について話してみた。W先生曰く、「そのバイリンガルの学生たちは習ったことを言っただけかもしれない。つまり、私もそうだけれど、西洋の学校では家族の絆(royalty)よりも社会のルールを尊重するように教わるから。」そうか、あの学生たちの発言は"political correctness"ともいえるわけか。腑に落ちた。(T.Y.記)
弊衣破帽(へいいはぼう)
2010年10月04日 | 固定リンク
昔、擦り切れた服に破れた帽子が、格好良い大学生(旧制高校生)の象徴だった時代がありました。現代の若者はどうだろうと考えてみたら、お尻が見えるようなズボンの履き方や、いかにも悪者ですというような化粧など、おとなの社会では受け入れられない身なりを格好良いとする伝統は脈々と引き継がれているのかと可笑しくなりました。では、昔の若者がそういう服装をしながら、高邁な哲学を語り、深遠な数学を究め、あるいは広範な政治経済の理論を戦わせていた、ひたむきさはどうなったでしょうか。
ゲームの得点や、他人から良く見られることや、得になる事ばかりを求める若者が増え、「他人に何と言われようとこれをやる」という人が見つけ難くなりました。原因として、ひとつには大学生の数が増え全体のレベルが低下したことがあります。もう一つは草食系化とも言える、平々凡々と安楽を好む風潮があります。人並みの事さえしていれば、何とか食べていける豊かさが、青年の一徹さを妨げています。
さて、ここへきて就職が急に難しくなりました。企業が社内教育を止め、すぐに使える人材を求め始めたため、誇るべき実績を持たない学生が淘汰されているのです。この状況を乗り切るには、「たとえ格好悪く思われようと、集中すること・一途になる事が大切だ」と認識させ、実行させなければなりません。ひとりひとりの学生に、君が大学時代に手に入れたいものは何なのかと、問い詰める必要があります。実際、疎外を恐れず、望ましい自分を作りあげるべき時は、今しかないのです。
私もまた、自分とは何かを問い直しながら、真摯に学生に対して行きたいと思います。常に学生に課題を与え、できるだけ多く面接しましょう、たとえ嫌われようとも!
(食品工学研究室 教授 山下隆)
10月31日のオープンキャンパスと実験講座
2010年10月01日 | 固定リンク
2010年10月31日(日)にオープンキャンパスと第4回応用生物実験講座が行なわれます。
応用生物実験講座の今回のテーマは、後藤正男先生による「酵素反応を利用した糖尿病の診断薬を作ってみよう」です。
糖尿病は、血液中の糖の濃度が高くなり、尿にも糖が出てくる病気で、他の様々な病気につながる怖い病気です。患者さんは、自分の血糖値を常に把握する必要があります。
今回の実験講座では、この血糖値を測定する糖尿病診断薬(血糖センサー)を自作して、人工血液中の糖分を測定します。診断薬(センサー)というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、簡単に作製できます。
自分で診断薬が作れるなんて驚きですよね!是非、参加して体験してみてください。
酵素を利用した測定の仕組みについても理解することができます。
製薬、バイオなどに興味をもっている人は必見です。
応募のウェブサイトはこちらです。
https://www.teu.ac.jp/siryou/rika/
お昼ごはん付です。お父さんやお母さんと大学の見学ついでに参加しても構いません。
高校の先生も歓迎ですよ。
オープンキャンパスは申し込みなしで自由に参加できます。詳細はこちらです。