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中日などでコーチ・高代延博さん死去...野村克也さん「あいつのサインは解読できん」、「普通は触る場所で...」名将も惑わす巧みなサインの秘密とは

2025年12月10日 22時11分

高代延博さん

高代延博さん

日本ハムで活躍し、引退後は中日、阪神などでコーチを務め、名参謀として球界に貢献した高代延博さんが9日午後8時42分、食道胃接合部がんのため死去した。野球部監督を務めていた大阪経済大が明らかにした。71歳。奈良県出身。
【悼む】
高代さんは日本プロ野球だけで6球団。アマ、韓国、日本代表と幅広く活躍した名コーチだった。中日では井端、福留、荒木らが、内野コーチとして守備の基本をたたきこまれた。
井端が「すごく影響を受けた指導者」と言い、荒木は「守備の準備の大切さを教わった」と振り返った。僕が今でも覚えているのは、三塁コーチとしてのサインである。野村克也さんをして「あいつのサインは(敵として)解読できん」と言わしめた動きの秘密は、退任後に知った。ある教え子はこう言った。
「普通は触る場所で伝えるんですが、高代さんは色も使うんです。そんな三塁コーチは、少なくとも当時はいなかった」
例えば「左袖」ではなく、そのふちにある「青」ならヒットエンドラン、「赤」に触れれば送りバントのように...。
「その分、見る側の選手も難解でしたけどね。だから相手に解読されるはずがない」
色を用いるサインが、いかに斬新だったかがわかる。落合監督時代に相手に見破られたシーンはなかったはずだ。
星野監督にも重用され、新人だった福留は「それこそ朝から晩まで練習に付き合ってくれたし、僕の知る限り三塁コーチとしてはトップランク」だと惜しんだ。
近年は体調を崩しておられたとは聞いていたが...。未来の逸材だけでなく、次代の指導者も育成する姿を見たかった。日本野球界は、またひとり、大切な人材を失った。(渋谷真)

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