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委託したシステム開発が頓挫したとして、野村ホールディングス(HD)と野村証券が日本IBMを相手取って計約36億円の損害賠償を求めた裁判。プロジェクト失敗はベンダー側に非があるとした2019年3月の一審判決から一転、2021年4月の控訴審判決はユーザー企業側に責任があるとした。工数削減提案に十分に応じなかったり、プロジェクト途中で追加要件を多発したりした野村側の姿勢を東京高裁は問題視し、逆転敗訴の判決を下した。 関連記事 野村HDが日本IBMに逆転敗訴の深層、裁判所が問題視した「X氏」の横暴な変更要求 野村HDが日本IBMに逆転敗訴のワケ、「工数削減に応じず変更要求を多発」と指摘 東京高裁が特に問題視したのが、システムの仕様を策定するうえで重要な役割を担っていた野村証券のユーザー部門「X氏」の振る舞いだ。 当時、投資顧問事業部(判決文では「投資顧問部」)の次長だったX氏は、パッケージソフトに
弁護士 清水勇希 @yuki2121row 法務省から「侮辱罪の事例集」が公表されており、大変勉強になります。 以下個人的に印象に残った事例です。 No119 SNSに、被害者の容姿が映し出された画像と共に「見た目からしてバケモノかよ。」と掲載した。 ⇒罰金30万円 No85 インターネット上の掲示板に、被害者が使用するSNSアカウントのURLとともに、「スマホ逆さでこの頭身ってすごい短足デブだよね」と掲載した。 ⇒罰金10万円 SNS等のインターネット上の侮辱罪で、実際に刑事罰として罰金や科料に処されているケースもそれなりにあるようです。 法務省「侮辱罪の事例集」 moj.go.jp/keiji1/keiji12... 2025年09月20日 10:15:46
「会社を辞めるなら誓約書にサインしてね」 実際に起きた事件です。その誓約書には以下のシバリが。 退職後の1年間は競合他社に就職しない 違反すれば3か月分の給与の賠償金 もろもろの会社の損害を賠償するなど 会社を辞める時に「これにサインしてね」と上記のような誓約書を差し出されることが多いと思います。現在は転職が当たり前の時代となり、フリーランスとして羽ばたく方が増えているのでトラブルも増加する予感です。 この事件では会社が元従業員を提訴。「この誓約書に違反した!139万を払え!」と主張。結果は、従業員の勝訴です。裁判所は「この誓約書ダメよ。禁止の範囲ひろすぎ。公序良俗に反してるよ。無効」と判断(REI元従業員事件:東京地裁 R4.5.13)。 この事件のように、サインしたとしても禁止の範囲が広すぎればその誓約書をオジャンにできる可能性があります。以下、くわしく解説します。(弁護士・林 孝匡)
開発は途中で終わった場合でも、準委任契約に基づく報酬請求はできるが、適切な計画立案・実行ができていなかったとして善管注意義務違反が認められた事例。 事案の概要 イベント企画会社Yは、自社の企画するイベントを管理するためのシステム(本件システム)の開発をXに依頼することとした。 平成28年3月にXは開発に着手したが、その時点では契約書が取り交わされておらず、4月になって、X・Y間で以下の内容(抜粋)の契約書が取り交わされた(本件契約)。 1条2項 本件契約は,Xが(中略)業務に従事する技術者の労働をYに対し提供することを主な目的とし,民法上の準委任契約として締結されるものとする。したがってXは,善良なる管理者の注意義務をもって(中略)業務を実施する義務を負うものとし,原則として成果物の完成についての義務を負うものではないものとする。 3条3項 前各項にかかわらず,Yは,Xの本件サービスの業務
ツイート 0.概要 2021年5月30日(日)にNHKがEテレで放送した番組「将棋フォーカス(以下、当該番組)」において、 将棋講座ドットコム(以下、当サイト)の記事が無断転載されました。 それから約3か月間、示談交渉での問題解決を試みましたが、 建設的な話し合いにはほとんどならなかったため、やむを得ず訴訟を提起しました。 そして、約1年半に渡る裁判の結果、知的財産高等裁判所にてNHKによる当サイト管理人の著作権及び著作者人格権侵害が認められて、判決が確定しました。 1.無断転載の範囲 当該番組のコーナー「初心者必見!対局マナー」において、 「座る場所」「駒の準備・片付け」「駒の並べ方」「持ち駒の置き方」「待った」に関する5つの内容のほとんどが、 当サイトの将棋のマナーに関する記事からの無断転載によって制作されたものでした。 その中には当サイト独自の表現が複数含まれており、客観的に見てもほ
東京地方裁判所は2月9日までに、あるVTuberが発信者情報開示請求に失敗した裁判例を公式Webサイトで公開した。原告であるVTuberは「5ちゃんねる」の書き込みに対して、プライバシーや名誉感情、著作権などが侵害されたと主張。ソフトバンクに対して、発信者情報の開示を要求したが、原告側の主張は全て棄却となった。 5ちゃんねるでは2022年8月ごろに、原告のVTuberに関するスレッド「C・B・D【庇わなかればよかった】」(B、C、Dは原告の3種の活動名義)が立ち、その中で「33歳で『ナイフ舐める』『ぶっ殺してやりたい』とか言うのやめた方がいいよ 普通にキモいよ 自分の年齢考えて!」(原文ママ)という書き込みがあった。これに対して、VTuber側はプライバシー侵害と名誉感情侵害を主張した。
ECサイトにおけるクレジットカード情報漏洩事故が、決済代行業者から提供されたモジュールの不具合があったという場合において、開発ベンダの責任がモジュールの仕様・不具合の確認まで及ぶか否かが問われた事例。 事案の概要 Xが運営するECサイト(本件サイト)において、顧客のクレジットカード情報が漏洩した可能性があるとの指摘を受けて、Xは、本件サイトにおけるクレジットカード決済機能を停止した(本件情報漏洩)。その後、Xはフォレンジック調査を依頼し、不正アクセスによってクレジットカード会員情報が漏洩したこと、クレジットカード情報はサーバ内のログに暗号化されて含まれていたが、復号することが可能だったこと、漏えいした情報は最大で約6500件だったこと等が明らかとなった。 Xは、本件サイトを、Yとの間で締結した請負契約(本件請負契約)に基づいて開発したものであって、本件サイトの保守管理についても本件保守管理
アジャイル型でアプリ開発を進めたところ、完成に至らなかったことについて、ベンダの不完全履行、プロジェクトマネジメント義務違反等が主張されたが、いずれも否定された事例。 事案の概要 eスポーツ事業の企画・運営等を行う原告(X)は、ゲーマー向けソーシャルアプリの開発を構想し、開発ベンダである被告(Y)との間で、平成28年8月18日に、ゲームに参加する人をマッチングし、参加者同士がコミュニティを形成するソーシャルメディア機能を有するソフトウェア(本件ソフトウェア)を開発する契約(本件契約)を締結した。対価の額合計は、2450万円。その支払は1000万円、1000万円、450万円の3回にわけて行われることとされ、最後の450万円は、納品物を納入後に支払うこととなっていた。 本件契約の締結前には、Xは、検収に合格しなかったら、支払済みの代金を返金する条項を設けることを求めたが、Yは「返金を想定してお
1.転職時に前職の年収を聞かれたら・・・ 転職する時、前職の年収を聞かれることは少なくありません。 これは、勤務先において、転職者の年収を決めるにあたっての参考にするためだと思われます。 それでは、年収を聞かれた時、前職の年収を盛ることは、どこまで許容されるのでしょうか? 直観的に年収100万円の人が前職の年収を1000万円だったということには問題がありそうです。しかし、年収900万円だった人が前職の年収を「大体1000万円くらいだった」「約1000万円だった」というのは、駆け引きの問題として許容されそうにも思います。 そう考えると、どこかに違法・適法のラインがありそうにも思われますが、近時公刊された判例集に、この問題を考えるにあたり参考になる裁判例が掲載されていました。東京地判令6.11.27労働判例ジャーナル159-50 Aston Martin Japan事件です。 2.Aston
はじめに※(注記)本件は私自身の実体験ではありません。 本件概要平成29(ワ)672等損害賠償請求事件 平成30年3月29日 東京地方裁判所 主 文 1 原告の本訴請求及び被告の反訴請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,本訴反訴を通じこれを7分し,その6を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87634 本件は「原告が,被告において原告の販売する写真素材を原告に無断でイラスト化して自らの作品に使用して販売した行為が,原告の当該写真素材に係る著作権(複製権,翻案権及び譲渡権)を侵害すると主張」し、「被告が,本件本訴の提起を含む原告による過大な損害賠償請求等が不法行為に当たると主張」し、それぞれ損害賠償請求をしていた事案です。 以下、判決文より要約です。 原告は、写真等の映像コンテンツを作成、
2022年1月に決着したCoinhive裁判。最高裁で逆転無罪を勝ち取った平野敬弁護士が、1月31日に開かれた日本ハッカー協会のイベントで、最高裁での論点と、その判決が示した法解釈への影響力について解説した。 関連記事:【前編】Coinhive裁判4年間の舞台裏 担当弁護士が見た、始まりから逆転無罪前夜まで 関連記事:【後編】「モロさんはスパルタクスだった」──Coinhive裁判がもたらした"抑止力" "0.02%"を覆す1本の電話 「心臓が止まるかと思った」 Coinhive裁判は横浜地方裁判所の第一審で無罪判決を受けた後、東京高等裁判所の第二審では逆転有罪となった。平野弁護士によると、第二審で有罪が出た場合、最高裁で逆転無罪になる確率は約0.02%という。 「(不安を与えないよう)モロさんには言わなかったですが、ソシャゲのガチャで星5キャラを2連続引けるかどうかというところですね」(
ユーザーのブックマーク一覧ページをブックマークし誹謗しているユーザーがいるが、これはガイドライン上許認される行為かとの問い合わせあり 特定ユーザーのブックマーク一覧ページやコメントページについてブックマークをする行為や、そのユーザーのブックマーク傾向、コメントの内容について言及する行為については、コメント表現が論評の範囲にとどまる限り、ガイドライン上特段の問題はない。しかし、コメント表現が論評の範囲を超え、人身攻撃に相当する場合は、利用規約で禁ずる権利侵害情報の発信、または迷惑行為、嫌がらせ行為に相当するものと判断する 問い合わせの対象となったブックマークコメント群では、言及対象ユーザーに対し「チンカス」「ゴミ」「キチガイ」といった直接的な罵倒に類する表現があったため、投稿者に対し注意勧告を行った 注意勧告を行った後、しばらくの間は類似の投稿は行われなかったため利用状況が改善されたものとみ
本日、小泉進次郎氏が自民党総裁選への出馬の意向を固めたと報じられています。 小泉進次郎氏、自民総裁選に立候補の意向固める 来週会見で調整 小泉進次郎農林水産相(44)は12日、自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)に立候補する意向を固め、周囲に伝えた。13日に地元の神奈川県横須賀市で支援者と意見交換し、来週中に記者会見を開く方向で調整している。 こうなると、昨年の総裁選で失速した原因ともいわれている「解雇規制」問題について、総裁選直後に『中央公論』12月号にわたくしが寄稿した文章をじっくりと読んでいただくことが重要なことではないかと愚考し、一年近く経った文章ではありますが、ご披露申し上げておきたいと思います。 政治家もメディアも解雇規制を誤解している-問題は法ではなく雇用システム@『中央公論』2024年12月号 去る9月27日に自由民主党の総裁選挙で石破茂氏が総裁に選出され、10月1
ソフトウェアの1ライセンスで許諾される利用可能な範囲と,通常料金の10倍という高額な違約金を定める条項の有効性が問題となった事例。 注:知財高判令3.11.29(令3ネ10035)にて,原審が維持されている。特に特筆すべき個所はない。 事案の概要 Xは,メタボリックシンドロームに着目した健康診査及び保健指導に関するデータ作成用のプログラム(本件プログラム)の著作権者である。本件プログラムには,平成30年のアップデート前の本件旧プログラムと,アップデート後の本件新プログラムがある。 Xは,Y社と,平成20年8月に本件旧プログラムの使用許諾契約1ライセンス分(本件平成20年契約)を締結し,Yは,本件旧プログラムを使用していた。その後,平成30年3月に本件プログラムがアップデートされ,Yとの間で本件新プログラムの使用許諾契約(本件平成30年契約)が締結された。本件平成30年契約では,契約で明示さ
その考え古いです。今は二次創作の多くはグレーゾーンとは言えなくなった。 増田の調べたリンク。2011年とかそもそも古いから。それに法律のこと知りたいなら弁護士や法律家のページを読まなきゃ。法律解釈は裁判所の判例(裁判例)によって毎年のようにアップデートされているので最近のもの読まないとダメですよ。それに最初に例示してたブログだって追記で訂正入ってるし。 2020年の知財高裁判決(令和2年(ネ)第10018号 損害賠償請求控訴事件)で、従来からあった『キャラクター自体に著作権はない』という解釈から、さらに踏み込んで『キャラクターを流用しただけの新しい著作物は翻案権や同一性保持権の侵害にあたらない』という解釈がなされました。 この解釈では権利の侵害を主張するには、より具体的にどの回のどのシーンか?など個別具体的に指摘する必要があり、漫然と同じキャラクターだからという理由では侵害されたことになり
最高裁判所の裁判官について、ふさわしい人か審査する国民審査に、海外に住む日本人が投票できないことが憲法違反かどうかが争われた裁判で、最高裁判所大法廷は、海外に住む人の投票を認めていないことは憲法に違反するという初めての判決を言い渡しました。 最高裁がこれまでに法律の規定を憲法違反としたケースはすべて法改正が行われていて、国は対応を迫られることになります。 海外に住んでいたため5年前の国民審査で投票できなかった日本人の映画監督や弁護士など5人は「選挙は海外に住んでいる人の在外投票ができるのに国民審査の投票ができないのは憲法に違反する」と主張して国を訴えていました。 一方、国は「国民審査は選挙とは位置づけが異なり不可欠とはいえない。短期間に世界中の国々で手続きを行うことは技術的にも難しい」と争っていました。 25日の判決で、最高裁判所大法廷の大谷直人裁判長は「憲法は、選挙権と同様に国民審査の権
顧客からのクレームに納得できず、SES契約の期間途中に(ほかの案件も含めて)要員を撤収させたこと適否が問題となった事例。 事案の概要 X社は、下記の図のとおり、A社、B社、C社からそれぞれシステム開発に関する業務を受託し、それぞれの案件に対応する要員a、b、cを、Y社から調達し、その業務を担当させていた。1カ月当たりの単価を定め、比較的短期間(1カ月から3カ月)の契約期間が定められ、必要に応じて延長、更新が行われていたので、いわゆるSES契約といえる形態だったといえる。 このうち、A社にアサインされたaに関し、A社からパフォーマンスが低いとのクレームを受けたXは、2020年5月8日、Yに対し、A社は契約途中の5月22日を以て解除を希望していることなどを伝えた。 クレームの内容が、「GitやRailsのコマンドがわからないレベルだ」などというものであったが、Yは「現場レベルでの作法の話だろう
東京地裁の判断が覆されてユーザである野村HDの請求が棄却されたことで話題になった控訴審判決。 結論が大きく変わったので,最初に原審と本判決の判断の違いをまとめておく。 事案の概要 普段は判決文から自分なりに事案の概要をまとめるのだが,今回は判決文冒頭の記載がわかりなすいのでそのまま引用する(以下,太字などの書式変更は筆者)。 (1) IBMは,野村HDとの間で,野村証券(野村HDの完全子会社)のSMAFW業務のためのコンピュータシステムについて,パッケージソフト(WM)を利用した開発業務支援等の委託を受ける内容の,開発段階ごとの複数の契約(原判決別紙1の1記載の契約・本件各個別契約)を締結した。本件開発業務は,平成25年1月4日のシステム稼働開始を目標として,平成22年後半から平成24年後半まで継続されたが,目標時期における稼働開始実現にリスクがあると判断されたことから,平成24年8月下
米連邦最高裁前で中絶を巡る憲法判断が覆ったことを歓迎する中絶反対派の女性ら=米首都ワシントンで2022年6月24日、西田進一郎撮影 米連邦最高裁は24日、1973年に女性が人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた歴史的判例の「ロー対ウェイド判決」を49年ぶりに覆し、州による中絶の禁止や制限を容認する判断を下した。中絶容認派やバイデン政権が判決に強く反発するのは必至で、今年11月の上下両院選や州知事選などの中間選挙でも大きな論点になる。 訴訟では、妊娠15週より後の中絶を原則禁止する南部ミシシッピ州法の合憲性が争点となっていた。最高裁は24日の判決で「中絶は深い道徳上の問題だ。中絶の権利は憲法に明記されておらず、歴史や伝統に根ざしているわけでもない。憲法は州が中絶を規制したり、禁止したりすることを禁じていない」と結論づけた。
クレジットカード情報漏えい事故に関し,その原因の一つと考えられる脆弱性対応が運用保守業務に含まれていたか否かが争われた事例。 事案の概要 Xは,Xの運営する通販サイト(本件サイト)を第三者に開発委託し,運用していたが,その後,2013年1月ころまでに,Yに対し,本件サイトの運用業務を月額20万円で委託した(本件契約)。本件サイトはEC-CUBEで作られていた。なお,XからYへの業務委託に関し,契約書は作成されておらず,注文書には「本件サイトの運用,保守管理」「EC-CUBEカスタマイズ」としか記載されていない。 2014年4月には,OpenSSL*1の脆弱性があることが公表されたが*2,本件サイトでは,OpenSSLが用いられていた。 2015年5月ころ,Xは,決済代行会社から本件サイトからXの顧客情報(クレジットカード情報を含む)が漏えいしている懸念があるとの連絡を受け(本件情報漏えい)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6 簡単概要『チャタレイ夫人の恋人』には露骨な性的描写があったが、出版社社長も度を越えていることを理解しながらも出版した。刑法第175条違反で起訴された。有罪判決が確定した 争点わいせつ文書に対する規制(刑法175条)は、日本国憲法第21条で保障する表現の自由に反しないか。表現の自由は、公共の福祉によって制限できるか。要は表現の自由vsわいせつ罪です 判決出版その他表現の自由は重要であるが、公共の福祉によって制限されるべきである。性的秩序を守り、最少限度の性道徳を維持することは公共の福祉の一部である。本件訳書は猥褻文書と見なされ、その出版は公共の福祉に違反すると判断された原判決は正当である。 面白いのはここ弁
暇空茜氏が東京都を相手取って起こした国賠訴訟の判決が東京地裁であり、原告勝訴となった。 これについて、以下のように「金の無駄遣い」「公表済みのものなのに無駄」などと冷笑したり過小評価する増田・ブコメが多数あった。以下に例示する。 ブコメから(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/getnews.jp/archives/3516673、https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2338562より)◯開示請求時には未決定で正当な黒塗りだったが、決定後につつがなく公開されたものを、開示しろと無駄に裁判したという事例。これぞまさに公金の無駄遣い。あれ、アノンさんたち公金の無駄遣いを責めていたのでは? ◯暇さん「勝訴して開示させたぞおおお」←すでに開示済資料 アノン「うおおおおお尊師尊師!」 ◯この件の要約→ https:/
サイトの開発が遅れたことによる契約解除の可否が問題となった事例。 事案の概要 XはYに対し、美容業界のメーカー、ディーラー、ユーザーらが情報交換を行うためのウェブサービスに関するアプリケーションソフト(本件アプリ)の開発を委託した(本件契約)。 途中で、XY間は、クレジットカード決済機能を追加し、代金を496万8000円(税込)とすることなどを合意した。XはYに対し、前記代金を3回に分けてほぼ全額支払った。 Xは、履行期である2019年3月(具体的な履行期は争いがある。)経過後の5月31日に、 スケジュールやテスト画面もいただけなく,全く状況が分かりませんし,これ以上進めるのは不安です。 もうプロダクトはいただかなくて結構ですので,最短で返金をお願いしたく思います。 と、中止を伝え、開発作業が終了した。 Xは、その後、文書による催告と本件契約の解除を通知し、原状回復請求権に基づいて、支払済
anond.hatelabo.jp この増田は鋭くて、自分もあまり明確に意識できていなかった問題点を教えてくれた。ありがたい。 で、これにトラバやブコメがたくさんついているが、誤解や古い知識に基づいた意見が見られるので、これを放置しておくと多分よくないなと思って簡単に2点指摘しておく。 まず誤解から。 憲法の私人間効力に関する間接適用説から増田の立論を根拠づけようとするブコメが人気になっている。 旧統一教会信者の採用拒否は差別じゃないの? 正しい憲法理解(間接適用説)の上で書かれた冷静な記事。相手の信教などで差別しないのは採用にあたっての基本。責任を問えるのは問題行動を起こしたときのみってのが現行法の枠組みだね。反社認定できるなら別 2022年08月18日 14:30 b.hatena.ne.jp これは、おそらく判例の立場(三菱樹脂事件・最大判昭和48年12月12日民集27巻11号1536
神戸連続児童殺傷事件など重要少年事件の記録が廃棄されていたことが問題となる中、オウム真理教の解散命令にまつわる記録も廃棄されていたと学生が11月22日にツイートし、話題となっている。弁護士ドットコムニュース編集部が24日に東京地裁に問い合わせたところ、「廃棄は事実で、2006年3月8日だった」と回答した。 ツイートしたのは、大学2年生の「学生傍聴人」さん。小学生の時に父親と見たオウム真理教のドキュメンタリー番組をきっかけに、裁判に興味を持ち法学部に進んだ。ジャーナリストの江川紹子さんの授業を受けるために、別の大学に単位交換で受講するほどだ。 実は、この記録は2019年に朝日新聞などの報道で民事訴訟記録廃棄が問題になった際、憲法判例百選に掲載された民事の事例で廃棄された118件のリストに入っていた。国会でも言及されたが、著名事件ばかりのため、当時はオウムの件について特別、注目が集まったわけで
以前、立憲の有田芳生議員が橋下氏に訴えられた裁判、有田氏が勝ったのですがその時判決理由に採用されたのが「危険の引き受けの法理」というもので、名誉棄損裁判で初めて用いられた。内容は『相手を汚い言葉で罵っている者は相手からそういう言葉で反撃されることを覚悟しなければいけない』だそう。
今月19日、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を利用している人にとって、極めて重要な裁判判決が言い渡された。それは日本学生支援機構が、奨学金の返済にあたって本来の返済額よりも多い金額を受け取っており、過払い分を返金すべきという内容だった。 しかも、裁判所は、日本学生支援機構は本来受け取るべきではないと知っていながらその分も請求していたと認定している。 そもそも、日本学生支援機構は日本育英会などが合併して発足した文部科学省管轄の独立行政法人で、高校生が大学や専門学校などに通う際に利用する「奨学金」といえば、この団体が運営しているものを指す場合がほとんどだ。このような「学生支援」を名目に創設された半ば公的な団体が、請求根拠が法的に無いことを認識しつつも請求を続けていたことは、通常考えられないだろう。 ではなぜこのようになったのだろうか。これから返済しなければならない人や、いま返済している人
リンク note(ノート) 国家賠償請求訴訟4判決文|暇空茜 いえーいv(^^)vぶいぶいっ 20240326【取消訴訟(3)】判決_墨消し済み.pdf 3.68 MB ファイルダウンロードについて ダウンロード 14 users 11 渡辺輝人 🇺🇦連帯 @nabeteru1Q78 弁護士/日本労働弁護団常任幹事、自由法曹団常任幹事、全教常任弁護団、京都脱原発弁護団事務局長/残業代計算用エクセル「給与第一」開発者/労働者側の労働事件・労災・過労死事件などを手がけています。ツイッターみて来られた労働者の方の労働相談は無料。2021年9月29日『新版 残業代請求の理論と実務』好評発売! daiichi.gr.jp
スマートフォン用RPGのゲームの著作権侵害が争われた事例。 事案の概要 放置系RPG*1と呼ばれるジャンルのA(Xゲーム*2)に係る著作権を共有するXが,同じジャンルのB(Yゲーム*3)を配信するYに対し,著作権(複製権,翻案権,公衆送信権)を侵害するとして,著作権法114条2項に基づく損害賠償4800万円,弁護士費用960万円等と,同法112条1項及び2項に基づいて差止めと記憶媒体からの削除を求めた。 原審(東京地(47部)判令3.2.18(平30ワ28994号))では,著作権の帰属から争われていたが,XがXゲームの共有持分権を有することは認めつつも,YゲームはXゲームの構成,機能,画面配置等及びこれらの組合せを複製又は翻案したものであるとはいえず,Yゲームに係るソースコードはXゲームに係るソースコードを複製又は翻案したものであるともいえないとして,Xの請求をいずれも棄却した。 Xは,損
どぶろく裁判上告審判決 酒税法7条1項、54条1項の規定と憲法31条、13条 最高裁判所平成元年12月14日第一小法廷判決 【判例時報1339号83頁掲載】 私にはこの判決を持ち上げる気など毛頭ない。むしろ不愉快な判決である。「酒税収入の徴収確保に支障を生ぜしめる」などと実情に合わない理由で酒税法を擁護する一方で、自己消費目的の酒類製造を処罰することにつき「憲法31条、13条に違反するものではない」と憲法判断を回避するという、きわめて内容の薄い判決だからだ。何より腹立たしいのは、こんな判決がデータベースに残っている一方で、それよりもっと重要なもうひとつのどぶろく販売裁判、そしてその裁判の被告人がそれ以前に被告人となったヤミ米販売事件が掲載されていないことである。よくわからないが、日本では裁判所や政府にとって何らかの意味で都合の悪い判決は、データベースに残されないことがあるのだろうか。そこで
「有休マックス取れると思っちゃ大間違い」社長発言の"違法性"主張し従業員が提訴 裁判所が認めた「慰謝料額」は? 「1日でも早く辞めてほしい」 「有休マックス取れると思っちゃ大間違いだからね」 「私はあなたを、もうほんと、人間だと思えないぐらい、普通の人じゃないと思う」 これは社員Aさんが退職願を出した後の面談で、社長たちから投げつけられた言葉である。 Aさんが訴えた結果、裁判所は「有給休暇の取得を否定する発言である」「パワハラ発言だ」「個人的な人格非難だ」と認定して、社長たちと会社に慰謝料10万円の支払いを命じた。(東京地裁 R6.7.25)(弁護士・林 孝匡) 事件の経緯 会社は、補聴器や聴力測定器の製造販売などを行っており、Aさんは経理全般の業務とともに、人事や営業補助など総務的な仕事も担当していた(入社約20年目)。 この会社は、いわゆる家族経営だった。会長Bと副社長Cが夫婦、その三
連邦地裁は、新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付ける措置に反対した職員側の訴えを退ける判決を言い渡した/Brandon Bell/Getty Images (CNN) 米テキサス州ヒューストンの病院に勤務する職員が、雇用条件として新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付ける措置に反対し、病院を相手取って起こした裁判で、米連邦地裁は職員側の訴えを退ける判決を言い渡した。 この裁判は、ヒューストン・メソジスト病院に勤務するジェニファー・ブリッジェズ氏と同氏の同僚116人が原告となり、病院によるワクチン接種の義務付けを阻止するよう求めていた。米連邦地裁のリン・ヒューズ裁判官は12日、病院側の主張を認め、原告側の訴えを棄却した。 原告側は、米国で使われている新型コロナウイルスのワクチンについて「実験的で危険性が高い」と主張。接種拒否を理由とする解雇は不当だと訴えていた。 これに対して病院側は、
アジャイル開発の紛争事例。ポイントは、1契約の性質は請負か、2開発言語や納期などの債務の内容の合意、3損害の範囲。 事案の概要 X(設立予定会社の発起人)は、Yに対し、設立予定会社の営業に用いるウェブサイト(本件ウェブサイト)の開発を委託し、本件契約を締結した。開発報酬は月額2000米ドル、メンテナンスは月額800米ドルと定められた。いわゆるアジャイル方式で行うことが合意され、契約書は後追いで取り交わされた。 本件ウェブサイトは、本件契約締結時点において第三者が開発した原型が存在しており、それに追加・改良していくことが前提となっていた。 Xは、Yによる開発が遅延し、本件ウェブサイトがまったく機能しないとして、Yに対し、本件契約の債務不履行による損害賠償及び不法行為に基づく損害賠償として、既払代金相当額、逸失利益額、慰謝料、弁護士費用など、合計で約2000万円を請求した。 ここで取り上げる争
1.競業避止義務 労働契約の終了後については、「信義則に基づく競業避止義務は消滅し、就業規則や労働契約等の特別の定めがある場合に限り、それらの約定に基づいて競業避止義務が認められうる」と理解されています(水町勇一郎『詳解 労働法』〔東京大学出版会、初版、令元〕914頁参照)。 しかし、競業行為も「悪質な手段、態様で行われた場合には、これらの行為を禁止する契約上の根拠がないときでも、使用者の営業の利益を侵害する不法行為として損害賠償責任が課されることがある」とされています(前掲『詳解 労働法』917頁参照)。 要するに、競業避止契約を交わしていない労働者は、退職した後、原則として自由に競業することができます。ただし、自由競争の枠を逸脱しているといえるような手段、態様で行われた場合には、例外的に損害賠償責任を負うことがあります。 この退職後の競業行為との関係で、近時公刊された判例集に目を引く裁
駒沢公園行政書士事務所日記 美術・音楽・写真・デザイン・IT系の利用規約・著作権契約書作成、ライセンス監査業務を行う行政書士大塚大のブログ。 2004年開始。このブログでは主に著作権法・不正競争防止法、営業秘密保護、ライセンス契約にかかわる知財判決を取上げています。https://www.ootsuka-houmu.com なお、ブログの内容は加除訂正されることがあります。判決内容については、判決文をご確認ください。 最高裁判所HP 知的財産裁判例集より イラストトレース疑惑ツイート名誉毀損事件 東京地裁令和5.10.13令和2(ワ)25439損害賠償等請求事件等PDF 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 國分隆文 裁判官 間明宏充 裁判官 バヒスバラン薫 *裁判所サイト公表 2023年11月02日 *キーワード:イラスト、トレース、トレパク、ツイート、名誉毀損 -----
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