いい本に出会ったので紹介したくなりました。紹介します。 なぜ人は締め切りを守れないのか 作者:難波優輝堀之内出版Amazon この本は「人はなぜ締め切りを守れないのか」という疑問から出発して、人間にとって時間とはどういうものなのか、ひいては「いい時間」「悪い時間」とはどういうものなのか等を論じている本だ。締め切りをひとつのキーワードとして、古今の哲学者や思想家のお話を引用し、はるか昔からの人間の時間観念を振り返り、時間に追われる現代人のありようを紐解いていく(そうしたうえで著者自身の展望も記される)。こう書くと重たそうな本に思えるかもしれないが、この本は内容に比してかなり軽やかだ。 本書には良い点がたくさんある。 ひとつは、時間について"哲学する本"なのに難読ではない点だ。 哲学と銘打った本、哲学に明るい人が書いた本は読みにくいことが多い。少なくとも20世紀までに書かれた哲学系の書籍は、ど
書評:『なぜ人は締め切りを守れないのか』 - シロクマの屑籠動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書) 作者:東浩紀講談社Amazon 最近私は「近代社会ってなんだろう?」ってことに関心があって、近代社会とその続きについて書いてある本を再読してまわっている。ゆうべは東浩紀『動物化するポストモダン』を数年ぶりに読んだ。ただ懐かしいだけじゃない。読むたびに発見があって「こんなことを著者は書いていたのか!」と驚いた。それからインスピレーション。自宅の本棚のいちばんいい場所には、読むたびにインスピレーションが刺激される本を並べておきたいよね。 昨日の私は「動物化したオタクって、どのあたりのオタクまでで、どこからのオタクは元々動物だったんだろうか?」ってことを読みながら考え続けていた。 『動物化するポストモダン』でいうところの「動物」とは、コジェーヴという哲学者の言っていた「動物」のことらしいが、私はこのコジェーヴという人自身の本を読
オタクが動物化したのか、動物がオタクになったのか──『動物化するポストモダン』再読、それからコジェーヴ - シロクマの屑籠昨日の続き。アイデンティティをカネで買って何が悪い? という話です。 アイデンティティの話をすると、ときどき「アイデンティティをカネで買うのは悪いことだ(卑しいことだ)」といったコメントをいただくことがある。 アイデンティティは、人間の心理的欲求の対象と社会関係や社会活動を結びつけて理解するのに適した概念モデルだから、臓器のように手で触れられるわけではない。けれども人間の欲望と心理的安定性について社会と関連付けて考える際には有用なモデルだと思う。人は、アイデンティティに相当する対象を必要としていて、アイデンティティに相当する対象をとおして「私」の自己イメージをかたちづくっている。 ただし、アイデンティティを必要としているからといって必ず意識されるとは限らないし、まして、必ず商品選択や消費活動をとおして購買しなければならないわけでもない。昔は、アイデンティティをカネで買うのはそんなに多くない
アイデンティティをカネで買うのは悪いこと? - シロクマの屑籠昨日、Xでアイデンティティと消費個人主義についてしゃべった内容をまとめることにしました。 1.アイデンティティが消費活動として、商品として贖われる時代があった 20世紀の後半から21世紀の初頭にかけ、日本では個人が「私はこういう人間だ」「これって私!」と思える宛先として、もっと言えばアイデンティティの宛先として、商品の選択や消費活動が今よりも重要で、旺盛な一時代があった。『なんとなく、クリスタル』に登場するクリスタル族、好きな趣味ジャンルに耽溺するオタク、商品選択能力の優越性を他人に見せつける新人類たちはその先駆けだったと言える。そうした消費個人主義は90年代には大衆化し、地方都市の学生までもが海外ブランド品のバッグを持ち歩く風景を生み出すに至った。 でも、商品選択や消費活動がアイデンティティの宛先としてはじめから重視されていたわけではない。クリスタル族らが登場した頃には「シラケ世代」とい
アイデンティティを購入しづらくなった後の世界 - シロクマの屑籠ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話【電子限定特典ページ付き】 (幻冬舎単行本) 作者:斗比主閲子幻冬舎Amazon 幻冬舎さんのつてで、『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』をご恵贈いただいた時、どうしたものだろうと思った。著者ははてなブログで長く活動しているトピシュさんだから縁はある。でも、お金の本を私に送られても楽しめないんじゃないの? という心配だ。 ところがこの本は面白かった。お金についてのハウツー本であるだけでなく、資産形成のために必要な精神が活写されているように読めて、そこが面白かったからだ。 結論を書いてしまおう。 資産を形成するための根本的な精神とは、トピシュさんに内面化されているだろう、ホモ・エコノミクスの精神だ。ここでいうホモ・エコノミクスの精神がトピシュさんと同じぐらい「うまく」内面化されていて実行可能なら、きっと資
これがコスパの精神か!──『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』 - シロクマの屑籠[]創作のための健康管理法&ドーパミン維持について──私の場合 p-shirokuma.hatenadiary.com blog.tinect.jp 頑丈な人間とそうでもない人間が存在する話と、ドーパミンを味方につけつつドーパミンに頼り過ぎない活動の話を、続けてアップロードした。 これらは創作活動にも、受験勉強や資格取得にも、ゲームやり込みにも役立つ話だと思う。自分の健康をうまく管理し、命を削りすぎない範囲で自分自身を使い込めればインプットもアウトプットも増える。と同時に、ドーパミンをなるべく味方につけ、それでいて頼り過ぎないやり方を確立すれば安定した成長が見込めるだろう。 で、これらの記事を書いた私は実際に何をやっているのか? を書いてみたい。 ある程度確実性がありそうで、月並みな部分については無料記事エリアにまとめる。それとは別に、確実性が怪しく、個人差の大きそうなドーパミンとの付き合
創作のための健康管理法&ドーパミン維持について──私の場合 - シロクマの屑籠先週読んだ、「眠いと思うから眠いんです。眠いと認めなければ、いくらでも時間がうまれてきます。」という文章がなかなか忘れられず、以下のようにはてなブックマークを書いた後も反芻してしまっていた。 これは、恐ろしく、深く、重要なお話だと思いました。 できる人は限られているし万人に勧められるわけがない、生存バイアスな話でもある。でもできる人はやってのけるでしょう。 / "眠いと思うから眠いんです。眠いと認めなければ、いくらでも時間がうまれてきます。" https://t.co/03b8sP1lvq— p_shirokuma(熊代亨) (@twit_shirokuma) 2025年2月19日 あんまり反芻してしまうものだから、上のコメントにおさまりきらなかった気持ちまで書いてしまいたい。 睡眠時間を削ってもてなす人物談に、複数の「恐ろしさ」を感じる くだんの文章には、風邪を風邪とも思わないような商売
頑丈な人間・頑丈に見えて命を削っている人間、どちらも恐ろしい - シロクマの屑籠最近、ひたすらインプットに集中していたらアウトプットが滞ってしまった。普段、ブログを書くことでインプットとアウトプットのバランスを取り、知識が自分自身に定着する一助になってきたことを思い出したので、ちょっと書いてみることにする。本日、レビューめいたものを書いてみるのは『テストステロン:ヒトを分け、支配する物質』という本についてだ。 テストステロン: ヒトを分け、支配する物質 作者:Hooven,Carole化学同人 Amazon テストステロンは重要な男性ホルモンで、人間の性分化に影響し、生理学的・内分泌学的・行動学的に特有の変化をもたらす。しかし、テストステロン「だけ」が人間の性分化を決定づけているとみなすのは考えものだ。著者は、テストステロンも含めたもっと複雑な機構のなかで・もっと複雑な手順を踏んで人間の性分化が進んでいくさまを紹介する。本書の一番のセールスポイントは、そこのところだろう
ヒトの性分化についての面白い本。でも少し手強いかも──『テストステロン: ヒトを分け、支配する物質』 - シロクマの屑籠www.asahi.com 少し前に、2024年の出生数が70万人を割り込むという推計がアナウンスされた。70万という数字にこだわっても仕方がない。男女が出会いにくく、子どもをもうける動機も少なく、子どもを育てるコストやリスクばかり目立つ状況では当然だろう。 少子化は本当に止まらないのだろうか? かりに今とまったく同じ社会状況が持続するなら、少子化はこのままきっちり進行しそうだ。でも、きっとそんなことはない。社会状況も社会規範もなんらか変化するのが常だからだ。 ちょうど昭和100年なので昭和時代まで振り返ってみるだけでも、この100年間に社会状況と社会規範がびっくりするほど変わったと気付く。もちろん出生率もだ。出生率は経済も含めた社会状況、それから社会規範や社会通念によって大きな影響を受ける。挙児の手前である、配偶や恋愛や性愛についてもそうだ。昭和から令和にかけての日本社会は、20世紀後半
日本社会は若者をダンピングして少子化をきわめた、それは世界も同じではなかったか? - シロクマの屑籠ビバ! デモクラシー! 兵庫県知事選、結果はどうあれ投票率の高さを鑑みれば民主主義が終わったどころか、真の民主主義が高らかに産声を上げたと言っていいだろう。あらかじめ地盤・看板・カバンを備えた既得権益者が勝つ時代は終わった。これからはblog、SNS、動画配信をフル活用した者が勝つ、選挙2.0の幕開けだ。— 犬紳士 (@gentledog) 2024年11月18日 民主主義が三度の飯より好きな人には、ともあれ好ましい選挙だったのではないだろうか。高い投票率。若い世代の意思表示。多くの識者が予想していなかった選挙結果。これらは、普段は投票に行かず選挙活動に関心を持たなかった人たちまで、民主主義が届いていることを示しているからだ。 先日の兵庫都知事選に限らず、昨今、識者やマスメディアが予想していなかった結果となる選挙が相次いでいる。そうした選挙で勝つのは"良識派"を嘆かせる候補だ。選挙活動の公
インターネットで民主主義が加速して良かったですね - シロクマの屑籠p-shirokuma.hatenadiary.com 昨日の「なめる/なめられる」についての雑談は多くの人に読んでいただき、はてなブックマーク等で多くのコメントをいただき、勉強になりました。ただ、そこを眺めていて「なめる/なめられる」の構図から降りていると言っている人、自分は他人をなめることがないと言っている人も少なくなく、考え込んでしまった。 「そんなに簡単なものだろうか」、と。 まずはじめに断っておくと、「なめる/なめられる」が遅れた風習でしかない、と考えるのは間違いだ、と私は思う。 「ブラックで」「遅れた」場所にだけなめる/なめられるがあると思うのは違うと思います。「ホワイトで」「進んだ」場所にもあると思ってかかるべきでしょう。 なめる/なめられるが表出されるかたちが異なるだけで。 たとえば政治的に正しい「なめる/なめられる」もありますよね?しらんけど— p_shirokuma(熊
無礼にならずに「なめる/なめられる」から降りるのは難しい - シロクマの屑籠blog.tinect.jp 上掲リンク先の記事は、刺激的なタイトルのためか、はてなブックマークでも喧々諤々の様子になっている。私個人としては、海外でコミュニケーションをする際には、日本の標準的な構えよりも自己主張を強めにするとちょうど良い、逆に、日本の標準的な構えのままでは意思疎通に支障をきたすと思っていたので、外国の人々にまともに相手をしてもらうためには、明確に自分の意見や願望や意志を伝える・表出しないとだめだ、とは思っていた。表出のなかには、もちろん身振り手振りも含まれる。 国内外の違いはさておき、私は、「なめられるか、なめられないか」は社会適応において非常に重要だと思っている。鳩の群れを眺めていると、なめられる鳩はろくなことがなく、やせ細って死んでいく。チンパンジーなども、群れのなかでの順位のために、お互いに無理をしている感がある。であるから、「なめるか、なめられないか」は、社会的
なめる/なめられる についての話 - シロクマの屑籠物語のパターンは既に出尽くしてる問題に絡めてだけど、近代に流行した鬱屈とした自意識や虚無感、20世紀後半にいい薬がたくさん発明されたおかげで「心療内科にいってお薬を飲めばいいのに」で解決してしまって、物語としての強度を保てなくなってる。— 小島アジコ (@ajico_k) 2024年6月25日 6月25日、小島アジコさんが上掲のような投稿をXにしているのを見かけました。でも、あまりに忙しかったから私は、「向精神薬は個人の気分や行動に作用するし精神疾患に有意差のある改善をもたらすけれども、自意識や虚無感の問題は解決してくれないんじゃない?」とXに書きました。ただ、これは返信の半分(をダイジェスト化したもの)でしかなく、7月になったらブログにまとめよう、と思っていました。 そうしたら、アジコさんのほうが手が早くて、6月27日に「物語のパターンは既に出尽くしてる問題に絡めてだけど、近代に流行した
「向精神薬で自意識や虚無感の悩みが治る?」&「近代に根ざした自意識や虚無感は時代遅れでは?」 - シロクマの屑籠今、研修医時代ぐらい忙しくて生きた心地がしない&働きすぎで急速に老け込みそうだと感じていますが、そうしたなか、書評のお仕事をいただきました&こなしました。 gendai.media 書評させていただいた作品は村雲菜月さんの『コレクターズ・ハイ』。上掲リンク先にも書いたように、コレクション大好き系のオタクの物語だと決めてかかると足元をすくわれる思いがするかもしれません。 コレクターズ・ハイ 作者:村雲菜月講談社Amazon 作品にどのようなメッセージが含まれているのか。これは読み手次第でしょうけど、私には、以下のポイントが刺さりました。 1.たとえばキャラクターグッズをコレクションしている時、私たちはどこまで癒されていて、どこまで行動嗜癖的に病んでいるのか 2.資本主義の商品を作ったり、資本主義の商品そのものになったりして疲れ、傷ついている私たちが、それを癒す際にも資本主義の商品に依存し、と
取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか - シロクマの屑籠※(注記)この文章は、黄金頭さんへの返信のかたちをとった、私なりの反出生主義についての考えをまとめた文章です※(注記) blog.tinect.jp こんにちは黄金頭さん、p_shirokumaです。拙著『人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)』をお読みくださり、ありがとうございました。今回私は、どうしてもこの本を読んでもらいたいブロガーさん数名におそれながら献本させていただきました。受け取ってくださったうえ、ご見解まで書いてくださり大変うれしかったです。 『人間はどこまで家畜か』を黄金頭さんに献本したかった理由は2つあります。 ひとつは、黄金頭さんが書いたこのブログ記事のおかげで『リベラル優生主義と正義』に出会えたからです。 リベラル優生主義と正義 作者:桜井 徹ナカニシヤ出版Amazon 今は8000円台で推移していますが、一時期、この本には30000円ぐらいのプレミアがついていま
反出生主義という人類滅亡のミーム - シロクマの屑籠cider_kondoのブックマーク / 2024年1月23日 - はてなブックマーク シロクマ先生、今ホッテントリってる意地悪婆さん話もそうだけど、こういう本業と社会の変化踏まえた考察の方が(よく書いてる迷走してるオタク論みたいなのより)圧倒的に面白いよな... こんにちは、はてなブックマークユーザーのcider_kondoさん。熊代です。先日のブログ記事に上掲コメントをくださりありがとうございました。これに関して、cider_kondoさん個人に返信したいと思います。 長く相互認識している人でなければ返信は難しい 少しだけ前置きを。 私は現在、ブログ側からはてなブックマークに返信するのは難しい、と感じています。00年代の頃は見知らぬはてなブックマークユーザーに返信するのも気軽で、ブロガーがそうしている様子をしばしば見かけたものです。しかしはてなブックマークを中心としたコミュニティが希薄化し
私にとって、オタクやキャラクター消費の話は社会の話なんです - シロクマの屑籠今の10代の人の間で、「ゼロ年代のいにしえのインターネットへの憧れ」がそこそこ共有されているっぽいのに最近気づいてる— highland (@highland_sh) 2023年12月18日 highlandさんの上掲投稿を見かけて、その少し前に読んだ00年代のブロガーの文章を連想せずにはいられなかった。 amamako.hateblo.jp gothedistance.hatenadiary.jp 未経験な世代の憧れを牽引し、その時代を経験した世代も懐古的に当時を語る、その00年代のインターネットとはどういうものだったのか? 私も思い出したくなったので少しだけ書く。 「当時のインターネットは良いことづくめじゃなかった」という一面 この問題について、同じくhighlandさんは絶対に無視できない一面にも触れている。 おもしろい個人サイトとか、フラッシュ動画とか、2ちゃんの面白コピペとか見て
「いにしえの00年代のインターネットへの憧れ」はわかる気がする - シロクマの屑籠2023年に入ってから働きすぎているが、9月ぐらいから労働が極まってきて、次第に息が詰まりそうになったり睡眠がとりづらくなってきた。実働時間でいえば研修医時代を上回っている気がする。寝ている時間以外、だいたい何かをやっているからだ。 20代や30代の頃、働くのはとにかくイヤなことで、それが仕事である限りともかく負担だった。それに比べれば今は仕事慣れしているし、その一部が自分の関心領域に寄ってくれたとも言える。特に文章をつくる方面は今でも好きだ。手が痛くならない限りで、カルテを書くのだってそれなり好きだったりする。 で、朝から晩まで、楽しみといえば『葬送のフリーレン』を観ることぐらいの毎日を過ごしていると、時間的制約以上に体力的制約から、ブログやツイッターを書くことが難しくなり、新しい小説やアニメやゲームに触れることも難しくなる。『ブルアカ』や『セーリングエラ』が遊びかけのまま私の帰りを待っ
働きすぎるとブログもSNSもできなくなって視野も狭くなるな - シロクマの屑籠最近、AIが人間の機能や役割をやってのける話を耳にする機会が増えた。そうしたAIによる人間の機能の代替は、ある時期まではチェスや囲碁や将棋といった、ルールが厳格で判断の範囲が限定された機能に関する話題が中心だったが、2023年に話題になっているのは汎用的な機能、たとえば翻訳のような、旧来は人間でなければ困難と思われていた機能もAIがやってくれそうな気配が漂っている。 AIがチェスや囲碁や将棋をやるようになった時、そろそろ人間に追い付きそうだといわれてから実際に人間に追い付き、人間のずっと先にたどり着くまでの時間は長くなかった。それをなぞらえるとしたら、AIが翻訳や要約やデスクワークの領域でそろそろ人間に追い付きそうだといわれるようになってから実際に人間に追い付き、人間のずっと先にたどり着くまでの時間も長くないよう私なら想像する。電力や計算資源といった、物理的問題にもよるだろうが......。 先日
AI時代の精神医療を想像する──1.診断と治療について - シロクマの屑籠疲れ切った身体でブログを書こうとしている。約17年前、ブログを書き始めた頃には何時間でもキーボードを打てたが、当時の私はもういない。午後9時には休みたいと主張するこの身体には老の影が忍び寄っている。しかし70代80代ともなればこんなものではないはずだ。それでも生きている高齢者は実はとてもすごいと思う。現在の私より疲れやすい身体と神経で生きているのもすごいし、現在の私より疲れにくい身体と神経で生きているのもすごい。長く生き、老いても生きることの途方も無さ。そうしたことを思っている折、映画『PLAN75』がアマゾンプライムに来ているのを発見して見てしまった──。 PLAN75 倍賞千恵子Amazon 『PLAN75』は、75歳を迎えた高齢者が自分で生死を決定できる制度が国会で可決された近未来? を描いた作品だ。作品世界では"プラン75"という高齢者が自主的に安楽死を選べる制度を巡って、いくつか
命を管理する社会の行きつく先として『PLAN75』を見た - シロクマの屑籠リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
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