▼ [雑記]『小池一夫対談集 キャラクター60年』1巻〜3巻
AmazonからKindle Paperwhiteの新モデル(いわゆる2021年モデル:11世代)が発売され、「何かの拍子に最新モデルをポチっとする可能性もゼロじゃないからな」と、現在メインで使っている2018年に購入したKindle Paperwhiteに配信してある本を読み始めた。
いきなりSF長編みたいなやつは重いため、軽く読めそうな対談本を読むことにした。「マンガ = キャラクター」論を提唱していた小池一夫という人の著名人との対談集で、元は1冊の本だったものをKindleでは分冊化されているようだ。3冊ともセールになっている時に買ったもの。
小池一夫さんについて僕が知っていることは少なく、
- キャラクター論を唱えている
- 『子連れ狼』の原作者
- (お笑いのコントでパロディを見た事がある程度で、『子連れ狼』自体は読んだことは無い)
- Twitterでやたらフォロワーを抱えており、ちょっと上からいいこと言ったみたいなツイートがよくRTされていた
- 少し前に亡くなって、上述するフォロワーが多いためか、話題になっていた
この程度であった。
本書を読んで、小池一夫さんの主催していた「劇画村塾」なるところの卒業生として、『らんま』の高橋留美子氏、『バキ』の板垣恵介氏、『シグルイ』の山口貴由氏などが輩出されているのだと知った。
以下は、それぞれの分冊版の感想。
第1巻
- 巻頭に収録されている手塚治虫との対談が、血液型性格判断やや占いを信じるみたいな話題で盛り上がっていて、正直ぜんぜん面白くなかった。どうも小池氏・手塚氏以外に進行役が立ち会ったみたいだが、かなり失敗している。
- 『エヴァ』庵野秀明の回は、宮崎駿との師弟関係も見えて、素直に面白かった。
- 虚淵玄氏との対談で出た魔法少女論も面白かった。『魔法少女まどか☆マギカ』は未視聴だが、キャラクターデザイン担当である蒼樹うめ氏の漫画作品を最近よく読んで癒されているため、『まどか』もまとまった時間を確保して見てみようかな。
- 板垣恵介氏の「バキ」というキャラクターを生み出した裏話も興味深かった。たしかに『バキ』という作品世界の中で、バキだけが女性っぽさがあるんだよな〜と納得できる話をしていた。
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第2巻
- 高橋留美子氏との対談は、マンガ論をしつつも、全体としては高橋氏が小川氏を「そうだよね〜、うんうん、おじいちゃん、わかるわかる」となだめて拝聴しているような印象があって微笑ましいものであった。
- 『桃鉄』のさくまあきら氏、人づてにかなり問題のある人格だと聞き及んでいるためあまり良い印象は無かったものの、この対談集では結構いい話をしていた。コネが大事だよねっていう当たり前の話ではあるが、本当にコネは大事なので。
- 神山健治氏はちょうど本書を読む前後からアニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』を見始めた事もあって、「草薙素子少佐のようなかっこいい女性のヒーロー像が増えるだろう」のような対談内容は興味深く読めた。
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第3巻
- 石ノ森章太郎氏や山口貴由氏との対談パートは、マンガの持つ表現の可能性や規制について、それから時代劇も段々とキャラクター化していることについてなど、面白い内容であった。
- 文中で全く言及されていないけど、僕の好きな京極夏彦氏の作品なども、まさにキャラクター時代劇と呼べるものが何作かあると腑に落ちた。
- 長嶋茂雄氏はTVなどで見かける人格とはちょっと違った印象を受けた。学校の講義に招かれるという場づくりが影響したのかも知れないが、この人がサッカー評などを楽しそうに話しているテキストは貴重と言えそうだ。僕はアンチ巨人軍なのですが、巨人ファンやミスター信者にはたまらないのではないか。
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