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2025年06月23日

第二言語習得と行動中心アプローチの本を出版しました

[画像:サツキ表紙.jpg][画像:弟 表紙.jpg]

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、先週6月15日の週末と、昨日6月22日の日曜日に、立て続けに2冊の電子書籍を出版したのでご報告します。

1冊目は、第二言語習得を研究する兄が、日本語教師を目指す高校生の弟に第二言語の基本的なことを語り聞かせるというスタイルで書きました。読みやすい語り口を心がけた結果、予想以上に多くの方にダウンロードしていただいています。

弟よ、これだけは知っておけ!: 第二言語習得の基本と日本語教育

それに手応えを感じて、昨日は、英語教師の姉が将来日本語教師を目指す弟に「行動中心アプローチ」について語るという、まさに「2匹目のドジョウ」を狙った本を制作しました。これもAmazonの審査を通過し、発売されたことを僕が知る前に、すでにどなたかが購入してくださっていて驚きました。

カンタ!これだけは知っておいて! : サツキお姉ちゃんが教える行動中心アプローチ


このような本が必要だと感じた一番の理由は、SNSなどを拝見する限り、専門分野を勉強したいと思いつつも、研究者の書いた本が難解すぎて理解できないという方が多くいらっしゃるからです。もちろん、これは研究者が悪いわけではありません。研究者の皆さんは厳密さが求められる世界に生きているため、正確なことを書くにはさまざまな留保をつけなければならないのです。しかし残念なことに、その分野に詳しくない人が読むと、「結局、これは良いのか悪いのかがよくわからない」ということが非常に頻繁に起きています。

今念頭にあるのは、ライトボーンとスパーダの『How Languages Are Learned』という本です。僕よりも英語がずっと堪能な人でも、最後の方に述べられている提案がどれも同じ価値であるように理解していたりして、かなり驚きました。読む人が読めば「これは良くて、これは悪い」という前提で書かれているのがわかるのですが。

そうした背景もあり、高校生くらいにでもわかるような本が必要なのではないかと思った次第です。

なお、これらの本を制作するにあたっては、Google Geminiのディープリサーチを多用しました。僕が一部手直しした部分もありますが、99%以上がAIの生成した文章です。また、手直しが面倒だと感じた部分は、ごっそり削除したこともあります。

今回の経験を通じてわかったのは、AI時代には著者はむしろ監修者としての役割が求められているということです。実際に文章を書くのはAIで、著者はそれが自分の名前で世に出てもおかしくないかだけを考えれば良いのです。おかしいと思う部分や自信のない部分に関しては、ごっそり削除してどんどん先に進むことができます。

このような制作方法に至った経緯として、僕自身がよく知らないラオスのことなどをディープリサーチで勉強している経験があります。例えば、ラオスの文化について、そもそもどのような文化が根付いているのかも知らない状態から始めるわけです。まずはAIにそのトピックに関するサブカテゴリーを列挙してもらいます。ラオスの文化で言えば、衣食住、建築、文学などがそれにあたります。そして、そのカテゴリーごとにディープリサーチでラオスの文献を調べてから日本語でまとめてもらうのです。こうすると、たった1日で、それまでほとんど知らなかった分野がそれなりに網羅的にわかるようになります。

ちなみに、Googleの月額20ドルの有料プランに加入していると、このディープリサーチを毎日20回使うことができます。OpenAIのChatGPTは月に10回程度ですから、60倍もの差があるわけです。何かを調べるのが仕事の人は、毎月20ドルのGoogle AIでこうした本格的な調査ができるようになるのでおすすめです。

この方法を自分だけのために使うのはもったいないと思い、もう少し自分で内容を保証できる分野に応用したら、それなりの専門書が書けるのではないかと考えたのが今回の2冊です。

X(旧Twitter)などではGoogleドキュメントのリンクも共有しているので、無料で読みたい人はそちらをご利用ください。

そして、冒険は続く。

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この記事の内容は村上が確認していますが、文章自体はAIが作成しています。
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