公害等調整委員会は、
を主な任務としています。
公害紛争の迅速・適正な解決を図るため、裁判所による司法的解決とは別に、公害紛争処理法に基づき「公害紛争処理制度」が設けられており、公害紛争を処理する機関として、各都道府県に公害審査会等が、国に公害等調整委員会が置かれています。
これらの公害紛争処理機関とは別に、公害の苦情を迅速・適正に解決するために、都道府県及び市区町村には公害苦情相談窓口が設けられています。
公害等調整委員会と、都道府県の公害審査会等は、それぞれの管轄に応じ、独立して紛争の解決に当たっていますが、制度の円滑な運営を図るため、情報交換などを通じ相互の連携を図っています。
公害紛争処理制度は、公害紛争を民事訴訟で争った場合、その解決までに多くの時間と費用が掛かるなど、被害者の救済の面では必ずしも十分でなかったことから生まれた制度です。
このため、この制度には民事訴訟に比べ、公害紛争処理機関自ら調査できる、手続が柔軟、費用も少なくて済むなど、様々な特長があります。詳しくは、こちらの資料「公害紛争処理制度の特長」PDF【340 KB】をご覧ください。
公害紛争事件のほとんどが調停事件又は裁定事件となっています。いずれも原則として当事者の申請に基づいて手続が開始されます。
公害紛争処理機関が当事者の間に入って両者の話合いを積極的にリードし、双方の互譲に基づく合意によって紛争の解決を図る手続です。
調停 公害等調整委員会 都道府県公害審査会 調停の申請 調停は、当事者(被害者・加害者)の一方または双方から申請書が提出されることにより開始されます。 調停期日(非公開) 調停委員会は当事者の話し合いを積極的に進め、当事者の歩み寄りを促し、合意点をさぐります。また、必要に応じ調査も行います。 合意の成立 当事者の互譲により、公害紛争の解決を図ります。
裁定には、「責任裁定」と「原因裁定」があります。
裁定 公害等調整委員会 裁定の申請 原因裁定は、被害者または加害者から、責任裁定は、加害者からのみ申請することができ、申請書が提出されることにより開始されます。 審問期日(公開) 公害等調整委員会の裁定委員会は、当事者双方からの意見の陳述や証拠調べ、必要に応じ、国費による調査などを順次行っていきます。東京から離れたところでの現地期日も行います。 裁定 双方の主張につき、証拠や調査結果等に基づき裁定委員会が法律的判断を行います。
なお、裁定には上記のほか、「裁判所からの原因裁定の嘱託」という仕組みがあります。
地方公共団体の公害苦情相談窓口では、住民の苦情をお聞きし、必要に応じ、現地を調査したり関係機関とも連絡を取り合って、改善に向けた指導や助言を行うなど、苦情の受付から解決まで一貫して取り組んでいます。
公害等調整委員会は、このような苦情処理のノウハウ向上を図ったり、苦情処理の状況に関する調査「公害苦情調査」 を毎年度実施しています。
「鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律」に基づき、鉱業、採石業又は砂利採取業と一般公益又は農業、林業その他の産業との調整を図っています。
各大臣又は都道府県知事の請求に基づいて、鉱区禁止地域の指定を行っています。令和5年3月末日現在、全国で244地域が指定され、その総面積は68万2,820ヘクタールとなっています(鉱区禁止地域指定手続の流れ)。
鉱業法、採石法又は砂利採取法などに基づく特定の処分について、これを不服とする者からの申請に基づき裁定を行っています(鉱業等に係る行政不服裁定手続の流れ)。
土地収用法に基づく処分に対する審査請求について国土交通大臣が裁決を行うときなどは、事前に公害等調整委員会の意見を求めることとされています(土地収用法に基づく審査請求に関する意見照会への回答の流れ)。