在留資格+仕事
例1 1年の契約で働いているが、会社から次の契約更新はしない、帰国したら給料を払うと言われた。日本で次の仕事を探しているが、在留資格はどうすればいいか。 帰国しないと給料はもらえないのか。
【東京入管】
在留期限までに次の仕事が決まったら、新しい会社での仕事内容で入管で手続を行うよう説明した。
【外国人特別相談・支援室】
給料は、従業員が帰国しない場合でも、毎月決まった日に支払う必要があり、会社が支払わない場合は、労働基準監督署に申告できることを説明した。
在留資格+法律
例2 日本人の夫が出て行ってしまい、その後夫との子を出産したが、夫とは連絡が取れず、現在、シェルターに保護されている。今後は働きながら子供と二人で一緒に暮らしたいが、在留資格はどうすればいいか。住む場所や生活費はどうしたらよいのか。
【東京入管】
日本人実子を監護・養育することを理由とした定住者への在留資格変更申請について説明した。
【法テラス】
日本人夫に対して請求できる婚姻費用や養育費、弁護士に依頼する手続・費用について説明した。
仕事
例3 給料を支払ってもらえないため、他の仕事を探したい。
【東京外国人雇用サービスセンター】
相談窓口で他の会社の求人情報を提供した。
【外国人特別相談・支援室】
会社が労働基準法に違反して支払わない場合、労働基準監督署に申告できることを説明した。
在留資格+法律
例4 特定技能「介護」で来日し、介護の仕事を始める予定だった。しかし、実際には、全く違う仕事をさせられている。
このままでは良くないと考え退職を申し出たところ、損害賠償として30万円を支払うように言われている。
別の介護施設で内定をもらっており、その就職のために、前の勤務先が発行する退職証明書が必要になるが、その退職証明書を発行してもらえない。
入管の手続について相談したい。
【東京入管】
前の勤務先での状況について、書面で入管に提出するよう説明した。
また、特定技能の在留資格で、別の雇用主の下で介護の仕事をする場合には、在留資格の変更が必要となることや在留申請手続を説明した。
【法テラス】
損害賠償請求額が30万円である根拠が不明なので、支払わなくてよいことを説明した。
書面で請求が届いたら、それを持って弁護士に法律相談をするよう伝えた。
法律+在留資格
例5 「日本人の配偶者等」の在留資格で来日したが、配偶者から暴力を振るわれるようになり、数か月前に家を追い出されてしまった。現在は友人の家に家賃の一部を支払って暮らしている。
最近、相談者が「離婚したい」と配偶者に言うと、配偶者は、反対はしないが、署名した離婚届を送り返してくれない。
(1) 1年以上前に配偶者が署名した離婚届があるが、これを提出しても問題ないか。
(2) 在留期限が数か月で満了するため、在留期間の更新もしくは在留資格の変更についても心配である。
【法テラス】
1年以上前に作成した離婚届を勝手に提出するとトラブルになる可能性があるため、配偶者の了承が得られれば提出しても問題ないが、承諾は証拠に残る形で取っておくよう説明した。
配偶者の了承が得られない場合、弁護士に交渉又は調停を依頼することを勧めた。
また、相談者の最寄りの法律相談場所等を案内した。
【東京入管】
相談者の置かれた状況で考えられる離婚後の在留申請手続及びDV被害者に対して入管手続上配慮されることについて説明した。
仕事+法律
例6 同じ国出身の知人がレストラン経営を始めるというので、お金を貸したり、必要な備品の購入費用を立て替えたりした。さらに、レストラン開業と同時に、月給制で店長として雇われた。なお、貸金も雇用も契約書はない。
その後、レストランの経営状況が悪化し、約半年前から賃金が支払われていない。相談者は、今月退職して、経営者に対し、賃金や貸金、立替金の支払いを求めたが、全く対応してくれない。
さらに、母国にいる相談者の家族に危害を加えると脅迫された。
【外国人特別相談・支援室】
未払賃金については、労働基準監督署に申告できることを説明した。
なお、相談者は開業に際しての資金等を供出していることから、労働者と認められない可能性があることも説明した。
【法テラス】
貸金や立替金については、まず証拠を集めることが重要であり、レシート等を集めること、交渉過程は録音するなどして証拠に残すよう説明した。
相手が支払わない場合には訴訟を起こすしかないため、弁護士への依頼も検討してはどうかと、相談者の最寄りの法律相談場所等を紹介した。
脅迫については、警察に相談すること、録音があるとよいことを説明した。
法律+仕事
例7 2年前に入社した会社を辞めることにした。職場での立場は管理職でもなく、マーケティング担当だった。
退職の申し出をしたところ、会社から競業避止義務2年を課す同意書に署名を求められている。
署名する必要はあるか。署名しない場合の嫌がらせも心配である。
【法テラス】
同意書に署名する必要はなく、実際に嫌がらせを受けたら、また相談するよう説明した。
なお、勤務先の機密情報や個人情報は同意書への署名の有無にかかわらず漏らしてはいけないことを説明した。
【外国人特別相談・支援室】
労働法規で直接的に規制しているものではないが、職業選択の自由の観点から問題となる可能性があり、解決するには民事訴訟を起こす必要があることを説明した。
また、併せて、今後退職の証明書が発行してもらえない場合は、また相談するよう説明した。