原子力規制検査結果について「川内原子力発電所1号機 火災区画間機器搬入口開放時における補償措置不履行による防火壁の一部喪失」
発生日
2024年5月15日
発電所
九州電力 川内原子力発電所1号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力89万kW)
内容
事象
2024年5月15日の原子力規制委員会において、令和5年度第4四半期の原子力規制検査結果が報告され、次のことについて、安全重要度「緑」、深刻度の評価「SLIV(通知なし)」(注1)と判断されました。
概要
通常運転中の川内原子力発電所1号機において、建屋内の火災区画の床面にある機器搬入口の開口部蓋が取り外され、階下の室内との火災区画の耐火壁による分離ができていない状態で常時監視する火災監視員が不在であったことが確認されました。
本事象について、「通常運転中、開口部蓋を開放している状態において、常時火災を監視する体制が維持できなかったことは、自主基準の要求事項を満足していない。また、開口部蓋は重量物であることから火災発生時に短時間で確実に復旧する具体的な手順の検討に至っていない。」旨の指摘を受けました。
この指摘を受け、開口部蓋の取り外しの際は、火災監視員を確実に配置し常時監視すること等を社内規定に明記しました。また、開口部蓋を手動で直ちに復旧可能な構造の蓋に交換することとしています。
(注1) 安全重要度「緑」とは、検査指摘事項が、安全確保の機能又は性能への影響があるが限定的かつ極めて小さなものであり、事業者の改善措置活動により改善が見込める水準であるという評価結果をいう。
SL(Severity Level)は、検査指摘事項に対して、原子力規制庁が必要に応じて講じる規制対応措置(原子炉等規制法に基づく措置命令、行政指導など)を決定するために、原子力安全に係る重要度評価とは別に評価される深刻度レベルであり、SLIV(通知なし)は最も深刻度が低く、原子力規制庁による規制対応措置が不要なもの。