見解1
現在の原子力発電所でのプルトニウムの燃焼について
広告内容
原発の設計時には考えていなかったため、様々な対策をしなければ運転をすることができません。
当社見解
ウラン燃料のみを使っている現在の原子力発電所においても、運転につれてウランから生成されるプルトニウムが燃焼し、発電量の約3割がこのプルトニウムの燃焼によるものとなっています(プルサーマルでは、発電量の約5割)。玄海原子力発電所においては、当初からMOX燃料を使うという国の許可は取得しておりませんが、原子力発電所の設計に当っては、ウランから生成されるプルトニウムの燃焼についても考慮しています。プルサーマルについては、現在の運転の延長線上にあるものであり、プルトニウムの燃焼自体は、新しいことではありません。
原子力安全委員会は1995年に報告書をまとめ、MOX燃料が原子炉に使われる燃料の3分の1程度、核分裂性プルトニウム富化度(注1)がペレット最大で約8%(プルトニウム含有率(注2)で約13%)、MOX燃料の最高燃焼度45,000MWd/tまでなら、原子炉の中ではMOX燃料の特性、挙動はウラン燃料と大差がなく、従来ウラン燃料炉心に用いている判断基準並びにMOX燃料の特性を適切に取り込んだ安全設計手法、安全評価手法が使えるとしています。玄海3号機でのプルサーマル計画はこの報告書の検討範囲内であり、発電に当っては燃料取替用水タンクのほう素濃度を変更する等の対策は行いますが、現在の設備を変えることなく、これまでと同等の安全性を確保できることを確認しております。さらに、その結果は国の安全審査によっても確認されています。
(注1)核分裂性プルトニウム富化度:MOX燃料中に含まれる核分裂しやすいプルトニウムの割合
(注2)プルトニウム含有率:MOX燃料中に含まれる総プルトニウム(核分裂しやすいプルトニウムと核分裂しにくいプルトニウムの和)の割合
図:プルトニウムによる発電割合の比較
現在の原子力発電 ウランによる発電量70%、プルトニウムによる発電量30% → プルサーマル ウランによる発電量50%、プルトニウムによる発電量50%