研究
藤田医科大学と順天堂大学が医科系大学主導の医療情報コンソーシアムを設立
─デジタル大臣、厚生労働省医務技監のご臨席のもと、2大学間で幹事大学協定を締結─
本学と順天堂大学は、全国共通の医療情報基盤の整備・実装に向け、両大学を幹事とする共同事業体「HDAC(Health Data Architecture Consortium)」を設立。8月28日、都内において両大学の幹部らが出席し、医療情報システムの標準化に協力して取り組むことで合意しました。協定締結式には、平将明デジタル大臣および迫井正深厚生労働省医務技監にもご臨席いただき、本取り組みへ対する期待の言葉を賜りました。
欧米に比べ、日本の医療DXは大きく立ち遅れており、コロナ禍では医療機関間で情報が共有できず、治療やワクチン提供に大きな課題を残しました。今回のコンソーシアム設立は、こうした課題に対し、医学系のアカデミアが主導して産官学を結集する新たなアーキテクチャ(システムの骨組み)を構築し、膨大な医療情報をより安全かつ効率的に活用することで、国民の健康寿命の延伸および持続可能な医療体制の構築に寄与することを目的としています。
HDAC幹事大学協定締結式にて。(左から)学校法人藤田学園 湯澤由紀夫副理事長、星長清隆理事長、平将明デジタル大臣、村井純 藤田医科大学ヘルスデータアーキテクチャセンター長/慶應義塾大学特別特区特任教授、迫井正深厚生労働省医務技監、学校法人順天堂 新井一理事長補佐
コンソーシアムでは、藤田医科大学が企業と共同で開発し、他病院にも導入が始まった「FR-Hub」(FirstReal-Hub)と呼ばれるシステムを活用します。本システムは、異なる機関やベンターの壁を越えたインターオペラビリティ(相互運用性)を有することが特長で、今後は「FR-Hub」の機能を拡張したアーキテクチャを設計し、全国の医療機関で共有することをめざします。
HDAC(Health Data Architecture Consortium)の概要
組織体制
- FoundingChair(創立議長):村井 純(慶應義塾大学 特別特区特任教授/藤田医科大学ヘルスデータアーキテクチャセンター長)
- 幹事大学:順天堂大学、藤田医科大学
- 参画予定機関:医療機関、大学、IT企業、AIベンダー、医療機器メーカー等
設立の目的
- 日本全体の医療情報アーキテクチャの標準化に向けた設計思想と実装モデルの提示
- 臨床と研究の双方の現場で活用することが可能なインターオペラビリティ基盤の構築
- 医療情報の安心・安全・効率的な流通による国民の健康価値向上と社会還元
- 学術・行政・産業の共創による次世代医療のインフラ・制度の構築
- 我が国の健康・医療分野が先導するAIを前提としたデジタル社会の実現