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Alpine Linux

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Alpine Linux
Alpine-xfceの英語版。
開発者 Alpine Linux Development Team
OSの系統
開発状況 開発中
ソースモデル オープンソース
最新安定版 3.22.0[1]  ウィキデータを編集 - 2025年5月30日 (5か月前)
リポジトリ ウィキデータを編集
対象市場
使用できる言語 多言語
パッケージ管理 APK
プラットフォーム
カーネル種別 モノリシックカーネル
ユーザランド BusyBox (オプション: GNU Core Utilities)
既定のUI コマンドラインインタフェース (CLI)
ライセンス 自由ソフトウェアライセンス
先行品 不明
後続品 無し。
ウェブサイト www.alpinelinux.org ウィキデータを編集
サポート状況
サポート中です。
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Alpine Linux (アルパイン・リナックス) は、muslBusyBoxをベースとしたLinuxディストリビューションである[2] セキュリティ・シンプルさ・リソース効率を重視するパワーユーザー向けに設計されている[3] [4] [5] [6] 。Alpine Linuxではgrsecurity/PaXを適用したLinuxカーネルを使用しており、全てのユーザ空間 バイナリスタックスマッシング保護 (英語版) (英語: stack-smashing protection、SSP) 付きの位置独立実行ファイル (PIE) としてコンパイルされている[2]

Alpine LinuxはmuslとBusyBoxを利用して構築されており、従来のLinuxディストリビューションと比較してLXCインストールに必要なストレージ容量が小型化されている。リソース効率が向上しており、起動時間が短縮されている[7]

postmarketOSはAlpine Linuxからフォークしたモバイルオペレーティングシステムである[8]

歴史

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Alpine LinuxはLEAF Project (英語版)からフォークしたプロジェクトである[9] 。LEAF Projectでは単一のフロッピーディスクに収まるLinuxディストリビューションの開発を行っていたが、Alpine LinuxではSquidSambaなどのより重いソフトウェアや、セキュリティ機能や新しいカーネルの追加を行いたいと考えていた。最初の目標の1つは、より大規模なシステム用のフレームワークの開発であった。この目標は既に達成されており、現在では主要な目標ではなくなっている。

バージョン履歴

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バージョン リリース日[10] サポート期限[11] カーネルバージョン
サポート終了:2.0 000000002010-08-16-00002010年8月16日 000000002012-04-01-00002012年4月1日 N/A
サポート終了:2.1 000000002010-11-01-00002010年11月1日 000000002012-11-01-00002012年11月1日 N/A
サポート終了:2.2 000000002011-05-03-00002011年5月3日 000000002013-05-01-00002013年5月1日 N/A
サポート終了:2.3 000000002011-11-01-00002011年11月1日 000000002013-11-01-00002013年11月1日 N/A
サポート終了:2.4 000000002012-05-02-00002012年5月2日 000000002014-05-01-00002014年5月1日 N/A
サポート終了:2.5 000000002012-11-07-00002012年11月7日 000000002014-11-01-00002014年11月1日 N/A
サポート終了:2.6 000000002013-05-17-00002013年5月17日 000000002015-05-01-00002015年5月1日 N/A
サポート終了:2.7 000000002013-11-08-00002013年11月8日 000000002015-11-01-00002015年11月1日 N/A
サポート終了:3.0 000000002014-06-04-00002014年6月4日 000000002016-05-01-00002016年5月1日 N/A
サポート終了:3.1 000000002014-12-10-00002014年12月10日 000000002016-11-01-00002016年11月1日 N/A
サポート終了:3.2 000000002015-05-26-00002015年5月26日 000000002017-05-01-00002017年5月1日 3.18.xx
サポート終了:3.3 000000002016-01-06-00002016年1月6日 000000002017-11-01-00002017年11月1日 4.1.xx
サポート終了:3.4 000000002016-05-31-00002016年5月31日 000000002018-05-01-00002018年5月1日 4.4.xx
サポート終了:3.5 000000002016-12-22-00002016年12月22日 000000002018-11-01-00002018年11月1日 4.4.xx
サポート終了:3.6 000000002017-05-24-00002017年5月24日 000000002019-05-01-00002019年5月1日 4.9.xx
サポート終了:3.7 000000002017-11-30-00002017年11月30日 000000002019-11-01-00002019年11月1日 4.9.xx
サポート終了:3.8 000000002018-06-26-00002018年6月26日 000000002020-05-01-00002020年5月1日 4.14.xx
サポート終了:3.9 000000002019-01-29-00002019年1月29日 000000002021-01-01-00002021年1月1日 4.19.xx
サポート終了:3.10 000000002019-06-19-00002019年6月19日 000000002021-05-01-00002021年5月1日 4.19.xx
サポート終了:3.11 000000002019-12-19-00002019年12月19日 000000002021-11-01-00002021年11月1日 5.4.xx
サポート終了:3.12 000000002020-05-29-00002020年5月29日 000000002022-05-01-00002022年5月1日 5.4.xx
サポート終了:3.13 000000002021-01-14-00002021年1月14日 000000002022-11-01-00002022年11月1日 5.10.xx
サポート終了:3.14 000000002021-06-15-00002021年6月15日 000000002023-05-01-00002023年5月1日 5.10.xx
サポート終了:3.15 000000002021-11-24-00002021年11月24日 000000002023-11-01-00002023年11月1日 5.15.xx
サポート中:3.16 000000002022-05-23-00002022年5月23日 000000002024-06-23-00002024年6月23日 5.15.xx
サポート中:3.17 000000002022-11-22-00002022年11月22日 000000002024-11-22-00002024年11月22日 5.15.xx
サポート中:3.18 000000002023-05-09-00002023年5月9日 000000002025-05-09-00002025年5月9日 6.1.xx
現行バージョン:3.19 000000002023-12-07-00002023年12月7日 000000002025-11-01-00002025年11月1日 6.6.xx
最新プレビュー版:edge ローリングリリース N/A N/A
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース

特徴

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  • Alpine Linuxは独自のパッケージ管理システムとしてAPKを採用している。最初の頃はシェルスクリプトによって書かれていたが[12] 、現在はC言語によって書き直されている[13] GNOMEFFmpegMozilla Firefoxなどが利用できる[14]
  • Alpine LinuxはRAMディスク オペレーティングシステムとしてインストールすることができる。このときにlbuを利用することにより、変更した設定ファイルバックアップを行うことができる。デフォルトの動作では、/etc以下が変更された場合に、tar.gz アーカイブが作成される[15]
  • 強化されたカーネルがデフォルトのカーネルに含まれているので、悪用や脆弱性の影響を軽減することができる。全てのユーザ空間バイナリがスタックスマッシング保護付きの位置独立実行ファイルとしてコンパイルされるので、バッファオーバーフローの影響を軽減することができる。
  • Alpine LinuxはデフォルトでDMVPNを利用して効率的なメッシュ化VPNが利用可能なパッチを含む唯一のLinuxディストリビューションである。
  • Alpine LinuxはXenの最新版に確実に対応しており、商用ディストリビューションで経験した問題は発生しない。また、KVMにも対応している。
  • Alpine Linuxのベースシステムは4 - 5 MB (カーネルを除く) に収まるように設計されている。コンテナは8 MB以内に収まるようになっており、最小インストールには130 MBが必要となっている[2] 。Linuxカーネルはこれよりも遥かに大きく、カーネル 3.18.16では基本的なx86-64 カーネルイメージの3.3 MBに加えて、121 MBのカーネルモジュールが含まれている (主にデバイスドライバ)。
  • Alpine Configuration Framework (ACF) はAlpine Linuxデバイスの設定を行うためのアプリケーションである。Debiandebconfと同じような目標を持っている。Luaをベースとした標準的なフレームワークである。
  • Alpine Linuxでは一般的に利用されているGNU Cライブラリではなく、標準CライブラリとしてuClibcを利用していた。uClibcはより軽量だが、GNU Cライブラリとの互換性がないという重大な欠点がある。このことによって、全てのソフトウェアをコンパイルして、uClibcで正常に動作するのかを確認する必要があった。現在では、標準CライブラリはGNU Cライブラリとのバイナリ互換性があるmuslに切り替えられている[16] [17]
  • Alpine Linuxではinitとしてシンプルかつ軽量なOpenRCを利用している[18] Arch LinuxCentOS・Debian・openSUSEUbuntuなどのその他のLinuxディストリビューションとは異なり、systemdは利用していない。

脚注

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  1. ^ "Alpine 3.22.0 released" (2025年5月30日). 2025年6月1日閲覧。
  2. ^ a b c "about". alpinelinux.org. 2018年10月17日閲覧。
  3. ^ Steven Nunez (2017年7月10日). "Review: Alpine Linux is made for Docker". 2018年10月17日閲覧。
  4. ^ Marius Nestor (2017年12月4日). "Security-Oriented Alpine Linux 3.7 Has UEFI Support, GRUB Support in Installer". 2018年10月17日閲覧。
  5. ^ "10 Most Secure Linux Distros For Complete Privacy & Anonymity | 2017 Edition". Fossbytes (2017年11月8日). 2018年10月17日閲覧。
  6. ^ Katherine Noyes (2016年2月9日). "Is Docker ditching Ubuntu Linux? Confusion reigns". 2018年10月17日閲覧。
  7. ^ Swapnil Bhartiya (2017年3月28日). "Meet Alpine Linux, Docker’s Distribution of Choice for Containers". 2018年10月17日閲覧。
  8. ^ "postmarketOS". postmarketos.org. 2018年10月17日閲覧。
  9. ^ "Alpine Linux:Glossary". alpinelinux.org. 2018年10月17日閲覧。
  10. ^ "News archive". alpinelinux.org. 2021年11月25日閲覧。
  11. ^ "Alpine release branches". alpinelinux.org. 2021年11月25日閲覧。
  12. ^ "apk-tools". SourceForge.net. 2018年10月18日閲覧。
  13. ^ "apk-tools". alpinelinux.org. 2018年10月18日閲覧。
  14. ^ "Alpine Linux packages". alpinelinux.org. 2018年10月18日閲覧。
  15. ^ "Alpine local backup". alpinelinux.org. 2018年10月18日閲覧。
  16. ^ "Alpine 3.0.0 released". alpinelinux.org. 2018年10月18日閲覧。
  17. ^ "musl FAQ". musl-libc.org. 2018年10月18日閲覧。
  18. ^ "Alpine Linux Init System". alpinelinux.org. 2018年10月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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