餅鉄
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餅鉄(べいてつ、もちてつ)は、河川に流されて磨耗し、円礫状になった磁鉄鉱(Fe3O4)のこと[1] 。こうした円礫状磁鉄鉱はその形状から餅鉄とも呼ばれ[2] 、土地の人からはベエ鉄ともベン鉄とも、また「まぐろ」や「ばふんてつ」とも呼ばれる[1] 。
概要
[編集 ]磁鉄鉱の産出地域の川の川原や山中にころがっていて、同じところにあつまっているわけではない。形状は川原の小石と変わるところはないが、色は黒く、持ってみると明らかに石より重い[3] 。磁鉄鉱なので磁石につく[1] 。
かつてたたら製鉄などの古代製鉄において、砂鉄と並ぶ重要な原料として盛んに採集、利用され、日本刀の材料にもなる[4] 。成分は60 %以上が酸化鉄で、砂鉄より不純物が少なく鉄にしやすいといわれる[5] 。
産地としては岩手県 釜石市が有名[1] 、ほかに新潟県 新発田市にもわずかに埋蔵する。
関連項目
[編集 ]参考文献
[編集 ]- 飯田賢一「餅鉄の語りかけるもの」『東京工大クロニクル』Oct.第128号、東京工業大学広報委員会、1980年、4-6頁、ISSN 09157050、NAID 10010183530、NCID AN1013906X、OCLC 673379149、NDLJP:8207982、2023年6月4日閲覧。
- 田口勇、斎藤努、江鹿立男「11 鉱物分析-天神原遺跡出土遺物の鉱物学的調査-」『中野谷地区遺跡群 : 県営畑地帯総合土地改良事業横野平地区に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書』、安中市教育委員会、1994年、91-102頁、doi:10.24484/sitereports.60913、NCID BN12106219、OCLC 704121476、国立国会図書館書誌ID:000002397561、2023年6月4日閲覧。
- 渡辺一夫『日本の石ころ標本箱 : 川原・海辺・山の石ころ採集ポイントがわかる』誠文堂新光社、2013年、36頁。ISBN 9784416113295。 NCID BB12786924。OCLC 855421157。国立国会図書館書誌ID:024575146 。https://books.google.co.jp/books?id=9qJKDQAAQBAJ&pg=PT36#v=onepage&q&f=false 。2023年6月4日閲覧。
- 境智洋『教材用小型たたら製鉄炉の研究開発及びその成果を活用した製鉄実習がもつ教科教育との連携効果の検証』 甲第、12373号、北海道大学、2016年、1-111頁。doi:10.14943/doctoral.k12373。 NAID 500001007054。OCLC 1199053084。NDLJP:10300264 。https://doi.org/10.14943/doctoral.k12373 。2023年6月4日閲覧。
外部リンク
[編集 ]- てっぱんかまいし『釜石てっぱんマップ』釜石スイミンシャ事務所、2018年、1頁。https://www.thr.mlit.go.jp/road/fukkou/content/mkproject/iwate/data/04teppan.pdf 。2023年6月4日閲覧。
脚注
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