コンテンツにスキップ
Wikipedia

言語霊感

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(逐語霊感説から転送)

言語霊感(げんごれいかん、バーバル・インスピレーション、verbal inspiration)とは、聖書の霊感が思想だけではなく、言葉に及んでいるとする聖書の霊感説である。言語霊感説と対極をなす霊感説は思想霊感説である。

聖書観

[編集 ]

この語は逐語霊感(ちくごれいかん)と訳されることもあったが[1] 機械霊感(mechanical inspiration)と混同され非難される場合があるので、日本の福音派では、逐語霊感と訳さず、言語霊感と訳すようにすすめられている[2] 高倉徳太郎も言語霊感と機械霊感を同一視しており[3] [4] 、混同が指摘されている[5] 福音派は言語霊感の立場をとるが、機械霊感説を退けている。[6] [7]

思想は言葉を媒介されなければ表現されず、霊感と言葉は結びついているため、思想霊感では講解説教が出来ないと指摘される。[8]

聖書信仰では十全霊感とあわせて言語十全霊感と呼ばれる。言語霊感は福音主義の伝統的立場である[9]

批判

[編集 ]

自由主義神学カール・バルトらの新正統主義は、言語霊感の立場をとらない。カール・バルトは、『教会教義学』(1・二)で、言語霊感は聖書を「神託の書物」にする「魔術的・機械的物化」だとして非難している。[10]

植村正久は『宣言若しくは信条』で言語霊感を逐語霊示と呼び、「文字崇拝の聖書推尊説」としてこれを拒否している[11]

脚注

[編集 ]
  1. ^ 角田桂嶽によるジョン・グレッサム・メイチェンの古い翻訳書などは逐語霊感と訳している。
  2. ^ 『神の言葉である聖書』p.76
  3. ^ 高倉徳太郎『オーソドクシーおよび福音主義の本質』
  4. ^ 佐藤敏夫『高倉徳太郎とその時代』
  5. ^ 『福音主義キリスト教と福音派』p.163
  6. ^ 『神の言葉である聖書』
  7. ^ 『現代福音主義神学』
  8. ^ 『聖書の教理』
  9. ^ 『現代福音主義神学』p.249
  10. ^ カール・バルト『教会教義学』新教出版社
  11. ^ 『福音主義キリスト教と福音派』p.159

関連項目

[編集 ]

参考文献

[編集 ]
指導者
ルーツ
松江バンド
ホーリネス
米国 メソジスト
自由メソジスト教会
救世軍
福音伝道教団
日本イエス・キリスト教団
日本アライアンス教団
ナザレン、その他
教団
ホーリネス
バックストン
聖公会

聖イエス会(1946- ) - 日本救世軍(1895 - )

米国 メソジスト
アライアンス
組織
団体
神学校
神学
関連事項
キリスト教ポータル
理事長

初代・泉田昭 - 第2代・山口昇 - 第3代・藤本栄造 - 第4代・舟喜信 - 第5代・吉持章 - 第6代・蔦田公義 -
第7代・小川国光 - 第8代・峯野龍弘 - 第9代・中島秀一

会員
きよめ派
バプテスト
メノナイト
ルーテル教会
長老派
カベナント教会
アドベント教会
アライアンス
ペンテコステ派
合同教会
独立系
単立教会
協力会員
出版・メディア
教育・訓練
伝道団体
福祉団体
超教派協力団体
研究所
創立会員
宣教会議
誓約、宣言、声明
聖書観
関連事項

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /