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藤原岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
藤原岳
二之瀬から望む春の藤原岳
標高 1,144[注釈 1] m
所在地 日本の旗 日本
三重県 いなべ市
滋賀県 東近江市
位置 北緯35度09分31秒 東経136度27分10秒 / 北緯35.15861度 東経136.45278度 / 35.15861; 136.45278 座標: 北緯35度09分31秒 東経136度27分10秒 / 北緯35.15861度 東経136.45278度 / 35.15861; 136.45278
山系 鈴鹿山脈
種類 堆積岩(石灰岩)
藤原岳の位置
プロジェクト 山
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藤原岳(ふじわらだけ)は鈴鹿国定公園三重県 いなべ市滋賀県 東近江市との境界にある標高1,144m [注釈 1] 鈴鹿山脈の北部に位置し、日本三百名山及び関西百名山花の百名山に選定されている。

概要

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三重県側は太平洋セメント藤原鉱山となっており、石灰石が山容が変わるほど採掘されている。山頂は比較的平坦であり、山頂及びその北西にある標高1,171mの天狗岩は展望地となっている。南には竜ヶ岳をはじめとする鈴鹿山脈の山々を望むことができる。また周辺はフクジュソウセツブンソウなどの群生地で、花の百名山 [1] 及び新・花の百名山 [2] に選定されている。また、東近江市が市政10周年を記念して2015年(平成27年)9月に選定した鈴鹿10座の一座でもある[3] 。特に、春先の花のシーズンには多くのハイカーが訪れる[4]

気候

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藤原岳周辺は、伊勢湾に近いため、太平洋側の気候である。冬には、北西の季節風により、日本海から雪雲が流れ込み、山頂部は積雪する。

藤原スキー場

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1931年(昭和6年)三岐鉄道 三岐線の開業と共に、藤原岳山頂部に藤原スキー場がオープンした。戦時中一時期は途絶えていた[5] 1953年(昭和28年)に、三岐鉄道が8合目までの滑走コース、登山道の改修や藤原山荘の建設を行った[注釈 2] [6] 。同年2月に再オープンし、スキー場開きには高松宮が招かれた[5] 。当時の藤原山荘管理人によると、山荘は食事付きで100人ほどが泊まれ、日曜日など多いときには1,000人ほどのスキーヤーで賑わったという。山荘に貸しスキーがあったものの、初心者以外は、麓から担ぎ上げる人が多かったという[5] 。1966年(昭和41年)に、三岐鉄道により2号目付近から8合目付近を結ぶ延長1271mの都山リフトの建設が計画されたが、着工には至らなかった[6] 。現在、藤原山荘(避難小屋)と、トイレが建っている。

登山コース

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三重県側のいなべ市には、表道と裏道の登山道があり、両道は八合目で合流する。三岐鉄道 西藤原駅周辺、または聖宝寺が登山口となっている。滋賀県側から登られることは少ない。「鈴鹿セブンマウンテン[注釈 3] に選定されている。表道と裏道の登山道がよく利用されている。9合目のさらに上には藤原山荘がある。 藤原山荘から北側の縦走路の少し西にある天狗岩(標高1,171m)と藤原岳の両方に登る例もある。

  • 表道(大貝戸道)登山口には、いなべ市が整備した、休憩所と駐車場がある。休憩所にはトイレと休憩室と靴洗い場がある。
  • 裏道(聖宝寺道)登山口の少し上には聖宝寺があり、登山道の名称は、このお寺が由来となっている。豪雨により登山道が崩れ、一部に迂回路が設けられている。
    • なお、裏道(聖宝寺道)は2011年(平成23年)11月現在通行止めになっている。通行再開は、2013年(平成25年)春頃の見込み。
  • 縦走コース(北側)鞍掛峠から、近くの御池岳を経由して縦走する例がある。
  • 縦走コース(南側)治田峠から、縦走する例がある。

以下は、上級者向けのバリエーションコースで、坂本谷道は通行禁止となっている。

  • 木和田尾(バリエションコース)送電線巡視路
  • 丸尾(バリエションコース) 寒川の小ピークを通る尾根道
  • 西尾根(バリエションコース)
  • 孫太尾根(バリエションコース)
  • 坂本谷道(土石流で登山道崩壊のため通行禁止)実質的廃道化。

地理

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三重県側から望む竜ヶ岳(左)と藤原岳(右)
山頂からの北側の展望
雪面の山腹には藤原山荘
遠景は伊吹山能郷白山白山

周辺の山

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鈴鹿山脈の主稜線上にあり、北側には鈴北岳、南側には竜ヶ岳がある。

山容 山名 標高
(m)
三角点等級
基準点名[7]
藤原岳からの
方角と距離(km)
備考
養老山 859.31 二等
「養老山」
北東 13.3 養老山地
御池岳 1,247 北西 4.1 鈴鹿山脈最高峰
天狗岩 1,171 北西 1.1
藤原岳 1,144 (標高未確定) 0 日本三百名山
竜ヶ岳 1,099.26 二等
「竜ケ岳」
南 4.4
釈迦ヶ岳 1,091.89 三等
「釈迦ケ岳」
南 10.4
御在所岳 1,212 (一等)
「御在所山」1,091.37
南 15.7 日本二百名山
員弁川に映る藤原岳

源流の河川

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以下の源流となる河川は、琵琶湖及び伊勢湾へ流れる。

交通・アクセス

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脚注

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注釈

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  1. ^ a b 文献によっては標高1,120m程度と記載されているものもある。山頂付近にも標高1,120mと記した標がある。しかし国土地理院発行の地形図では山頂付近に1,140mの等高線が描かれていることから、1,140mよりも高いことは確実である。ただし1,140〜1,142mなどと表記する例もあるため、ここで掲げた数字もあくまで参考程度である。
  2. ^ 久居駐屯の自衛隊に、伐採演習の名目で作業を依頼したという。
  3. ^ 1964年(昭和39年)に、近畿日本鉄道が中心となり、鈴鹿セブンマウンテン登山大会が始まり、34年間続いた。

出典

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  1. ^ 田中澄江の著書『花の百名山』(文春文庫ISBN 4-16-352790-7)
  2. ^ 田中澄江の著書『新・花の百名山』(文春文庫、ISBN 4-16-731304-9)
  3. ^ "滋賀県におけるエコツーリズムの推進について". 滋賀県議会 琵琶湖環境対策特別委員会. p. 6. 2025年2月15日閲覧。
  4. ^ "藤原岳(観光情報)". いなべ市. 2011年3月20日閲覧。
  5. ^ a b c 読売新聞中部本社社会部編著『東海の百山(前編)』2010年1月30日閲覧
  6. ^ a b 『三岐鉄道50年の歩み』三岐鉄道株式会社、1981年7月23日、90-91頁。 
  7. ^ "基準点成果等閲覧サービス". 国土地理院. 2011年3月20日閲覧。

関連図書

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関連項目

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ウィキメディア・コモンズには、藤原岳 に関連するカテゴリがあります。

外部リンク

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