榎木英介
榎木 英介(えのき えいすけ、1971年〈昭和46年〉10月16日 - )は、日本の病理医。博士(医学)(論文博士)[1] 。若手研究者のキャリア問題や、医療のあり方を考える活動を行っている。著書『博士漂流時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)にて科学ジャーナリスト賞2011を受賞[2] 。
来歴・人物
[編集 ]1971年、神奈川県 横浜市生まれ。 神奈川県立柏陽高等学校を卒業後、早稲田大学 理工学部 応用化学科に入学するも仮面浪人をして東京大学理科二類に進学[3] 。1995年に東京大学 理学部 生物学科 動物学専攻を卒業後、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻に進学(指導教官:総合文化研究科浅島誠教授)。博士課程を中退後、神戸大学 医学部 医学科に学士編入学。医学の学業とともに、山村博平教授(現名誉教授)のもとで生化学の研究を行う。2004年卒業、医師免許取得。2006年、博士(医学)の学位を取得[1] 。
2009年 神戸大学医学部附属病院特定助教。兵庫県赤穂市民病院にて一人病理医として勤務の後、2011年8月からは近畿大学医学部病理学教室医学部講師。2015年4月から近畿大学医学部附属病院臨床研究センター講師として研究倫理教育を担当。病理学教室、病理診断科も兼任しており、病理診断、医学教育も行う。2019年から2020年まで赤穂市民病院で勤務し、その後はフリーの病理医として活動[4] 。病理専門医、細胞診専門医。
2003年、NPO法人サイエンス・コミュニケーションを設立し、代表理事に就任(2009年まで。2010年11月退会)。病理診断医としての仕事の傍ら、自身が研究者としてのキャリアに迷い方向転換したこともあり、若手研究者のキャリア問題を考える活動を行っている。また、女子中高生のための科学塾への参加など、科学技術コミュニケーションに関する活動も続けている。2010年には任意団体サイエンス・サポート・アソシエーション[5] を新たに立ち上げ、科学・技術政策の在り方を考える活動を開始している。このほか、一般社団法人 全国医師連盟 [6] 理事をつとめる。
主な著作
[編集 ]博士学位論文
[編集 ]- 『The phenoxazine derivative Phx-1 suppresses IgE-mediated degranulation in rat basophilic leukemia RBL-2H3 cells』学位論文(神戸大学乙第2877号)、2006年3月20日、NAID 500000350909。
単著
[編集 ]- 『博士漂流時代 ―「余った博士」はどうなるか?―』ディスカヴァー・トゥエンティワン〈DIS+COVERサイエンス 005〉、2011年、ISBN 9784887598607。
- 『医者ムラの真実』ディスカヴァー・トゥエンティワン〈ディスカバー携書 111〉、2013年10月、ISBN 9784799313992。
- 『嘘と絶望の生命科学』文藝春秋〈文春新書 986〉、2014年7月、ISBN 9784166609864。
- 『病理医が明かす死因のホント』日経BP日本経済新聞出版本部〈日経プレミアシリーズ 454〉、2021年5月、ISBN 9784532264543。
共著・編著
[編集 ]- 近藤武史、榎木英介『わたしの病気は何ですか? ― 病理診断科への招待 ―』岩波書店〈岩波科学ライブラリー 177〉、2010年12月、ISBN 9784000295772。
- 榎木英介 編著『研究不正と歪んだ科学 ― STAP細胞事件を超えて ―』日本評論社、2019年11月、ISBN 9784535787674。
解説・論説
[編集 ]- 「発生生物学的アプローチによる人工臓器の形成」『人工臓器』第26巻第4号、1997年8月、849-857頁、浅島誠との共著。
- 「研究倫理問題 現状と課題 ― 科学研究の不正行為を中心に ―」『神戸大学医学部神緑会学術誌』第23号、2007年8月、118-121頁。
- 「なぜ我々は AAAS に注目するのか」『科学技術コミュニケーション』第2号、2007年9月、49-55頁。
- 「ポスドク問題 ― 現状と課題 ―」『日本物理学会誌』第62巻第12号、2007年12月、950-953頁、NCID AA11527084、CRID 1520853832156913152。
- 「生命科学の研究倫理 ― なぜ不正が絶えないのか?」『Keio SFC journal』第15巻第1号、2015年、340-362頁。
- 「科学の事件は社会からどう見られているか ―「中間的な専門家」の必要性 ―」『科学技術コミュニケーション』第18号、2015年12月、109-115頁。
- 「医学・生命科学における研究不正の現状と研究公正に向けた取り組み」『近畿大学医学雑誌』第42巻第3-4号、2017年2月、9A-17A頁、NCID AN00063584、CRID 1050001202540312320。
- 「日本における研究不正の実例とメディアでの取り上げられ方」『YAKUGAKU ZASSHI』第138巻第4号、2018年、459-464頁。
主な受賞歴
[編集 ]- 2005年 - 柿内賢信記念賞研究助成金「実践賞」 - 受賞テーマ「日本の科学技術政策形成における非営利組織の役割」[7]
- 2011年 - 日本科学技術ジャーナリスト会議「科学ジャーナリスト賞2011」 - 受賞作『博士漂流時代』[2]
脚注
[編集 ]- ^ a b 榎木 2006.
- ^ a b "科学ジャーナリスト賞2011". 日本科学技術ジャーナリスト会議. 2021年6月12日(UTC)閲覧。
- ^ "榎木英介について". 病理医、科学・医療ウォッチャー榎木英介. 2021年12月1日閲覧。
- ^ "榎木 英介 (Eisuke Enoki)". researchmap. (2021年5月23日) 2021年6月12日(UTC)閲覧。
- ^ http://sci-support.org/
- ^ http://zennirenn.com/
- ^ "2005年度柿内賢信記念賞研究助成金の選考結果について(講評)". 科学技術社会論学会. (2005年11月13日) 2021年度6月12日(UTC)閲覧。
外部リンク
[編集 ]- 榎木英介 - researchmap
- 榎木英介のサイエンス&メディカルニュースウォッチ - 個人 - Yahoo!ニュース
- 榎木英介 (@enodon) - X(旧Twitter)
- 榎木英介 (enodon) - Facebook
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