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ロシア戦略ロケット軍

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(戦略ロケット軍から転送)
ロシア戦略ロケット軍
創設 1959年12月17日
所属政体 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦/ロシアの旗 ロシア
兵種/任務 ロケット軍
所在地 ru:Власиха (Московская область)モスクワ州 (本部)
標語 После нас - тишина
私たちの後は沈黙
上級単位 ロシア連邦軍
戦歴
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ロシア戦略ロケット軍(ロシアせんりゃくロケットぐん、ロシア語:Ракетные войска стратегического назначения、略称:РВСН英語: Strategic Missile Forces of the Russian Federation)は、ロシア連邦の軍事組織のひとつである。ロシア連邦軍の独立兵科の一つであり、ロシア連邦軍の戦略核兵器戦力の主力となっている。任務は、侵略の核抑止並びに敵の軍事・経済施設に対する核ミサイル打撃による撃破である。

日本語翻訳名としては、戦略ロケット軍のほか戦略ミサイル軍と表記されることもある。ロシア語名称の直訳は、戦略任務ロケット軍となる。

「ロケット軍」と表記されることが多いが、実際には宇宙関係の任務を行うわけではない。これは、ロシア語においてミサイルロケットも同じ単語「ラケータ」(ракетаラキェータ;rakyeta)で表されるためであり、ロシアには、弾道ミサイルの警戒や人工衛星の開発・運用など宇宙関係の任務を行うロシア宇宙軍が別に存在する。弾道弾攻撃を担当するので「ミサイル軍」の表現の方が性格としては正しい。

歴史

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1959年12月17日、ソ連閣僚会議決定に従い、独立軍種としての戦略ロケット軍創設。同年12月31日、編成完結。

1960年、部隊戦闘当直規程施行。1960 - 1961年、ロケット軍団師団旅団連隊大隊の建制が確立。R-16R-9A (英語版)を装備。

1965年 - 1973年RS-10 (ロシア語版)RS-12 (ロシア語版)R-36を装備。1970年、部隊統制の改善のために、級部隊創設。

1973年 - 1985年サイロ発射型RS-16RS-20A (ロシア語版)RS-20B (ロシア語版)RS-18機動発射型RSD-10(「ピオネール」)を装備。

1985年 - 1992年RS-22(サイロ、鉄道発射型)、RS-20B(サイロ発射型)、RS-12M(機動発射型)を装備。1987年12月に成立した中距離核戦力全廃条約に従い、RSD-10を含むIRBMが廃棄された。

1991年 8月クーデターに反対したユーリ・パブロヴィッチ・マクシモフ司令官はSS24ミサイルSS25ミサイルを駐屯地に帰還させており、前代未聞の措置とされる[1]

1997年宇宙軍、防空軍宇宙ミサイル防衛部隊が軍種としての戦略ロケット軍に統合された。このころの兵員数は約10万人で半数は徴兵されたものであった[2]

2001年6月、宇宙軍が分離され、戦略ロケット軍は独立兵科となる。

組織

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2010年7月現在、戦略ロケット軍は、3個ロケット軍、11個ロケット師団から成り、ミサイル ×ばつ369発、核弾頭 ×ばつ1247発を装備する。

RT-2PM2 "Topol-M"

歴代司令官

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戦略ロケット軍(総)司令官
氏名 階級 在任期間 出身校 前職
ミトロファン・ニェジェーリン 砲兵総元帥 1959.12-1960.10[3] トルケスタン戦線軍事政治課程 特殊兵器担当国防次官
キリル・モスカレンコ ソ連邦元帥 1960.10-1962.4 ハリコフ統合赤指揮官学校 モスクワ軍管区司令官
セルゲイ・ビリュゾフ 1962.4-1963.3 全露中央執行委員会軍事学校 祖国防空軍総司令官
ニコライ・クルイロフ 1963.3-1972.2 歩兵・機関銃課程 モスクワ軍管区司令官
V.トルプコ 砲兵総元帥 1972.4-1985.7
ユーリ・パブロヴィッチ・マクシモフ (ロシア語版) 上級大将 1985.7-1992.8
イーゴリ・セルゲーエフ 1992.8-1997.5 黒海高等海軍学校 戦略ロケット軍副総司令官
ウラジーミル・ヤコヴレフ 1997.6-2001.5 ハリコフ高等軍事指揮・技術学校 戦略ロケット軍参謀総長
ニコライ・ソロフツォフ 大将 2001.6-2009 ロストフ高等指揮・技術学校 戦略ロケット軍アカデミー校長
セルゲイ・カラカエフ 大将 2010.6- 戦略ロケット軍参謀長

出典

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  1. ^ "核ジャックが現実のものに?". ニューズウィーク日本版(1991年9月12日号). TBSブリタニカ. (1991年9月12日). p. 27. 
  2. ^ ミリタリーバランス2000-2001 国際戦略研究所
  3. ^ 同月、R-16ICBMの発射試験を陣頭指揮していた中、発生した爆発事故(ニェジェーリンの大惨事)に巻き込まれて殉職。ただし試験そのものが国家機密だったことから、その死は「非公開任務中に発生した航空機事故によるもの」と処理された(真相公開は1990年)。

関連項目

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外部リンク

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