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三木睦子

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みき むつこ

三木 睦子
1975年
生誕 (1917年07月31日) 1917年 7月31日
日本の旗 日本 千葉県
死没 (2012年07月31日) 2012年 7月31日(95歳没)
日本の旗 日本 東京都
死因 大腸癌
出身校 東京府立第一高等女学校
職業 政治運動家、社会活動家
配偶者 三木武夫()
子供 高橋紀世子(長女)
三木啓史(長男)
森矗昶(父)
親戚 森英介(甥)
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三木 睦子(みき むつこ、1917年(大正6年)7月31日 - 2012年(平成24年)7月31日)は、日本政治運動家、社会活動家。第66代内閣総理大臣 三木武夫の妻。三木事務所代表。 全国発明婦人協会、アジア婦人友好会、国連婦人会の各会長、社団法人中央政策研究所理事、国際教育交流協会理事長など役職多数。旧姓は森。

来歴・人物

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1940年(昭和15年)6月26日、結婚式で武夫と

千葉県出身。森コンツェルン総帥で昭和電工の創業者・森矗昶の次女。この父をはじめ、兄の森曉森清、弟の森美秀、甥の森英介はいずれも衆議院議員に、また長女の高橋紀世子参議院議員になっている政治家一族の出身である。また、姉は元昭和電工社長の安西正夫に嫁いでいる。

東京府立第一高等女学校(現東京都立白鷗高等学校)卒業。1940年(昭和15年)に三木武夫と結婚[1] 、以後三木が亡くなる1988年(昭和63年)まで48年にわたって夫の政治活動を支える。その頃から、保守傍流で自民党内では左よりだった夫よりも「家庭内左派であった」と語っている。

政治問題に対して積極的に発言している。スタンスは「リベラル」寄りで、北朝鮮との友好にも関心が強く、韓国の金大中大統領がノーベル平和賞を受賞した際は「金正日総書記も一緒に受賞して欲しかった」と発言するなど、親北朝鮮の進歩的文化人の1人。金日成と会った最後の日本人であるとされている。

また、2001年(平成13年)に北朝鮮から長年に渡る日朝友好親善への貢献により、 平壌万寿台議事堂で親善勲章第一級を授与されている(日本人女性としては4人目)。南北統一を支援する「アジアの平和と女性の役割」シンポの呼びかけ人のほか、日朝国交促進国民協会副会長、「朝鮮の子どもにタマゴとバナナをおくる会」会長、従軍慰安婦たちへの国家賠償を求めるなど活動は多彩。日本国憲法の改定阻止を訴える「九条の会」、「憲法行脚の会」呼びかけ人の一人である。

2012年7月31日、大腸腫瘍のため東京都内の病院で死去[2] 。95歳没。生没同日であった。

逸話

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  • 元参議院議員で三木武夫・睦子夫妻の長女・高橋紀世子によると、睦子は当初武夫との結婚に二の足を踏んでいた。実家の森家は京葉の大財閥である一方、三木の実家といえば、徳島では有望な農家でも、その貧富の差は歴然としていた。10歳も年上の武夫は代議士とはいえ、政治の一寸先は闇である。そんな睦子に結婚の決心をさせたのは、仲人を引き受けた時の大蔵大臣結城豊太郎の「森も三木も因数分解すれば同じじゃないか。木が三つなんだから。嫁ぐなどと考えずに、同じ家に行くと思えば気が楽でしょう」という一言だった。当時のことを睦子は「わたしは頓知で結婚したのよ」と述懐する[3]
  • 安倍寛(安倍晋三の祖父)とは夫婦揃って親交があった。[4]
  • 夫・武夫を政治の師と仰ぎ政治家を志し、三木武夫内閣内閣官房副長官を務めた海部俊樹を若年の頃からとくに可愛がっていたことは有名で、晩年に至ってもメディアの前では憚らず「俊樹ちゃん、俊樹ちゃん」と愛称で呼ぶ姿が知られた。一方で1989年(平成元年)8月の第15回参議院議員通常選挙の自民党敗北という事態を受けて、海部が周囲の要請を受け自由民主党総裁選挙への出馬を決意した際、これを報告しに来た海部に対し「あなたは気の毒だ。自民党がもう少ししっかりしている状態であれば、死に物狂いでやれというところだが、これでは犬死だ」と厳しい言葉も述べたという[5]

著書

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脚注

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  1. ^ "三木睦子さん死去 95歳 三木元首相の妻、護憲に尽力". 朝日新聞デジタル. (2012年8月3日). https://www.asahi.com/obituaries/intro/TKY201208030376.html 2020年2月11日閲覧。 
  2. ^ 三木睦子さん死去=故三木武夫元首相夫人 時事通信 2012年8月3日閲覧
  3. ^ 参議院議員 黒岩宇洋 ホームページ 2003年8月29日付「活動日記」(閲覧:2007年7月2日13:25JST)
  4. ^ https://web.archive.org/web/20160514034836/http://home.384.jp/kashi/9jowaka/kikansi4/kikansi211.htm [1]
  5. ^ 海部俊樹 (2010). 政治とカネ. 新潮社. p. 25. ISBN 9784106103940  

外部リンク

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