ミゾコウジュ
ミゾコウジュ |
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分類 (APG IV) |
階級なし
:
被子植物 Angiosperms
階級なし
:
キク上類 Superasterids
種
:
ミゾコウジュ S. plebeia
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学名 |
Salvia plebeia R.Br. (1810)[1] |
和名 |
ミゾコウジュ(溝香薷)[2] [3] |
ミゾコウジュ(溝香薷、学名:Salvia plebeia)は、シソ科 アキギリ属の越年草。やや湿った場所に生える。別名、ユキミソウ[2] [3] [4] [5] 。
特徴
[編集 ]茎は四角形で直立し、高さは30-70cmになり、上方で分枝し、稜に下向きの細毛が生える。根出葉はやや大型の長楕円形で、長い葉柄があり、ロゼット状になるが、花期には枯れて存在しない。茎葉は対生し、短い葉柄があり、単葉で長楕円形、長さ3-6cm、幅1-2cm、先端は鈍頭、基部は次第に細まる。葉の縁には鈍い鋸歯があり、表面、裏面ともにまばらに毛が生え、表面の葉脈はへこんで細かいしわがある[2] [3] [4] [5] 。
花期は本州、四国、九州では5-6月、琉球では4月。枝先に花穂を出し、多数の淡紫色の小さい花を段ごとにつける。花穂ははじめ短いが、のちに長さ8-10cmに伸びる。萼は長さ2.5-3mm、唇型に浅く5裂し、花が終わると左右を閉じるが、果時に長さ約4mmになってまた開く。花冠は長さ約5mm、下唇は上唇より大きく、大きい紫色の斑点がある。雄蕊は4個あり、うち2個は花糸が長く、葯隔は前後がほぼ等しく伸び、下部の2個の雄蕊は不稔で互いにつながる。果実は4個の分果で、分果は広楕円体で長さ約0.8mmになる。染色体数2n=16[2] [3] [4] [5] 。
分布と生育環境
[編集 ]日本では、本州、四国、九州、琉球に分布し[2] [3] [4] 、湿った草地、やや湿った道ばた、田の畔、泥地、河原などの裸地的な草地に生育する[3] [4] [5] 。世界では、東アジア、マレーシア、インド、オーストラリアに広く分布する[4] 。
名前の由来
[編集 ]和名 ミゾコウジュは、「溝香薷」の意で、溝のような湿った場所に生え、花序が香薷に似ることによる。香薷とはナギナタコウジュ(薙刀香薷、Elsholtzia ciliate[6] )の類のこと[3] 。
香薷の名がつく日本に分布する植物は、他にスズコウジュ Perillula reptans[7] 、フトボナギナタコウジュ Elsholtzia nipponica[8] 、イヌコウジュ Mosla scabra、ヤエヤマスズコウジュ Suzukia luchuensis[9] などがあり、いずれもシソ科である[10] 。
なお、飯沼慾斎は、1856年(安政3年)に出版された『草木図説』前編20巻中第11巻の「ミゾカウジュ」において、「好テ溝畔ニ生ス.方茎高二尺ニ超エ.葉披針状香薷葉ニ似テ長ク.茎葉共ニ短毛アツテ糙渋」と記載している[11] 。
種小名(種形容語)plebeia は、「普通の」の意味[12] 。
種の保全状況評価
[編集 ]準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[13] 。
- 宮城県-絶滅危惧I類(CR+EN)
- 福島県-情報不足(DD)
- 茨城県-準絶滅危惧
- 栃木県-要注目
- 群馬県-準絶滅危惧(NT)
- 埼玉県-準絶滅危惧(NT)
- 千葉県-一般保護生物(D)
- 東京都-準絶滅危惧(NT)
- 富山県-絶滅危惧I類
- 山梨県-絶滅危惧II類(VU)
- 長野県-絶滅危惧IA類(CR)
- 静岡県-準絶滅危惧(NT)
- 愛知県-国リスト
- 三重県-絶滅危惧II類(VU)
- 滋賀県-希少種
- 京都府-準絶滅危惧種
- 大阪府-準絶滅危惧
- 兵庫県-Cランク
- 奈良県-絶滅危惧種
- 和歌山県-絶滅危惧II類(VU)
- 広島県-準絶滅危惧(NT)
- 山口県-絶滅危惧II類(VU)
- 徳島県-絶滅危惧I類(EN)
- 愛媛県-準絶滅危惧(NT)
- 高知県-準絶滅危惧(NT)
- 福岡県-準絶滅危惧(NT)
- 長崎県-絶滅危惧II類(VU)
- 熊本県-準絶滅危惧(NT)
- 大分県-情報不足(情報不足)
- 宮崎県-準絶滅危(NT-r,g)
- 鹿児島県-準絶滅危惧
- 沖縄県-絶滅危惧II類(VU)
下位分類
[編集 ]シロバナミゾコウジュ Salvia plebeian R.Br. f. leucantha Kawas. (1958)[14] - ミゾコウジュの白花品種。1957年6月、埼玉県 比企郡吉見村(現、吉見町)の廃田の溝のへりで基本種の中から見いだされた[15] 。品種名 leucantha は、「白い花の」の意味[16] 。
ギャラリー
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枝先に花穂を出し、多数の淡紫色の小さい花を段ごとにつける。花冠は下唇は上唇より大きく、大きい紫色の斑点がある。
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萼は唇型に浅く5裂し、花が終わると左右を閉じる。
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萼は果時になってまた開く。
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茎は四角形で直立し、稜に下向きの細毛が生える。茎葉は対生し、短い葉柄があり、単葉で長楕円形、縁には鈍い鋸歯があり、まばらに毛が生え、表面の葉脈はへこんで細かいしわがある。
脚注
[編集 ]- ^ ミゾコウジュ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』p.464
- ^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1081
- ^ a b c d e f 米倉浩司 (2017)『改訂新版 日本の野生植物 5』「シソ科」p.139
- ^ a b c d 村田源 (2015)「ミゾコウジュ」『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.126
- ^ ナギナタコウジュ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ スズコウジュ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ フトボナギナタコウジュ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ヤエヤマスズコウジュ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 米倉浩司 (2017)『改訂新版 日本の野生植物 5』「シソ科」pp.101-143
- ^ 飯沼慾斎 草木図説前編20巻(11)、ミゾカウジュ、コマ番号24/82、国立国会図書館デジタルコレクション-2023年10月22日閲覧
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1508
- ^ ミゾコウジュ、日本のレッドデータ検索システム、2023年10月22日閲覧
- ^ シロバナミゾコウジュ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 川崎哲也「ミゾコウジュの白花品」『植物研究雑誌』第33巻第6号、津村研究所、1958年、174頁、doi:10.51033/jjapbot.33_6_4265。
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1500
参考文献
[編集 ]- 林弥栄初版監修、門田裕一改訂版監修、平野隆久写真、畔上能力他解説『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 矢原徹一他監修『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』、2015年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム
- 飯沼慾斎 草木図説前編20巻(11)、ミゾカウジュ、コマ番号24/82、国立国会図書館デジタルコレクション-2023年10月22日閲覧
- 川崎哲也「ミゾコウジュの白花品」『植物研究雑誌』第33巻第6号、津村研究所、1958年、174頁、doi:10.51033/jjapbot.33_6_4265。
外部リンク
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