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オーデンセ・ライトレール

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オーデンセ・ライトレール
オーデンセ・ライトレール(2022年撮影)
オーデンセ・ライトレール(2022年撮影)
基本情報
デンマークの旗 デンマーク
所在地 オーデンセ
種類 路面電車(ライトレール)
路線網 1系統(2023年現在)[1] [2] [3]
停留場数 26箇所(2023年現在)[1] [2] [4]
開業 2022年 [5] [6] [7]
所有者 オーデンセ市 (デンマーク語版)[8] [3]
運営者 ケオリス (デンマーク語版)[8] [3]
車両基地 1箇所[9]
使用車両 バリオバーン [3]
路線諸元
路線距離 14.5 km[4]
軌間 1,435 mm [10]
電化区間 全区間
電化方式 直流750 V
(架空電車線方式)[11]
最高速度 55 km/h[1]
路線図
テンプレートを表示

オーデンセ・ライトレール(デンマーク語: Odense Letbane)は、デンマークの都市・オーデンセ に存在する路面電車(ライトレール)。2022年に最初の路線が開通しており、同年現在はオーデンセ市 (デンマーク語版)が路線・施設を所有し、ケオリス (デンマーク語版)によって列車の運営・施設の管理が行われている[1] [12] [8] [3]

歴史

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デンマーク第三の都市・オーデンセでは、今後の更なる発展の一環として、大学病院の建設や大学の拡張など郊外地域の整備や新たな都市開発が進められている。これらの郊外地域と都市中心部や鉄道駅を結ぶ公共交通機関の導入および自動車の混雑緩和を目的として、オーデンセでは2008年以降路面電車(ライトレール)の導入が検討されるようになった。2011年にオーデンセ市議会にて全会一致で建設が承認され、経路の正式な決定を経て2015年から建設作業が始まった[13] [3] [6] [14] [15] [7] [16]

計画当初は2020年末の開業を予定していたが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を始めとした延期が重なり、営業運転を開始したのは2022年 5月28日となった[注釈 1] [3] [6] [7]

路線

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2023年現在、オーデンセ・ライトレールは北西部のタラップ中央電停 (デンマーク語版)(Tarup Center)と南部のヤッレゼ駅電停 (デンマーク語版)(Hjallese Station)を結ぶ以下の区間で営業運転を行っている。電停の総数は26箇所だが、SDU南 / 病院北電停(SDU Syd / Hospital Nord)と病院南電停(Hospital Syd)は2023年3月時点で全列車が通過しており、近隣の病院が開業次第列車が停車する事になっている。運行間隔は平日の7時 - 18時は7.5分間隔、それ以外の時間帯や週末は10分もしくは15分間隔である[2] [5] [3] [14] [18]

写真 電停名 所要時間 接続交通機関 備考・参考
Tarup Center 0分 路線バス
Højstrup 1分
Idrætsparken 3分
Bolbro 5分 路線バス
Vesterbro 7分
Vestre Stationsvej 9分
Kongensgade 10分
Odense Banegård 11分 デンマーク国鉄
アリーヴァ(鉄道)
路線バス
オーデンセ駅 (デンマーク語版)と接続
ODEON 13分
Albani Torv 15分
Benedikts Plads 17分 路線バス
Palnatokesvej 18分
Østerbæksvej 20分 路線バス
Korsløkke 21分 路線バス
Ejerslykke 23分
Rosengårdcentret 24分 路線バス
IKEA 25分
Bilka 27分 路線バス
Cortex Park 28分
Campus Odense 29分
SDU 31分
SDU Syd / Hospital Nord - 2023年 4月時点で全列車が通過
Hospital Syd - 2023年 4月時点で全列車が通過
Parkering Odense Syd 35分 路線バス パークアンドライド施設と隣接
Hestehaven 37分
Hjallese Station 39分 アリーヴァ(鉄道) ヤッレゼ駅 (デンマーク語版)と接続

車両

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バリオバーン(2022年撮影)

オーデンセ・ライトレールで使用されている車両は、シュタッドラー・レールが展開する路面電車車両のバリオバーン である。モジュール構造を採用した車体を有する両運転台・両方向型、全長29,2 mの5車体連接車で、車内全体が床上高さを下げた低床構造となっている。また、車内には冷暖房が完備されている他、通路も広くとられており移動の容易さが図られている。最高速度は70 km/hである。開通に合わせた発注は2017年に行われ、2023年現在は16両が在籍する[注釈 2] 。主要諸元は以下の通り[1] [13] [3]

バリオバーン 主要諸元
編成 両数 運転台 設計最高速度 全長 全幅 重量 着席定員 最大定員 注釈・参考
5車体連接車 16両 両運転台 70km/h 29,200mm 2,650mm 40.8t 60人 193人 [3] [6] [10]

今後の予定

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オーデンセ・ライトレールの路線計画には、2023年時点で開通している「第1段階」(etape 1)の路線に加え、そこから分岐する2つの支線(全長9.2 km)で構成される「第2段階」(etape 2)が存在する。2011年の計画承認時に将来的な計画としてこれらの支線の必要性が提言され、2013年に本格的な路線の検討が行われた後、建設開始に向けた事業が進められている。第2段階にあたる支線は以下の路線で構成される[19] [20]

関連項目

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オーフス・ライトレール(2018年撮影)

脚注

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注釈

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  1. ^ オーデンセ市内を路面電車が走行するのは、1911年から1952年まで存在したオーデンセ市電 (デンマーク語版)以来となった[17]
  2. ^ 当初は14両が発注されたが、列車本数を当初の計画から増加させる事になったため2両の追加発注が行われている[6]

出典

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  1. ^ a b c d e "Tal og fakta". Odense Letbane. 2023年4月9日閲覧。
  2. ^ a b c "Køreplan". Odense Letbane. 2023年4月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k "Odense Letbane receives final approval from Danish authorities". LRTA (2022年4月29日). 2023年4月9日閲覧。
  4. ^ a b "DRIFT AF LETBANER". Keolis. 2023年4月9日閲覧。
  5. ^ a b "Odense Light Rail". VisitOdense. 2023年4月9日閲覧。
  6. ^ a b c d e Denis Bowers (2018年4月17日). "Odense light rail line begins to take shape". International Railway Journal. 2023年4月9日閲覧。
  7. ^ a b c Odense Letbane 2022, p. 6-7.
  8. ^ a b c d "Keolis to operate a second light rail contract in Denmark". Intelligent Transport (2018年12月5日). 2023年4月9日閲覧。
  9. ^ Odense Letbane 2022, p. 80-81.
  10. ^ a b Odense Letbane 2022, p. 88-89.
  11. ^ Odense Letbane 2022, p. 76-77.
  12. ^ "ODENSE LETBANE". Keolis. 2023年4月9日閲覧。
  13. ^ a b "Stadler to supply 16 trams to Odense Letbane". RailwayPRO (2017年6月16日). 2023年4月9日閲覧。
  14. ^ a b Morten Skou Nicolaisen, Mette Olesen & Kristian Olesen 2017, p. 12-13.
  15. ^ Morten Skou Nicolaisen, Mette Olesen & Kristian Olesen 2017, p. 16.
  16. ^ Odense Letbane 2022, p. 8-9.
  17. ^ Odense Letbane 2022, p. 22-25.
  18. ^ Odense Letbane 2022, p. 90-91.
  19. ^ Odense Letbane 2022, p. 10-11.
  20. ^ "Letbanens etape 2". Odense Letbane. 2023年4月9日閲覧。

参考資料

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外部リンク

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