イマナント
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数学における行列のイマナント(英: Immanant)は Littlewood & Richardson (1934) が行列式 (determinant) およびパーマネント (permanent) の概念を一般化するものとして導入した。
λ ≔ (λ1, λ2, ...) を n の分割、χλ を対称群 Sn の表現論的指標とするとき、n ×ばつ n 行列 A ≔ (aij) の指標 χλ に付随する「イマナント」は、{\displaystyle \operatorname {Imm} _{\lambda }(A):=\sum _{\sigma \in S_{n}}\chi _{\lambda }(\sigma )a_{1\sigma (1)}a_{2\sigma (2)}\cdots a_{n\sigma (n)}} で定義される。
- 行列式はイマナントの特別の場合で、χλ として(置換の符号によって定義される)Sn の交代指標をとったものである。
- パーマネントは χλ として自明指標 (英語版)(恒等的に 1 に等しい)をとった場合である。
例えば、3 ×ばつ 3 行列の場合に、S3 の既約表現は以下の指標標の如く三つある:
S3 | e | (1 2) | (1 2 3) |
---|---|---|---|
χ1 | 1 | 1 | 1 |
χ2 | 1 | −1 | 1 |
χ3 | 2 | 0 | −1 |
既に述べた通り、χ1 はパーマネントを χ2 は行列式を与える。そして χ3 は {\displaystyle {\begin{pmatrix}a_{11}&a_{12}&a_{13}\\a_{21}&a_{22}&a_{23}\\a_{31}&a_{32}&a_{33}\end{pmatrix}}\rightsquigarrow 2a_{11}a_{22}a_{33}-a_{12}a_{23}a_{31}-a_{13}a_{21}a_{32}} と写される演算を定義する。
Littlewood & Richardson (1934) は対称群の表現論 (英語版)におけるシューア函数との関係も調べている。
参考文献
[編集 ]- Littlewood, D. E.; Richardson, A. R. (1934), "Group characters and algebras", Philosophical Transactions of the Royal Society A 233 (721–730): 99–124, doi:10.1098/rsta.1934.0015
- Littlewood, D. E. (1950). The Theory of Group Characters and Matrix Representations of Groups (2nd ed.). Oxford Univ. Press (reprinted by AMS, 2006). p. 81