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イダルビシン

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イダルビシン
IUPAC命名法による物質名
  • (1S,3S)-3-acetyl-3,5,12-trihydroxy-6,11-dioxo-1,2,3,4,6,11-hexahydrotetracen-1-yl 3-amino-2,3,6-trideoxo-α-L-lyxo-hexopyranoside
臨床データ
Drugs.com monograph
MedlinePlus a691004
胎児危険度分類
  • US: D
    法的規制
    薬物動態データ
    血漿タンパク結合 97%
    半減期 22 hours
    識別
    CAS番号
    58957-92-9  チェック
    ATCコード L01DB06 (WHO )
    PubChem CID: 42890
    IUPHAR/BPS 7083
    DrugBank DB01177  チェック
    ChemSpider 39117  チェック
    UNII ZRP63D75JW  チェック
    KEGG D08062  チェック
    ChEBI CHEBI:42068  チェック
    ChEMBL CHEMBL1117  チェック
    別名 9-acetyl-7-(4-amino-5-hydroxy-6-methyl-tetrahydropyran-2-yl)oxy-6,9,11-trihydroxy-7,8,9,10-tetrahydrotetracene-5,12-dione
    化学的データ
    化学式 C 26H 27N O 9
    分子量 497.50 g·mol−1
    • O=C2c1c(O)c5c(c(O)c1C(=O)c3ccccc23)C[C@@](O)(C(=O)C)C[C@@H]5O[C@@H]4O[C@H]([C@@H](O)[C@@H](N)C4)C
    • InChI=1S/C26H27NO9/c1-10-21(29)15(27)7-17(35-10)36-16-9-26(34,11(2)28)8-14-18(16)25(33)20-19(24(14)32)22(30)12-5-3-4-6-13(12)23(20)31/h3-6,10,15-17,21,29,32-34H,7-9,27H2,1-2H3/t10-,15-,16-,17-,21+,26-/m0/s1 チェック
    • Key:XDXDZDZNSLXDNA-TZNDIEGXSA-N チェック
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    イダルビシン(Idarubicin)またはイダマイシン(Idamycin)は、4-デメトキシダウノルビシン(4-demethoxydaunorubicin)とも呼ばれるアントラサイクリン抗生物質であり、抗悪性腫瘍活性を持つ。DNAにインターカレートトポイソメラーゼIIを阻害する[1] ダウノルビシンの類縁体だが、メトキシ基がないため脂溶性が高く容易に細胞に取り込まれる[2] 。他のアントラサイクリン系薬剤と同様、クロマチンからのヒストンの退避を誘導する[3]

    急性骨髄性白血病の一次治療として、シタラビンと併用される。

    急性リンパ性白血病や、慢性骨髄性白血病の急性転化の治療にも使用される[4]

    効能・効果

    [編集 ]

    急性骨髄性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)[日本][5]

    禁忌

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    以下の患者には禁忌である[5]

    • 重篤な感染症を合併している患者
    • 心機能異常又はその既往歴のある患者
    • 他のアントラサイクリン系薬剤等、心毒性を有する薬剤による前治療が限界量[注 1] に達している患者
    • 重篤な肝障害のある患者
    • 重篤な腎障害のある患者

    副作用

    [編集 ]

    重大な副作用は、下記の通りである[5]

    • 心筋障害(3.88%)
    心不全等を含む。
    • 骨髄抑制
    汎血球減少(52.8%)、血小板減少(66.5%)、顆粒球減少(66.9%)、貧血(63.5%)、出血傾向(24.6%)
    • 口内炎(22.4%)
    • ショック(1.41%)
    • 完全房室ブロック等の不整脈(2.40%)

    20%以上の患者に、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、脱毛、発熱が現れる[5] [6]

    薬物動態

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    静注後イダルビシノール[注 2] に変化し、血中からは2相性で半減期6.40-9.85時間(イダルビシノールは43.46-51.01時間)で消失する[5] 。消失速度定数は、t1/2α相:0.25±0.13時間、t1/2β相:9.4±3.4時間 である[7] :24

    主に尿中へ排泄されるが、投与後7日間の総排泄量はイダルビシン2.04%、イダルビシノール11.53%で合計13.57%であった[7] :27[8]

    作用機序

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    DNAと結合した後、核酸ポリメラーゼ活性を阻害し、また、トポイソメラーゼII阻害によりDNA鎖を切断する[5]

    脚注

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    1. ^ 塩酸ダウノルビシンでは総投与量が体重当り25mg/kg、塩酸エピルビシンでは総投与量がアントラサイクリン系薬剤未治療例で体表面積当り900mg/m2
    2. ^ アセチル基(-C=O-CH3)がヒドロキシエチル基(-CHOH-CH3)に還元されたもの

    参考資料

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    1. ^ "Studies directed towards anthracyclinone syntheses: The use of d-glucose as a chiral auxiliary in asymmetric Diels–Alder reactions". J. Saudi Chem. Soc. 17: 29–42. (2013). doi:10.1016/j.jscs.2011年02月01日9. 
    2. ^ Package insert
    3. ^ "Drug-induced histone eviction from open chromatin contributes to the chemotherapeutic effects of doxorubicin". Nature Communications 4: 1908. (2013). doi:10.1038/ncomms2921. PMC 3674280. PMID 23715267 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3674280/ . 
    4. ^ Katzung, Bertram G., editor. (2017年11月30日). Basic & clinical pharmacology. ISBN 9781259641152. OCLC 1009849139  
    5. ^ a b c d e f "イダマイシン静注用5mg 添付文書". www.info.pmda.go.jp. PMDA. 2021年5月23日閲覧。
    6. ^ "Idarubicin Side Effects: Common, Severe, Long Term" (英語). Drugs.com. 2019年6月21日閲覧。
    7. ^ a b "イダマイシン静注用5mg インタビューフォーム". PMDA. 2021年5月23日閲覧。
    8. ^ 藤田浩, 小川一誠, 正岡徹, 山田一正, 木村禧代二 (1992). "新しいAnthracycline系抗癌剤Idarubicinの急性白血病患者における体内動態". 癌と化学療法 19 (6): 791-798. 

    外部リンク

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