コンテンツにスキップ
Wikipedia

アデニル酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アデニル酸
{{{画像alt1}}}

5'-Adenylic acid

識別情報
CAS登録番号 61-19-8  チェック
ChemSpider 5858  チェック
UNII 415SHH325A  チェック
日化辞番号 J4.814C
DrugBank DB00131
KEGG C00020  チェック
MeSH Adenosine+monophosphate
ChEBI
ChEMBL CHEMBL752  チェック
2455
  • O=P(O)(O)OC[C@H]3O[C@@H](n2cnc1c(ncnc12)N)[C@H](O)[C@@H]3O
  • c1nc(c2c(n1)n(cn2)[C@H]3[C@@H]([C@@H]([C@H](O3)COP(=O)(O)O)O)O)N
  • InChI=1S/C10H14N5O7P/c11-8-5-9(13-2-12-8)15(3-14-5)10-7(17)6(16)4(22-10)1-21-23(18,19)20/h2-4,6-7,10,16-17H,1H2,(H2,11,12,13)(H2,18,19,20)/t4-,6-,7-,10-/m1/s1 チェック
    Key: UDMBCSSLTHHNCD-KQYNXXCUSA-N チェック
  • InChI=1/C10H14N5O7P/c11-8-5-9(13-2-12-8)15(3-14-5)10-7(17)6(16)4(22-10)1-21-23(18,19)20/h2-4,6-7,10,16-17H,1H2,(H2,11,12,13)(H2,18,19,20)/t4-,6-,7-,10-/m1/s1
    Key: UDMBCSSLTHHNCD-KQYNXXCUBP
特性
化学式 C10H14N5O7P
モル質量 347.22 g/mol
外観 白色の結晶粉末
密度 2.32 g/mL
融点

178-185 °C, 451-458 K, 352-365 °F

沸点

798.5 °C, 1072 K, 1469 °F

酸解離定数 pKa 0.9, 3.8, 6.1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アデニル酸(アデニルさん、adenylic acid)は別称をアデノシン一リン酸(Adenosine monophosphate)ともいう有機化合物で、RNA中に見られるヌクレオチドの一種である。AMPと略される。AMPは核酸塩基アデニン、五炭糖のリボース、1つのリン酸より構成されており、リン酸とアデノシン(ヌクレオシド)の間でリン酸エステルを形成している。リン酸部位の結合位置により 2'-体、3'-体、5'-体の構造異性体があるが、RNA中に部品として見られるのは 5'-アデニル酸 である。

生産と分解

[編集 ]

AMPは2つのADPから、アデニル酸キナーゼにより生成される。同時にATPも産出される。

2 ADP ATP   + AMP {\displaystyle {\ce {2 ADP -> ATP\ + AMP}}} {\displaystyle {\ce {2 ADP -> ATP\ + AMP}}}

またADPの高エネルギーリン酸結合の加水分解により得られる。

ADP AMP   + P i {\displaystyle {\ce {ADP -> AMP\ + P_i}}} {\displaystyle {\ce {ADP -> AMP\ + P_i}}}

またATPの加水分解により得られる。ピロリン酸が副生成物として得られる。

ATP AMP   + PP i {\displaystyle {\ce {ATP -> AMP\ + PP_i}}} {\displaystyle {\ce {ATP -> AMP\ + PP_i}}}

RNAが生体中で分解した場合、AMPを含むヌクレオシド一リン酸(NMP)が生成する。

下のようにAMPからATPを再生産することができる。

AMP   + ATP 2 ADP {\displaystyle {\ce {AMP\ + ATP -> 2 ADP}}} {\displaystyle {\ce {AMP\ + ATP -> 2 ADP}}} (アデニル酸キナーゼによる逆反応)
2 ADP   + 2 P i 2 ATP {\displaystyle {\ce {2 ADP\ + 2 P_i -> 2 ATP}}} {\displaystyle {\ce {2 ADP\ + 2 P_i -> 2 ATP}}} (好気性細菌ATP合成酵素による酸化的リン酸化反応)

AMPはアデニル酸デアミナーゼによりアンモニア基が脱離し、イノシン一リン酸へと変換される。

AMPは尿酸へと変換された形で体内から排出される。

環状AMP

[編集 ]

AMPは環状AMP(cAMP)としても存在することが知られている。ある細胞内でアデニル酸シクラーゼによりATPからcAMPが生産されるが、この反応はアドレナリングルカゴンといったホルモン類によりコントロールされている。cAMPは細胞内シグナル伝達で重要な役割を果たしている。

外部リンク

[編集 ]

関連項目

[編集 ]
核酸の構成要素
核酸塩基
ヌクレオシド
リボヌクレオシド
デオキシリボヌクレオシド
ヌクレオチド
(ヌクレオシド一リン酸)
リボヌクレオチド

AMPGMPm5UMPUMPCMP

デオキシリボヌクレオチド

dAMPdGMPdTMPdUMPdCMP

環状ヌクレオチド
ヌクレオシド二リン酸

ADPGDPm5UDPUDPCDP  · dADPdGDPdTDPdUDPdCDP

ヌクレオシド三リン酸

ATPGTPm5UTPUTPCTP  · dATPdGTPdTTPdUTPdCTP

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /