コンテンツにスキップ
Wikipedia

歯茎側面吸着音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(ǁから転送)
歯茎側面吸着音
ǁ
IPA 番号 180
IPA 表記 [ǁ]
IPA 画像
Unicode U+01C1
文字参照 ǁ
JIS X 0213
X-SAMPA |\|\
Kirshenbaum l!
音声サンプル

歯茎側面吸着音(しけいそくめんきゅうちゃくおん)は、子音のひとつ。

国際音声記号では双柱 [ǁ]で表わされる。かつては[ʖ]が用いられていたが、1989年に取り消された[1]

概要

[編集 ]

歯茎側面吸着音の発音は歯吸着音のものに類似しているが、舌の側面の、奥歯に接している部分を下げることで開放する[2] [3]

国際音声記号の表では「歯茎側面吸着音」と呼んでいるが、実際には閉鎖は歯茎だけでなく歯や後部歯茎も使われる[3]

西ヨーロッパでは非言語音として、馬を走りださせるためにこの音を用いる[2] [4]

吸着音は本質的に軟口蓋音または口蓋垂音との二重調音であり、国際音声記号では[k͡ǁ]のように書くか、あるいはタイを省略して[kǁ]のように書くことができる。同様に帯気音は[kǁh]、有声音は[ɡǁ]、鼻音は[ŋǁ]のように書かれる[5]

ズールー語およびコサ語の正書法では「x」と書かれる[5] (xh [kǁh], gx [ɡǁ], nx [ŋǁ])。コサ語の言語名「Xhosa」[kǁhoːsa]にも使われている。

言語例

[編集 ]
  • ズールー語:isinxele [ìsìŋǁéːlè] 「左手」[6]
  • コサ語:ukuxhoba [ukúkǁoɓa] 「武装する」[5] [7]
  • ナマ語:[kǁaros] 「文章」、[kǁhoas] 「打つ」、[ŋ̥ǁhaos] 「料理する場所」、[ŋǁaes] 「向けること」、[kǁˀaos] 「贈り物を断わる」[8]

脚注

[編集 ]
  1. ^ プラム&ラデュサー(2003) p.214
  2. ^ a b Ladefoged (2001) p.119
  3. ^ a b Ladefoged & Maddieson (1996) pp.255-256
  4. ^ プラム&ラデュサー(2003) pp.214,225
  5. ^ a b c Ladefoged (2001) p.121
  6. ^ Ladefoged (2001) pp.264-265
  7. ^ Handbook of the International Phonetic Association. Cambridge University Press. (1999). ISBN 0521652367   (chapter 3.1)
  8. ^ 外部リンクの Vowels and Consonants を参照

参考文献

[編集 ]

外部リンク

[編集 ]
子音
国際音声記号 - 子音

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /