「王シュレット事件」の版間の差分
2020年8月26日 (水) 02:11時点における版
王シュレット事件 | |
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場所 | フジテレビジョン |
日付 | 2003年(平成15年)8月13日 |
概要 | 当時プロ野球・福岡ダイエーホークス監督であった王貞治を侮辱する内容のコントを放送した。 |
被害者 | 王貞治 |
対処 |
スポンサーの降板 2003年の日本シリーズの中継にフジテレビ系列のテレビ局を推薦しないと発表 |
謝罪 | あり(ただし、15秒程度の謝罪であったため批判があった) |
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王シュレット事件(おうシュレットじけん)は、2003年にフジテレビ系列『水10!』の1コーナーとして放送されていた番組『ワンナイR&R』(渡辺琢演出)で、プロ野球・福岡ダイエーホークス監督(当時)・王貞治(現:福岡ソフトバンクホークス会長、以下この項目での表記は王監督)を侮辱するような内容のコントがホークスの地元局のテレビ西日本を含めて放送され、フジテレビやテレビ西日本に批判や苦情が寄せられた騒動である。
経緯
2003年8月13日、番組で放送された、通販番組を題材にしたコーナー「ジャパネットはかた」で山口智充(DonDokoDon)と宮迫博之(雨上がり決死隊)が、王監督の顔の模型を便器内に仕掛けたウォシュレット(王シュレット)を売り込む内容のコントを放送した[1] 。
放送後の反応
このコントで、王監督を侮辱したとして球団側がフジテレビに抗議[2] 。その後、フジテレビ側が本人と球団関係者に謝罪する[3] も、8月19日、球団オーナー代行の高塚猛は「同年の日本シリーズ中継にフジテレビ系列のテレビ局を推薦しない」方針を表明[2] し、最終戦の放送権はテレビ東京が獲得した[4] 。
また、日本シリーズでの対戦相手であった阪神タイガース監督(当時)の星野仙一もスポーツ紙からの取材[5] に際し、フジテレビおよび山口と宮迫の所属する吉本興業に対する不快感を激しい口調で表明し、これを受けて阪神球団もフジテレビ系列局を推薦しなかった。
番組の制作局であるフジテレビは、テレビ西日本・関西テレビを含む番組の制作に一切関与していないフジテレビ 系列(FNN・FNS)のすべての地方系列局も巻き込む形で責任を取ることとなり、2003年の日本シリーズについて、日本テレビ 系列とのクロスネット局であるテレビ大分(NNN・NNSともに加盟)[6] ・テレビ宮崎(NNNのみ加盟・さらにテレビ朝日系列〈ANN〉にも加盟)以外のFNS系列局では試合中継の放送が全く行われない事態となった(第7戦のダイジェスト中継も前述のクロスネット2局を含むフジテレビ系列局では実施されず、大分県・宮崎県ではTBS系列局で放送された)。
クロスネット局での『水10!』の通常の編成は、テレビ大分では遅れネットで、テレビ宮崎は同時ネットであった。この年の日本シリーズについては、テレビ大分は第2戦のみ、テレビ宮崎は第2戦と第5戦をいずれも日本テレビ系列ネットで放送した。
また、ウォシュレットのコントではビデを捩った「シゲ」という器具も紹介され、スイッチを押すと山口が長嶋茂雄の口調で器具の作動アナウンス音を再現する場面があり、かつて王監督とともに巨人の顔であった長嶋茂雄(現:同球団終身名誉監督)を連想させるものであったが、これに関しては長嶋本人や親族( 亜希子夫人や公的活動を行っている一茂・三奈などの実子)および読売グループ(読売新聞社・読売巨人軍・日本テレビ・報知新聞社など)からの抗議は特になかった。
事件への対応とその影響
事件の翌週(2003年8月20日)の放送では、冒頭でフジテレビアナウンサー(当時)の須田哲夫が謝罪した[2] が、謝罪の放送時間が15秒程しかなかったため、視聴者からは「この程度では謝罪にならない」という苦情や批判が寄せられた[7] 。
この事件を受け、8月20日 - 9月末まで『水10!』自体は後半枠の『ココリコミラクルタイプ』も含め、前後提供クレジットとCMはすべて自粛し公共広告機構(現:ACジャパン)のものに差し替えた。また、この事件の影響から、番組名も『水10!・ワンナイ』から『水10!』となり、新聞の番組表にも『ワンナイ』のみ番組タイトルの表記はなくなった。この他にも、「企業イメージを損ねた」として、ウォシュレットの製造元かつ商標権者でもある東陶機器株式会社 [8] (本社所在地・福岡県 北九州市 小倉北区、スポーツ支援顧問に王監督を起用していた)やコーナーのネタ元になったジャパネットたかた(本社所在地・長崎県 佐世保市、同年3月までホークスのスポンサーであった)が『FNNスーパーニュース』などのスポンサーを降板し(ジャパネットは後に復帰)、CMは公共広告機構(現:ACジャパン)のものに差し替えられる事態になった。
この事件について、王は「野球界と芸能界を一緒にするからこういうことになる」との見解を示し、加えて「僕自身は実際に(同番組の映像を)見ていないが、かなりえげつないものだったと聞いている。対応?それは球団に任せているから。」とコメントした[9] [10] 。
その一方で、この事件に激怒していた星野とこのコントの出演者の双方と関係が深かった明石家さんまは、朝日新聞のインタビュー記事にて、この件に触れ、同コントの出演者に関してはフォローするコメントを述べている。
その後、ホークスの日本シリーズのFNS系列での中継放送は後身の福岡ソフトバンクホークスにて、後任の秋山幸二監督が指揮を執る2011年 [11] まで行われなかった[12] 。
一方、ホークスがソフトバンクグループに入った2005年以降、ソフトバンク(SoftBank・Y!mobile名義としての提供も含む)や、ダイエーを産業再生機構入り後に買収したイオンや、TOTOは、フジテレビにも全国ネット番組の提供を含めたCM出稿を行っている他、イオンはコンテンツ事業でもフジテレビとの提携を行っている[13] 。またジャパネットたかたはフジテレビにもネットスポンサーとしてのCM出稿を行うだけでなく、祝祭日に複数の系列局の放送枠を購入して生放送のテレビショッピング番組[14] を放送することがある。
脚注
- ^ 「チェック機能の甘さ浮き彫り フジの王監督侮辱問題」『47NEWS』(共同通信社)2003年8月22日。オリジナルの2014年8月19日時点におけるアーカイブ。2013年9月1日閲覧。
- ^ a b c 「「深くおわび」と番組で謝罪 フジテレビ、王監督侮辱コント」『47NEWS』(共同通信社)2003年8月20日。オリジナルの2014年8月19日時点におけるアーカイブ。2013年9月1日閲覧。
- ^ "「ワンナイR&R」8月13日放送について". フジテレビ公式ウェブサイト. フジテレビジョン (2003年8月20日). 2003年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2003年8月22日閲覧。
- ^ テレビ東京は系列局のない地域が大半のため、NHKの衛星放送2波(NHK BS1・NHKハイビジョン)との並列での獲得となった。
- ^ スポーツニッポン、2005年 8月18日、第1面、スポーツニッポン新聞社。
- ^ テレビ大分は、日本テレビ系列・フジテレビ系列ともニュース系列組織には完全加盟しているが、番組供給組織についてはネットワーク業務協定に参加していない準加盟に近い扱いである。
- ^ 『スポーツニッポン』2003年8月22日付。
- ^ 2007年からTOTO株式会社。ブランドはTOTOのまま。
- ^ 『西日本新聞』2003年8月19日付。
- ^ 巨人での現役および監督時代も、野球を扱ったギャグ漫画などの創作物でかなり下品に弄られる表現が行われた例があったが、この時は特に抗議するなど本人および読売グループ側から言及したことがなかった。
- ^ 2010年にもホークスはリーグ優勝したが、同年はクライマックスシリーズにて千葉ロッテマリーンズ(同年リーグ3位・西村徳文監督)に敗れ日本シリーズへの出場権を逃したため。
- ^ 対戦相手は中日ドラゴンズ(落合博満監督)。
- ^ イオンとフジテレビ 子供向け番組を制作し知的財産を共同管理 アジア展開も - 産経新聞、2018年 10月10日。
- ^ ローカルセールス扱いとなっている『直撃LIVE グッディ!』第2部の放送枠を充てることが多い。