四方森ブログ

このサイトでは、「森の健康診断」活動での様々な情報を配信します。
四方山ならぬ四方森ばなしに花を咲かせましょう!
<< November 2025 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

2025年6月21日 聖霊中高学校土曜セミナー

参加者は自然が大好きな高校生2名と担当教員が1名が参加。スタッフは3名。当日は少し汗ばむぐらいの晴天に恵まれた。

健康診断の場所は、海上の森 四つ沢から100mぐらい脇道を入ったところで、基本的には人工林だが、かなり植生が豊かな場所である。傾斜は緩やか、遠くで沢が流れ、数種類の鳥のさえずりが聞こえるようなところである。

2人には、最初に目を閉じて1分間体全体で森を感じてもらい、その感想を交換し合った。

森にいる全員が静かになったことで、鳥のさえずりが聞こえたり、土の柔らかさを感じ取ったり、普段の生活では忙しくて気づけていないことを参加者に感じてもらえたようだった。

さらに、目をあけて再度森を観察してもらったところ、土が柔らかい理由がたくさんの落ち葉があることに気づく場面もあり、体全体で森の大切さを感じることができるひとときとなった。



次に樹木調査に移ったが、今年は調査地一帯に山漆の幼木が乱立している状況だったので、参加者はあまり積極的に植物を取る様子は見られなかった。実際に、生徒が集めることが出来たのは2種類であった。

その後、木の本数と高さの目視確認作業で森の混み具合を確認し合った。調査エリアの木の本数は12本、木の高さの予測値は約13mであった。

この木の本数と予想した木の高さの関係は、調査手帳の混みぐあい早見表によると「ちょうど良い込み具合」となり、間伐が十分できていることになる。ほんとうにそうなんだろうか?

私が見る限り、決してそのような森でないと事は確かで、実際に伐倒して木の高さわかるまでは、森の健康状態の判断はお預けとなった。


さて、続いて本日のメインイベントの間伐体験にチャレンジすることに。

伐倒する木は直径20cm以上、高さ12m以上のしっかりしたヒノキが選ばれた。

2人でなかよく受け口と追い口を順にのこぎりで切っていくのだが、直径20cm以上の大木は彼女たちにとっては少し大きすぎたようで最後の方はだいぶ疲れた様子。それでもなんとか追い口まで切り終わり、ロープで木を引き倒す作業に。

今回の木は広葉樹に囲われて倒すことが出来る方向が限られていた。大木に挟まれた幅約1m未満の空間に倒れていくが周囲の桧に引っかかる。2人の引く力だけでは足りず、先生や私たちもふくめ5人で引くことになった。実際、ロープをいくら引いても木の枝どうしが絡まり合い、なかなか倒れず、最後まで引き倒すのにかなりの時間を要した。

それでも参加者2人に自分たちの力で木を倒せたことに喜びを感じてもらうことが出来て我々も満足な結果になった。

最後、参加者2人にはヒノキの輪切り、先生には伐倒木の受け口追い口部分を伐り出してお土産に持って帰ってもらった。

ちなみに、伐倒木の高さは予想の12mからはるかに高い21m、混みぐあい早見表の判定も「混みすぎではないがやや混んでいる人工林」と判定が大きく変わった。

いずれにしても、参加者2人には貴重な体験をしてもらえて私としても本当に楽しい1日となった。

2025年08月24日 Sunday 10:33 | posted by 四方森ブログ管理人
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

稲武小5年生に座学&丸太切り(2025年6月4日)

【全体概要】

稲武小学校 森の健康診断(森健) 出前授業 実施要項

日時:2025年6月4日 13:50〜15:50
場所:豊田市立稲武小学校
対象:稲武小学校5年生12名(男子6名、女子6名)+先生2名(教務・担任) 時折、校長先生が見に来られた。
講師:森の健康診断出前隊 3名 鈴木、日丸、吉田

スケジュール
13:50 5限目
・座学(パワーポイントで森の状況、間伐の必要性、森健の調査内容を学習)
・森健グッズの説明等
14:35 5限目終了・休憩時間
14:45 6限目
・教室にて手鋸の説明・使い方を指導
・教室外のフロワーにて丸太切り
15:30 6時限目終了・出前講座の感想発表、終わりの会

【詳細】

稲武小の5年生の教室にて座学実施。

5限目の座学は、パワーポイントを使って、日本の森の状況、役目をクイズ形式で説明、また、森の健康診断を意味を説明。子供たちは、こちらからの問いかけに元気にはっきりと答えていて、とても気持ち良かったです。子供たちの声では、「自分たちの住んでいるのはド田舎」、「山の水は美味しくない、消毒してないから飲んではいけない!」が聞かれました。
6限目の丸太切りでは、今回、12名の生徒で、30分の間の丸太切りなので、木材を井桁に組んで(カスガイを打って固定)4か所で切ることで、一度に4人が切ることが出来て十分な体験ができました。
私が担当した女の子たちは、初めはぎこちない動作で、3人で1枚切っていたのに、最後の方では、自分で最初の鋸入れから最後切り落とすまで一人で切って、時間も短縮して、上達の速さに感心しました。そして、この板に、絵の具で絵を描くと言っていて、担任の先生に確認していました。丸太切りに皆が熱中していていたため、延長して6限目終了まで行いました。

終了後の、感想にも座学の内容が確認できて、秋に行う、森の健康診断調査、伐倒が楽しみになりました。

文責 吉田雅紀

2025年07月04日 Friday 12:27 | posted by 吉田 雅紀
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

不二聖心女子学院で森の健康診断(2024年11月19,20日)

【全体概要】

不二聖心女子学院高等学校1年生 出前授業

しかく実施要項

日時:2024年11月19(火) 晴れ時々曇・20日(水) 小雨時々曇(寒い)、
場所:不二聖心女子学園構内 学校林
対象:高校1年生 梅組(39名)、松組(40名) + 先生2名
講師:森の健康診断出前隊 7名
小山(総括リーダー・5班)、筏井(事務局)、鈴木(1班)、
日丸(2班)、吉田(3班)、飼沼(4班)、中根(6班)

しかく プログラム:

にじゅうまる11月18日(月)前日準備
12:30 〜 12:45 学校到着、作業準備
12:45 〜 16:30 調査場所設定、草刈り、中心木・伐倒木選定等

にじゅうまる11月19日(火)【調査調査】
8:30 〜 10:30 森の健康診断(調査)現地準備
・・・100m2枠設定、4m竿伐倒木に取付、樹高測定場所設定など
10:30 〜 10:45 集合場所に戻り、スケジュール再確認
10:45 〜 10:50 梅組 生徒到着
(13:20 〜 13:25 松組 生徒到着)
10:50 〜 11:10 梅組 はじめの会
(13:25 〜 13:40 松組 はじめの会)
・・・総括リーダー挨拶、森健体操、集合写真
11:10 〜 12:15 梅組 調査地に入り森の健康診断(調査)
(13:48 〜 14:50 松組 調査地に入り森の健康診断(調査))
12:15 〜 12:29 梅組 終わりの会(感想の発表)
(14:50 〜 15:05松組 終わりの会(感想の発表))

にじゅうまる11月20日(火)【伐倒(雨天のため、室内で模擬伐倒)】

(注記)この日は以下のプログラム
、 時間は不明、午前 梅組、午後 松組 は同じプログラム
・はじめの会
統括リーダーから挨拶・概要説明、森の健康診断紙芝居、森健体操 、写真撮影
・室内での模擬伐倒体験
・終わりの会 班ごとの発表、個人の感想

【詳細】
◇ 1日目 11/19

《A-1 森を感じる(目をつぶることで、五感の聴覚、臭覚、触覚を研ぎ澄ませて森を感じる)》

(注記)生徒たちが書いていただいた感想文からも引用して記載
  • 沈黙の森の中が心地良かった
  • 沈黙の中で自然のきれいな空気を感じた
  • 自然の音を聞いて、耳をすますことができて気持ちが新鮮
  • 木に寄りかかり森を感じる体験→むかしの幼稚園で森に入り遊んだことを思い出した!
  • 木に寄りかかってみると案外落ちついて寝そうになった→人間に安らぎを与えてくれるとても良い存在!
  • 今まで聞こえ無かった草木の音、匂いを感じた
  • 森の中はすごく静かで、落ち着いていて、すごく快適

(注記)「森を感じる」ことは、森の健康診断行う中で、とても重要なことと位置付けている。生徒感想から見ると、素直に森の良さを感じ取ってもらっていた。また、昔の記憶も呼び覚ましている。

《A-2 森を感じる(目を開けて周りの観察)》多くの木に囲まれている

《A-3 植わっている木》ヒノキ。他班ではスギもあった

《B-1 100m2内の木の本数、太さ》9本、約15〜20cm

《C-2 木の高さ(目測)》生徒の目測測定は約15m(実際20mはあるとと思う)

◇ 【2日目 11/20】
《C-3 伐倒、木の高さ実測》⇒ 雨天、中止を決定

(注記)朝、現地に行き開催を検討。小雨で出来なくもないが、草・木も濡れていて、生徒の靴、軍手も濡れてしまうと、気温が低いため余計に寒く感じ、体調を崩す懸念があるため止む無く中止を決定。学校側と調整し、室内の模擬伐倒を決定。朝食後、模擬伐倒用の木を調達、昨日、1班の木で伐倒準備をしてあったため、その木を伐倒、掛かり木で倒すに苦労したが伐倒。玉切りして3班分の伐倒用の木を準備、部屋に運んだ。

・はじめの会

・紙芝居

高校生にはよく知っている内容だが、改めて、森の健康診断と間伐の意味を確認してもらうために実施。

  • 身近な矢作川、東海豪雨で氾濫、上流の森林調査にとても時間がかかったことを知った。
  • 木を伐ることで森が健康になる、木がしっかりと立ってないと自然災害が起こる。

との感想が見られ、高校生にも紙芝居の有効性を感じた。

・森健体操 楽しかった!との意見が見られ、ここで気持ちもほぐせた。

《模擬伐倒》
・集合写真
各班の模擬伐倒木の後ろに並んでもらって撮影

・伐倒の仕方説明

今朝、伐倒した木の受け口、追い口の部分を切ってきたものを使って、伐倒の方法を説明。


・模擬伐倒

各班(3班で実施、1+2班、3+4班、5+6班)、リーダーの指導の下、受け口・追い口を苦労しながら切って、けん引ロープを伐倒木に結び付けて、折り返し滑車を人に結び付けて、生徒がロープを引っ張って倒す工程を体感した。3+4班では、生徒の1人が折り返し滑車に立候補。しかし、生徒の引っ張る力は大きくて、固定されているべき折り返し滑車の生徒が、伐倒木に近づいて行く光景も見られ、各班で笑いが起こっていて和気あいあい進められていた。

  • 年輪から多くの情報を知ることができた。
  • 木を伐ってみると今まで知らなかった匂い、形など新しい発見がたくさんありました。
  • 模擬間伐体験がとても楽しかったので、また機会があればぜひ参加したい。

《全体まとめ》
(注記)生徒の感想から

  • 自然を身近に感じて、不二聖心特有の環境を生かしてもっと自然に、森林に触れていきたい。
  • 自然にもっと関わっていきたい。
  • 学校にいる生物に興味を持っていきたい。
  • 森、身近なもの、森の重要性や効果、大切さを感じることができた。
  • 自分ももっともっと木について、森について知り、追及していきたい。
  • 将来、自然に関する職業に就くことも視野に入れている。
  • 木や森の恵みに感謝して日々を過ごしていきたい。
  • 自然との共生を目指し、今ある」環境を大切に過ごしていきたい。
  • 自分が森の再生に貢献できた気持ちになりました。
  • 日常生活の中で自然に優しい行動を意識していきたい。

(注記) 最後に。多くの生徒が、森への興味から自然への興味に膨らませ、大切にしたい、もっと知りたいと発展させていってくれていて、この「森の健康診断」の授業の深い意義が感じられました。
生徒たちや先生方への感謝を伝えたい!

文責 吉田雅紀

2024年11月20日 Wednesday 22:06 | posted by 吉田 雅紀
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

新盛小で空開け体験(2024年11月12日 9:20〜14:00)

【全体概要】

新盛小学校 森の健康診断 出前授業 実施要項

日時:2024年11月12日(火) 9:20〜14:00、天候 晴れ
場所:近藤さんの山
対象:新盛小学校3・4年生4名(4年女子2名+3年男子2名) + 先生2名(校長・担任)
講師:森の健康診断出前隊 3名
鈴木、龍頭、吉田

プログラム:

8:45 〜 9:20 学校から移動
9:20 〜 9:55 初めの会
紙芝居・森健体操・諸注意・写真
9:55 〜 11:10 【森を感じる】【丸太切り体験】【草木の名前】
11:10 〜 12:10 近藤さん宅ガレージで昼食
12:20 〜 13:40 空開け(伐倒)
13:40 〜 14:00 終わりの会(感想の発表)
14:00 〜 学校に移動

【詳細】

近藤さんのお宅の入り口にて、初めの会を実施。スタッフの自己紹介、子どもたちの自己紹介を済ませ、紙芝居で森の健康診断について伝える。天然林、人工林や健康な森・不健康な森を元気に答えてくれた!3・4年生なのによく知っていて感心した!森健体操もしっかりと体を動かしてくれて準備もばっちり完了。

近藤さんのお山の入り口には、仏様と神様のお社があり、その前を通って作業場所に行く。子どもたちに仏様や神様に手お合わせて挨拶をして行こう、と促すとみんな手お合わせて「無事に授業が行えますように・・・」に声に出して願っている、帰りも「・・・ありがとうございました」感謝を言っていた。こういうことがすぐにできる子供たちは周りの大人たちから良い教育を受けているんだなと感心し、嬉しくなった。

午前中は、「森を感じる」で、目を閉じて、1分間、聴力、臭覚などを活かして全身で森を感じてもらった。その感想として、「湧き水の音が大きい」、「鳥の声が聞こえた」と普段意識してなかったものを感じていた、子どもたちから先生は?と振られた先生からも、「大地の一部を感じた、良い空気!、木が温かいと感じた」など感性の高い感想も聞けた。

今回は、3・4年生生ということで手帳を使っての「森の健康診断」は難しいので、まずは森に慣れてもらいたいと考え、丸太を井桁に組んで、丸太の玉切りをして、鋸に慣れ、楽しいと感じてもらうことを重視。鋸のこと、扱い方などを説明し、一人ひとり丸太を切ってもらう、最初はぎこちない、力の入った伐り方が、だんだんと力の抜けた素直な伐り方に変わっていって、楽しくなってくる!そうするともっと切ってみたい、家族の人数分のコースター(切った丸太の板)切ってみたい、厚く切ってみたい、薄く切ってみたいと、困難なことに挑戦してました。担任の先生も子どもたちの鋸の使い方を指導、足の位置、手の使い方も的確に伝え、子どももすぐに上手くなるので感心しました。

この玉切りに疲れたところで、近くにある草木の葉っぱをみんなに見せて、知っているものある?と聞くと「ナンテン」という声が返ってきた、素晴らしい。「ヤブムラサキ」はフワフワな葉っぱ、また、「「マンリョウ」は下に実が付く、「センリョウ」は上に実が付く、千両の小金は見せびらかすが、万両の大金は隠すんだよ」との葉っぱの話に盛り上がっていました。

昼食は、近藤さん宅のガレージで、スタッフも一緒にいただく。子どもたちは久しぶりのお弁当で盛り上がっていて、また、近藤さんから鬼まんじゅうの差し入れがあり、アットホームな雰囲気の昼食だった。

午後は、「空開け体験」開始。

受け口、追い口、また、木を引っ張って倒すことも図面を使って説明。

さあ、木を伐り始めました、玉切りを十分に行ったおかげで、受け口の斜め切りは少し手こずりましたが、担任の先生に交代、手慣れた鋸の扱いで上手く斜め切り完了、受け口の水平切り、追い口の水平切りは、みんなで力を合わせてスムーズに切れました!

そして、子どもたちは引っ張って倒すロープの所に移動し、引っ張り方を説明。そーれ、と掛け声をかけて、掛け声を合わせ、かなり力いっぱい引っ張ても、斜め前に立っていたヒノキの枝先に伐倒木が引っかかり、引っ張る毎にヒノキの幹の方に食い込んでいって、倒すことができなかった。

スタッフで相談の上、時間もあることから、ロープの滑車を掛け替えて、横に牽引することに変更。ただ、手順を変更したことから、子どもたちの安全を考慮して、子どもたちには安全な位置で見学してもらった。スタッフが牽引具を使用してで無事に倒した。子どもたちに倒してもらえなかったことが残念。

伐倒したスギの木は、樹高21m、樹齢53年、胸高直径20.5cm。

「終わりの感想」では、木を伐るのは大変だった、沢山木がある所では引っかかりやすい、丸太切り太く切って大変だった、山に登れてよかった等々間伐の大変さは伝わったと思います。

(文責)吉田

2024年11月12日 Tuesday 20:19 | posted by 吉田 雅紀
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

小渡小で空開け体験(2024年10月31日・9:00〜11:15)

【全体概要】

小渡小学校 森の健康診断 出前授業 実施要項

日時:2024年10月31日(火) 9:00〜11:15
場所:小渡城近くの山
対象:小渡小学校5,6年生11名 + 先生2名(教務・担任)
講師:森の健康診断出前隊 3名
鈴木、飼沼、龍頭
プログラム:
8:45〜 9:15 学校から移動
9:15〜 9:45 初めの会
紙芝居の思い起こし・体操・諸注意・写真
9:45〜11:40 空開け(伐倒)
11:40〜11:50 終わりの会(感想の発表)
11:50〜12:20 学校に移動

【詳細】

好天のこの日、小渡城跡地で小渡小5・6年生9名(2名欠席)に空開け体験学習を実施した。学校側からは、担任と教務の2人の先生が参加し、出前隊員は3人である。
[画像:小渡小(1)]

頂上近くの仏像が並んでいる広場の前に、9時頃に子どもたちが集合した。

『今日は何が楽しみ?』と問うと、即座に「伐倒!!」との大きな声。(写真の仮ロープが掛けられている木が伐倒木)

前回9/18は調査だけを実施したので、その思い起こしから始めた。
紙芝居の表紙だけを提示して、『どんなことを覚えてる?』と尋ねると、「不健康な森と健康な森」や「人工林」など。そこで、さらに質問を続ける。『山の役割、仕事って、何?』すると、「酸素をつくる」という光合成のはたらきや「動物を育てる」「水を貯える」「飲み水の元」「木で薪を作ったり、木製のモノづくり」などなど、なかなか活発に発言してくれた。 [画像:小渡小(2)]

空開け体験の場所に移動して、いよいよ伐倒である。


伐倒前に天井を見上げると、枝が張り出して混んでおり、「空が見えにくい」との声。


『この木の高さは何mあると思う?』と尋ねると、「40m?」 また、我々の顔色を見ながら「3m」との声も…。『君の身長はどれだけ? 1m50cmだったら、その2倍で3mだよ』 すると、「28m」「18m」「17m」というつぶやきが聞こえてきた。

[画像:小渡小(3)]

ヒノキの胸高直径は、21.5cmである。

手ノコの使い方は、広場で指導してあるが、受け口部分の斜め切りはむずかしく、なかなか切り進まない。


先生の助けも借りて、どうにか受け口部分を伐り落としたところで、匂いをかかせると、「くさい」「この匂い、どこかで嗅いだことがある」などなど…

[画像:小渡小(4)]

どうにか追い口も伐り込み、いよいよロープを引いての態勢に移る。

尾根のフラットな歩道に出て、ロープを握り、「よいしょ!」「よいしょ!」

しかし、写真に見えるように倒れかかるが、前方の枝が邪魔して、なかなか倒せない。見かねて、先生も加わると、ドスーンという音がして倒すことができた。

[画像:小渡小(5)]

空がポッカリと空き、太陽が差し込むことがわかる。


樹高は22.65mで、枝下高は18.9m。葉のついていない割合は0.83なので、この木はこれ以上太ることができにくい、と隊員からの説明があった。


次に混み具合表を見ながら、1a当たり14本で交点を確認すると、この森は【混み過ぎている】で、ちょうど良い本数は6本となり、8本伐る必要がある。
その内の1本を今日は伐ったことになる。また、年輪は52才だった。

[画像:小渡小(6)]
最後に、まとめの感想を書いて発表してもらった。
「森は混み過ぎていることがわかった」「伐る前は光があまり見えなかったが、(倒したら)見えるようになった」「伐るのも大変だったが、ロープを引いて倒すのも大変だった」「メキメキって音がして倒れて、驚いた」「1本伐るだけでも大変だったけど、楽しかった」 [画像:小渡小(7)]

11:50帰校予定だったが、思ったよりも早く伐り倒すことができたので、11:15頃に子どもたちは下山を始め、学校に向かった。

(文責) ドラゴンヘッド(龍頭)

2024年10月31日 Thursday 21:00 | posted by 龍頭 喜久雄
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

2024年10月21日(月) オイスカ 勘八の森 森の健康診断

JUGEMテーマ:学問・学校

私たちスタッフ3人は、フィリピンとインドネシアからの「子供の森」計画のコーディネーター3人と通訳1人の4人とともにオイスカの森に入っていった。

彼らは、自国での自身の活動に生かすことを学ぶためにとても精力的に向かい合ってくれて、言葉の壁を全く感じずに健康診断を初めることが出来、心地よい走り出しとなった。

まずは、森を五感で感じることからはじめ、コーディネータの方が森をどのように捉えているかをたくさん聞くことに勤めた。

街の近くのせいもありどうしても町の騒音が気になるが、皆さん、虫や鳥等様々な音を感じたり、光、太陽の温かさ、そよ風と言ったからだ全体で感じた感想を言ってくれた。森の中で感じられる心地よい感じがどういうものか、海を越えても同じなのだと思った。

あと、皆さんコーディネータだけのことはあり、「針葉樹の下に生えている広葉樹は間伐したらもっと大きくなるのか」、「同じ年に植えたヒノキがどうして全く違う太さにそだってしまうのか」といった私たちが答えに困る学術的な質問もたくさん投げかけられてきて、「これは手を抜けないぞ!」といつもよりテンションが高まっていった。

その後、植生木以外の植生が少ないこと、育ち切れていない広葉樹が点々としている理由が、空が閉じていることと、腐葉土の層が薄いために育ちが悪いことを、斜面の傾斜や腐植土層の厚み測定で体感しながら理解していってもらった。

1aの範囲の木の本数と直径を測るチーム作業の時は、森の健康診断2回目のフィリピンの研修生が積極的に動いてくれて、意外とスムーズにデータを取得することが出来た。こうやって、海外で活躍する森の健康診断スタッフが育っていくのかなと感心しながら、今度は木の高さを予測する。

木の高さを測定する方法を説明するのは日本人に対しても難しいので不安に思っていたが、さすが皆さん頭が良い方ばかり、つたない日本語での説明でも意味が分かったらしく、すぐに計測を開始、約13mで大体3人の意見が一致した。14本で13mは人工林管理上は適切な管理が出来ている森と判定されるが、実際そうなのか判断するためみんなで木を切る準備にとりかかかる。

今回の伐倒木は、伐倒方向に左右に枝が良く張ったヒノキが両脇に生えていて木だった。伐倒方向をかなり正確に決めないと倒れきれない可能性があったが、受け口に枝を置いてその枝に平行に追い口を切るといった工夫をしたこと、コーディネータの皆さんがとても丁寧にのこぎりの刃を入れていったおかげで、実際に伐倒する際には数センチもズレずに両脇のヒノキからの枝をうまくすり抜けて倒れて行ってくれた。

倒れる際も大人4人で一生懸命引いても少しづつしか倒れないぐらい枝が両脇の木に引っ掛かっていたので、とても倒しがいがあり、倒れた後はみんなの歓声が森に響き渡った。

木の高さの実測値は約16mで「やや混んでいる」と判定は厳しい方に振れたが、意外と管理された森だということが証明された。

2024年10月29日 Tuesday 22:44 | posted by 三宅 徹
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

稲武小で空開け体験(2024年10月25日 9:00〜14:10)

【全体概要】

稲武小学校 森の健康診断 出前授業 実施要項

日時:2024年10月25日 9:00〜14:10
場所:小木曽山
対象:稲武小学校5年生7名(男子6名、女子1名)+先生2名(教務・担任)
講師:森の健康診断出前隊 4名
飼沼、筏井、龍頭、吉田

プログラム:

8:35 〜 9:00 学校から移動、プレパークへ
9:00 〜 9:20 初めの会
紙芝居・森健体操・諸注意・写真
9:20 〜 11:10 調査
11:10 〜 12:30 ドングリの里でトイレ・プレパークで昼食

スタッフは昼食後は、伐倒準備
12:30 〜 14:00 空開け(伐倒)
14:00 〜 14:10 終わりの会(発表・感想)
14:10 〜 14:30 学校に移動

【詳細】

午前中の調査は、まず、森を感じてもらうことからスタート。
森の中で目をつぶって1分間、視覚以外の聴覚、嗅覚などを働かせて森を感じるてもらった。車の音がした、鳥の声がいつもより良く聞こえた、蚊が飛んできた、森の匂いがしたリラックスしたなどいろいろなことを感じ取っていた。そして次に、目を開けての見えるものは何がある?植わっている木は何かな?地面には何が生えてるかな?など森の中を楽しく順番に確認していった。植林された木を調べることの1つ、樹郄測定では「分からない…!」という子がいて、どう説明しても、理解してくれなくて、友達が説明しても「わからん、わからん・・・」で困りました。


昼食は、まず、ドングリの里に行ってトイレを済ませ、プレパークに戻りお待ちかねの昼食。!昼食後はプレーパークで、子どもたちは自然の中の遊具で、思い存分はしゃいでいました!


午後は、プレーパークのハイテンションを引きずって、何人かハイテンションで伐倒中も他事をしてたようだ。で、玉切りの講座を経ている子どもたちは、受け口や追い口をうまく、スムーズ伐りました。伐倒方向確認して、修正を2回行って、引っ張りに入って、子どもたちも力を合わせて引っ張って倒れず、大人も加わって引っ張っても倒れず、残念ながら相談の上、断念しました。


伐倒木の上部が少し曲がっていて、伐倒方向左前にあったヒノキの枝に枝先引っ掛かり、引っ張る毎に、幹の方に入ってしまった、残念、残念だった!午前の調査、午後の伐倒も含めてふりかえりをして今日の体験を記憶にとどめました。

木は子どもたちが帰ってから何とか伐倒。
樹郄測定 20.6m、枝下郄 17.6mを測定。
受け口の玉切、木の先の方の玉切を子どもたちのお土産として持って学校へ報告に。先生へ、樹郄と枝下郄を報告し、数値が0.7以上なのでこの木はこれ以上太れないことを伝え、また、混み具合早見表で、樹郄と本数で「混みすぎている」を確認、ちょうど良い本数が6本で後8本伐らないといけないが、一度に伐ると、風が入り安くなり、木が痛むので、4本位伐って様子を見て、また、伐ることとなると伝えました。

(文責)吉田

2024年10月25日 Friday 20:16 | posted by 吉田 雅紀
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

花山小3年生に森の健康診断(2024年10月22日・9:00〜14:20)

【全体概要】

花山小学校 森の健康診断 出前授業 実施要項

日時:2024年10月22日(火) 9:00−14:20
場所:学校近くの山(山主 中根さん)
対象:花山小学校3年生11名 +先生2名(担任+教務)
講師:森の健康診断出前隊 6名
龍頭、小山、日丸、西川、鈴木、筏井
プログラム:
8:45ー 9:00 学校から移動
9:00− 9:20 初めの会
紙芝居、体操、諸注意など
9:20−11:10 調査
11:10−12:30 子供(学校往復+昼食)
スタッフ(伐倒準備+昼食)
12:30−14:00 空明け(伐倒)
14:00−14:20 終わりの会(発表+感想)
14:20−14:30 こども(学校へ移動)
14:20−15:00 スタッフ(伐倒した木の処理)

【午前の部】

[画像:花山(1)]

10月22日(火)、学校近くの中根さんの山で、3年生10名に「森の健康診断」を行なった。学校側は、担任と教務の先生が終始参加した。出前隊員は6人である。

この日は朝から天気が良く、集合地のはなざわ広場には、9時頃に元気な子どもたちが集まった。

ただ、ここに至るまでには、幾つかの関門があった。
まず、中根さんの山に決定するまでに、6月下旬から他の山探しも行ったりした。学校近くの山ということで、偶然にお会いして、良い山主の中根さんご夫婦に巡り合うことができた。

次は、大スズメバチの駆除である。準備に訪れた10/11に伐倒木を探し回っていた時、写真の枯れ葉の下のハチの巣を偶然に踏んでしまった。すると、数匹のスズメバチが飛び始めた。地元ではクマバチと呼ばれているそうだ。そこで、12日に豊田市の社会福祉協議会のボランティアセンターに問い合わせ、蜂駆除グループに行きついた。夜には代表者の方と連絡がとれ、連休最後の14日(月)に駆除に行く、とのこと。14日の午前中に4人の年配男性が参加して、その内の一人だけで、ものの10分程度で駆除を終えて、山を下りてきた。ビニル袋には900gの巣と、ペットボトルに閉じ込めたスズメバチを持っている。「代金の支払いは?」と問うと、子どもたちの学習のためなので、無料というありがたい返事だった。 [画像:花山(2)]
さらに、マムシ対策である。山主さんの話によると、夏ごろに写真の道路際で、近所の犬がマムシに嚙まれて、死んだとのこと。対策を色々と模索した中で、長靴をはくことが簡単で有効だとわかり、学校に頼んで、子どもたちには天候の有無にかかわらず、長靴の着用をお願いした。 [画像:花山(3)]

そして、本番当日を迎えたという次第である。

山に入ってから、手ノコの全体指導をした後、2つの班に分かれて、丸太切りしてコースターを作る作業に取り掛かった。
5枚も6枚も切り取り、カラーマジックで名前や絵を書き込む子どもたちがいる。また、2〜3mmの薄いコースター作りを教えたところ、上手に切り取り、陽にかざすと、透けて血のような模様が見え、驚く子どもたちだった。 [画像:花山(4)]
後日届いた手紙の中に、「ノコギリをつかうのがはじめてだったけど、トシさんのおかげでうまくできました。」「コースターを作るときに、コツを教えてくれてありがとうございました。」などと書いてくれた。
この後、木や草の葉っぱ探しを行い、名前を聞いたり、山主さんの話を聞いたりして、11時過ぎに学校に戻り、弁当を食べることになった。 [画像:花山(5)]
子どもたちの感想手紙の中に、「大きな木をみんなで きって、ひっぱってたおしたことがたのしかったです。しぜんがもっとすきになりました。」「ハチとかもたおしてくれたりしてくれて、ありがとう」などと、すてきな感想を書いてくれた子どもたちでした。
さらには、山主の中根さんに「山をかしてくれてありがとうございました」「木もきらせてくれて、うれしかったです」など、素晴らしい手紙も書いてくれました。

(文責) ドラゴンヘッド(龍頭)

【午後の部】

午後からの伐倒体験は、当初予定していた場所でオオスズメバチの巣が発見され、駆除はしたものの、安全を期して場所を変更したため、当初より狭いエリアで実施した。
そのため、子どもたちが手鋸で作業するために列をつくる場所と、最後にロープを引く場所を複数の出前隊メンバーで相互確認した。事前に様々な視点で意見交換することの大切さをあらためて感じた。
まずは切り倒すヒノキの先端をみんなで仰ぎ見て、混み具合を確認した後、作業を開始。
午前中の手鋸練習の成果もあり、真剣な眼差しで腰を入れながら手鋸を引く子どもたちは頼もしかった。 [画像:花山(6)]
追い口もでき、子どもたち全員で、ロープを引く場所に移動。後ろの人にロープを送る要領と、倒す木の先端を見ながら声を合わせて引くことを子どもたちに伝えて、引き始める。小山リーダーが丁度いいツルの厚さに調整してくれたので、子どもたちは力を精一杯ふりしぼって引き倒し、地面の振動をカラダで感じることができた。
ロープの最後尾に出前隊メンバーが付くことは、子どもたちの安全確保にとって有効であることも確認できた。 [画像:花山(7)]

倒したヒノキの先端に実があるのに気づいて手に取る子ども、年輪を指で数える子ども、 いつまでも木を撫でている子ども、それぞれの子どもたちがヒノキと対話した。

最後、子どもたちの感想を聞いた山主の中根さんから、「今日は一日、山で楽しく学んでくれて、とても嬉しい。ありがとう」とのコメンントをいただいた。
森の健康診断プログラムを通じて、山主さんと子どもたち、先生の気持ちがつながる瞬間に立ち会える喜びをかみしめた。

(文責) 日丸

2024年10月22日 Tuesday 21:21 | posted by 龍頭 喜久雄
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -

10/21(月)森の健康診断 in オイスカ 勘八の森

【全体概要】

森の健康診断 in オイスカ 勘八の森 実施要項

日時:2024年10月21日(月) 9:00−15:00
場所:オイスカ中部の裏 勘八の森(豊田市有林)
対象:オイスカ「子供の森」計画コーディネーター6名
(インドネシア2名、2名、タイ2名、マレーシア1名、ミャンマー1名)
オイスカ中部・・ 研修生(フィリピン1名)
オイスカ海外事業部3名
講師:森の健康診断出前隊 6名
吉田、飼沼、小山、龍頭、鈴木、筏井
プログラム:
(8:00 出前隊スタッフ集合)
9:00 参加者集合 受付開始
調査手帳(日本語版、英語版)配布&下げ紐準備、
ヘルメットにニックネーム記載
9:10ー9:30 朝の会
出前隊自己紹介 紙芝居、体操、諸注意、集合写真
9:30−11:00 調査
11:00ー12:30 伐倒
12:30ー12:40 森健終わりの会
12:40ー13:30 ランチ
13:30ー15:00 森健終了後のディスカッション
参加者の出身国の森林事情・課題プレゼン
今日の研修が自国でどんな風に役に立つか?など
15:00 解散

グループ1(英語のわかる参加者)…小山・三宅・飼沼
グループ2(日本語のわかる参加者)…龍頭・鈴木・吉田

森の健康診断 調査手帳(英語版):(翻訳:AI&小山、編集:筏井)

【午前の部 グループ1】

私たちスタッフ3人は、フィリピンとインドネシアからの「子供の森」計画のコーディネーター3人と通訳1人の4人とともにオイスカの森に入っていった。

彼らは、自国での自身の活動に生かすことを学ぶためにとても精力的に向かい合ってくれて、言葉の壁を全く感じずに健康診断を初めることが出来、心地よい走り出しとなった。

まずは、森を五感で感じることからはじめ、コーディネータの方が森をどのように捉えているかをたくさん聞くことに勤めた。

街の近くのせいもありどうしても町の騒音が気になるが、皆さん、虫や鳥等様々な音を感じたり、光、太陽の温かさ、そよ風と言ったからだ全体で感じた感想を言ってくれた。森の中で感じられる心地よい感じがどういうものか、海を越えても同じなのだと思った。

あと、皆さんコーディネータだけのことはあり、「針葉樹の下に生えている広葉樹は間伐したらもっと大きくなるのか」、「同じ年に植えたヒノキがどうして全く違う太さにそだってしまうのか」といった私たちが答えに困る学術的な質問もたくさん投げかけられてきて、「これは手を抜けないぞ!」といつもよりテンションが高まっていった。

その後、植生木以外の植生が少ないこと、育ち切れていない広葉樹が点々としている理由が、空が閉じていることと、腐葉土の層が薄いために育ちが悪いことを、斜面の傾斜や腐植土層の厚み測定で体感しながら理解していってもらった。

1aの範囲の木の本数と直径を測るチーム作業の時は、森の健康診断2回目のフィリピンの研修生が積極的に動いてくれて、意外とスムーズにデータを取得することが出来た。こうやって、海外で活躍する森の健康診断スタッフが育っていくのかなと感心しながら、今度は木の高さを予測する。

木の高さを測定する方法を説明するのは日本人に対しても難しいので不安に思っていたが、さすが皆さん頭が良い方ばかり、つたない日本語での説明でも意味が分かったらしく、すぐに計測を開始、約13mで大体3人の意見が一致した。14本で13mは人工林管理上は適切な管理が出来ている森と判定されるが、実際そうなのか判断するためみんなで木を切る準備にとりかかかる。

今回の伐倒木は、伐倒方向に左右に枝が良く張ったヒノキが両脇に生えていて木だった。伐倒方向をかなり正確に決めないと倒れきれない可能性があったが、受け口に枝を置いてその枝に平行に追い口を切るといった工夫をしたこと、コーディネータの皆さんがとても丁寧にのこぎりの刃を入れていったおかげで、実際に伐倒する際には数センチもズレずに両脇のヒノキからの枝をうまくすり抜けて倒れて行ってくれた。

倒れる際も大人4人で一生懸命引いても少しづつしか倒れないぐらい枝が両脇の木に引っ掛かっていたので、とても倒しがいがあり、倒れた後はみんなの歓声が森に響き渡った。

木の高さの実測値は約16mで「やや混んでいる」と判定は厳しい方に振れたが、意外と管理された森だということが証明された。

(文責) 三宅

【午前の部 グループ2】

[画像:オイスカ(1)]

10月21日(月)オイスカの森で、海外研修生とオイスカ職員に森健(写真は調査地)を実施した。私の担当はグループ2で、参加者はタイ女性が2人、ミャンマー女性が1人、マレーシア男性が1人それと日本人職員が1人の計5人である。一方、出前隊員は私を含めて3人。

海外研修生3人はやさしい日本語はほとんど理解でき、タイ女性1人が不慣れなため、もう一人がタイ語で通訳してくれる。

目を閉じて【森を感じる】コーナーでは、「心が穏やかになる」「風が気持ちいい」との発言には驚いた。他には「3種類の鳥の鳴き声が聞こえた」

また、目を開けて辺りを見回すと、「地面に枯れた枝や葉っぱが、いっぱい落ちている」「天井から空が少し見える」など。

「この森が人工林だというのはどうしてわかる?」と問うと、「木が真っ直ぐに立っている」「どの木もほとんど太さが同じ」と答える。「もう一つ見分け方を教えましょう」と伝えて、私がほぼ等間隔に植えられているヒノキを実践して、「コロナの時のソーシャルディスタンスだね」と説明すると、皆んな大きくうなずいていた。 [画像:オイスカ(2)]

研修生の協力の下、5mの方形枠を設置する。腐植層を測ると、5cmもある。ヒノキだけでは、この層は不可能であり、近くに広葉樹や雑木が見られ、それらの葉っぱが飛来して、層をつくったものと思われる、という隊員の説明に研修生たちは納得していた。

ちなみに、草は2種類で、木は9種類だった。ヒサカキやシイという名前も書き込むことができた。 [画像:オイスカ(3)]
直径巻き尺の使い方を教えて、2人組となり計測させると、25.5cmや23cmなど。そこで、「木はどうして太くなるのか、わかる?」「光合成という言葉がわかる?」と問いかけると、日本語が堪能なタイ女性が「ご飯を作ることね」と即座に答えてくれたので、これにも驚いた。 [画像:オイスカ(4)]

1a当たり16本であることを確認した後、伐倒木の目測樹高を測る。その前に「木の高さは何mだと思う?」と尋ねると、「40m」さらに「50m」など。「えっ、ええっ!」という声に「20m」と言い換える声も…。

そこで、計測方法を教えて枯れ枝を持たせて測らせると、「4mの3倍ほど」とのことで、13.3mをグループの総意とする。

さて、混み具合早見表のグラフを見ながら、13.3mで16本の交点を確認すると、この森の混み具合は【ちょうど良い】状態となるため、「本日の伐倒はなし」と述べると、皆んな苦笑い。
「私はもっと高いと推測するので、これから1本伐倒して、本当の高さを測りましょう [画像:オイスカ(5)]

伐倒のため、手ノコで伐らせると、初めてという女性たちも「楽しい!」と伐り進む。マレーシア男性はパワーがあり、どんどん伐り進み、追い口は彼がほとんど伐っていた。

最後に、平坦な道に並んでロープを引いて引き倒す。最初は隣の枝に掛かって大変だったが、倒れ込んでドシーンという音が聞こえると、自然に拍手が起きた。

樹高は16,4mだった。 [画像:オイスカ(6)]

午前中の最後に感想発表会を、オイスカの建物の玄関先で行なった。全員が「楽しかった」と述べてくれたところで、私の方から、次のことを伝えた。

『日本と皆さんの国とでは、環境が違うし、また樹木も違うでしょう。午前中の我々の活動が参考になったなら幸いです。そこで、2点だけ付け加えます。
一つは、手帳の進め方です。【目を閉じて森を感じる】【目を開け、森を観察する】から開始しているのは、子どもたちの”気付き”を大切にしたいということです。五感で感じた気づきから、疑問を持って、森のことを調べてほしいという我々の願いです。

もう一つは、今回は手帳を使っての体験学習でしたが、我々はそれ以前に、下見チェックリストと言う用紙を用いて現場が安全かどうかということを確認しています。その際に枯れて危険な木があると、前もって伐り倒しておきます。今回も、事前に4本ほど伐り倒してありますが、安全が一番大切です。

また、学校側との打ち合わせも事前に打ち合わせ確認事項という用紙で行ない、了解を取って進めています。皆さんの国でも、学校や保護者たちの理解を事前に十分に取っておくことが大切だと思います。』

(文責) ドラゴンヘッド(龍頭)

【午後の部】

午後の部(森健終了後のディスカッション)は、大広間で車座になりながら行いました。

まずは、インドネシア、タイ、マレーシア、ミャンマーの「子供の森」コーディネータが、それぞれの国の森の状況や課題を、プロジェクターを使って説明してくれました。

下記に、タイの発表の概要を紹介します。

タイには雨季と乾季がありますが、温暖化や過剰な森林伐採の影響などで、近年は乾季が長くなっています。
雨季には洪水や土砂崩れ、乾季には、干ばつ山火事といった災害が発生し、人々の生活や農業、環境にも悪影響を及ぼしています。
「子供の森」計画は、子供たちが学校や周辺地域で、木を植え、育てる活動を通じて、森を大切にする気持ちを育てる取り組みで、タイでは1992年から始まりました。
植林は雨季に行いますが、乾季の間に苗木が枯れてしまわないように、水を入れたペットボトルのふたに穴を開けて、さかさまに地面に挿しておくことで、少しずつ水やりができるように工夫しています。
これまでタイの「子供の森」計画に加わっている学校は、全国で187校にのぼります。

(発表者:スリン県()担当のサマイさん、アユタヤ・チャイナート県()担当のオップさん)

他のインドネシア、マレーシア、ミャンマーも、それぞれの事情と課題を抱えているものの、極度の森林消失が原因で、環境破壊が進み、そこに暮らす人々の暮らしに深刻な影響を与えている点は共通しています。そんな中で、オイスカの「子供の森」計画(CFP:Children’s Forest Program)は、子どもたち自身が学校や地域で苗木を植え、育てていく活動を通して、「自然を愛する心」や「緑を大切にする気持ち」を養いながら緑化を進めています。

一方、森の健康診断は、長年放置された人工林が、いかに不健康な状況にあるか、間伐をする重要性を子供たちに知ってもらうための体験プログラムなので、一見、両者は真逆のようにみえます。

「参加してくれた皆さんの国で、今日の研修は果たして役に立つのだろうか?」

今回の出前講座を実施するにあたって、この疑問がずっと私たちの中にありました。

「森の健康診断」は、2000年の東海豪雨の大きな被害に、矢作川流域の森の状況が関係しているのではないかと考えた何人かの市民が、研究者や行政を巻き込んで、森の現状を「市民レベルで調査する」方法論やグッズを開発したのが、そもそもの始まりです。その後10年間、年に一度200−300名の人が全国から集まって、矢作川流域の森を調査し、研究者が結果を分析するという活動が続きました。

この流域での調査活動と並行して、全国にこのやり方を伝えるプロジェクト(全国展開事業)が生れ、全国に講師を派遣して、その思いや技法を7年間伝えてきた後、「未来への種まき」として、学校(子供たち)への出前体験授業を展開して、今年で9年目になります。

今回、この午後のディスカッションで、6人の「子供の森計画コーディネータ」の発表をお聞きしながら、状況だけみると、まったく逆に見える両者の活動の間に、「自国の森に大きな課題がある!」「対策を探って市民レベルで実施!」「子どもたちへの活動で、未来に希望をつなぐ!」といった、共通のキーワードがあることに気が付きました。

ならば、これらのキーワードを繋ぐためのプロセスや、「子供たち」への育成アプローチなどが、ひょっとすると、それぞれの国でも役にたつかもしれません。そうなったら、どんなに嬉しいでしょう。

同時に、私たちも、参加してくれた皆さんの取り組みから、より広い視点で森を考える機会をいただいたように思います。ありがとうございました!

(筏井 美枝子)

2024年10月21日 Monday 21:12 | posted by 四方森ブログ管理人
- | permalink | comments(0) | -

敷島小で空開け体験(2024年10月18日 9:00〜14:10)

敷島小学校 森の健康診断 出前授業 実施要項

【実施概要】

日時:2024年10月18日(金) 9:00〜14:00
場所:押井町ライスセンター近くの山
対象:敷島小6年 6人(男2、女4)、先生 2人
講師:森の健康診断出前隊 3名
鈴木、飼沼、吉田

補足:予定日が雨予報のため延期となり、予備日の18日に実施した。
調査、空明け体験ともに順調に実施できた。

プログラム:

8:50 〜 9:00 学校から移動
9:00 〜 9:30 初めの会
紙芝居・森健体操・諸注意・写真
9: 30〜 11:00 【森を感じる】【植生調査】【植えた木の調査】
11:00 〜 12:00 ライスセンターで昼食&質問タイム
12:00 〜 13:50 空開け(伐倒)
13:50 〜 14:00 終わりの(感想の発表)
14:00 〜 学校会に移動


【詳細】

4月の初めに学校に行き、森健の打ち合わせを行った。担任と教頭が出席し、学校から、今年は1日を使って森健調査から空明け(間伐)までを行いたいとの要望があった(2015年から昨年までは、春と秋の2回に分けて行ってきた)。
当方から、森健を行う場所を生徒の家族が持っている山で行いたいので、確認してもらえないか依頼した。条件はのこぎりで切れる針葉樹スギ、ヒノキ林での20cm程度の木があることとした。 約1か月後学校から返事があり、適度の山がないから、出前隊で探してほしいと返事があり、「しきしまの家」の事務局長で押井の住民でもある鈴木辰吉さんに出会い、若い木のある山を探してほしいと頼んだ。 すぐに、辰吉さんから連絡があり、押井ライスセンターの南側に植えて間もない(20年ぐらい)の山を見つけたため、 見てほしいと連絡があり、見に行った。若干狭いが1チームで行うため問題ないため、OKと返事をし森林課へ間伐届を出すため課税証明書の該当部が入った部分の書類を依頼し、ここで行うことにした。

下見
紹介された場所は樹齢20年程度の若い山で、植えてから手が入れられておらず、こども森健には最適なところであった。中に入ってみると、下草はなく、一部山から出た水が地面を流れているところの旧畑の場所である。若い木のため枝が多く、樹高測定時、竿の先端を見ることが出来なかった。木の先端が見えるところを探し、竿の先が隠れている枝を別の日に高枝切りで枝落としを行うことにした。若干狭いが、7人ならば問題ないと判断した。書類を受領し、間伐届を出し、間伐許可を受領した。実施部がは押井地区団地化時、境界確認が終っていた。

学校との打ち合わせ
実施日と予備日を再確認し、雨天時は学校から前日昼までに連絡をもらうようにした。車の手配は、学校からわくわく事業の「旭根っこの会」へ連絡するよう依頼した。当日こどもたちの服装で、長袖、長ズボン、足首が出ないよう長ソックスを履いてくるよう依頼した。また、緊急事態を考え、当日先生に車1台別に来てくれるよう頼んだ。
事前準備
支障枝の処理と伐倒木にスローラインを掛け、前日メインロープに変更しておいた

森健日の状況
予定通り車でライスセンターまで来た。朝の会を実施し、紙芝居、モリケン体操、注意事項を行って森に移動した。
ライスセンターはアスファルト舗装のため、早朝降った雨でまだ地面が濡れていた。

森の入口はイノシシの荒らした跡がいっぱいあり、中はまだ枝葉が濡れており、若干濡れの少ないところに荷物を置いて始めた

A 森を感じる

約1分間目を閉じて森の音や様子を感じてもらい、また目を明けて周りや、地面、天井を見て、感じたことをノートの書いてもらい、自己紹介と感じたことをいってもらった。次の植生調査では、初めに方形枠を全員で作った。ここは、元畑であり傾斜角度と傾斜方向はなかったが、枠の両方の分かれて角度計で測り方を練習し、位磁石で方向を測った。

B 森の様子
天井の様子や、枯木の有無、竹があるか、落ち葉のどれくらいあるかを見た。次の森の腐食層の厚さを、シャベルと物差しで測る見本を見せ、生徒に測ってもらった。ここではあまりなく、表面が水で流れているのが原因であることが分かった。生えた木や草の地面を被っている割合や、木や草の種類を、葉っぱを取って調べた。

理想の森は4階だてについて
杉、ヒノキの人工林は 多くの木の枝がほぼ平行に出ており、降った雨の雨粒が、葉っぱの先に付き、これが徐々にに大きくなり、4倍から5倍の大きさになってから地面に落下するため、何もないと 地面の土が掘られて流れ出してしまう。自然に生えた草や木の葉っぱがあれば、落下した雨粒が当たり、砕けて小粒になることが 土の流出を防ぐ仕組みであり、広葉樹の天然林では多くが枝の出方が針葉樹と違って、幹に対し鋭角に出ており、葉っぱに付いた雨粒が多くは枝を伝って幹に達し流れるため、土砂の流出が少ない。

C 植えた木の調査
事前に張った100m2の枠内の本数を調べ(12本)、木の太さを直径巻き尺を使って測った。次ぎに、木の高さを測るため、幹に4メートルの竿をつけて、少し離れて木の先端が見えるとこまで移動し、木の枝を拾い、これを4メートルの竿にあわせて、何回あるかを調べた。調査では3回~3.5回で(13.5m〜15.3m)であった。

D 混み具合の診断
木の本数と高さを早見表を使って判定した。ここでは15.3mで判断し、「ちょうど良い」ことが分かり、まだ1本は切ってもよいことが図から分かった。

昼食と質問タイム
ライスセンターまで戻り食べた。昼食後、生徒から講師3人に聴いてもらい、疑問点の質問を受け、わかる範囲で答えた。質問事項が事前に準備されており、予習をしっかり行ってきたと分かった。

空明け体験

始めにノコギリの使い方と伐倒時の危険範囲を説明し、受け口の斜めから伐り始めた。斜め切りがなかなか難しくて進まず、苦労していた。生徒6人が、何回も回り3回目でやっと斜め切りが完成した。下の水平切りは簡単に切れた。追い口をきるときは、絶対に前側に立たないよう、また半分きった所で安全のため全員5m退避し、一人ずつ根元に来て伐った。


切り口が完成し、ロープを引くところに移動し、引き方を指導し、特に引く場所が狭かったため足を固定し、ロープのみ後方に送り出し、手でロープを持ち替えて引くようにした。リーダーは子供に付き、サブが根元に配置した。ツルが斜めになっていたため 少しのこぎりで修正をかけたところ、木が動き出し、急遽引いたが、余り引っ張った感じがなく倒れてしまった。木の根元に集つまってもらい、天井を見上げると、ぽっかり空が見えた。

樹高測定で15.7m、樹齢の測り方を教え数えたところ21歳であり、混み具合の判定は「ちょうどよい」で2本まで伐ってもよいであった。時間の余裕があったためと学校で使いたい要望があり、倒した木を1.5mに6本伐り、5本を学校へ持参し、1本は現地で玉伐り(コースター作り)を行った。

終わりの会と反省
・全員が面白かったと言ってくれ安心した。
・もう少し引っ張って倒せるとよかった。
・事前準備で支障の枝を落としすぎた感じはある。
・この場所では、ロープを掛ける位置を10mから5m位に下げるとよかった。
今後に向けて
今の5年生は13名と多いため、来年は別の場所を探しておく必要があり、新学期が始まったら、早めに学校に投げかける予定である。

鈴木 敏治

2024年10月18日 Friday 21:53 | posted by 鈴木 敏治
学校で森の健康診断 | permalink | comments(0) | -
投稿者ログイン
ID:
パスワード:
管理者ページ
選択エントリー
最近のコメント
カテゴリー
森の健康診断HP
アーカイブ
リンク
その他

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /