自主イベントとして、昨年度から始めた「家族みんなで、子どもの森の健康診断」、今回は2回目となり、勘八の森(豊田市市有林)での実施です。(右はイベントちらし)
この森には、オイスカ 中部日本研修センターがあり、実施場所は、オイスカの裏の森にあたります。
オイスカには、海外からの研修生が、農業などの研修を受けており、今回は、海外(インド、フィリピン、バングラディッシュ)からの研修性3人、職員さん3人に入っていただきました.。
はじめの会で、紙芝居、モリケン体操、注意事項の説明があり、いざ森へ。
森では、低学年G、高学年&研修生G、大人G の3グループに分かれて、子どもの森の健康診断を実施しました。(それぞれのグループのレポートが、この記事の後に続きます)
↓
↓
↓
↓
(各Gに分かれて森の健康診断:低学年G、高学年&研修生G、大人G )
↓
↓
(「イカさん」こと、筏井)
2024年3月25日(月)小雨 9:30〜15:00
小雨の中、オイスカの研修館ポーチにて、私は「紙芝居」を担当。木枠に入った紙芝居出そうとした際、不注意で紙芝居を散乱させてしい、紙芝居の順番がグチャグチャ・・・!意図してはやってないが、説明もちょっとチグハグに。とはいえ、みんなの笑いを誘い、注目され、内容も注意を引いたのは結果オーライ!?
低学年グループは、森の健康診断の手帳を使わず、まずは森に親しんでもらうのが目的。
用意したメニューとしては、
時間があれば、
参加家族が子どもの発熱で減ってしまって、3家族になってしまい、低学年グループは小学校2年と1年の女の子2人のみ。
出前隊員は私ともう1人の2人で担当したのでマンツーマンで、じっくり行えて楽しかった。
1の「森を感じる!」では、2人とも、カラスだったり、他の鳥だったり、森の匂いや雨の音など敏感に感じてくれていた。
2の「丸太切り体験」では、2人とも何枚も休まずに積極的に切ってくれていて、小学1年生の子は初めてテノコを使ったとのことだけど、初めてと思えないくらい上手く使って切っていた。切ることに慣れてくると、透けて見えるくらいに薄く切ることに何枚も挑戦。疲れてくると、テノコを引っ張るときに曲げてしまい、切りにくくなって、余計に疲れていた。
疲れてきたので別のメニューに。4落ち葉が積もっているところで、シートに落ち葉から下に順番に取ってもらった(もう一人の担当者の飼沼さんが、上から順番取った境に、木の枝を置いてくれたことで、何段の層を感じたかが分かりやすくなった)。
一番上の落ち葉は、落ち葉の形ははっきりと分かる
と6層に分かれた。
分けている最中に、クモやミミズ、小さな虫を見つけて盛り上がった!小学2年生の子は、生きものが葉っぱを食べたりして、森が葉っぱに埋もれないことを理解していて驚いた!
その後、3の「伐倒木を引っ張って見る」。「よいしょ、よいしょ」と大きな声を出して、引っ張って見た。倒れないねと声を掛けたら、「伐ってないから・・・」と言われ、よく理解している子供たち。
昼食を取って、午後のメニュー、伐倒へ。
伐倒木に、受け口、追い口をチョークで印をして、少し斜め切りをしてテノコが安定するようにして、斜め切りを子どもたちに伐ってもらった。午前中の練習の成果が出てスムーズに伐れていった。途中で、大人グループも入って、受け口が切れ、追い口も難なく伐れて、さあ、引っ張って伐倒。
ツルは、大人にも引っ張ってもらうので、厚めに設定。引っ張ってもなかなか倒れない!、「よいしょ、よいしょ」大きな声で、出前隊員も力を出してやっと倒すことができた。倒す方向の前の木の枝の張りが強くて倒れずらかったようだが、ぽっかりと空開けができて、達成感は最高だった!
樹齢は24歳、樹高は15.5m、混んでいる森の中で年輪は等間隔で素直に育った木のようで、珍しい!
(文責 ヨッシーこと 吉田)
小雨の降る中での森健になったが、それを障害と感じた人は誰一人いなかったように思う。全員が最後まで楽しそうに取り組んでくれたのが何よりであった。
日丸さんの提案だったと思うが、オイスカの外国人研修生3人と小学生の高学年生3人をペアにして3組のインターナショナルチームを作り共同作業で授業に参加してもらうことになった。これがまた良かった。お互いに良い経験になったと思う。段々と授業が進行するに従って彼らの森健への理解と興味が増していくのがよくわかってきた。
やはり圧巻は午後の伐倒体験である。その頃には早めに授業を終えた他のグループ全員も集まってきて、ロープ牽引に加わってくれた。
当方が担当した高学年グループだけでなく参加者全員の一体感が生まれた瞬間でもあった。最後のまとめの会からは、参加者全員が森の役割、それを維持していく大切さを学び取ってくれた印象を受けた。
翻って講師チームに目を向けると藤井さんは伐倒木の重心を考慮に入れた受け口をパーフェクトに設定してくれた。敏さんはいつものように素早く作業をアシストしてくれるし、三宅さんの工程を見越した動きにも助けてもらった。
日丸さん、飼沼さんの外からの声も進捗を助けてくれた。
チームの力で授業をつつがなく終えることが出来たと思っている。
有難うございました。
( おやまぁさんこと 小山利雄)
参加した大人は6人で、出前隊スタッフは私と「ミッキー(ニックネーム)」こと藤井さん・「トシくん」こと鈴木敏治さんの3人である。
序盤は私が担当し、後はお二人にお願いした。調査地は、低木が生えており、やや見通しが悪い。
目を閉じて「森を感じる」コーナーでは、近くの低学年グループと同時に行い、2分半実施する。小雨だが、雨音が大きく、カラスの鳴き声が遠くで聞こえる程度だった。
その後、調査地を離れて、広めの通路で、名前の紹介と、『本日の森の健康診断ではどんなことを知りたいか』を尋ねる。初体験者は「森について、いろいろと学びたい」と。一方、国内外での植林活動実践者は「指導法を学びたい」の声 … (ドキッ!)
通路をやや進んで、傾斜角30°程のヒノキ林を見下ろす地に案内する。当初はこの地で調査を実施予定だったことを話すと、参加女性の「えぇっ!!」という表情が見られた。
これが人工林だが、特徴は何か?と問いかけると、「木が真っ直ぐ」「木と木の間に間隔がある」など。そこで、人工林の形状について話し、併せて植林のやり方やヒノキとスギの違いなどを説明する。
ここで再び、調査地に戻り、藤井さんにバトンタッチする。藤井さんが雨粒の大きさなどの話をした後、手帳を開けさせる前に、乱入し、再度尋ねる。『健康診断だが、この人工林が不健全とか病気とかがわかるためには、どんなことを調べたらよいと思う?』
「うぅーん、よくわからない」「この木(低木)の葉っぱがどの位伸びているか」「木の本数を数えたり、木の高さを測る」など。
そこで、葉っぱの茂り具合は太陽に関係しているね。と答え、木の本数と高さは、人工林の混み具合に繋がるわけだが、小学5年の算数の教科書に「単位量当たりの大きさ」という勉強があり、同じ広さでも大人がいる場合と同数の子どもがいる場合とでは混み具合が違いますね、と説明する。そして、それらの健康診断調査については、これから手帳を使って、藤井さんと鈴木利んが指導します、と伝えて再びバトンタッチする。
腐植層の深さ測定では、参加者の2〜3人が進んで小スコップで地面を掘り、興味深そうにモノサシで測ると、3〜4cmだった。
胸高直径を測りながら、1a当たりの本数を数えると18本。
さらに、離れた場所から樹高測定すると、13.3m、14.3mなどとばらつきが出て、大人でも目測樹高測定は難しい。(この樹高では、混み具合は「ちょうどよい」状態。下見時の目測では18mと見たのだが…)
ちなみに、近くの低学年グループが午後に伐倒したヒノキは15.5mだった。
(文責) ドラゴンヘッド(龍頭)
夜明けまで雨が降っていたため、実施を危ぶんだが、雨も上がり決行する。ただ、現地は霧やモヤがひどかったので、午前と午後の部を交換して、炭焼き窯近くの小屋で、講演から行った。
雲南市立西小学校は島根県の松江駅から南西方向へ車で40分ほどの場所にありました。
学校は周囲を里山に囲まれた小高い丘の上にあり、広々とした運動場の横に間伐体験を行う学校林があり斜面の上側はヒノキ下側はスギの混合林でした。
今日は4年生30名が参加し、森林学習指導はNPO法人もりふれ倶楽部の野田氏をリーダーに間伐体験指導員として4名の森林インストラクターが担当して行われました。
最初に教室で野田氏から森林に関する説明を30分ほど受けた後、運動場横の森林入り口に集合し指導員の紹介と森林内での注意事項を聞いた後、2班に分かれ現場へ出発しました。
30名の生徒は斜面の上側と下側の2班に分かれ、2班ともに1本目は指導員がチエーンソーで受け口、追い口をつくり、伐倒は長さ40mほどのロープを使用、折り返し滑車を使用して生徒皆でロープを引いて伐倒した。
指導員の伐倒木は胸高直径23cm・樹高18m(上側の班)
森林内へ入る前、全員にノコギリが渡されたが、斜面上側の班は指導員の指示で伐倒したヒノキの枝を各自のノコギリで枝切りを体験した。
下側の1班はスギを伐倒したが枝切りの体験はなかった。
生徒たちは残り時間で1〜2本のスギやヒノキを間伐したが、受け口は指導員がチェーンソーで作り、追い口切りは希望した生徒5名程が担当し、他の生徒はロープのけん引役に回った。
伐倒木周辺は斜面でスペースが狭くノコで切る人とロープけん引役に分けて指導員が受け持った点は生徒の林内移動が少なく安全面で良い方法と感じた。
1班が15名の生徒を指導員2人の編成では、元気いっぱいの4年生を掌握するのは少々大変ですね! のこぎりの使用方法が班ごとに少し違っていたので打ち合わせもれがあったかも?
4年生の間伐体験を初めて見学しましたが今まで体験した5年生と比べ全員のびのびと感じた。
翌日は野田氏お勧めの三瓶小豆原埋没林を出前隊参加者全員で見学に行きました。
巨大地底林:さんべあずきはらまいぼつりんは三瓶山(1126m)のすそ野に位置し田の区画整理の際、地下1.3m付近から発見され掘ってみると大きなものでは高さ12m根回り10mを超える幹が直立しており、これほどの規模で過去の森林が保存されている例は、世界的にも極めて珍しい。地底の森林はスギを中心とした森林が約4千年前の三瓶山の噴火により埋没したとみられ、現地は三瓶小豆原埋没林公園として整備され、地下展示室で太古の森を間近に見学することが出来る。 全員感動して帰路に着きました。
報告:出前隊 都筑 清
6月8日(木) 岐阜県高山市へ高山木の駅プロジェクトが主催した森の健康診断にリーダーとして、森健出前隊 鈴木さん、飼沼さん、鬼頭の3人で高山入り。
昨夜からの雨が残り出来るかどうか心配でしたが、なんとか開催できました。
高山市漆垣内町(うるしかいとうちょう)地区の高山木の駅のメンバー、飛騨高山森林組合、飛騨木工のみなさん21名が参加して、新しく山林整備の取り組みを始める山の現状を調べるために森の健康診断をしました。
この日は山主さんも親から受け継いだ山をなんとかしたいと参加されました。
樹齢約50年のヒノキ林、3つの調査ポイントを調べました。
診断結果はいずれも混み具合が「超過密」と出ましたが、これからこの山をどの様に手入れしていくか、間伐した木をどう使うか、森のデザインと木材利用について、三つのグループ毎に皆さんで考え発表をしました。
今後の活動がたのしみです。
下見を兼ねての出前で、前夜は木の駅プロジェクト実行委員会の皆さんと交流。
歓迎の祝い唄「高山めでた」で迎え入れていただきました。
高山木の駅プロジェクトのみなさん
ありがとうございました❗️ m(_ _)m
報告・文責 鬼頭志朗
駆け出し出前講師の大畠です。11月26日栃木県宇都宮市で森の健康診断を行いました。私の出前講師経験は一昨年の千葉山武市(2回)と昨年の山形県白鷹町の3回のみ、前回から一年半を経過しておりますので果たして無事努められるかが心配だったのですが、前夜の高橋リーダーと飼沼さんの懇切丁寧なレクチャーのおかげでなんとかこなすことができました。
主催者はNPO法人日本樹木育成研究会、参加者は16名でした。出前講師は高橋、飼沼、大畠の3名です。
対象地はこちらのNPOのフィールド(宇都宮市冒険活動センター)と隣接したスギヒノキ林です。私の担当した調査地はすでに間伐が実施され、前の週に下刈りを行ったばかりということで下層植生はシダ以外は目立ったものはありませんでした。
このコンベックスによる樹高測定は私にとって初めての経験です。前夜の特訓のおかげでなんとかできました。
やはり尺蔵による測定の方が信頼感がありました。時間がなかったためデモ伐倒は中止となりましたが、私の調査地の込み具合が9本中1本伐れば適正という結果でしたので、細目の木を一本伐倒して実測してみたら面白かったのではないかと思いました。
調査終了後の高橋リーダーによるまとめ講義です。数日前に降った雪のせいか林内は結構寒かったのですが、皆さん熱心に聞いておられました。
私のこれまでの森健の参加者は一般の方が中心でしたが、今回は地元で森林整備活動をされているNPOのメンバーであったため知識や関心のレベルが高く、グループの調査で最後に相対幹距比が16.5と出てあと一本伐れば適正という話になったときは「なるほど、数字で示されるとよく分かります、勉強になりました。」と大いに納得していただき、にわか出前講師としてもうれしい反応でした。
中央道を勝沼インターで降り、青梅街道を丹波山村へと向かいました。標高1,472mの柳沢峠を越えて約1時間の道のり。これがなかなかの難路でヘアピンカーブの連続。トンネルや橋が整備される前はもっと時間がかかったそうです。青梅に出るにも同じくらいの時間がかかります。奥多摩駅行きのバスは1日4往復のみで、勝沼方面へのバスはありません。なかなかの秘境です。
山梨県丹波山村は人口600人余りの小さな村です。多摩川の源流域で、東京都の水源涵養林が村の面積の70%を占めています。今回の森健は丹波山村の地域おこし協力隊の皆さんが企画。飼沼、小山、中根の3名の出前隊がサポートします。丹波山村には「のめこい湯」という立派な温泉施設があります。その施設に地元の間伐材を活用しようと薪ボイラーを設置されました。そこが木の駅とのつながりの始まりです。今回の企画は、森の健康診断+木の駅のデモンストレーションを3時間程度でやりたいというもので、多摩川下流の東京都大田区の皆さんとの交流会も兼ねています。
朝目がさめると強い雨音が聞こえます。朝食を済ませてもまだ雨は降り続いていました。そこで、森に入れない場合も考えて私たち3人で事前に込み具合調査を済ませておくことにしました。結果的にそれが役立つことになります。大田区の皆さんを乗せたバスの到着が遅れ、開始が40分遅れとなったからです。そうなると私たちの持ち時間は2時間20分。これはなかなか厳しい。
調査地点につくと雨は小降りになりました。ありがたい!まず、目をつむって森の感触を確かめ、感想を言っていただきます。ここは省略できません。植生調査については口頭説明にとどめ、さっそく100平方メートルの円内の植栽木の本数を数えます。21本。ずいぶん多いなあ。枯れ木も2本ありました。その後、時間の制約がありましたので代表者を選んで胸高直径と樹高測定を体験していただきました。
地元のメンバーによる模擬間伐です。鹿や猪を追って険しい山を駆け巡ってみえる方々なので、構えが安定してるなあ。なんて思っていたらかかり木になってしまいました。それを大胆に処理、その場で玉切りし、軽トラで「木の駅」に運びます。
薪作りの作業場を「木の駅」に見立てました。そこで、運び込んだ間伐材を温泉券とコインに交換。その後は薪割りのお手伝いです。ちびっ子たちが一番がんばりました。
交流促進センターに移り、地元の商店の出店でコインを使ってお菓子を買いました。そして森の込み具合調査の結果のまとめ。ここで事前の調査が役立ちました。平均樹高23.5メートル、長い間焼き畑をされた跡地で地力があるのか伸び具合はいいようです。ヘクタール当たりの本数は2,100本、すごく多いですね。平均樹間距離2.2メートル、相対幹距8.7(17〜20が適正値)とびっくりするような厳しい結果が出ました。
今回はデモンストレーションだけでしたが、次回は実際に何か所かで健康診断が必要ですね。地元のスタッフの皆さんもぜひ勉強したいと言っておられました。最後は「のめこい湯」の薪ボイラーを見学し温泉券を使って入浴。皆さま、小雨の中お疲れさまでした。(中根賢二)