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「公的統計調査の調査票情報等の学術研究等への活用」について

公的統計は、社会全体で利用される情報基盤と位置付けられています。
国の統計調査の結果については、「政府統計の総合窓口(e-Stat)」別ウィンドウで開きます等を通じて広く一般の方にご利用いただいていますが、このような通常の調査結果の提供に加え、公益性のある学術研究等にご活用いただくため、委託を受けて新たな集計表を作成して提供するサービス(オーダーメード集計)や、調査対象の秘密の保護を図った上で、集計していない個票形式のデータ(調査票情報及び匿名データ)を提供するサービスを行っています。

サービスの概要

オーダーメード集計

オーダーメード集計とは、学術研究の発展に資するなどの相当の公益性を有する統計の作成又は統計的研究(以下「統計の作成等」という。)に該当する場合、一般からの委託に応じて、行政機関等が行った統計調査によって得られた調査票情報を利用して、新たな統計の作成等を行い、その結果を提供するものです。
具体的なサービスの一例として、現在、総務省がサービスを実施している「国勢調査」におけるオーダーメード集計においては、次の項目を使って統計表の作成を調査実施者である行政機関等(「国勢調査」の場合は調査実施者である総務省から事務の委託を受けている独立行政法人統計センター)に委託し、集計結果を入手することができます。

国勢調査の項目一覧(平成27年調査)
男女、年齢、出生の月、世帯主との続き柄、配偶関係、国籍、世帯の種類、世帯の家族類型、世帯人員、子供の有無、数、年齢、住居、居住期間、労働力状態,就業状態、従業上の地位、産業、職業、社会経済分類、世帯の経済構成、従業・通学時の世帯の状況、通勤・通学者数、都市計画の地域区分、従業地・通学地、常住地、5年前の常住地,現住地、世帯の移動類型

匿名データの提供

匿名データの提供とは、統計調査によって集められた調査票情報について、特定の個人又は法人その他の団体の識別ができないように加工(匿名化措置:単に氏名など個体を直接識別できる情報を削除するのみならず、個々のデータの特徴から個体が間接的に特定されることがないよう、地域区分や様々な属性に関する詳細な分類区分を統合して情報を粗くしたり、特異なデータを削除したりするなどの処理)した上で、学術研究の発展に資するなどの相当の公益性を有する統計の作成等に該当する場合、一般からの求めに応じて匿名データを提供するものです。
匿名データの提供を受けた者は、この匿名データを利用して、新たな統計の作成等を行うことができます。例えば、現在、総務省が匿名データを提供している「全国消費実態調査」においては、高齢者の所得・消費行動の分析など我が国の社会経済の実態に関する多様かつ高度な分析・研究への活用等が、また、同じく「就業構造基本調査」においては、非正規雇用の拡大の社会的な影響の分析、若者の就業の実態に関する分析への活用等が期待されます。

調査票情報の提供

調査票情報の提供とは、公的機関等が統計の作成等又は統計調査その他の統計を作成するための調査に係る名簿の作成を行う場合のほか、公的機関等が行う統計の作成等と同等の公益性を有する統計の作成等(公的機関等との共同研究等)を行う場合、調査実施者である行政機関等が必要な範囲において調査票情報を提供するものです。また、情報セキュリティを確保したオンサイト施設(大学、学術研究機関等に設置)において、利用目的の範囲内で調査票情報を利用して探索的・創造的な研究を可能とするオンサイト利用の取組も進めています。
さらに、「統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律」(平成30年法律第34号)の施行により、令和元年5月1日から、学術研究の発展に資するなどの相当の公益性を有する統計の作成等を行う場合に、情報を適正に管理するために必要な措置が講じられること等を条件として新たに調査票情報を提供することが可能になりました。
なお、上記改正法の施行により、今後は、調査票情報の提供を受けた者の氏名や統計調査の名称、研究成果等の公表が義務付けらますが、これまでに調査票情報を利用して得られた主な研究成果については、次のとおりとなっています。

「調査票情報の提供に係る研究成果」EXCEL

利用者に求められる申出の条件

サービスの利用を希望する方々には、統計法の趣旨にかんがみ、一定の公益性を確保するために、次に示す条件が課されます。
また、提供されたオーダーメード集計の結果や匿名データ及び調査票情報は、申出目的以外の利用が禁止されているとともに、 匿名データ及び調査票情報については適正管理義務、調査票情報については守秘義務がそれぞれ課されます。これらの義務等に違反した場合、罰則や利用禁止措置が科されます。

オーダーメード集計

利用目的が「学術研究の発展に資する統計の作成等」、「教育の発展に資する統計の作成等」又は「デジタル社会形成基本法(令和3年法律第35号)に規定された特定公共分野に係る統計の作成等」に該当し、それぞれの利用条件を満たす場合に限り、統計成果物が提供されます。

◯「学術研究の発展に資する統計の作成等」の場合
(1) 統計成果物を研究の用に供すること
(2) 統計成果物を利用して行った研究の成果が公表(法第34条第3項の規定により行う公表を除く。)されること又は統計成果物及びこれを用いて行った研究の成果を得るまでの過程の概要が公表されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと


◯「教育の発展に資する統計の作成等」の場合
(1) 統計成果物を学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する高等学校、中等教育学校(同法第66条に規定する後期課程に限る。)、特別支援学校(同法第76条第2項に規定する高等部に限る。)大学若しくは高等専門学校又は同法第124条に規定する専修学校(同法第125条第1項に規定する一般課程を除く。)における教育の用に供することを直接の目的とすること
(2) 統計成果物を利用して行った教育内容が公表(法第34条第3項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと


◯「デジタル社会形成基本法に規定された特定公共分野に係る統計の作成等」の場合
(1) 国民経済の健全な発展又は国民生活の向上に寄与すると認められるもの
(2) 統計成果物を利用して行った事業等の内容が公表(法第34条第3項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと


なお、オーダーメード集計の委託をする者は、法若しくは個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者などの欠格事由に該当しない者であることが必要です。

匿名データの提供

利用目的が「学術研究の発展に資する統計の作成等」、「教育の発展に資する統計の作成等」、「国際社会における我が国の利益の増進及び国際経済社会の健全な発展に資する統計の作成等」又は「デジタル社会形成基本法に規定された特定公共分野に係る統計の作成等」に該当し、それぞれの利用条件を満たす場合に限り、匿名データが提供されます。
ただし、学術研究等の目的であったとしても、個別事例研究のような個体そのものを対象とする研究は認められません。

◯「学術研究の発展に資する統計の作成等」の場合、
(1) 匿名データを学術研究の用に供することを直接の目的とすること
(2) 匿名データを利用して行った学術研究の成果が公表(法第36条第2項の規定により準用する法第33条第4項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと
(4) 匿名データを適正に管理するために必要な措置が講じられていること


◯「教育の発展に資する統計の作成等」の場合
(1) 匿名データを学校教育法第1条に規定する高等学校、中等教育学校(同法第66条に規定する後期課程に限る。)、特別支援学校(同法第76条第2項に規定する高等部に限る。)大学若しく又は高等専門学校又は同法第124条に規定する専修学校(同法第125条第1項に規定する一般課程を除く。)における教育の用に供することを直接の目的とすること
(2) 匿名データを利用して行った教育内容が公表(法第36条第2項の規定により準用する法第33条第4項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと
(4) 匿名データを適正に管理するために必要な措置が講じられていること

◯「デジタル社会形成基本法に規定された特定公共分野に係る統計の作成等」の場合
(1) 国民経済の健全な発展又は国民生活の向上に寄与すると認められるもの
(2) 匿名データを利用して行った事業等の内容が公表(法第36条第2項の規定により準用する法第33条第4項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと
(4) 匿名データを適正に管理するために必要な措置が講じられていること

(注記)利用目的が「国際社会における我が国の利益の増進及び国際経済社会の健全な発展に資する統計の作成等」の場合、必要な諸条件がありますので、直接申出・相談窓口まで御連絡下さい。

なお、匿名データの提供を受ける者は、法若しくは個人情報の保護に関する法律又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者などの欠格事由に該当しない者であることが必要です。

調査票情報の提供

(法第33条第1項第2号に基づく提供)
公的機関等が行う統計の作成等と同等の公益性を有する統計の作成等として、調査票情報を適正に管理するために必要な措置が講じられ、かつ、以下の条件のいずれかに該当する場合に利用できます。
(1) 公的機関等からの委託又は公的機関等と共同して行う調査研究
(2) 公的機関等からの公募による補助を受けて行う調査研究
(3) 行政機関の長又は地方公共団体の長その他の執行機関が、その政策の企画、立案等に有用であると認める場合又はその他同等の公益性を有するものとして特別な事由があると認める場合

(法第33条の2第1項に基づく提供)
上記のほか、より厳格な情報保護の措置を前提に、相当の公益性を有する統計の作成等として、「学術研究の発展に資する統計の作成等」又は「高等教育の発展に資する統計の作成等」に該当し、それぞれの利用条件を満たす場合に限り、調査票情報が利用できます。

◯「学術研究の発展に資する統計の作成等」の場合
(1) 次に掲げるものであって、調査票情報を学術研究の用に供することを直接の目的とすること
ア 学校教育法第1条に規定する大学若しくは高等専門学校若しくは同法第124条に規定する専修学校(同法第125条第1項に規定する専門課程に限る。)(以下「大学等」という。)若しくは公益社団法人若しくは公益財団法人が行う調査研究(公益社団法人又は公益財団法人が行う調査研究については公益目的事業に該当するものに限る。)(これらの者がこれらの者以外の者に委託し、又はこれらの者以外の者と共同して行う調査研究を含む。)
イ 大学等に所属する教員が行う調査研究(当該教員がこれら以外の者と共同して行う調査研究を含む。)
ウ 大学等、公益社団法人又は公益財団法人が公募の方法により補助(公益社団法人又は公益財団法人が行う補助については、公益目的事業に該当するものに限る。)する調査研究
エ 行政機関の長又は地方公共団体の長その他の執行機関が、相当の公益性を有するものとして特別な事由があると認める場合
(2) 調査票情報を利用して行った研究の成果が公表(法第33条の2第2項の規定により準用する法第33条第4項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと
(4) 調査票情報を適正に管理するために必要な措置が講じられていること

◯「高等教育の発展に資する統計の作成等」の場合
(1) 調査票情報を大学等の行う教育の用に供することを直接の目的とすること
(2) 調査票情報を利用して行った教育内容が公表(法第33条の2第2項の規定により準用する法第33条第4項の規定により行う公表を除く。)されること
(3) 個人及び法人の権利利益、国の安全等を害するおそれがないこと
(4) 調査票情報を適正に管理するために必要な措置が講じられていること

なお、調査票情報の提供を受ける者は、法若しくは個人情報の保護に関する法律又はこれらの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者などの欠格事由に該当しない者であることが必要です。

手続の一般的な流れ


手続の一般的な流れは以下のとおりです。

(1) ホームページ等に掲載されている情報(制度の概要や利用手続等)の確認
(2) 窓口に連絡して事前相談を実施
(3) 申出書等の必要書類の提出
(4) 承諾又は不承諾の通知書の受領
(5) 依頼書等の必要書類の提出及び必要な手数料の納付
(6) 依頼したデータ(集計結果、匿名データ又は調査票情報)や利用手続書類(オンサイト利用におけるID・パスワード等)の受領
(7) 研究分析等の実施
(8) 利用期間終了後、データの返却や消去、作成した統計、報告書等の提出
(9) 研究成果の公表

手数料の目安


オーダーメード集計や匿名データの提供を受けるためには手数料の納付が必要になります。また、法第33条の2第1項に基づく調査票情報の提供を受ける場合も同様です。
手数料の額は統計法施行令で定められており、基本的に(1)集計又は提供の作業に要する費用、(2)提供媒体の費用、(3)送付に要する費用、(4)特別な費用となっています。
手数料は提供される統計データを作成するために必要な作業量によって額が異なりますが、おおよそ次のようになります。

オーダーメード集計

以下の(1)〜(4)の金額の合計が手数料となります。なお、手数料の総額は、集計を行う機関が申出の承諾を通知する際に提示します。利用者はこの総額を確認し、最終的にオーダーメード集計を委託するかどうかを判断することができます。

(1)作業1時間当たり4,400円
(2)CD-R1枚につき100円
DVD-R1枚につき120円
(3)郵送料
(4)必要な場合、特別な費用(特別な定めがある場合、集計を行う機関から提示されます。)

(注記)電子メールでの送付の場合は(2)及び(3)が、直接受け取りに来られる場合は(3)が、それぞれ無料になります。

匿名データの提供

以下の(1)〜(3)の金額の合計が手数料となります。なお、手数料の総額は、提供を行う機関が申出の承諾を通知する際に提示します。利用者はこの総額を確認し、最終的に匿名データの提供を依頼するかどうかを判断することができます。

(1)申出1件につき1,950円+匿名データ1ファイルにつき4,450円
(2)CD-R1枚につき100円
DVD-R1枚につき120円
(3)郵送料(匿名データの電子メールでの送付は情報の安全管理上行われません。)

なお、手数料の総額はオーダーメード集計の実施又は匿名データの提供の前に決定され、国の行政機関の場合、収入印紙等による事前の納付、独立行政法人統計センターの場合、振込等による現金の事前の納付が必要となります。


調査票情報の提供(法第33条の2第1項の場合に限る。)

調査票情報の提供に要する作業1時間当たりの単価は、オーダーメード集計と同様に4,400円となりますが、申出内容等により手数料の総額が異なりますので、詳細は、事前に申出・相談窓口にご確認ください。

調査票情報と個人情報保護法との関係


基幹統計調査及び一般統計調査に係る調査票情報に含まれる個人情報は、個人情報の保護に関する法律の規定の適用から除外されます(統計法第52条)。
これは、統計法第39条〜第43条において調査票情報等の保護規定が整備されていること、また統計調査により集められた個人情報については、集計後は個人が識別されない形で利用・提供されることを踏まえたものです。
なお、匿名データの作成においても、個人情報に当たる部分は削除され、さらに個々のデータから個体が間接的に特定されることのないよう、匿名化措置を行い、個人情報が漏洩しないように万全の措置を取っています。
加えて、匿名データの提供を受けた者に対しても、統計法により調査票情報の取扱いと同様に、匿名データを適正に管理することが求められています。

行政機関等におけるサービスの実施状況(案内窓口一覧)


調査票情報の二次的利用に関するポータルサイトである「ミクロデータ利用ポータルサイト(miripo)」(https://www.e-stat.go.jp/microdata /)をご参照ください。

また、調査票情報の提供に関する案内窓口は、次のとおりとなっています。

お問い合わせ

「統計調査の調査票情報等の学術研究等への活用」に関する政府全体の取組に対するお問い合わせやご意見・ご要望については、こちらのページから総務省連絡先へお寄せください。

なお、既にサービスの提供が行われている統計調査について具体的な利用を検討されている場合には、前述のミクロデータ利用ポータルサイト(miripo)をご参照ください。

総務省政策統括官(統計制度担当)付 統計企画管理官付 高度利用担当
TEL:03-5273-1086
FAX:03-5273-1181
MAIL:s-2jiriyou@soumu.go.jp

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