Nature Net:暮らしの引き出し

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[画像:安眠へとつづく「感覚」とは]

少ししのぎやすくなると、夏の疲れを充分に癒(いや)そうと、からだが深く長い睡眠をほしがっています。眠いときは眠りましょう。睡眠不足は、気づかぬうちに心身をむしばんでゆきます。

パジャマやシーツにアイロンをかけた滑らかさは極上の眠りを誘いますが、暑い日々のアイロンがけは重労働ですから、本格的な秋がやってくるまではお休みにしましょうか。それより、汗をかく季節になにが気持ちいいって、洗いたての清潔さにかなうものなしです。

木綿でも麻でも天然素材の素晴らしさは、その空気を含んだやわらかさと吸湿性のすばやさでしょう。希少だったオーガニックのリネン類も、最近では身近な存在となってきました。農薬を使わないで育てるから土壌汚染がないといったような環境への配慮についてはよく知られるところですが、実際のところ、寝心地はどうなのでしょうか?

私たちはなにかに触れたときに、それが生きものであるかそうでないかを察知する能力が備わっていますが、オーガニックの布には生命力を感じます。天然木に触れたときに、生きものの感覚を味わうような、色や匂いや油分などが一体となって、ほっと癒(いや)される感じ。この感覚はきっと、できるだけ自分に近い、違和感のない「ぬくもり」に包まれる安心感なのでしょう。なかなか寝つかれない人におすすめです。

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  • 十分に洗って乾いた布は、見た目にもフレッシュな感じがします。アイロンをかけなくとも、あるいは乾燥機でシワを伸ばさなくとも、だらしなく見えないようシワ伸ばしをしましょう。洗濯物を干す前に、シャツの襟やカフスを掌でパンパンと叩いてシワを伸ばします。ハンガーに掛けたらシャツの肩を正して、ハンガーを持って風に流すようにぐにゃぐにゃと揺らせば、洗濯による布目ねじれが伸びて形が整います。端のよれている部分を指でなぞって伸ばします。シーツなどはねじれを正して、四辺の縁(へり)をまっすぐに合わせて、手に抱えられるくらいの大きさまで畳んだら、やはり手のひらで叩いてから干すと、洗いたての麗しい表情になります。

  • 欧米の人たちにくらべて、私たちは洗濯をしすぎるといわれます。私たち日本人だけでなく、アジアの人たちは、じつにひんぱんに洗濯をしています。これは気候のちがいによるもので、全般に乾燥した地域と湿潤な地域では汚れの質にもちがいがあります。とくに肌に直接触れる部分は、大量の汗と皮脂と汚れが繊維に付着して、時間の経過とともに酸化して黄ばんだりするほどです。長時間放置せずに、こまめに洗濯する以外に防ぎようがありません。下着やシーツは洗いたてのものを上に載せると、下側にあるものは使われないで黄ばんできますので、ローテーションを考えて、いちばん下に収納します。

  • 植物や動物から採れる繊維は生きています。油分を含んで自然の光沢を保ち、一定ではない太さの繊維が絡まって、複雑な空気の層を作ります。しかしながら、繊維はそのまま織物や衣服になることはまれで、デザインや流行などの欲求に応じてさまざまに加工されます。布は製品になるまでに、その素材の持つ寿命の半分以上を加工行程で喪失してしまうといわれています。綿花摘みから製品になるまでに、化学薬品による染色や柔軟化、漂白、高熱によるプレスといった、繊維に衝撃を与える工程を経るからです。この工程をひとつでも経たもの、あるいはその機械を通したものはオーガニックと呼ぶことはできません。
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