キスゲ濡れ海峡とざす日の霧笛
豊田都峰
「山の唄」
198400
われながら旅愁奈落の霧笛宿
渡辺純
京鹿子
199812
えとらんぜ霧笛の歔くといふ悲し
松田曼莉
京鹿子
199903
船と船霧笛を鳴らす霧の中
永野秀峰
ぐろっけ
200001
霧笛の夜鳴咽込み上げてくる思慕
金子皆子
海程
200102
霧笛の夜こころの馬を放してしまう
金子皆子
海程
200102
心の隙間霧笛も紅薔薇も詰める
金子皆子
海程
200102
薔薇の体に霧笛沁みこむ海の街
金子皆子
海程
200105
海の街霧笛に白衣重なってきます
金子皆子
海程
200105
鉄塔に霧笛人はみな淋しい
金子皆子
海程
200105
霧笛に重なる命その白き帆
金子皆子
海程
200105
霧笛鳴らぬ街は底冷えて乾く
金子皆子
海程
200105
玻璃わたる霧笛みつめて動けない
小林一枝
海程
200106
最果ての霧笛にたましひいざなはる
折原あきの
船団
200201
もう一度霧笛を聞いてから帰えろ
吉田久子
苑
200302
すれちがふ霧笛短かき木の葉髪
中村恭子
鴫
200303
ちちははの夢だしぬけに霧笛鳴る
斎藤くめお
対岸
200311
一湾にこもる霧笛や出航す
青山悠
空
200312
若き日の蘆花住みし町霧笛鳴る
冨田みのる
濱
200403
一団のバスより降りし霧笛かな
板橋智恵子
百鳥
200412
洋皿の時計文字盤遠霧笛
小山徳夫
遠嶺
200811
霧笛鳴く遠きは夜の授乳室
藤幹子
炎環
200901
来し方を見つめる真夜の霧笛かな
佐山五稜
風土
201001
霧笛曳き深浦出づる北帰船
塩見育代
璦
201002
起き抜けの厨にとどく霧笛かな
大川暉美
末黒野
201102
除夜詣神戸港より霧笛聞く
岡野安雅
かさね
201203
つくす人亡き哀しみや霧笛鳴る
三浦澄江
ぐろっけ
201203
いのち惜し暁の霧笛の遠鳴りに
遠藤真砂明
沖
201301
霧笛あと風そのものになつてゐる
松田都青
京鹿子
201303
霧笛鳴く国後島は遠き島
佐山五稜
風土
201305
闇深し何処行く船の霧笛かや
堀田清江
雨月
201411
港町夜の霧笛を真近にし
伊庭玲子
璦
201412
灯台の霧笛を耳に旅果つる
高橋照子
雨月
201412
霧笛泣く幣舞橋を渡りけり
田村すゝむ
風土
201501
鳥渡る赤きアーチの霧笛橋
奥田茶々
風土
201501
冬の月船の霧笛の上に出る
後藤立夫
ホトトギス
201505
霧笛聞く断崖黒きオホーツク
郷和顔
末黒野
201512
北海の霧笛ふるさと遠きかな
升田ヤス子
玫あs瑰
201604
キングの塔へ銀杏落葉や霧笛鳴る
北郷和顔
末黒野
201703
木の床にブーツ霧笛の遠くあり
高田令子
鴫
201704
僚船の霧笛流るる備讃瀬戸
碇天牛
雨月
201801
静けさや闇にくぐもる夜の霧笛
向井芳子
春燈
201811
人の死を遠い霧笛のやうに聞く
直江裕子
京鹿子
201902
ステーションホテルに春の霧笛聞く
藤井美晴
やぶれ傘
201907
浮かれ出る水母一団遠霧笛
丸井巴水
京鹿子
201907
行く秋やゆつくり渡る霧笛橋
山口登
末黒野
202001
霧笛橋はや夕影の酔芙蓉
岡野里子
末黒野
202001
玄海の沖のふくらむ霧笛かな
西住三惠子
空
202006
早暁の霧笛の頻り霙降る
内山みち
末黒野
202105
暁闇の霧笛響めり土庄港
金光浩彰
沖
202112
離宮に入る霧笛の長し鬱金桜
篠田純子
あを
202206
玄海の沖のふくらむ霧笛かな
西住三惠子
空
202212
2023年11月9日
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