朝霧や凱旋門の埴輪めき
鷹羽狩行
狩
199908
朝霧に花たゆたへり黄釣船
阿部ひろし
酸漿
199910
朝霧に浮く宮島の鳥居かな
朝妻力
俳句通信
199910
朝霧のはれて日当る山の墓
有本たけし
円虹
199911
朝霧の湖さざ波つ明けにけり
有賀たもつ
遠嶺
199911
朝霧やただ乳色の虚空あり
稲岡長
ホトトギス
200001
朝霧の畠のこちらの女かな
尾上有紀子
わがまま
200002
朝霧をついて四角の牛の貌
有吉桜雲
狩
200003
旅のはじまり胸にべったりと朝霧
斎藤白砂
海程
200009
朝霧へローカル線は始発です
斎藤白砂
海程
200009
朝霧に花盗人の消えにけり
林田加杜子
いろり
200011
朝霧の中に無花果捥いでゐる
町野昭人
遠嶺
200102
朝霧の霽れし湿原囀れり
藤村美津子
春耕
200108
朝霧の溶けるがごとく燧ヶ岳
酒井多加子
春耕
200109
朝霧の真白きに浮く有馬富士
西村純一
俳句通信
200111
朝霧の高野七坂荒神へ
細川コマヱ
雨月
200112
粒あらき朝霧まとふ山の音
寺田千代子
京鹿子
200202
朝霧の包む中世石の街
渡辺玄子
酸漿
200202
朝霧にもつれ茶畑老いるかな
津田経子
火星
200202
朝霧の深きに明けて降誕祭
窪田佳津子
雨月
200203
朝霧を纏うて飛騨の蕨摘む
春田淳子
雲の峯
200207
常陸野は朝霧の中柿若葉
宮崎直子
沖
200208
朝霧の晴れて若草食む羊
近藤きくえ
槐
200209
朝霧をまとひ大根蒔き終る
大串章
百鳥
200211
洛陽の朝霧旅情深めたる
濱名伸子
円虹
200301
バス徐行朝霧深し城下町
安藤誠子
築港
200301
朝霧に曳き出されたる調教馬
森山よね子
帆船
200301
朝霧の這ふそれぞれの山の色
木野本加寿江
火星
200302
朝霧の中遠来の客となる
伊藤早苗
鴫
200302
峡の朝霧を纏ひて桐の花
三浦カヨ子
酸漿
200305
朝霧にかたまつてゐる袋角
渡辺政子
雲の峯
200308
朝霧や牧場の奥に牛のこゑ
原田千寿子
雲の峰
200309
朝霧や原子炉並ぶ柏崎
戸原春彦
帆船
200310
朝霧に湯煙溶ける青嶺かな
渡辺嘉幸
帆船
200310
朝霧や牛乳瓶の触るる音
金山千鳥
酸漿
200311
山鳩の鳴き朝霧の晴れてきし
石川敬子
対岸
200311
朝霧の雫びつしり集乳車
柴田近江
沖
200312
朝霧の霽れ群青の沼一枚
島崎晃
遠嶺
200312
朝霧の晴れゆく浜や島岬
平山勝子
河鹿
200402
朝霧の声かけ合つて万歩計
平山勝子
河鹿
200402
朝霧を通り過ぎたる蕎麦街道
佐原正子
六花
200402
奥伊勢の朝霧の中雉子鳴けり
小山漂葉
酸漿
200402
朝霧の四万十川へ漕ぎ出だす
前田美恵子
槐
200403
放射冷却てふ朝霧の原野美し
芦川まり
八千草
200406
大利根の朝霧やぶり初雲雀
須永トシ
栴檀
200407
朝霧の濃き一渓をほととぎす
朝妻力
雲の峰
200407
朝霧のすべる湖面の紫に
稲畑汀子
ホトトギス
200408
朝霧に町はぼんやり煙なす
上岡末喜
築港
200408
老鶯や湖の朝霧晴るる間も
西屋敷峰水
河鹿
200408
溶岩原の朝霧の揺れ鹿の子現る
岡村葉子
栴檀
200410
晴約す朝霧深き宿に覚め
稲畑汀子
ホトトギス
200411
朝霧に永の別れのクラクション
中川晴美
雲の峰
200411
朝霧の霽れ沢音と鬼胡桃
川口襄
遠嶺
200412
朝霧の嶺を走れり桷の花
須永トシ
栴檀
200501
肥のにほひさせて朝霧の父ひとり
瀧春一
菜園
200509
朝霧や船笛近き平家塚
青山悠
空
200510
朝霧にはや疾駆せる一騎あり
大串章
百鳥
200511
朝霧に育ちし高原野菜喰む
鈴木庸子
風土
200512
朝霧や動く箒の柄の赤き
中田みなみ
空
200601
対岸は朝霧深く小鳥鳴く
中村輝子
酸漿
200601
一村が朝霧の塊となりにけり
物江晴子
八千草
200603
朝霧の晴れて全き山の数
鷹羽狩行
狩
200607
山荘に朝霧解くほどの風
稲畑廣太郎
ホトトギス
200610
隣村より朝霧の大移動
岸本林立
雨月
200611
朝霧の山より人の咳払ひ
藤井佐和子
鴫
200701
朝霧や試歩のつま先濡れきたる
松下幸恵
六花
200705
朝霧に蓮の花托の浮かびをり
山田怜子
遠嶺
200711
プランターの朝霧草の忘れられ
松崎鉄之介
濱
200711
朝霧に流されてゐる風見鶏
齋藤厚子
鴫
200712
朝霧を抜け蒼天の峰仰ぐ
大塚和子
遠嶺
200712
朝霧に群ひるがへる岩燕
中村昭子
酸漿
200712
鶴現るる朝霧に羽湿らせて
松原智津子
万象
200801
朝霧に浮かびて淡きピラミッド
大西裕
酸漿
200802
たちそむる杜の朝霧孕み鹿
藤岡紫水
京鹿子
200806
水引や朝霧の谷見下しに
阿部ひろし
酸漿
200810
朝霧につつまれゐたる明日香かな
石脇みはる
槐
200811
朝霧の中の湖北の合歓の花
竹内すま子
狩
200812
須弥山へ旅立ちの朝霧の音
島田麻衣
炎環
200901
朝霧の堰に佇み瀬音聞く
渡部磐空
峰
200901
産土の宮の朝霧杜かくす
岸本林立
雨月
200901
朝霧や二つの川の出合ふ町
水野あき子
遠嶺
200902
朝霧やドナウの流れ機上より
伊吹之博
京鹿子
200902
朝霧へ鹿の親子の逃げ込みぬ
山田六甲
六花
200911
朝霧の雨に変はりて森顕れり
米田正弘
笹
200911
朝霧に目覚めて遠き船の笛
水田壽子
雨月
200912
朝霧や墨絵めきたる白川郷
古川敦子
末黒野
200912
先頭は朝霧の中鹿の列
狭川青史
馬醉木
201001
朝霧の無きかに薪を運びくる
笹村政子
六花
201001
朝霧の走りて熊野行者道
鈴木照子
苑
201002
綿菅の野を朝霧の走りけり
小滝奈津江
酸奬
201010
朝霧の晴れゆく百舌の一声に
久永つう
六花
201011
朝霧の富士隠しまでかくしけり
阿部ひろし
酸漿
201011
いよよ濃き朝霧まとひ山上湖
黒滝志麻子
末黒野
201012
朝霧の奥より現るるバスを待つ
石田きよし
鴫
201012
朝霧や川を界に飛騨越中
志奈禮子
万象
201012
朝霧にぬっと現れ釣小舟
笹井康夫
璦
201101
朝霧や光秀偲ぶ城下町
清水侑久子
璦
201101
朝霧の橋を夜霧に帰りけり
鈴木俊孝
末黒野
201101
朝霧や余呉に影なき舟の音
竹下道子
京鹿子
201101
朝霧の消ゆるはかなさ順不同
中本吉信
璦
201102
2021年11月6日
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