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ALS・2008

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ALS

last update:20100728


*以下、寄せられた情報を掲載。webmaster@arsvi.comまで情報をいただければ掲載いたします。

しかくCOE生存学創成拠点(立命館大学)関連

だいやまーく川口 有美子 2008年01月11日 「治療に関する意思決定、家族の立場から」、福島県立医科大学医療入門?Tコース臨床倫理(医療と社会)講義、10:20〜11:50 於;医学部第4講義室
だいやまーく川口 有美子 2008年01月14日 「ALSの隠喩、TLS(Totally Locked-in State)を概観する:重篤なコミュニケーション障害をもつ人の在宅介護の体験から」
主催:「意識の先端的脳科学がもたらす倫理的・社会的・宗教的影響の調査研究」研究班(研究代表者:福山秀直(京都大学)、文部科学省・科学技術振興調整費)
共催:「脳を活かす」研究会 http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/,於:京都大学百周年記念ホール
抄録http://homepage2.nifty.com/ajikun/2008kyoudai.htm
だいやまーく中島 孝川口 有美子(聞き手) 2008年02月01日 「QOLと緩和ケアの奪還――医療カタストロフィ下の知的戦略」(インタビュー),『現代思想』36-2(2008-2)::148-173
だいやまーく2008年02月02日 難病と倫理研究会第2回京都セミナー,於:キャンパスプラザ京都
だいやまーく安藤 道人・堀田 義太郎川口 有美子 2008年02月17日 「障害とQOLに関する一考察――人工呼吸器を装着しているALS患者の福祉評価について」,Identity and Alterity in Multiculturalism and Social Justice:"Conflicts", "Identity", "Alterity", "Solutions?"
だいやまーく川口 有美子 2008年02月18日 「医療的ケアが必要な方の在宅介護をどう支援するか」 第二回かながわ医療的ケア実務者研修会
10:15〜10:45, 鶴見大学記念講堂、主催;かながわ医療的ケア実務者研修会
だいやまーく川村 佐和子川口 有美子(聞き手) 2008年03月01日 「難病ケアの系譜――スモンから在宅人工呼吸療法まで」(インタビュー),『現代思想』36-3(2008-3):171-191
だいやまーく川口 有美子 2008年03月15日,16 第12回日本在宅ケア学会学術集会シンポジウム 「医療依存度の高い高齢者の暮らしの支援」シンポジスト
於;東京
だいやまーく特定非営利活動法人ALS/MNDサポートセンターさくら会 20080331 『在宅療養中のALS療養者と支援者のための重度障害者包括支援サービスを利用した療養支援プログラムの開発 事業完了報告書』,平成19年度障害者保健福祉推進事業 障害者自立支援調査研究プロジェクト,182p.
だいやまーく川村 佐和子 200803** 『在宅重度障害者に対する効果的な支援の在り方に関する研究』,厚生労働科学研究費補助金 障害保健福祉総合研究事業 平成19年度 総括・分担研究報告書,155p.
だいやまーく川口 有美子 2008年06月01日 「ブレインマシンの人間的な利用 接続と継続に関する政治経済」,『現代思想』36-07(2008-6):98-111
だいやまーく葛城 貞三北村 健太郎 2008年06月15日 「NPO法人滋賀県難病連絡協議会の財政と課題――滋賀県行政との関わりを中心として」
第22回日本地域福祉学会大会 於:同志社大学
だいやまーく山本 晋輔仲口 路子長谷川 唯北村 健太郎堀田 義太郎 2008年06月15日 「ALS患者の在宅独居移行支援に関する調査研究(1)――重度ALS患者のための在宅独居空間整備に関する研究」
第22回日本地域福祉学会大会 於:同志社大学
だいやまーく堀田 義太郎渡邉 あい子仲口 路子長谷川 唯山本 晋輔北村 健太郎 2008年06月15日 「ALS患者の在宅独居移行支援に関する調査研究(2)×ばつ24時間タイムスタディに基づくケアニーズの把握」
第22回日本地域福祉学会大会 於:同志社大学
だいやまーく仲口 路子長谷川 唯山本 晋輔北村 健太郎堀田 義太郎 2008年06月15日 「ALS患者の在宅独居移行支援に関する調査研究(3)――在宅移行の困難」
第22回日本地域福祉学会大会 於:同志社大学
だいやまーく2008年08月01日-03 韓国調査
写真:視線入力装置を操作(2.16mb)
だいやまーく長谷川 唯仲口 路子山本 晋輔北村 健太郎堀田 義太郎 2008年06月15日 「ALS患者の在宅独居移行支援に関する調査研究(4)――制度的諸問題」
第22回日本地域福祉学会大会 於:同志社大学
だいやまーく2008年08月19日土〜08/20日 進化する介護
於:於:スペースALS−D http://d.hatena.ne.jp/sakura_kai/20080701
だいやまーく2008年08月27日水〜08/28木 在宅介護講習会
於:立命館大学創思館
だいやまーく川口 有美子 2008年08月30日 「日本におけるALS療養支援の現状と課題――「単身患者と介護者の高齢化をどのように支えるか」」
第13回日本難病看護学会シンポジウム 於:タワーホール船堀
だいやまーく前川 智恵子 2008年08月30日 「在宅神経難病患者に対する心理的支援の方向性――臨床心理士・保健師の立場から」 PPT(95kb)
第13回日本難病看護学会大会 於:タワーホール船堀
だいやまーく西田 美紀 2008年08月30日 「独居での在宅生活が困難となったALS療養者の事例検討――ナラティヴアプローチを用いた支援の在り方」
第13回日本難病看護学会大会 於:タワーホール船堀
だいやまーく長谷川 唯・竹林 弥生・西田 美紀・山本 晋輔・堀田 義太郎・川口 有美子 2008年08月30日 「独居での在宅生活が困難となったALS療養者の事例検討――社会福祉の立場から」
第13回日本難病看護学会大会 於:タワーホール船堀
だいやまーく仲口 路子 2008年08月30日 「ALSと暮らす―在宅移行への困難―」
第13回日本難病看護学会大会 於:タワーホール船堀
S氏写真:NIPPV/文字盤/パソコン/パソコン入力/髭剃り/焼肉屋
だいやまーく前川 智恵子 2008年09月04日-07 「難病患者の特性と心理臨床――医療・保健・福祉の連携と地域臨床活動についての考察」 PPT(485kb)
日本心理臨床学会第27回大会 於:つくば国際会議場他
だいやまーく立岩 真也 2008年09月07日 「筋萎縮性側索硬化症(ALS)と人工呼吸器」(与えられた題・講演)
日本臨床死生学会大会 於:札幌 http://jsct.umin.ac.jp/,
だいやまーく立岩 真也 2008年09月14日 「在宅ケアを支える、つもりがあるのならば」(講演)
NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク"全国の集い"in 京都
於:同志社大学 http://www.home-care.ne.jp/net/index.php,
だいやまーく2008年09月15日 シンポジウム「当事者主権」9:30〜11:00
立岩 真也:司会/川口 有美子:コメント
NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク"全国の集い"in 京都
於:同志社大学 http://www.home-care.ne.jp/net/index.php,

2009年予定

だいやまーく長谷川 唯・堀田 義太郎 2009年03月14日 「難病患者の地域生活移行支援における諸課題」
日本保健医療社会学会関西地区例会
だいやまーく仲口 路子 2009年03月14日 「難病患者の地域生活支援における諸課題――退院から在宅へ」
日本保健医療社会学会関西地区例会
だいやまーく西田 美紀 2009年03月14日 「難病患者の地域生活支援における心理的援助についての検討」
日本保健医療社会学会関西地区例会
だいやまーく伊藤 佳世子 2009年03月14日 「長期療養患者の自立支援について――筋ジストロフィーの事例から」
日本保健医療社会学会関西地区例会


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だいやまーく2008年01月06日 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究 平成19年度班研究会議プログラム
だいやまーく2008年01月18日 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
筋萎縮性側索硬化症の画期的診断・治療法に関する研究班
だいやまーく佐々木 公一 2008年01月18日 『週刊/ALS患者のひとりごと』224
おわりに/東海大学社会福祉学部でのお話の後のご挨拶
だいやまーく2008年02月02日 難病と倫理研究会第2回京都セミナー
於:キャンパスプラザ京都
だいやまーく2008年02月04日 独立行政法人 理化学研究所
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行に二つのグリア細胞が関与することを発見
- 神経難病の一つであるALSの治療法の開発につながる新知見 -
だいやまーく2008年03月07日-08 第11回JALSA講習会 於:あいち健康プラザ
だいやまーく2008年03月07日 「呼吸器の母 12年の介護」
『朝日新聞』2008年03月07日夕刊
だいやまーく2008年03月13日 「難病ALSの進行を抑制 東北大がラットで確認」
『東奥日報』2008年03月13日
だいやまーく2008年03月14日 青木 正志・割田 仁・水野 秀紀・糸山 泰人 「筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する神経再生誘導の試み」
日本再生医療学会 2008年03月14日
だいやまーく佐々木 公一 2008年03月16日 『週刊/ALS患者のひとりごと』225
6年生のみなさん、ありがとう
だいやまーく2008年03月22日 「日本ALS協会、レッドソックスのカート・シリング選手から寄付の提案」(画像あり、画像は日本ALS協会の人びととシリング選手)
関連記事:「松坂の奪三振が難病患者を救う シリングと協力」
だいやまーく2008年03月30日 橋本みさお講演会 「なくして与えられたもの」
在宅ALS患者の日々日常から生まれるあんなこんな 於:下関市民センター
だいやまーく2008年06月20日 川口 有美子 「終末期医療、どう考える――後期高齢者終末期相談支援料をめぐって」(インタビュー)『シルバー新報』 2008年6月20日
だいやまーく舩後 靖彦・寮 美千子 20080805 『しあわせの王様――全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦』,小学館,196p. ISBN-10: 4093877203 ISBN-13: 978-4093877206 1575 [amazon]/[kinokuniya] (注記) als.n02.
だいやまーく2008年10月07日 「呼吸器外しの意思尊重を ALS患者要望 倫理委が提言 千葉の病院 院長は難色」(別ぺージ)
『中国新聞』2008年10月07日 第1面 他





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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
特定疾患患者の自立支援体制の確立に関する研究 平成19年度班研究会議プログラム
日 時 平成20年1月6日(日) 9:15〜17:00
(8:45〜受付)
場 所 都市センターホテル 5F オリオン
東京都千代田区平河町2−4−1
TEL:03−3265−8211
発表時間 1演題7 分 討論3 分
主任研究者 今井 尚志

班会議プログラム
開会の辞 主任研究者 今井尚志
厚生労働省疾病対策課挨拶
9:15〜9:25 開 会 ・ ご 挨 拶

9:25〜10:20 演 題 ?T(難病相談・就労支援)
【座長】 群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学 岡本 幸市 先生

1.難病相談支援センターにおける相談内容の検討 岡本幸市1)、しろまる川尻洋美2)、笠井秀子3)、金古さつき2)、根本久栄4)、大塚広子5)、青木厚子5) 坂裕美6)日高響子7)黒田久美7)両角由里8)割田直美9)矢島正栄10)牛込三和10) 1)群馬大学大学院医学研究科脳神経内科学、2)群馬県難病相談支援センター、3)前東京都難病相談・支援センター、4)福島県難病相談支援センター、5)とちぎ難病相談支援センター、6)かながわ難病相談・支援センター、7)茨城県難病相談支援センター、8) 長野県難病相談支援センター、9)群馬県健康福祉部保健予防課、10)群馬パース大学

2.新潟県難病相談支援センターの活動と課題 西澤正豊1)、しろまる隅田好美2)、野水伸子3)、井浦正子3)、渡部ミサヲ3)、若林佑子3)、尾崎陽子3) 齋藤博3) 小池亮子3) 1)新潟大学脳研究所神経内科 、2)新潟大学歯学部口腔生命福祉学、3)新潟県難病相談支援センター 4)西中央病院

3.福岡県難病相談・支援センターにおける就労支援の実態 吉良潤一1)、しろまる大道綾2)、岩木三保2)、立石貴久1) 1)九州大学大学院医学研究院神経内科学、2)福岡県難病医療連絡協議会

4.神経難病4疾患における実態と就労に対する意識 阿部康二1)、しろまる森貴美2)、武久康1)、池田佳生1)、神谷達司1) 1)岡山大学神経内科、2)岡山大学保健学研究科

5.難病のある人の「病気をもちながら働く」自己イメージの再構築の支援 春名由一郎1)、しろまる伊藤美千代1) 2) 1)(独)高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター、2)東京大学大学院医学系研究科健康社会学博士課程

10:20〜11:05 演 題 ?U(患者会・治験)
【座長】 九州大学大学院医学研究院神経内科学 吉良 潤一 先生

6.多系統萎縮症患者会支援の試み しろまる青木正志1)、関本聖子2)、栗原久美子2)、佐藤裕子3)、嶺岸恵美3)、遠藤早苗3)、五十嵐ひとみ3) 仙石美枝子3)西條慶3)今井尚志4)椿井富美恵4)割田 仁5)金森洋子5)糸山泰人5) 1)東北大学病院神経内科、2)宮城県神経難病医療連絡協議会、3)東北大学病院地域医療連携センター、 4)(独)国立機構宮城病院ALSケアセンター、5)東北大学大学院医系研究科神経内科

7.日本ALS 協会静岡県支部の会員現状調査 溝口功一1)、しろまる深井千恵子2)、今福恵子3)、山田健弘2) 1)静岡てんかん・神経医療センター、2)日本ALS協会静岡県支部、3)静岡県立大学短期大学部

8.治験に参加するALS 患者への支援について 後藤公文1)、しろまる大平志穂美1)、前川巳津代2)、今里福美2)、福田悦子1)、長田祐子1)、松尾秀徳1) 1)長崎神経医療センター、2)長崎県難病医療連絡協議会

9.ALS におけるエダラボン投与の長期観察症例について しろまる吉野英1)、大久保裕史、2)中川直子2)、吉田祥子2) 1)吉野内科・神経内科医院、2)吉野内科・神経内科リハビリテーション科

11:05〜12:00 演 題 ?V(支援体制)
【座長】 北里大学医学部神経内科学 荻野 美恵子先生

10.重度包括支援の現状と改善策 しろまる伊藤道哉1)、濃沼信夫1)、川島孝一郎2) 1)東北大学大学院医学系研究科、2)仙台往診クリニック

11.専門医院としての訪問診療・連携による難病患者支援 難波玲子、しろまる高橋幸治、加治谷悠紀子、大上三恵子、中村英里子、高見博文 神経内科クリニックなんば

12.医療処置のインフォームドコンセントを支える患者支援ツールの検討 荻野美恵子1)、しろまる森永友弥2)、杉村幸信2)、吉原千恵2)、前川恭子2)、坂井文彦1) 1)北里大学医学部神経内科学、2)北里大学東病院看護部

13.徳島県内の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に対する支援体制構築に向けて 梶 龍兒、しろまる鎌田正紀、和泉唯信 徳島大学神経内科

14.倫理コンサルテーションの現状と課題 ― 神経難病医療の現場に根差した質的分析をもとに ― しろまる板井孝壱郎1)、塩屋敬一2)、斉田和子2)、岸 雅彦2)、比嘉利信3)、吉田美月4)、中迫貴美子4)、 占部裕子5)、熊谷勝子6)、外山博一7)、浅井 篤8)、 1)宮崎大学医学部社会医学講座生命・医療倫理学分野、2)NHO宮崎東病院神経内科、3)NHO宮崎東病院内科、4)NHO宮崎東病院看護部、5)NHO宮崎東病院地域連携室、6)宮崎県難病医療連絡協議会7)外山内科神経内科医8))熊本大学大学医学薬学研究部生命倫理学分野

12:00〜13:00 お 昼 休 み (注記) お昼休みに班員会議を行います。

13:00〜13:35 演 題 ?W(福祉施設)
【座長】 神経内科クリニックなんば 難波 玲子 先生

15.千葉県市川健康福祉センター(市川保健所)管内における社会福祉施設の神経難病患者 受け入れの実態調査 湯浅龍彦1)、しろまる荒木なおみ2)、渡邉義郎2)、沖野公美2) 1)国立精神・経センター国府台病院神経内科、2)千葉県市川健康福祉センター

16.看護・介護提供型共同住宅(ナーシングホーム)で療養可能となった 人工呼吸器装着患者の1例 南尚哉1)、しろまる有馬祐子1)、沢口幸代1)、千田和美1)、水野智美1)、輿水修一1)、藤木直人1) 土井静樹菊地誠志島功二林久2)、岩井公博3) 1)国立病院機構札幌南病院、2)北海道難病医療ネットワーク連絡協議会、3)ナーシングホームなつれ代表
17.療養施設における災害経験 荻野美恵子1)、しろまる山田谷節子2)3)、古澤英明1)3)、荻野裕4)、坂井文彦1) 1)北里大学医学部神経内科学、2)北里大学東病院看護部、3)神奈川県立さがみ緑風園)、4)東芝林間病院

13:35〜14:30 演 題 ?X(QOL ・吸引)
【座長】 独立行政法人国立病院機構南九州病院 福永秀敏 先生

18.特定疾患者の自立支援におけるQOL 概念に関する検討 しろまる中島 孝1)、伊藤博明1)、大生定義2) 1)国立病院機構新潟病院、2)立教大学

19.講演を通した自己実現−医学部講演を経験して− しろまる荻野美恵子1)、しろまる三井敏照2)、古澤英明1) 2)、守屋利佳3)、阿部直3)、坂井文彦1) 1)北里大学医学部神経内科学、2)神奈川県立さがみ緑風園、3)北里大学医学部教育研究部門

20.在宅ALS 患者のQOL 向上への支援〜地域ネットワークによる取り組み〜 福永秀敏1)、しろまる福山百合子2)、高橋浩一3)、児島良子 2)、野内好子4)、黒木音枝4) 1)独立行政法人国立病院機構南九州病院、2)訪問看護ステーションあさひ、3)鹿児島県立北薩病院、4)訪問介護ひだまり、5)鹿児島県大口保健所

21.在宅吸引支援体制を考える〜訪問介護事業所における患者対応への意識調査の現状より〜 溝口功一1)、しろまる横山とし子2)、石垣泰則2)、野原正平 2)、小松原征江2)、丸山由美子2)、山田健弘2) 1)静岡てんかん・神経医療センター 2)NPO法人静岡難病ケア市民ネットワーク

22.ヘルパー吸引指導の現状と今後の問題点 林秀明1)、しろまる鏡原康裕2)、川田明広2)、川崎芳子3)、小坂時子3) 、岡戸有子3)、高橋香織3)、 山本由美子3)、佐久間美幸3)、梅本真理子3)、小林香代子1)都立神経病院、2)都立神経病院脳神経内科、3)都立神経病院地域医療支援室

14:30〜14:50 コーヒーブレイク

14:50〜15:25 演 題 ?Y(コミュニケーション)
【座長】 自治医科大学神経内科 中野 今治 先生

23.ピアカウンセリングにおける難病患者の自立を考える −養成講座における受講者と難病患者とのコミュニケーションのあり方− 松尾光晴1)、しろまる坂野尚美2)、しろまる今水靖2)椿井富美恵3)、関本聖子4)、栗原久美子4)、 佐藤栄次5)廣澤克彦6)今井尚志1) 1)ファンコム株式会社、2)あいちピアカウンセリング/ピアカウンセリングセンター、3)宮城病院 ALSケアセンター、4)宮城県難病医療連絡協議、5)日本電気株式会社、6)株式会社NTドコモ

24.テレビドアホンを用いた"どこでもモニター"の試行 −重症難病患者のコミュニケーションインフラ構築について(続報)−)−)−)− 宮地裕文1)、しろまる小林義文2)、島田佐智代2)、長嶺雅子3)、建部早苗3) 1)福井県立病院神経内科、2)福井県立病院リハビリテーション室、3)福井県立病院看護部

25.光トポグラフィ技術を活用した意思伝達装置の現状と課題 中野今治 1)、しろまる木戸邦彦2)、森田光哉1)、小澤邦昭2)、伊藤嘉敏3)、内藤正美4)、金沢恒雄5) 1)自治医科大学神経内科、2)株式会社日立製作所、3)(元)株式会社日立製作所、4)東京女子大学文理学部数理学科、5)エクセル・オブ・メカトロニクス株式会社

15:25〜16:40 在宅ALS患者支援と自律
【座長】 国立精神・神経センター国府台病院 湯浅 龍彦 先生 難病支援ネット北海道 伊藤 たてお先生

26.「在宅独居ALS 患者支援(1)ケアマネージャーとしての関わり」 湯浅龍彦1)、しろまる八嶋直子2)、長崎直子3)、並木綾子4)、丸山千津子5)、鈴木由美6)、森朋子7)、 吉本加預子8)川上純10) 1)国立精神・経センター国府台病院神経内科、2)弘人会ロータス居宅介護支援事業所、3)生活クラブ市川介護ステーション、 4)ハッピー夏見台ヘルパステーション、5)訪問看護ステションきら、6)なのはな訪問看護ステーション、7)東京国際大学 大学院臨床心理学研究科、8)日本ALS協会東京都支部、9) 日本ALS協会千葉支部

27.「在宅独居ALS 患者支援(2) SEIQolを用いてみた心の動き」 湯浅龍彦1)、しろまる森朋子1),1)国立精神・経センター国府台病院神経内科、2)東京国際大学大学院臨床心理学研究科

28.「ALS 患者の在宅人工呼吸療養と自律−生活破綻例の反省から−」 しろまる長谷川秀雄 NPO法人いわき自立生活センター

29.「ALS 患者の在宅人工呼吸療養と自律−24時間他人介護在宅人工呼吸療養を目指して−」 木村格、しろまる椿井富美恵、川内裕子、小平昌子、大隅悦子、今井尚志 独立行政法人国立病院機構宮城病院ALSケアセンター

30. 「指一本にこもる想いを...」 千葉淑子 宮城県在宅ALS患者

16:40〜16:55 総合討論

16:55〜17:00 閉会の辞


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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)
筋萎縮性側索硬化症の画期的診断・治療法に関する研究班
(課題番号 H17 .難治. 44)
日 時:平成20 年1 月18 日(金) 10:00〜15:30
場 所:都市センターホテル 6 階 601
東京都千代田区平河町2-4-1
TEL 03-3265-8211
主任研究者 祖父江 元
(事務局) 〒466-8550
名古屋市昭和区鶴舞町65
名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科
TEL 052-744-2386、FAX 052-744-2393
E-mail: brain@med.nagoya-u.ac.jp
発表:口演時間15 分(質疑・討論含む)
・ 発表時間は口演15 分(質疑・討論 含む)。
・ 液晶プロジェクターを用意します。
・ 昼食時に班員会議を行います。

プ ロ グ ラ ム
10:00 主任研究者挨拶
10:05 厚生労働省疾病対策課御挨拶
10:10〜10:55

セッション?T 【病態】 座長:谷口 直之(大阪大学微生物病研究所)
1. ALS 患者の脳脊髄液中シスタチンC の検討
つじ さち こ
菊地 誠志1)、しろまる辻 幸子2)、佐々木秀直2)
1) 国立病院機構札幌南病院神経内科
2) 北海道大学神経内科

2. Transglutaminase によるタンパク質凝集促進と神経変性疾患:ALS 病態解明への応用
まつ もと あや こ
しろまる松本 紋子1)、藤原 範子2)、谷口 直之3)
1) 大阪大学大学院医学系研究科生化学
2) 兵庫医科大学生化学
3) 大阪大学微生物病研究所疾患糖鎖学

3. 変異SOD1 の修飾を介した神経毒性発現機構の解析
なが の せい いち
しろまる長野 清一、岸上 仁、佐古田三郎
大阪大学大学院医学系研究科神経内科学

10:55〜11:40
セッション?U 【病因・治療薬】 座長:高橋 良輔(京都大学神経内科)

4. 孤発性筋萎縮性側索硬化症患者ゲノムのCNV(copy number variation)解析
か とう たけ お
しろまる加藤 丈夫1)、佐藤 秀則1), 2)、川並 透1)、栗田 啓司1)、
江見 充1), 2)
1) 山形大学医学部生命情報内科(第三内科)
2) ヒュービット・ジェノミックス

5. キサンチン脱水素酵素阻害作用を有しかつプリンサルベージ回路の基質とならない化合物を含有することを特徴とするALS 治療薬の開発とその基礎研究
か とう しん すけ
しろまる加藤 信介1)、加藤 雅子2)、阿部 泰子3)、西野 武志3)
1) 鳥取大学医学部脳神経病理部門
2) 鳥取大学医学部分子病理学教室
3) 日本医科大学医学部生化学第一教室

6. 胚性幹細胞と低分子化合物ライブラリーを用いた筋萎縮側索硬化症の治療法の研究
いの うえ はる ひさ
しろまる井上 治久1)、村上 学1)、月田香代子1)、高橋 良輔1)、
中辻 紀夫2)、上杉 志成3)、饗庭 一博4)、浅井 康行5)
1) 京都大学大学院医学研究会臨床神経学
2) 京都大学物質一細胞統合システム拠点
3) 京都大学化学研究所生体機能化学研究系
4) 幹細胞創薬研究所
5) ?潟潟vロセル

11:40〜12:25
セッション?V【遺伝子治療】 座長:野本 明男(東京大学微生物学)

7. AAV ベクター脳内投与における安全性
むら まつ しん いち
しろまる村松 慎一1)、中野 今治1)、水上 浩明2)、小澤 敬也2)、
島崎久仁子3)
1) 自治医科大学神経内科
2) 自治医科大学遺伝子治療
3) 自治医科大学神経脳生理

8. ALS 病態進行遅延を目指したポリオウイルスベークターの開発
の もと あき お
千葉 妃織、五十嵐博子、大岡 静衣、しろまる野本 明男
東京大学大学院医学系研究科微生物学講座

9. HGF によるALS 依存的なグリオーシスの制御機構の解析
− ALS に対する最適なHGF 治療法の確立に向けて−
おお や わか な
しろまる大谷 若菜1)、船越 洋1)、角山 圭一1), 2)、中村 敏一1)
1) 大阪大学大学院医学系研究科・分子再生医学分野
2) 姫路独協大学薬学部

12:25〜13:20 ******昼食・班会議******

13:20〜14:00
特別講演 座長:祖父江 元(名古屋大学神経内科)
【オートファジー(Self-eating)と神経変性】
田中 啓二(東京都臨床医学総合研究所・先端研究センター)

14:00〜14:45
セッション?W 【再生治療】 座長:糸山 泰人(東北大学神経内科)

10. 胚性幹細胞、神経幹細胞を用いた神経系の再生医学
おか だ よう へい
しろまる岡田 洋平1)、松本 有史1), 3)、熊谷玄太郎1), 4)、
中村 雅也1), 5)、戸山 芳昭5)、岡野 栄之1)
1) 慶應義塾大学医学部生理学
2) 名古屋大学大学院医学系研究科神経内科
3) 東北大学大学院医学系研究科神経内科
4) 弘前大学医学部整形外科
5) 慶應義塾大学医学部整形外科

11. EGF+FGF2 髄腔内投与によるALS モデルマウス脊髄での内在性未分化神
経幹細胞および神経前駆細胞増殖の試み
おお た やす ゆき
阿部 康二、しろまる太田 康之、永井真貴子、武久 康、
永田 哲也、倉田 智子、森本 展年、宮?ア 一徳、
池田 佳生、神谷 達司
岡山大学医学部神経内科

12. ALS ラットモデル脊髄におけるコンドロイチン硫酸の役割
わり た ひとし
糸山 泰人1)、しろまる割田 仁1)、水野 秀紀1)、青木 正志1)、
岡野 栄之2)
1) 東北大学神経内科、東北大学病院ALS 治療開発センター
2) 慶應義塾大学医学部生理学

14:45〜15:30
セッション?X 【病態モデル】 座長:郭 伸(東京大学神経内科)

13. ADAR2 コンディショナルノックアウトマウスにおける運動ニューロン死
と孤発性ALS
ひ で やま たく と
しろまる日出山拓人1)、山下 雄也1)、辻 省次1)、高橋 良輔2)、
三澤日出巳3)、鈴木 岳之4)、郭 伸1)
1) 東京大学神経内科学
2) 京都大学神経内科
3) 共立薬科大学薬理学
4) 共立薬科大学基礎生物学

14. Angiogenin を標的とした筋萎縮性側索硬化症モデルマウス作製の試み
ささ ぐり ひろ き

しろまる笹栗 弘貴1)、横田 隆徳1)、山本 由紀1)、安齋 政幸2)、
三谷 匡2)、水澤 英洋1)
1) 東京医科歯科大学大学院脳神経病態学、
2) 近畿大学先端技術総合研究所

15. 孤発性ALS 線虫モデルの開発
わ ざ まさ ひろ
しろまる和座 雅浩1)、田中 章景1)、黄 哲1)、蒋 月梅1)、
曽根 淳1)、飯島 正博1)、井口 洋平1)、山田 新一1)、
勝野 雅央1)、山本 正彦2)、祖父江 元1)
1) 名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学
2) 愛知学院大学心身科学部健康科学科


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だいやまーく独立行政法人 理化学研究所

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行に二つのグリア細胞が関与することを発見
- 神経難病の一つであるALSの治療法の開発につながる新知見 -

平成20年2月4日

◇ポイント◇
新しい遺伝型ALSモデルマウスを用いてALS病態の進行メカニズムを解明
グリア細胞であるアストロサイトとミクログリアの異常がALSの進行に関与
2種類のグリア細胞を標的としたALSの進行を遅らせる治療法の開発に期待

独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、神経変性疾患の一つで、全身の運動麻痺を起こす神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデルマウスを用いて、ALSの進行に関与する細胞群を発見しました。 理研脳科学総合研究センター(甘利俊一センター長)山中研究ユニットの山中宏二ユニットリーダーらと、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校、京都大学、共立薬科大学の共同研究による成果です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、全身の筋肉を支配する大脳と脊髄にある運動神経細胞が、徐々に死んでいく原因不明の神経難病です。発症すると、認知や思考の能力が保たれたまま、全身の筋肉の麻痺が進行し、寝たきりとなります。通常は、発症から2年ないし5年で、呼吸をつかさどる筋肉の麻痺のため、人工呼吸器なしには生存できなくなる重篤な疾患です。
研究グループはこれまでに、ヒトの遺伝型ALSで発見されたSOD1遺伝子(注記)1の変異を、特定の細胞群で、選択的に除去できる新しいモデルマウスを開発し、ALSに関与するすべての細胞群の働きを検討してきました。今回、このモデルマウスを用いて、ALSの治療の標的となる細胞群の同定を行いました。その結果、脳内で神経細胞とともに存在するグリア細胞の一つであるアストロサイトに発現している変異SOD1を取り除くことにより、ALSの進行と運動ニューロンの細胞死を顕著に遅らせることができることを発見しました。また、アストロサイトは、神経系にある別の種類のグリア細胞であるミクログリアに起因する異常な炎症反応を制御していることを突き止め、このことがALSの病態進行に重要な役割を果たしていることを解明しました。グリア細胞は、神経細胞が緻密な脳のネットワークを作る際、これを補佐する脇役と考えられてきましたが、最近の研究では、脳内で重要な働きをしていることが次々とわかってきています。ALSの進行を遅らせる治療の標的として、運動神経ではなく、グリア細胞であるアストロサイトとミクログリアが有効であることを世界で初めて示した画期的な知見です。
今回の成果を踏まえ、グリア幹細胞を移植する方法などによる、ALSの治療法の開発に大きく寄与することが期待されます。本研究成果は、英国の科学雑誌『Nature Neuroscience』オンライン版(2月3日付け:日本時間2月4日)に掲載されます。
* 本研究は、文部科学省科学研究費、上原記念生命科学財団、公益信託「生命の彩」ALS研究助成基金より研究助成を受けて行われました。

1.背景
ALSは、全身の筋肉を支配する運動神経細胞を選択的、かつ進行的に障害し、呼吸筋を含む全身の筋肉麻痺を引き起こす原因不明の神経変性疾患です。現在のところ、有効な治療法は見つかっていません。現在、日本では約6,000人のALS患者がいると推定されています。患者の苦痛に加え、介護者にも長期にわたる重度の介護が必要となるため、その原因の解明と治療法の開発が強く求められている疾患です。
ALSにおいて最も特徴的な病変は、運動神経に起こる細胞死ですが、その周囲に存在するグリア細胞でも病的変化がみられます。これまでグリア細胞の病的変化は、神経変性に伴い2次的に起こる変化であるのか、ALS病態に積極的に関与するものであるのかは明らかになっていませんでした。ALSの約1割は遺伝性です。遺伝性ALSでは、原因遺伝子を手がかりとしてモデル動物を作成するなどといった遺伝子工学的手法を用いて研究を行うことが可能であるため、遺伝性ALSをターゲットとして病態解明に向けた研究が進められています。最近の研究成果として、ヒトの遺伝性ALSでは、SOD1遺伝子の優性変異が最も多く、2割の患者で見られることがわかっています。
変異型ヒトSOD1遺伝子を導入したマウスは、ヒトALSの病態をよく再現していることから、モデル動物として広く研究に利用されています。このSOD1遺伝子は、神経細胞やグリア細胞をはじめとした全身のいたるところの細胞に発現しているにも関わらず、運動神経に選択的に細胞死を引き起こすことが知られています。しかしながら、これまでALSの発症や進行に関与する細胞群は、よく知られていませんでした。
研究グループは、特定の細胞群から選択的に変異型のSOD1を除去できる新たなモデルマウス「LoxSOD1G37R」を作成し、ALSに関与するすべての細胞群の関与を明らかにする研究を進めてきました。その結果、グリア細胞の1種であるミクログリアがALS進行に関与する細胞群であることを明らかにしました(Boillee & Yamanaka et al, Science, 2006)。しかし、その進行メカニズムは未解明であり、さらに神経系で最も主要なグリア細胞であるアストロサイトがALSの病態に寄与しているかどうかは、未解決の問題として残されていました。

2.研究手法と成果
研究グループは、特定の細胞群から選択的に変異型のSOD1を除去することができる新たなモデルマウス「LoxSOD1G37R」と、運動神経およびアストロサイトだけに選択的にCreタンパク質(注記)2を発現するマウスを交配することにより、変異型SOD1を運動神経、あるいはグリア細胞の一つであるアストロサイトから除去したモデルマウスを作成し、疾患の発症時期/生存期間/罹病期間(疾患の進行)(注記)3を調べました(図1)。
次に、アストロサイトから変異型SOD1を除去したモデルマウスを用いて、アストロサイトやミクログリアに的を絞り、これらの細胞の増殖や病的変化を組織学的に調べました。アストロサイトやミクログリアのグリア細胞では、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)(注記)4を発現し、薬物を用いた刺激などによって過剰に一酸化窒素を放出し、神経細胞に障害を来すことが知られています。今回作成したモデルマウスにおいて、これらのグリア細胞のいずれかで、疾患の進行期にiNOSを発現していないかについても検討しました。
その結果、以下のことが明らかになりました。
(1)運動神経で変異型SOD1を除去した場合(図1:実験1)
運動神経において変異型SOD1を除去すると、ALSモデルマウスの発症時期が約50日遅延し、生存期間が約42日延長しましたが、罹病期間の延長は見られませんでした。
(2)アストロサイトで変異型SOD1を除去した場合(図1:実験2)
ALSモデルマウスの発症時期にほとんど変化はありませんでしたが、進行を著明に遅延させることでその生存期間を約60日延長しました。罹病期間は約2.2倍延長しました(未除去群の約39日に対し、除去群では約87日)。このことは病気の進行を遅らせることができたことを意味しています(図2)。
(3)アストロサイトにおいて変異型SOD1を除去したモデルマウス
アストロサイトにおいて変異型SOD1を除去したALSモデルマウスの脊髄病巣では、ミクログリアの増殖や活性化が著しく抑制され(図3)、Creタンパク質を発現しているアストロサイト(変異型SOD1が除去されて正常化したアストロサイト)が多い環境では、活性化ミクログリアは少なくなっていました(図4)。
(4)一酸化窒素を産生している細胞はミクログリア
ALSモデルマウスの脊髄病巣で主に一酸化窒素を産生している細胞は、ミクログリアでした。
以上のことから、運動神経における変異型SOD1による毒性(注記)5は、ALSの発症に強く関与し、アストロサイトに発現する変異型SOD1による毒性は、ALSの進行に積極的に寄与していることが明らかになりました。変異型SOD1を有するアストロサイトがミクログリアに病的変化を起こし、ミクログリアから一酸化窒素や炎症性のサイトカイン(注記)6などの神経障害性の物質を放出することにより、運動神経を傷害するため、ALSの病態がさらに進行すると考えられます。このことは、運動神経死と疾患の進行が、これら2種類のグリア細胞(ミクログリアとアストロサイト)に由来する病的変化に強く影響され、これらを正常化することによるALS治療の可能性を実験的に証明したことになります(図5)。

3.今後の期待
本研究で得られた知見は、ALSの進行を遅らせる標的として、運動神経ではなく、グリア細胞が有効であることを示す画期的なものです。また、このようなグリア細胞の病的変化は、ALSの大部分を占める非遺伝性ALSでもみられます。ALSの治療は、当然ながら患者が病気を発症してから行われるため、病気の進行を遅らせることが唯一の治療法であり、その点で、ALSの疾患進行に深く関与するグリア細胞は、遺伝性のみならず、すべてのALS患者の治療の標的細胞として有望であると考えられます。
今後の研究の方向性としては、グリア細胞に起こる分子病態を明らかにして、治療の標的となる分子を同定することを目指しています。また、グリア細胞を健康にする別の方法として、幹細胞移植などが考えられます。ALSの治療において、運動神経そのものを、幹細胞などを用いて移植する方法は、移植した神経が正しいネットワークを形成するかという点と、軸索伸長速度が遅い(約1mの軸索を再生させるには約2から3年を要する)という点で困難を抱えています。これに対し、グリア細胞を標的とした幹細胞治療や、薬剤投与などの方法は、運動神経ではなく、その周囲の非神経細胞であるグリア細胞を正常化することから、神経細胞を用いた方法よりも簡便であるため、有効なALS治療の開発につながると期待されます。

(問い合わせ先)
独立行政法人理化学研究所
脳科学総合研究センター 山中研究ユニット
ユニットリーダー 山中 宏二(やまなか こうじ)
Tel:048-467-9677/Fax:048-462-4796


脳科学研究推進部 嶋田 庸嗣(しまだ ようじ)

Tel:048-467-9596/Fax:048-462-4914


(報道担当)
独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当
Tel:048-467-9272/Fax:048-462-4715 Mail:koho@riken.jp

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<補足説明>
(注記)1 SOD1遺伝子(スーパーオキシドジスムターゼ遺伝子)
酸素に依存する生物の細胞内で発生する有害な活性酸素であるスーパーオキシドを解毒する反応系を触媒する酵素がスーパーオキシドジスムターゼである。遺伝型のALSでは、この遺伝子に変異が見られる。

(注記)2 Creタンパク質
大腸菌に由来する酵素。特定のDNA配列(Lox配列と呼ばれる)を認識し、その間にあるDNAを除去する。特定の細胞群における遺伝子の働きを調べる目的で、Creタンパク質を細胞群選択的に発現するマウスが研究によく使われている。

(注記)3 発症時期/生存期間/罹病期間(疾患の進行)
発症時期 : ALSの症状を示し始めた時期(本研究では体重減少の開始点)
生存期間 : モデルマウスの誕生から死亡までの期間
罹病期間 : 発症時期から死亡までの期間(=生存期間―発症時期)
罹病期間が延長すると、病気の進行が遅延したと考えられる。


(注記)4 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS: inducible NO synthase)
一酸化窒素合成酵素とは、L-アルギニンを基質として一酸化窒素(NO)が合成される過程で触媒として作用する酵素の総称である。ほ乳類の一酸化窒素合成酵素は3種類あり、神経型(nNOS)、誘導型(iNOS)、血管内皮型(endothelial NOS)が知られている。誘導型NOSは、平常状態では出現せず、サイトカインの存在下でマクロファージやミクログリアなど種々の細胞で誘導され、産生された一酸化窒素により病原体を殺す生体防御機能の一部を担う。また、組織障害誘発因子としても注目されている。

(注記)5 変異型SOD1による毒性
遺伝型のALSではSOD1遺伝子に変異が見られるが、この酵素の活性が失われるために運動神経の細胞死が起こるのではなく、変異型のSOD1が酵素活性とは無関係の毒性を発揮することが神経細胞死の原因と考えられている。しかし、現時点でその毒性の詳細は不明である。

(注記)6 サイトカイン
細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。特に免疫、炎症に関係したものが多く、極めて微量でその効果を発揮する。細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。
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実験1: 新しいALSモデルマウスLoxSOD1G37Rと、運動神経において選択的にCreタンパク質を発現するCreマウスを交配する。この交配実験で、変異型SOD1を運動神経のみで除去することによる、ALS発症と疾患の進行時期への効果を検討する。
実験2: ALSモデルマウスLoxSOD1G37Rと、アストロサイトにおいて選択的にCreタンパク質を発現するCreマウスを交配する。この交配実験で変異型SOD1をアストロサイトのみで除去することによる、ALS発症と疾患の進行時期への効果を検討する。
________________________________________

図2 アストロサイトの変異型SOD1を除去したALSモデルマウスの
発症時期、生存期間、および罹病期間
ALSモデルマウス(Cre-:青)とアストロサイトから変異型SOD1を除去したALSモデルマウス(Cre+:赤)における発症時期(a)と罹病期間(b)、および生存曲線(c)。 グラフ中に各群の平均生存期間(平均日数±標準偏差)を示した。Cre+では、発症時期に変化がなく、罹病期間が著明に延長していることから、疾患の進行が遅延したことがわかる。
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図3 アストロサイトから変異型SOD1を除去した場合のミクログリアの活性化
発症前、発症期、疾患早期のALSモデルマウス(Cre−) およびアストロサイトから変異型SOD1を除去したモデルマウス(Cre+)の、腰部脊髄におけるアストロサイト(緑:GFAP抗体による染色)と活性化したミクログリア(赤:Mac2抗体による染色)。発症期から疾患の進行につれて見られるミクログリアの活性化が、アストロサイトを正常化することで改善している。
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図4 疾患進行期のALSモデルマウスの脊髄病巣におけるアストロサイトでの
Creタンパク質の発現と活性化ミクログリアの相関
疾患進行期のALSモデルマウス(アストロサイトCreマウスと交配したもの)の脊髄病巣におけるCreタンパク質を発現しているアストロサイト(変異型SOD1が除去されて正常化したアストロサイト)の数と、活性化ミクログリアの数は逆相関している。(ピアソンの相関係数rは、強い逆相関を示している。)
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図5 ALSにおけるグリア細胞が寄与する神経細胞死のメカニズム
ALS発症は運動神経内で起こるさまざまな病的変化の集積によって起こると考えられる(1)。ミクログリアは運動神経からの未知の因子(2)や変異型SOD1を発現したアストロサイトに由来する因子(3)により強く活性化され、細胞障害性サイトカインや一酸化窒素の放出(4)によりさらに運動神経を傷害して、疾患の進行に深く関与する。アストロサイトはまた、運動神経を直接傷害する有害因子を放出しうることが知られている(5)。運動神経死と疾患の進行は、これら2種類のグリア細胞(ミクログリアとアストロサイト)に由来する病的変化に強く影響され、非細胞自律性の神経細胞死を来すと考えられる(6)。神経変性がグリア細胞から神経栄養因子が失われるために起こるのか、あるいは有害なサイトカインなどの分子によるものであるのかは、今後解明すべき課題である。

だいやまーく難病ALS:病気の進行速度を左右する細胞発見 理化学研
http://mainichi.jp/select/science/news/20080204k0000e040019000c.htm
l 全身の運動神経が侵される「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の進行速度が、神経細胞の周辺にある2種類の細胞によって左右されることを、理化学研究所などが発見した。病気の進行を遅らせる新治療法の開発につながると期待される。3日付の米科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」(電子版)に発表した。
ALSは脳や脊髄(せきずい)にある運動神経細胞が徐々に死んでいき、全身の筋肉がまひする難病で、国内に約6000人の患者がいるとされる。約1割を占める遺伝性の場合、SOD1という遺伝子に変化があることが分かっていた。
理研脳科学総合研究センターの山中宏二ユニットリーダー(神経内科学)らは、マウスの特定の細胞から異常なSOD1を除去する手法を開発。どの種類の細胞のSOD1が病気の発症や進行に関与しているかを調べ、神経細胞の周囲にある2種のグリア細胞が病気の進行に関与していることを突き止めた。
これら2種のうち、アストロサイトと呼ばれる細胞から異常なSOD1を除去したマウスでは、発症から死ぬまでの期間が2.2倍に延びた。
山中さんは「ALSの進行を遅らせる薬の開発に向け、標的となる細胞を特定できた。この2種類のグリア細胞の異常は、非遺伝型でも見られるので、すべてのALSに有効だと思う」と話している。【西川拓】
毎日新聞 2008年2月4日 10時37分 (最終更新時間 2月4日 11時48分)



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だいやまーく2008年03月07日 「呼吸器の母 12年の介護」
『朝日新聞』2008年03月07日
http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY200803070171.html

「川口有美子(かわぐち・ゆみこ)(45)は夫の転勤でロンドンに移り、7歳の娘と2歳の息子の子育てに夢中になっていた。95年6月、電話を受ける。東京の母、島田祐子(しまだ・ゆうこ)からだった。
「......ALSって、変な病気になっちゃったみたいなの」
医師は呼吸器をつければ生きていけるという。でも、介護がすごく大変だから、どうしたらいいかしら。母の涙声を聞いて川口はとっさに答えた。「いいじゃない、呼吸器をつけて生きれば」
天窓から昼下がりの日差し。庭のアカシアが風に揺れていた。その日がすべての始まりだった。



ALSは進行性の難病だ。筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症。川口が家庭向けの医学書を開くと、「運動神経が侵され、あらゆる筋肉が萎縮し、さいごは呼吸もできなくなる」。絶望的な言葉がならんでいた。宇宙物理学のホーキング博士(66)もこの病だった。
その夏に帰国、介護生活が始まった。母の祐子は当時59歳。包丁がもてなくなり、起きようとして布団に倒れ、風呂場でタイルの目地につまずいた。舌がもつれ、うまく話せなくなった。出版社をやめた妹の千佳子(ちかこ)(42)や父と交代で付き添う。
認知症の祖母の介護で苦労した祐子は「呼吸器をつけてまで生きたくない」。でも別れるのは悲しい。つけなければ死ぬ。つけるかどうか。決められぬまま12月、体調が急変し、救急車で運ばれた。
「助けてっ」。集中治療室で祐子は娘たちにいった。医師は気管切開して呼吸器をつけた。
2カ月後、自宅にもどった。ベッドわきに呼吸器や痰(たん)の吸引機。シュポーという呼吸器の音。家族は心配で部屋から出られない。緊張の連続。仮眠は1、2時間。
やがて祐子に気力がもどる。話せないかわりに、50音の文字盤を祐子が目でさし、家族が読み取る。短歌もはじめた。
96年秋、総選挙があった。投票は自筆でないと認められない。祐子は「そんなの、おかしい!」と、千佳子に代筆させて日弁連に嘆願書を送る。ベッドの上から、投票できる日を待っています。のちの制度改正につながる。
さらに病状は進んだ。文字盤をさす目が動きにくくなり、一日に読みとれるのはわずか数文字に。ある日、「し・に・た・い」。
そんなに死にたいなら、いっそ......。そして私も。「妹も私も何度も母を殺そうとしましたね。かわいそうで」と川口。患者家族らが集うALS協会の橋本操(はしもと・みさお)(54)に、つらさ、切なさを訴えた。
橋本もまたALS患者である。千葉の漁師の娘に生まれ、27歳で結婚、32歳で発病したとき5歳の娘の母だった。39歳で呼吸器をつけ、わずかに動く唇と目の動きをヘルパーが読みとって伝える。
「根性がない」と橋本。川口はむっとする。「母を根性なしといったんだと誤解して。でも、あとで根性がないのは私のことだとわかった」。母はほんとうに死にたいのかしら、と泣くと、橋本は「バカな! そんな人間はいない」と目と唇でしかった。
橋本は都の難病支援制度やボランティアを使い、家族以外が介護するシステムをつくっていた。それを学んだ川口も、介護者を養成して派遣する事業を起こす。日本独自の「サクラモデル」と海外に知られるようになる。
99年、祐子はついに目も動かなくなる。意思を伝えるすべがなくなった。川口は、祐子が仏壇に遺書を残していたのを思い出す。封筒をあけると、よろけるような字で「人生は楽しい」。
楽しい? どんなにつらくても人生を楽しんで、という励ましに思えた。ふっと肩の力がぬけた。死なせたほうが、という呪縛から解き放たれ、救われた。
07年9月、祐子は逝った。71歳。川口は母のベッドに大の字になった。12年の間、ここがママの居場所だったんだ。天井をずっとみつめた。



実は、ALS患者の8割以上が呼吸器をつけずに亡くなっていく。多くが家族に迷惑をかけたくないと気兼ねして。そんなことをしないですむ世の中にしたい。
だれにもいずれやってくる、その日。その日まで、生きる。 」


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東奥日報 2008年3月13日
http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20080313010000311.asp
難病ALSの進行を抑制 東北大がラットで確認

運動神経が死んで全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)になったラットの脊髄に、神経細胞を増やす働きがある物質を投与し病気の進行を抑える実験に、青木正志東北大講師(神経内科)らの研究チームが13日までに成功した。

サルの実験でも同様の効果が出始めており、引き続き効果と安全性が確認されれば、少数の患者を対象にした臨床試験を来春にも始める計画。

名古屋市で開催の日本再生医療学会で14日、発表する。 → 発表原稿

青木講師らは、ALSを発症するよう遺伝子操作したラットの脊髄で、病気の進行に伴って神経のもとになる「前駆細胞」と呼ばれる細胞が増えているのを見つけた。

前駆細胞が神経になるのを助けてやればALSの症状の改善につながる可能性があると考え、ALSラットの脊髄に、神経を含む多様な細胞を増やす働きがある肝細胞増殖因子(HGF)という物質を、約1カ月にわたりチューブで投与した。

発症から死ぬまでの日数は平均28日で、比較のため生理食塩水を投与したラットの同17日に比べ、約1・6倍長かった。脊髄内の神経細胞数も、食塩水ラットの倍以上多く残っていた。

チームは、HGFの働きで、脊髄の細胞死を抑制したり、前駆細胞が神経に成長するのを促進したりした結果ではないかとみている。

(共同通信社)



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だいやまーく2008年03月22日 「松坂の奪三振が難病患者を救う シリングと協力」 MAJOR.JP編集部
http://mlb.yahoo.co.jp/japanese/headlines/?id=2159644&a=10929

25日のゲームでボストン・レッドソックスの開幕投手を務める松坂大輔投手が三振を奪うたびに、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、通称ルー・ゲーリッグ病と戦う患者とその家族を助けることになった。

レッドソックスのベテラン右腕カート・シリング投手は、このALS患者のための基金を設立し、毎年1ストライクごとに100ドル(約1万円)、1勝ごとに1000ドル(約10万円)を寄付してきた。そのシリングが22日、東京ドームにて日本のALS患者および家族たちと対面。激励の言葉をかけるとともに、日本ALS協会と連携して寄付を行なうことを明らかにした。

シリングは現在、右肩を痛めて戦列を離れているため、今季はほかの選手の助けを借りて寄付を継続すると表明。日本でも松坂の成績に応じて寄付が行なわれるという。今回の行動について、シリングは「ALSの認知を高めることが大事。我々の活動が患者たちの助けになればと思うし、病気でも快適な生活を送れるようにしてもらうのが目的だ」とコメント。日本のファンにも理解と協力を求めた。



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橋本みさお・講演会「なくして与えられたもの」
在宅ALS患者の日々日常から生まれるあんなこんな

3月30日(日)
13:00〜16:00(開場12時半)
場所 下関市民センター(入場無料)

主催:CIL下関 下関市秋根南町1−1−5
TEL0832−63−2687
FAX0832−63−2688


UP: 20080315 http://www.arsvi.com/d/als2008.htm REV:0316 .... 0913,18,26 1130, 20090216, 0227, 1123, 20100728
ALS
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