【人生で必要な英語は全て病院で学んだ】(106) "wild west"

アメリカの歴史に"マニフェストデスティニー(Manifest Destiny)"という言葉が使われた時代があります。これはアメリカが西部を開拓して行く際に使われた標語で、"明らかな運命"・"明白な使命"という意味です。建国時は東部13州だけだったアメリカが西部に領土を広げていく際に、「アメリカの建国理念を広めることは神からの使命だ」という意味でこの標語が使われ、結果的に先住民族であるアメリカンインディアンの虐殺を正当化したのでした。扨て、今週の表現は"Wild West"ですが、これはまさに西部開拓史の中から生まれた表現です。西部劇の舞台である開拓時代の西部には先住民族が住んでいたわけですが、土地の殆どは野生の荒野で、それを"Wild West"と呼びました。既に国として確立していた東部と違って、"Wild West"にはきちんとした法律による統治がされていたわけではなく、ある意味無法地帯。ですから、"Wild West"は"無法地帯"を比喩的に表す表現になります。"Wild West"の使い方の例は、"It was a bit of the Wild West during the initial Covid vaccine roll out, with left over doses being offered to people without appointments.(新型コロナウイルスのワクチンの一般向け接種が始まったときは、ちょっと無法地帯のようだった。何故なら、残った分量が予約なしの人に提供されたからだ)"や、"Japanese people are so disciplined and organized that even during a crisis Japan will never be the Wild West.(日本人は規範を守り統率がとれているから、たとえ危機の中でも無法地帯になることは決してない)"等です。


加藤友朗(かとう・ともあき) コロンビア大学医学部外科学教授。1963年、東京都生まれ。東京大学薬学部卒。兵庫県市立伊丹病院研修医やマイアミ大学医学部等を経て現職。著書に『赤ちゃんを救え!移植病棟24時』(集英社文庫)・『"NO"から始めない生き方 先端医療で働く外科医の発想』(ホーム社)等。


キャプチャ 2021年4月29日号掲載

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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